2023/05/10 - 2023/05/11
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社交不安の持ち主1人が、秋のような風景が広がる5月の有明海周辺を巡る、3日間の旅行に出かけました。
社交不安を一言で説明するなら「人が怖い」ということになるのかもしれません。
人と接することが不安だったり、接していなくてもその視線が気になります。また、パーソナルスペースが広く、人が周囲にいるだけで落ち着かなかったりもします。特に同行者がいない場合、多くの人が何の気なしに行えることを行うのに、大きなエネルギーを必要とします。これらの特徴は、日常生活においてのみならず、旅行という場面においても大きな影響を及ぼします。
しかし、社交不安がどうあれ、非日常の世界に身を置き、いろいろなものを目で見たり耳で聞いたりすることには、言葉にし難い楽しさがあります。
この旅行記は、社交不安と豆腐メンタルの持ち主が、何の因果か手に入れた旅行という趣味を、自分なりに楽しもうとする記録です。ちょっと変わった宿に泊まり、人の少ない場所をこそこそと回りました。
このページでは、主に後半の福岡県での出来事について紹介しています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 私鉄 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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5月10日(水)
●佐賀駅バスセンター11:39 → 柳河保加町12:19 西鉄バス42
佐賀駅バスセンターから、西鉄柳川行きの西鉄バスに乗車しました。30分おきに運行されています。
佐賀県区間の乗客は自分も含めて2人で、途中からは1人だけになりました。1人になった途端、それまで「発車します」「(バス停を)通過します」と言っていた運転手さんの放送が雑になりました。
気持ちはわかります。
筑後川昇開橋を遠くに見ながら福岡県側に入ると、だんだん乗客が増えてきました。午前の授業がちょうど終わったようで、国際医療福祉大学前からは立つ人も多くなりました。
終点まで乗らず、数十円の節約と散策を兼ねて途中の柳河保加町で下車しました。立っている人の合間を縫ってバスを降りるのは大変です。 -
しばらく歩くと、水郷らしさのある風景が広がりました。よりきれいなところもどこかにあるはずですが、これも十分です。
周囲には住宅が建ち並んでいます。やはり蚊は多いのでしょうか。 -
亀が日光浴をしていました。
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柳川護国神社のそば、高畑公園の水路沿いにベンチを見つけたので、少し休むことにしました。橋が近くにないので、ぐるっと回ってたどり着きました。
ベンチに座ろうとすると、近くの細長いものに気が付きました。よく見ると蛇でした。
日光浴のお邪魔をしてしまい、蛇は茂みに戻っていきました。高畑公園 公園・植物園
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水辺だけあって蚊もいて、念のために持ってきた虫よけスプレーが活躍しました。蛇は、その後現れることはありませんでした。
対岸はたまに人や車が通りますが、こちら側はずっと1人だけでした。高畑公園 公園・植物園
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西鉄柳川駅に向かう途中、川下りの乗船場を見かけました。風情があります。
ただ、こういったものは社交不安には向いていません。知らない人と一緒に船に乗り、近くに船頭さんもいるのは落ち着くはずがないと容易に想像できます。柳川の柳 自然・景勝地
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●柳川13:27 → 大牟田13:41 西鉄電車急行
西鉄柳川駅から急行に乗り、大牟田駅へ向かいました。
途中の新栄町で多くの人が降りていきました。電車の窓から、駅前に落書きされたサンリブの廃墟があるのが見えました。事前に知っていたら、降りて見に行ったかもしれません。
大牟田駅のJR側では、ツバメが巣作りをしていました。
壁に土の跡がたくさん残っています。このあと、巣作りは成功したのでしょうか。大牟田駅 駅
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大牟田駅からこの日の宿まで、寄り道をしながら4.5kmほど歩きました。
大牟田市役所は立派な建物です。正面の階段には人が座っていました。 -
しばらく歩き、宮浦石炭記念公園に向かいました。
煙突が残り、炭鉱で使われていた車両なども展示されています。宮浦石炭記念公園 公園・植物園
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地下180mの坑道へは、この列車に乗り込んで坂道のトンネルを下ったそうです。
坂道に合わせて椅子が傾いています。宮浦石炭記念公園 公園・植物園
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塞がれてはいますが、トンネルの入口も残っています。
滞在中、この公園に人が来ることはなく、1人で感慨に浸ることができました。人がいないところはすなわち良いところです。
大牟田市の関連遺構では、三池炭鉱宮原坑という場所が有名で、世界遺産にもなっています。ただ、どうやらガイドの方が常駐していて、説明を受けることになるようです。そういう方式は落ち着かず、落ち着かないので説明も頭に残らず、疲れるだけになる恐れがあるので行きませんでした。宮浦石炭記念公園 公園・植物園
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人がいないので、いろんな写真が撮り放題でした。
車輪にはHITACHIと書かれていました。宮浦石炭記念公園 公園・植物園
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宮浦石炭自然公園からさらに歩き、早鐘眼鏡橋へ向かいました。1674年に日本で初めて造られた水道橋とのことです。
近くのバス停の名前にもなっています。柵があり、これ以上近付くことはできません。橋の向こう側では木を切る音がしていましたが、姿は見えませんでした。
しばらく大牟田川沿いを歩いていると、やけにタイヤが沈んでいるなと感じました。気のせいなのか、そうでないのかはわかりません。早鐘眼鏡橋 名所・史跡
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4.5kmを歩き切り、この日の「変わった宿」であるSpa Franping Village大牟田にチェックインしました。
キャンピングカーを使用した宿泊施設で、車両がずらっと並んでいます。ナンバープレートは見当たりませんでした。
大牟田天然温泉最高の湯の敷地内にあり、手続きは温泉のフロントで行います。
宿泊者には、チェックイン日からチェックアウト日まで温泉施設に入り放題というサービスがあります。しかし、この日は休館日でした。温泉施設は営業していない日には、代わりに家族風呂が1時間利用できます。
家族風呂の利用希望時間を聞き取ってもらえず、「ん?」と言われ、こちらも「ん??」と思いました。2日連続というのは、方言でしょうか、偶然でしょうか。
冬から夏前にかけての閑散期だったためか、1人1泊6400円という安価なプランが用意されていました。
(1泊6400円-じゃらんクーポン2000円-全国旅行支援880円+宿泊税200円=3720円 福岡の避密の旅地域クーポン2000円分付き)THE TRAILERHOUSE VILLAGE 大牟田 SPA 宿・ホテル
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キャンピングカーの中は、当たり前ですが、まさにキャンピングカーでした。
キッチンも、電子レンジも、冷蔵庫も、トイレも、シャワーも付いています。ベッドは3つもあります。これは何だ、あれは何だと、ボタンを押してみたり取っ手を引いてみたりしました。楽しい時間でした。
クーラーは、天井の備え付けのものと、追加されたと思われる一般的な家庭用のものがありました。
冷蔵庫にはミネラルウォーターが1本入っていました。
それに加えて、チェックアウト時に使用したベッドのシーツを外しておくことに協力する(と宣言する)と、お茶のペットボトルも2本もらえました。THE TRAILERHOUSE VILLAGE 大牟田 SPA 宿・ホテル
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バスタブは身体を浸ける想定ではなく、非常に低いです。
トイレは、いわゆるぼっとんトイレのようなものでした。本来はタンク行きだと思いますが、ここでは下水管につながっているのでしょう。天井には換気窓があります。THE TRAILERHOUSE VILLAGE 大牟田 SPA 宿・ホテル
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温泉施設の家族風呂は、自分でスイッチを操作してお湯を入れるものでした。お湯は自動で止まります。
内湯だけでなく露天風呂もあり、とてもすばらしいところです。個人的には、温泉施設入り放題よりも家族風呂1時間のほうが断然魅力的でした。人目も気にせず、1時間自由に過ごせました。
社交不安の人の宿泊は、休館日の第2水曜日がおすすめです。THE TRAILERHOUSE VILLAGE 大牟田 SPA 宿・ホテル
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キャンピングカーが立ち並ぶ光景は圧巻でした。
防音性能は高くなく、車内にいても周囲の宿泊者の音はよく聞こえます。しかし、これだけキャンピングカーが密集しているのは特殊な状況と言えるので、仕方がないとも感じます。THE TRAILERHOUSE VILLAGE 大牟田 SPA 宿・ホテル
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キャンピングカーの窓からは、かろうじてきれいな夕日を見ることができました。
佐賀のコンテナホテルと同じく、この宿泊施設を選んだのは、「このようなキャンピングカーに住むのはどんな感じか」を知るためでもありました。
このキャンピングカーは、このまま住めと言われても住めそうなぐらいに何でも揃っていました。収納もそれなりにあり、ベッドを潰せばさらに増えます。
懸念点は浸かれる浴槽がないことぐらいでした。また、先述の通り、周囲の宿泊者の音はよく聞こえました。THE TRAILERHOUSE VILLAGE 大牟田 SPA 宿・ホテル
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5月11日(木)
この日は、寄り道をしながら福岡市へ向かい、高速バスで広島へ戻りました。
●月見ヶ丘9:57 → 大牟田駅前10:08 西鉄バス25
●大牟田10:28 → 宮の陣11:00 西鉄電車急行
宿泊場所から大牟田駅まではまっすぐ歩けば3km少々ですが、路線バスに乗りました。大牟田駅からは、西鉄電車の急行に宮の陣駅まで乗車しました。
西鉄の改札口の駅員さんは、乗降客に「ありがとうございました」などの声をかけることはしないようです。
宮の陣駅からは新宝満川沿いを進みました。 -
宮の陣駅から1.3kmほど歩いて辿り着いたのが、宮入貝供養碑です。
人間に大きな影響をもたらす寄生虫の中間宿主であったがために駆除され、道連れに絶滅まで追い込まれた巻き貝を供養するものです。
「我々人間社会を守るため筑後川流域で人為的に絶滅に至らされた宮入貝(日本住血吸虫の中間宿主)をここに供養する」と書かれています。絶滅させられた側にとって供養は何の役にも立たず、心苦しいものがありますが、これからも少なくともこうした態度は持っていたいと思います。
この場所を知ったのは、Wikipedia三大文学のひとつ、「地方病 (日本住血吸虫症)」のページ(https://w.wiki/ph3)を読んだことがきっかけでした。とても読み応えのある記事です。
ここから「筑後川」のページ(https://w.wiki/6nTX)の「日本住血吸虫症の撲滅」の項目に飛んだことで、供養碑の存在を知ることになりました。 -
供養碑のくぼみには、蜂が巣を作ろうとしていました。
この穏やかな場所に、現在からは想像もつかない壮絶な歴史がありました。感慨に浸りたいところですが、近くにドッグランがあったために、あまり落ち着きませんでした。 -
近くには、川で遊ぶ時の注意が書かれた看板がありました。裏を返せば、このあたりで水遊びをすることには問題がない、つまり過去のように水に入ること自体を避ける必要はなくなっているようです。
宮入貝の絶滅によって、人間にとっては安全な環境が実現されています。 -
●宮の陣12:03 → 西鉄小郡12:09 西鉄電車急行
●西鉄小郡12:12 → 白木原12:45 西鉄電車普通
宮の陣駅からは、再び西鉄電車の急行に乗車しました。このような写真も、もっと上手に撮りたい気持ちはあれど、ハードルが高いです。
前日も含め、来る電車はロングシートのものばかりでした。次の西鉄小郡で転換クロスシートの普通に接続していたため、到着は遅くなるものの、普通列車に乗り換えることにしました。宮の陣駅 駅
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白木原駅で下車し、積文館書店で福岡の避密の旅地域クーポン2000円分を使用しました。
そこから交通量の多い県道を1.5kmほど歩き、大宰府を守るために築かれた土塁である水城を眺めました。かつては堀もあったそうです。
水城館という資料館の上には展望台がありますが、高さがなく、水城の様子はあまりよくわかりません。たまに人が来るので、あまりゆっくりもできませんでした。
景観に配慮して高速道路が低く通過しているのはよくわかります。水城館 美術館・博物館
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この展望台の東屋の柱には、手書きの地図が貼られています。地図の通り、展望台の背後、猪よけの柵の向こうには、より高い展望台に続く道なき道があります。
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尾根に沿ってそれなりの坂道を登ること10分少々で、2つめの水城跡展望台に到着しました。
眼下の水城台まで太宰府市のコミュニティバスに乗車すれば、もう少し容易にアクセスすることができます。 -
この2つめの展望台からは、細長く伸びる水城をはっきりと眺めることができました。誰もおらず、さわやかな風が吹き抜ける良い場所でした。
下りは、来た道を戻るのではなく、そのまま進んで水城台への階段を下りました。
階段を駆け下りていると、目の前の岩の上の細長いものに気が付きました。よく見ると蛇でした。
かなり近付いてからの発見にびっくりしましたが、蛇のほうもびっくりしたようで、岩の奥のほうへと引き返していきました。
2日連続で蛇の邪魔をしてしまいました。 -
水城台からは2kmほど歩き、JR水城駅から電車に乗りました。
下大利団地を東西に抜ける道路はなく、反対運動も行われているようですが、少なくとも歩行者や自転車は通行できるようになっています。
2023年6月現在、Googleマップで水城台から西鉄下大利駅やJR水城駅への徒歩ルートを検索すると、団地を迂回する遠回りルートが表示されます。実際の道のりは数百メートル短いです。 -
●水城15:00 → 博多15:23 JR鹿児島本線普通
●博多バスターミナル16:50 → 広島駅21:37 広福ライナー
水城から博多まで普通列車に乗り、博多バスターミナルからは16:50発の広福ライナーで広島に戻りました。ウィラーは午前便と夜行便のみで、午後出発の場合は広福ライナー一択になります。
平日のWEB割1で2600円、楽天トラベル経由の予約で500円クーポンを使用し、2100円になりました。
乗客は10人以下でした。通路を挟んだ座席には外国の男女が座り、ウィラーと違ってついたてがないので、少し気になりました。そのほか、2列前の女性がイヤホンから壮大に音漏れさせたり、広島到着前に大きめの鼻歌を歌ったりしていました。
心を守るアイテムとして、ノイズキャンセリング機能のあるイヤホンやヘッドホンの購入を真剣に考えなければならないと思いました。
今回の旅行では、人の多い場所や負担の大きい場所をできるだけ避けながら、興味のある目的地をこそこそと巡りました。2泊3日の駆け足ではありましたが、心に残る場面が多く、密度の濃い旅行でした。
この旅行記の写真には人がほとんど写っておらず、ぼかし加工は必要ありませんでした。いかに人の多い場所を避けてきたかがわかります。
ノイズキャンセリング機能のある装置の購入は、金銭面の課題から継続審議となりました。
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