2021/04/02 - 2021/04/02
10位(同エリア149件中)
かっちんさん
鳥取県東部にある「若桜町」は、中世期に若桜鬼ヶ城が築かれ、城下町、宿場町として整備されたところです。
明治時代には度重なる大火を経験し、当時の住民が中心となり、防火対策を盛り込んだ復興計画が、現在の町並みの基礎となりました。
本通り沿いに伝統的な町家が建ち、敷地背面側には土蔵が建ち並び、その北側の裏町通りを挟んで4つの寺が並びます。
この通りは、蔵通り、寺通りと呼ばれています。
防火対策には、それまで藁葺だった屋根を杉皮、瓦、板とし、本通り沿いの家屋は敷地境から下げて建て、家屋正面に庇と用水を設け、生活用水として利用します。
若桜町は城下町・商家町として歴史的な風致をよく伝えることからも国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・若桜町観光協会「まちあるきマップ」「国選定重伝建地区 若桜町若桜」「若桜民工芸館」「若桜町観光パンフレット」
・閑古鳥旅行社「若桜町若桜」
・奈良文化財研究所「現代の町並みにみえる江戸・明治の都市計画-若桜町若桜宿の調査から-」pdf
・若桜町「保存活用計画の基本事項」pdf
・日本マンホール蓋学会「八頭郡若桜町のマンホール」
・鳥取県「因州若桜焼」
・わかさ観光ガイド「大坪英治」:若桜焼、「宮本製菓店」
・4トラベル「雁木の街並みを受け継ぐ越後高田(新潟)」
・古民家探訪「町家の格子の役割と種類。職業別で変わるデザイン」
・杉板くんの京町家改修用語集「親子格子とは?」
・国交省「夢街道ルネサンス」のHP
・お散歩 Photo Album「煙出し櫓1」
・とっとりずむ「若桜民工芸館」
・ワシモのHP「若桜民工芸館」
・若桜鉄道のHP:沿線各駅情報、登録有形文化財ご紹介
・ウィキペディア「県民の建物100選」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
満開の桜が出迎える「若桜駅」
若桜鉄道の終点「若桜駅」です。昭和初期に国鉄「若桜駅」として開業しました。
駅の鉄道施設の見学を終え、これから古い町並み巡りを始めます。 -
若桜町のデザインマンホール(駅前通り)
若桜町と養父市の県境にある氷ノ山(ひょうのせん)、八東川(はっとうがわ)を泳ぐ名物の鯉、雪の結晶、外周に町の木サクラをデザインしています。 -
「西町」散策(若桜町)
最初に駅前通りの西側にのびる「西町」を歩きます。
道の脇には水路が流れています。 -
水路にある「芋洗い水車」(西町)
綺麗な水路の証拠です。
右側のスコップは水流の強さか水量を調整しているのでしょうか? -
「因州若桜焼き」の工房(西町)
土鈴を製作する工房を見つけます。
昭和51年(1976)に鳥取県伝統工芸士「大坪英治」氏が始めた、茶道具と郷土の歴史や祭礼縁起、干支にちなんだ土鈴作り。 -
「杉玉」(西町)
民家の入口にある「杉玉」。
蔵元ではないので、何かのお守りかも知れません。 -
イチオシ
「蔵通り・寺通り」の入口(駅前通り)
駅前通りに戻り、これから東側の「裏町通り」を歩きます
通りの右側に蔵が、左側に寺が並んでいるので、通称「蔵通り・寺通り」と呼ばれています。
だっこちゃんみたいに引っ付く鬼は、若桜町のマスコットキャラクター「若鬼(わかき)くん」。
髪の毛と顔は柿にそっくり・・・
もう一人のキャラクター「桜子ちゃん」も町のどこかにいるはずです。 -
美しい花で彩る蔵通り入口(下町)
ここは下町(しもまち)です。 -
立派なお屋敷の門(下町)
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板塀に囲まれたお屋敷(下町)
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「蓮教寺」と枝垂桜(下町)
通りの左側に並ぶ一つ目の寺。
文明9年(1477)日蓮宗により建立したのがはじまり。
明治の2度の大火により類焼しましたが再建立しました。 -
見事に咲き誇る「枝垂桜」(蓮教寺)
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二つ目の寺「正栄寺」(中町)
浄土真宗の寺で、明治の大火により類焼しましたが復興。 -
蔵通りの「土蔵群」(中町)
「正栄寺」の向かい側(通りの右側)あたりが、土蔵の町並みの始まり。 -
「旧家の白壁土蔵」(中町)
かつて城下町・宿場町の名残りとして、「旧家の白壁土蔵」が約300m続きます。 -
「土蔵の妻面」(中町)
壁は漆喰で塗りこめ、腰部分は下見板張りや竪板張り。
左側の土蔵から外壁内側の様子がわかります。 -
イチオシ
「土蔵が続く町並み」(中町)
大火後の議決書で決められた防火対策により、町家の裏には土蔵を建て延焼防止を徹底しました。
裏町通りは「土蔵が続く町並み」です。 -
「なまこ壁」の装飾(中町)
土蔵横にある裏門は「なまこ壁」で飾られています。 -
「黒い竪板張り」の静かな町並み(中町)
蔵の脇には用水が流れています。 -
周りの黒に溶け込む「木戸の裏門」(中町)
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お洒落な裏門(中町)
水色の壁に鏝絵(こてえ)を飾った裏門。 -
二階建ての土蔵(中町)
小さな目に大きな鼻と口の顔に見えませんか・・・ -
蔵窓の装飾(中町)
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石積みの土台に建つ土蔵(中町)
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蔵通りを歩く学校帰りの女学生(中町)
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三つ目の寺「西方寺」
天文年中(1532~1554)には寿命院二尊寺と称し、その後浄土宗の不遠山「西方寺」と改称。 -
四つ目の寺「寿覚院」(上町)
慶長9年(1604)若桜鬼ヶ城主、山崎甲斐守家盛の妻自ら開基し「寿覚院」を創建。
享和2年(1802)現在地に移り、明治の大火により焼失しましたが、再建立。
蔵通りは「寿覚院」まで。 -
「寿覚院参道」(上町)
「寿覚院参道」を通り、本通りへ向かいます。
本通りから裏町通りにかけて、短冊状の敷地割りがなされています。
このあたりは「上町(かんまち)」。 -
「なまこ壁」の建物(本通り)
「寿覚院参道」入口にある民家です。
改修されているようですが、「なまこ壁」が残されています。
ここから駅前通りに向かって歩き、町並みを見学します。 -
伝統的建造物の町並み(本通り、銀行前バス停)
通りに面している町家の主屋は、木造二階建、切妻造、平入。
主屋の前に「カリヤ」と呼ばれる吹放しの差し掛け庇が設けられています。
雨の日でも傘無しで歩ける豪雪地帯ならではのアーケードです。
新潟県の高田にも同じような「雁木(がんぎ)」があります。
「カリヤ」の続く本通りは、「仮屋通り(かりやどおり)」と呼ばれています。 -
越後高田の「雁木の歩道」(2016年6月17日訪問)
高田には雪国の冬期間の生活道路として造られた雁木があり、日本一の長さ(約16km)です。
旅行記にしているので、ぜひご覧ください。
『雁木の街並みを受け継ぐ越後高田(新潟)』
https://4travel.jp/travelogue/11145787 -
主屋の正面(本通り、銀行前バス停)
大きなガラス引き戸の玄関、窓には格子があります。 -
気になる暖簾(本通り、銀行前バス停)
「醸造元 まるサ 因居屋」と書かれています。 -
イチオシ
「親子格子」なので、呉服屋さんだったかも(本通り、銀行前バス停)
<格子のうんちく>
格子の種類は「親子格子」で、太い親竪子(たてご)の間に細く上部が切られた子竪子(切子格子)が複数本入っています。
上部に採光しやすい隙間を作り、主に反物や針仕事などの手元をよく使う繊維関連の店に使われました。
切子の数で職業がわかるようになっており、切子が2本なので「呉服屋格子」と呼ばれています。 -
菓子処「みやもと」(本通り)
昭和24年(1949)創業の和菓子屋さん。
看板商品は余計な添加物を一切使用しない「とち羊羹」。 -
「とち羊羹」(宮本製菓店)
若秋に深山で採取した栃の実を独特の製法で加工した「とち羊羹」。
ほろ苦い栃の風味が自慢です。 -
「氷ノ山羊羹」(宮本製菓店)
地元産の小豆を使った「氷ノ山羊羹」。 -
「若桜清流通り」(本通り、中町)
若桜宿の土蔵、水路、及び仮屋等の古い町並みが、平成19年(2007)に「夢街道ルネサンス」として認定されました。
「夢街道ルネサンス」は、歴史や文化を今に伝える中国地方の街道を選び認定しています。
「若桜宿」は、上方への脇街道として因幡から但馬・播磨への交通に利用された「若桜往来」にあります。
江戸時代以前は城下町、以降は宿場町として発展。明治時代に大火に二度みまわれたことから、防火対策を盛り込んだ町並みが残されています。 -
イチオシ
伝統的建造物の町並み(本通り、中町)
町家の主屋は木造二階建、切妻造、平入。
屋根の上に煙出し櫓があり、なまこ壁の装飾がお洒落です。
主屋の前に「カリヤ」と呼ばれる吹放しの差し掛け庇が設けられています。 -
案内板「県民の建物100選」若桜町カリヤ通り(本通り、中町)
「県民の建物100選」は、鳥取県が県内にある優れた建築物を再認識するため、県の建築文化を形成したり新しい文化の創造に寄与するような県を代表する建築物100箇所を選定したものです。 -
重厚な趣きの町家(本通り、中町)
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美しい町家(本通り、中町)
赤い石州瓦の屋根に、なまこ壁、格子が美しい町家の主屋です。 -
お隣は格子に囲まれた主屋(本通り、中町)
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「若桜民工芸館」(本通り、中町)
「若桜民工芸館」は、大正8年(1919)に建てられた古民家「旧中尾邸」を改修し、平成27年(2015)にオープン。
土鈴や絵馬などの民工芸品を展示しています。 -
イチオシ
「十二支の土鈴」(若桜民工芸館)
鳥取県伝統工芸士「大坪英治」氏の作品です。 -
「十二支の土鈴」(若桜民工芸館)
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愛嬌のある「鬼土鈴」(若桜民工芸館)
三重県伊賀上野の「前川尚三」氏の作品。 -
趣きのある中庭(若桜民工芸館)
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蔵のある中庭(若桜民工芸館)
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休憩交流処「かりや」(本通り、中町)
明治中期の建物を復原改修し、飲食店・休憩所として活用されています。
杉玉が飾られ、切子が2本なので「呉服屋格子」ですね。
国の登録有形文化財。
「とんかつ新(あらた)」のとんかつは、若桜町吉川の豚を使用し、低温でじっくり揚げ余熱で火を通すことで吉川豚のもつ旨み、柔らかさを引き出しています。 -
イチオシ
「昭和おもちゃ館」(本通り)
明治中期の建物を復原改修し、駄菓子の販売や昭和期の懐かしい玩具などを展示。 -
「いやし地蔵」(昭和おもちゃ館)
眺めているとほっとします。 -
大きめの「キューピーちゃん」(昭和おもちゃ館)
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ペダルカーに乗った「サトちゃん」(昭和おもちゃ館)
すべて懐かしい昭和の玩具です。
防火対策から生まれた明治期の町家と土蔵の町並みを歩くことができました。
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