2021/04/02 - 2021/04/02
13位(同エリア149件中)
かっちんさん
鳥取県東部に位置する若桜鉄道、いよいよ終点「若桜駅」を紹介します。
ここには昭和5年(1930)開業当初の駅舎だけでなく、SL-C12形、転車台・給水塔などの鉄道施設が保存され公開しています。
国の登録有形文化財が8ヶ所もあり見学ができます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・若桜鉄道のHP:沿線各駅情報、登録有形文化財ご紹介、運行車輌のご紹介
・Yui「職人の技が生み出す美 伝統の幾何学模様にふれる「組子」体験」
・tripnote、鳥取観光「国登録有形文化財・若桜駅構内にオープン!「わかさカフェ retro」へ行こう【鳥取】」
・ゴハチハンターさんのブログ「鳥取 若桜鉄道の12系客車」
・4トラベル「奥出雲おろち号のトロッコ旅(島根)」
・JR西日本ニュース「トロッコ列車「奥出雲おろち号」特別運行について(6~7 月分)」2023/3/29
・日本車輌「鉄道知識の壺、客車を表す記号」
・東建コーポレーション、建築用語集「下屋」
・ものづくりウェブ、機械設計エンジニアの基礎知識「トラス構造」
・大正天びん製作所のHP
・日本を走る鉄道車両図鑑「若桜鉄道C12形」
・ウィキペディア「若桜駅」「若桜鉄道若桜駅」「国鉄12系客車」「奥出雲おろち号」「国鉄DD16形ディーゼル機関車」「国鉄C12形蒸気機関車」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
若桜鉄道の路線図
若桜鉄道(郡家~若桜)の終点が「若桜駅」。
郡家駅~丹比駅までが、鳥取県八頭郡八頭町。
若桜駅だけが隣の鳥取県八頭郡若桜町です。
当初国鉄若桜線として開業し、JR西日本を経て、昭和62年10月14日に第三セクター「若桜鉄道」に転換されました。 -
イチオシ
見事な桜が見守る赤い屋根の駅舎「若桜駅」
昭和5年(1930)12月1日に国鉄若桜駅として開業。
木造平屋建の本屋は、一部改造されながらも外観を大きく変えることもなく、若桜鉄道の本社機能と駅舎機能を有しています。 -
天高く伸びる桜(若桜駅前)
まるで若桜駅を訪れる人を出迎えてくれているようです。 -
「若桜三昧」の玄関(若桜駅)
玄関の上部には歴史を感じる駅名標「若櫻驛」。
両側には「満開の桜の中を走る若桜号」のポスター。
そしてホームには偶然にもブリティッシュグリーンの「若桜号」が停車し、まさに「若桜三昧」です。 -
お洒落な「わかさカフェ retro」(若桜駅)
玄関を入るといきなり目に付くのが「わかさカフェ retro」。
1年前(2020年3月)にオープンしたレトロ感あるカフェ。
きっぷ売り場横にあるカフェにはラウンジとライブラリー、店の向かい側に客席があります。 -
宮殿に来たような「きっぷうりば」(若桜駅)
-
幾何学模様の「組子細工」に囲まれた窓(中は駅務室)
水戸岡鋭治氏のデザインです。 -
ホームに停車する「若桜号」(改札口から)
駅構内の桜が満開です。 -
発車を待つ「若桜号」(ホーム)
前面窓下の「1930」は若桜線開業の年(昭和5年)。 -
懐かしい12系客車(駅構内留置線)
12系客車は、国鉄が昭和44年~53年(1969~1978)に製造された急行形座席客車。
手前から、スロフ12 3、オロ12 9、スロフ12 6。
かつてJR四国の「ムーンライト高知」などで活躍していた車両をグリーン車並みに改造しています。
<鉄道知識のうんちく>
客車を表す記号の意味と諸説ある記号の由来は以下の通り。
・スとオは積載重量を表し、「オ」が32.5~37.5tで大型のオ、「ス」が37.5~42.5tですこぶる大きいのス。
・イロハは等級を表し、「ロ」が当初2等車で後にグリーン車。
「イ」が当初1等車で後に「ロ」に格下げ、但し「ななつ星」で復活。「ハ」が当初3等車で後に普通車。
・末尾の「フ」は手ブレーキ、車掌弁を有する客車で、ブレーキのフ。 -
思い出の「奥出雲おろち号」(2013年5月3日乗車)
私は12系客車の急行「八甲田」「きたぐに」、快速「海峡号」、その他いろいろと乗っているのですが、デジカメに残っている「奥出雲おろち号」を紹介。
島根県の木次線(きすきせん)、三段式スイッチバックを走るトロッコ列車です。
窓のないトロッコ車両は「スハフ13 801」(スハフ12 148を改造)、その前に控車「スハフ12 801」をつなぎ、ディーゼル機関車DE10が牽引します。
なお、トロッコ列車「奥出雲おろち号」は、残念ながら2023年11月に運行終了予定です。
以前、旅行記にしましたのでぜひご覧ください。
『奥出雲おろち号のトロッコ旅(島根)』
https://4travel.jp/travelogue/10881629 -
ホームの屋根(若桜駅)
本屋の下屋(げや)状にトラス構造の屋根をかけています。
下屋は母屋の屋根より一段下げた位置に取り付けられた片屋根、またはその下にある空間のこと。
トラス構造は複数の三角形の骨組構造のこと。 -
屋根には「碍子引き配線」(ホーム屋根)
昔、よく見かけた電気配線です。 -
駅名標「わかさ」(ホーム)
隣駅は「たんぴ」だけなので、確かに終点です。
当初は若桜から先の兵庫県八鹿(ようか)、現在の養父市(やぶし)までの計画でしたが、着工されませんでした。 -
タブレット閉塞器(ホームに展示)
タブレット(通票)を使った昔の閉塞設備。 -
台秤(ホームに展示)
昔、鉄道で手荷物、貨物を取り扱っていた時、重さを量った台秤。
東京大田区に大正5年(1916)精密天びん製造専門工場として創業した「大正製作株式会社」があります。
現在は「大正天びん製作所」となっていますが、おそらくこちらの製品でしょう。 -
物置及び灯屋(ホームに隣接)
木造平屋建の長方形の建物。
ここには2つの部屋があり、奥側には信号灯の保管室、線路寄りには構内の腕木式信号を操作していた場所があります。
現在は物置です。 -
昭和の鉄道風景(駅構内)
国鉄時代に活躍したSLとディーゼル機関車が駅構内にとまっています。 -
線路と線路の間の「流雪溝」(駅構内)
線路に平行して設けられた、約278mに及ぶコンクリート造の「流雪溝」。
除雪された雪を流すための導水路です。 -
「入構券」の案内(若桜駅)
駅構内には鉄道施設と車両が保存されており、見学するには「入構券」300円が必要です。 -
桜の下でのんびり余生を過ごす機関車(構内)
ディーゼル機関車は「DD16 7」、蒸気機関車(SL)は「C12 167」。 -
ディーゼル機関車「DD16」の雄姿(構内)
ローカル線(簡易線)の無煙化を目的として製造された「DD16」。
軌道構造の弱い線区を走っていたSLのC12形やC56形の置き換え用として、昭和46年に登場。
私は高校生の頃、小海線や飯山線を走るC56の写真をよく撮りに行っていたので、SL廃止に追いやったDD16には嫌な思い出があります。
この「DD16 7」は、晩年、鉄道総合技術研究所で車両移動用入換機として使用されていたもので、平成24年(2012)に若桜鉄道に譲渡されました。 -
新旧の旅客車両(構内)
SL・機関車+客車の時代から、現在は気動車に変遷しています。 -
イチオシ
給水塔前に並ぶ「C12とDD16」(構内)
満開の桜の前でSLとディーゼル機関車の記念写真を撮ります。
若桜駅へやって来たピカピカの新入生の入学式みたいです。
この2両はかつて世代交代した関係だったのですが、今は仲良く余生を過ごしています。
給水塔はSLに給水するための施設で、鉄筋コンクリート造の基礎の上に、鉄製の円筒タンクを載せています。
SLの後部にあるタンクにホースをつないで給水するので、水を溜めている円筒タンクが高い位置にあります。 -
イチオシ
突然の桜吹雪を浴びるSL(構内)
桜吹雪が青空を舞い、真っ黒なSLに花びらが降りそそいでいます。
「C12 167」は、兵庫県多可町(旧加美町)から移設したもので、かつては鳥取機関区に所属し国鉄若桜線を走っていたことがあります。 -
線路が続く「転車台」(構内)
転車台はSLの方向を変えるための設備。
SLの載ったプレートガーターを、人力によって手押し棒を押して線路を180度回転させます。 -
SLの方向転換に必要な「転車台」(構内)
転車台の底はすり鉢状になっており、冬期は流水を導入して、融雪、凍結防止を図っています。
製造メーカーは川崎車輌。 -
イチオシ
桜が咲き誇る若桜駅構内
SLが活躍していた当時の鉄道施設(転車台、給水塔)とともに。 -
またまた桜吹雪(構内)
私も桜吹雪を体に浴び、桜の季節を満喫しています。 -
手押し棒を押して・・・(転車台)
一人では無理ですね。 -
若桜駅構内の片隅に定住するSL
SLの動力は石炭を燃やして発生した水蒸気の力で車輪を回すのですが、今は改良されてコンプレッサーのエアを使います。
不思議なことに煙突から煙を吐くのですが、これは薪を燃やしています。
SLとディーゼル機関車はイベントで動かし活躍しています。 -
桜が似合う美少年「C12 167」(構内)
国鉄C12形蒸気機関車は簡易線用に小型の「旅客貨物用タンク機関車」。
3つの大きな「動輪」に、ラクダのこぶのような「砂箱」と「蒸気溜」、運転室の後ろにランドセルのように背負ってるところが水と石炭を積載する「タンク」です。 -
手動転轍機(構内)
-
イチオシ
雪のように舞う「桜吹雪」(構内)
素晴らしい景色です! -
諸車庫(構内)
木造平屋建、切妻造鉄板葺の建物は、線路側を開放として、内部には保線用の車両等を収めます。
現在は線路点検用に軌道自転車2台と保線資材運搬用トロッコ2両が置かれています。 -
軌道自転車(諸車庫)
エンジン付きのようです。 -
美幸線廃線跡ののトロッコ王国(2015年8月28日乗車)
日本全国に廃線跡を利用したトロッコ体験の施設があります。
北海道の美幸線トロッコ王国、旧狩勝線エコトロッコ鉄道、秋田県の小坂鉄道レールパーク、神岡鉄道のレールマウンテンバイク、他など。
美幸線トロッコ王国はエンジン付トロッコで往復10kmの線路を走る体験ができます。
但し、自動車運転免許証を持っている方のみ運転できます。
以前、旅行記にしましたのでぜひご覧ください。
『国鉄美幸線廃線跡をエンジン付トロッコで運転体験(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11054957 -
「東の旧転轍手箱番所」(構内)
開通当時は、手動で転轍機を操作する係員が待機した1.7m四方の建物。
内部には腰掛が設けられています。
東西二ヶ所にあり、東の旧転轍手箱番所は昭和26年(1951)に建てられた縦の下見板の建物。 -
「西の転轍手箱番所」(構内)
昭和5年(1930)開業当時に建てられ、横張りの下見板の建物。 -
「国の登録有形文化財」の銘板(駅前)
若桜駅には鉄道施設の文化財が8ヶ所もあり、すべて見学することができました。
見応えがあります。 -
「隼号」(構内)
次の鳥取行きが待機しています。
この後、若桜町の町歩きをします。
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