【2023年7月】フィリピン国鉄④ Lucena→Hondagua 鉄道休止区間を秘境トロッコで疾走

2023/07/08 - 2023/07/08

フィリピン国鉄④です。
今回は列車というより、トロッコです。秘境鉄道の旅です。
起点のTutuban(ツツバン)から列車でLucena(ルセナ)まで来ました。
ここから南はビコール地方の一部を除き、フィリピン国鉄(以下、PNR)は長年列車を運行してきていません。
台風被害等で線路が被災し、再開されずにいます。
マニラ～レガスピのPNR南方本線ですが、某ブログから、中間に位置するHondagua(ホンダグア)に気になるものが見つかりました。
それを見に、Lucenaからさらに南へ向かいます。

エリア ルソン島(フィリピン)

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス 徒歩 バイク
• 旅行の手配内容: 個別手配

PNRのLucena駅からトライシクルに乗ってバスターミナルまで来ました。

立派なバスターミナルです。
Lucena Grand Central Terminalです。

Jollibeeもあります。
ここで朝メシ。

行先が大きく書かれたフィリピンのバスは、わかりやすく乗りやすいです。
10時、“Lopez”や“Calauag”と書かれていたバスに乗りました。
どちらの地名もPNRの駅がある街です。

13時、終点のCalauag(カラウアグ)に着きました。
Hondaguaにも近い街です。
Hondaguaに行く長距離バスは無さそう。

そんな大きくはない街です。
Hondaguaに行くには列車に代わるトロッコがあるはず。探してみます。

線路のほうへ歩いていると踏切を発見。
人が集っていた商店に聞くと、「Hondagua行くなら、もう一本奥の踏切だ」という風に叫び返されました。なるほど…

商店の人がトライシクルに乗せてくれました。ありがたい。
無事、Hondagua方面へ行くトロッコの乗り場に到着です。

旅行客が相当珍しい様子。
フィリピン人は旅行者に若干緊張しいです。ハニカミ笑顔で話しかけてくれます。可愛らしい。
身内ではワイワイガヤガヤ楽しそうにしていますが。
すぐにトロッコを用意してくれました。

Hondaguaへ出発です。
乗客は私を含め3人、若い運転士が2人。

フィリピン国有鉄道 / PNR 鉄道系（地下鉄・モノレールなど）

線路沿いは住居があったりで、結構面白いです。
トロッコも沢山置かれています。
各家庭に1台といった感じのよう。

14時、着きました。
トロッコのHondagua駅らしいです。
こちらはトロッコ交換風景。荷物や乗客が多いトロッコが優先で、少ないほうのトロッコは一度線路から外します。私のトロッコは右側。外してますね。
PNRのHondagua駅は少し先です。

軌道は結構ボロボロ…
これでもたまにPNRの列車が通るらしい。

PNRのHondagua駅はあと少し。
分岐があります。
右に折れるのは海岸へ伸びる製粉工場の専用線っぽい。

PNRのHondagua駅に着きました。
Calauagから150ペソでした。運賃は運賃表に定められていて安心です。

PNRの古い客車が置かれています。

JRからの14系寝台車。
床下にヤギがいます。

いました！
Hondagua駅の目玉でもある、流線型の客車。
これを見にHondaguaまで来たのです。
かっこいい～

PNR黄金時代を感じされるステキな客車です。
どういう使われ方をされていたのかはわかりませんが、当時は等級別に分けられ、一等車とかだったのかな？
とにかくカッコいい…ヨーロッパ風です。
車内に入ることは出来ませんでした。

オハネ14 63
ビコールエクスプレス塗装です。
また運行される日は近いのか…？

列車を撮っていると少年が登場。
列車が好きな鉄道少年でした。

「あれ乗れるよ」と案内してくれました。
かなりピカピカの保守用車です。
列車は運行されず休止中とはいえ、PNRの管理が及んでいることだけはわかります。

車内もきれい。

14系はボロボロ…
JR時代には尾久に所属し、寝台特急北陸で使われていたようです。

オハネ14 63の反対側。
ビコールエクスプレス乗ってみたい…

14系は施錠され車内へは入れず。

日本車輌製の操重車。

貨車にPCマクラギが積まれていました。
きっとマニラあたりから運ばれてきたのでしょう。早く修繕され、南方本線の全線が再開したら嬉しいです。

朽ち果てたHondagua駅の駅舎。
奥には海が望めます。

チンチンです。
PNRの駅舎は、どこも豪勢でデザインもいいです。
ボロボロなのが残念…

素晴らしい眺め…
Hondagua、のどかなノンビリした時間が流れています。PNRの駅舎を背に、この景色を眺めながら、一服…最高の時間でした。

ヤギいます。

鉄道少年、ずっと案内してくれます。

オハネ14 91
こちらも元.北陸用の客車。

駅舎前の本線はトロッコの通り道。
定期列車はなくても、マニラ～ビコール間の回送列車が通ったりするようなので、本線は割と整備されています。

おじさん乱入。
「オレを撮ってくれー」とな。
このあと一緒に一服しました。

そろそろHondaguaを離れます。
Lopez(ロペス)へ向かうトロッコの乗り場まで、おじさんと、鉄道少年に連れて行ってもらいます。

Lopez行きに乗れました。
運転士は1人です。
右手に海が見える区間もありました。

広い空、よく晴れて気持ちいい。
暑いけれど南国の風が最高です。

交換風景。
対向トロッコは満員です。

野良犬多め。

足漕ぎトロッコも通りました。
PNR無き今、トロッコは貴重な地域の足です。

橋を通る時は少し緊張。
軌道の整備状態も悪く、継ぎ目では大きな衝撃がありますが、ガタンガタンと心良いジョイント音。

Lopez駅に着きました。
Hondagua~ Lopezも150ペソ。

Lopez駅は駅舎もホームも整備されています。
今にも列車が来そう。
やはり南方本線の全面的な運行再開は近いのか…？

もう16時、マニラへ帰ります。
トライシクルで、街から離れた交差点のバス停に来ました。
「ここにいれば来るよ」と近くの人が教えてくれました。
屋台が来たのでフライドチキンとフィッシュボールを調達。フィッシュボール美味しかった！1つ1ペソだったので大量に食べてしまいました。

マニラのCubao(クバオ)行きでした。
Lucenaで降ろされました。並行するCubao行きに乗り換えとのこと。お客さんを1台のバスにまとめるというワケですか。

みんな降ろされて不機嫌です。

乗り換えました。
こちらは冷房が効きすぎてて寒い…

Calamba手前で15分ほどの休憩。
トイレに行ったり軽食を摂ったり、みんな好き好き時間を過ごしています。
私もカップラーメン片手に一服。こういう時にフィリピンのバラ売りタバコは便利です。飛ぶように売れてました。

お客さんを拾ったり、謎の長時間停車もあり、Lopezから8時間ほどでした。
0時、マニラのCubaoに到着です。疲れた…
深夜でも人通り.車通り、絶えないマニラです。

夜のマニラは治安も悪く、ささっとGrabでホテルに直行しました。
マラテにあるHeroes Hotelです。きれいで快適。
1Fのセブンで夕飯を調達しました。
フィリピンの田舎を感じられる、とても充実した楽しい1日でした。

この旅行記へのコメント （3）

• サライさん 2023/08/26 09:07:02

  とりつかれてしまいました

  素敵な旅行記をありがとうございました。とりつかれてしまいました(笑)
  自分は鉄道については詳しくないですが、目的にされた流線形の車両は、写真を拝見するに"確かに見るべし！欧州の旅行スタイルを偲ばせるな"と感じました。
  流麗な文章と空気感を感じさせる写真群がとても心に入ってきて、数回に渡り読ませてもらっています(笑)
  私も若くない歳ですが、今年中にcalambaまでを辿ってみたいと計画を練っています(^^)
  どうもありがとうございました！！

  RYEさん からの返信 2023/08/26 14:10:35

  Re: とりつかれてしまいました

  コメントありがとうございます！
  なかなかウォッチ数も伸びす、凹んでおりました。サライ様のコメント、大変励みになりました！！
  情報が少ないフィリピンの鉄道ですが、魅力満載ですので、ぜひお出かけください。
  また、何か現地のことでお困りの際には、コメントいただけたらと思います。
  ありがとうございます！

  サライさん からの返信 2023/10/21 14:43:00

  Re: とりつかれてしまいました

  RYE様
  ただいま帰国しました。あまり計画をせず、水曜日の夜発／土曜日早朝帰りの弾丸でマニラに行ってきました。
  結果、残念ながらPNRに乗れず、ホームに行って線路の続く先を想像したのみです。。。十分に調べる時間が取れず、facebookでPNRの日毎に変わる時刻表も押さえずに行ったので、Vito Cruz駅のホームで待っても乗客も現れず、の惨憺たる状況を味わってしまいました。
  何か、来月11月からはイノベーション工事のために５年くらい運休するとのこと。新しくなってもRYE様が撮られたあの景色⚫人間味はなくならないと思いますので、その際には是非とも再トライしようと思います。
  重ね重ね、良い旅行記と人の熱を感じる写真をありがとうございました！！
  次を書かれるのを楽しみにしております(笑)