2023/06/18 - 2023/06/18
1位(同エリア308件中)
旅猫さん
朝のNHKのニュースで、桶川市の『べに花まつり』について報じていた。以前、一度だけ観に行ったことがあるが、コロナ禍で三年連続で中止となっていたそうなので、久しぶりに観に行くことにした。とは言え、日曜日であり、テレビで放送されたので、混むことを予想し、早目に訪れることにした。
(2023.06.18 投稿)
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
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『べに花まつり』は、この土日だけ開催されていて、桶川駅の西口からシャトルバスが出ているそうだ。バス停に行くと、すでにバスが入っていたが、乗り込むと、乗客は私一人だけであった。その後3人乗って来たが、ガラガラのまま、9時10分に発車した。
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バスは途中、城山公園に停車。そこが、祭りの中央会場であった。ここで2人が降りたが、紅花はそこには無い。バスは、15分で鑑賞畑バス停に着いた。降りてすぐの場所に、紅花の畑が広がっている。一昨年、高崎線沿線の旅で近くを通った時は、コロナ禍で中止となり、何も無かった場所である。今年は、一面に紅花が植えられていた。
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紅花はちょうど見頃で、まさに満開である。しかし、畑には5人しかいなかった。おかげで、ゆっくりと花を観ることが出来る。
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紅花は、アフリカ原産のキク科の植物で、日本には5世紀には入っていたそうだ。咲き始めは、とても鮮やかな黄色の花を付ける。
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その後、徐々に赤味が加わり、色が変わって行く。赤味がかった鮮やかな橙色を経て、朱色から紅色になって行くのだ。
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鑑賞畑には、簡素な展望台が設けられていた。そこからは、畑全体が見渡せた。よく見ると、ここはまだ咲き始めの花が多く、全体的には黄色い花が多いようであった。
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9時38分のバスに乗り、一番広い畑へ向かう。バスはかなり混み合って来た。5分ほどで着いたが、降りたのは私だけであった。一番の見所なのだが、何故降りないのか不思議である。やはり、紅花を観ると言うより、店などが楽しみなのだろうか。畑は、バス停の目の前に広がっていた。
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こちらの畑は、かなり開花が進み、紅色の花が多いようだ。それにしても、人が少ない。畑にいたのは、私を含めても10人足らずであった。
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色合いがそれぞれ微妙に違うので、何と見えない色彩となっている。
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そして、見れば見るほど、不思議な花である。
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桶川で紅花が盛んに栽培されていたのは、江戸時代である。当時、出羽国最上地方に次いで、二番目の生産量を誇り、『桶川臙脂』として特産物となっていた。最上の紅花より、ひと月ほど早く収穫できるため、高値で取引されていたそうである。
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紅花は染料などに使われるが、口紅としても利用されていた。ただ、抽出される色素が少ないため、非常に高価なものであり、庶民には手の届かないものであった。
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江戸の紅屋『伊勢屋半右衛門』が売り出した『小町紅』が有名となり、京都でも製造され、良質なものは『京紅』と呼ばれた。現在でも、『伊勢屋半右衛門』から名を変えた『伊勢半』が製造販売している。その良質な小町紅は、光に当たると玉虫色に輝き、とても艶やかで美しいそうである。
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江戸時代の女性たちを魅了した紅花であるが、明治期に導入された化学染料に圧され、桶川の紅花栽培は終焉を迎えてしまう。当時の繁栄の名残りは、紅花商人たちによって奉納された石灯篭が、桶川稲荷神社に残るだけである。
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現在観ることが出来る紅花は、平成になってから復活させたものである。個人が残していたものや、山形県から譲り受けた種から増やしたそうである。10時8分発のバスで駅へと戻る。途中、城山公園を通ったが、駐車場に入り切れないほどの混雑である。公園は出店や催し物はあるが紅花を観ることはできない。肝心の紅花畑は人影も疎らであったので、可笑しなことである。江戸の文化や桶川の歴史を伝える紅花。その美しい花に出会えた週末であった。
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この旅行記へのコメント (4)
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- hot chocolateさん 2023/07/13 02:35:30
- 紅花
- 旅猫さま
ご無沙汰しています。
もう、梅雨が明けたかのような猛暑ですね。
紅花といえば山形県と思っていましたが、埼玉の紅花も見事ですね。
咲き始めの黄色から、花の盛りの紅色まで、様々な色合いの花が
見渡す限り咲いていて、しかも観る人は少ない・・・
最高ですね。
よく見ると、花の形もとてもユニーク。
今では化学染料が多く使われているのでしょうが、今でも高級品には
使われているのでしょうね。
hot choco
- 旅猫さん からの返信 2023/07/13 09:05:44
- RE: 紅花
- hot chocoさん、こんにちは。
書き込みありがとうございます。
今週前半は、酷暑でしたね。
昨日、地元では38度まで上がりました。。。
紅花の産地は、江戸時代、出羽最上(山形)と武蔵桶川(埼玉)が一大産地でした。
明治以降、化学染料の普及と宅地化のため、桶川の紅花は消えてしまいましたが。
現在、桶川では歴史を伝えるために、少量ですが観光用に復活させています。
紅花は地味な印象ですが、よく見るととても綺麗な花なのです。
咲き始めから終わりまで、色合いがどんどん変わるのが面白いです。
名前の通り、紅色の染料が採れますが、実はほとんどが黄色です。
ほんのちょっとしか紅色が採れないので、超高級品なのです。
江戸時代も、小判一枚で小さな貝にちょっとしか入っていませんでした。
今も、数万円します。
色は玉虫色(光沢のある緑みたいな)で、水に溶かすと艶やかな紅色になります。
最近では、京都の舞妓さんくらいしか使っていないのでは。
旅猫
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- ポテのお散歩さん 2023/06/19 00:43:10
- 紅花畑
- 旅猫さん こんばんは。
漠然と、紅花は山形へ行かなければ見られないと思っていました。
日帰りで行ける所に広い紅花畑があるのですね!
羨ましいです(^^)
佐伯泰英の 居眠り磐音シリーズで、紅花が出て来るシーンがあるのですが、
それを読んでから紅花畑を見たいとす~っと思ってるんです。
珍しい紅花畑に人が少ないのは不思議ですね(^-^;
でもゆっくり花を見ることが出来て、良かったですね。
私もいつか見てみたいです(*^-^*)
ポテ
- 旅猫さん からの返信 2023/06/20 07:40:56
- Re: 紅花畑
- ポテさん、こんにちは。
いつもありがとうございます。
紅花と言えば、やはり山形ですよね。
でも、実は、江戸時代の二大産地のひとつが桶川なのです。
中山道の宿場町で、江戸に近い上、最上地方よりひと月も早く収穫できるので、とても重宝されたそうです。
今観ることが出来るのは、最近整備された観光用の畑ですが、花の季節はとても綺麗です。
佐伯泰英の 居眠り磐音シリーズに紅花が登場するのですね。
紅花は、身分の高い人や豪商、吉原の花魁くらいしか買うことが出来ないほど高価なものだったので、庶民には縁のないものでした。
とは言え、花は誰でも観ることが出来るので、是非一度!
旅猫
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