2021/03/31 - 2021/03/31
34位(同エリア402件中)
かっちんさん
東津山駅と鳥取駅を結ぶ「因美線(いんびせん)」。その途中にある「美作河井駅(みまさかかわいえき)」は岡山県津山市の北東部に位置し、県境の物見峠をトンネルで抜ければ鳥取県です。
美作河井駅は昭和6年(1931)の開業。津山駅から因美南線が徐々に延び、美作河井駅が終着駅となりました。
昭和7年(1932)には鳥取駅起点の因美北線と接続し、因美線が全線開業しました。
「美作河井駅」は開業当時からの木造駅舎が今も使われており、駅構内には近代化遺産に認定された「手押し転車台」が残されています。
県道6号より少し離れた高台にある駅は、誰にも会わず、山里の風景に溶け込んでいます。
訪れたのは2021年3月末。春を迎える桜が満開となり、駅舎と共に出迎えてくれました。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・津山市「市営阿波バス時刻表」
・岡山で田舎暮らし「美作河井駅の近代化産業遺産」
・JR西日本「くまなくたびにゃんのプロフィール」「吉備之国くまなく旅し隊 ラッピング列車の運行について」
・岡山の街角から「美作河井駅」:駅名由来
・現地案内板、みまさかローカル鉄道観光実行委員会「因美線美作河井駅転車台」
・JR津山線はいいぞ!、因美線の歴史:8600、美作河井の転車台
・クレコ・ラボの智頭研究所「智頭町で体験できる杉玉づくりを紹介」
・鳥取県「サンドのポケふた」
・日本マンホール蓋学会「鳥取市のマンホール」
・ウィキペディア「因美線」「美作河井駅」「JR西日本キヤ143形気動車」「国鉄8620形蒸気機関車」
「国鉄キ100形貨車」「後藤総合車両所」「智頭駅」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
イチオシ
山里を彩る春のひととき(県道からの眺め)
因美線「美作河井駅」です。
隣の「知和駅(ちわえき)」で古い駅舎を見学後、石貼り橋脚の「松ボウキ橋梁」と鉄道写真を撮りながら歩いてきました。 -
桜もお出迎えしてくれる「美作河井駅」
-
ポツンと佇むバス停「美作河井駅」
平日に阿波(あば)、加茂方面を結ぶ市営阿波バスがやって来ます。
路線途中に加茂小学校と加茂中学校があり、通学に利用されています。 -
駅の玄関(美作河井駅)
玄関を入ると小さな待合室ときっぷ売り場、その先に改札口があります。 -
きっぷ売り場と改札口(美作河井駅)
現在は無人駅ですが、昭和45年(1970)まで駅員さんがいました。 -
大きなガラス戸の「手小荷物貨物取扱所」(美作河井駅)
宅急便がない時代は、荷物を駅から鉄道で送っていました。 -
美しい木目の扉(美作河井駅)
駅務室へ入る扉です。 -
窓から「くまなく・たびにゃん」がご挨拶(美作河井駅)
平成28年(2016)に開催した「晴れの国おかやまデスティネーションキャンペーン」を契機に、「吉備之国くまなく旅し隊」を結成。そこで活躍したのが「くまなく」と「たびにゃん」です。
「くまなく」くんは、各地の魅力をくまなく伝えるプレゼンテーター。
岡山のとある山に生息していたのですが、ある日、おなかがすいて駅の前で倒れていたところを駅員さんが発見。
きびだんごをもらって食べたら毛並みが黄色になっちゃったとか。
「たびにゃん」は、手荷物お預かりサービス「ねこのてステーション」のイメージキャラクター。
「猫の手も借りたいお客様を助けたい」という意味合いを込めた名称であることから、猫がモチーフになっています。 -
整理整頓された「清掃道具や雪かき」(駅務室の裏)
どうりで駅やホームが清掃されて綺麗です。 -
建物財産標を発見!(美作河井駅)
昭和6年9月30日建築の駅舎「本屋1号」を示す財産標。 -
落ち着いた雰囲気の「美作河井駅」(ホーム側からの眺め)
-
駅舎とホームをつなぐ構内踏切(美作河井駅)
-
イチオシ
昭和初期の風情が残る木造駅舎(美作河井駅)
-
丸太の電柱(美作河井駅)
-
片側だけ使っているホーム(美作河井駅)
岡山方面、鳥取方面の列車は、どちらも左側の線路に停車します。
昔は両側の線路を使って、上りと下りの列車が交換していた形跡がわかります。 -
JR西日本の駅名標「美作河井」
コーポレートカラーの青色ラインの駅名標。
駅名の「河井」は駅の東にある地区名「加茂町河井」から。
そして「河井」の地名は、物見川と阿波川の合流地点を意味する「河合」が転じたもの。
駅名に旧国名の「美作」がついているのは、すでに茨城県の水郡線に「河合駅」があったため。
なるほど・・・ -
桜が見守ってきた長いホーム(ホームの端からの眺め)
かつて長い編成の旅客列車や貨物列車が停車していたことが想像できます。
客車と貨車をつないだ混合列車も走っていました。 -
青空に向かってのびる「木製電柱」(美作河井駅)
今では珍しい「木製電柱」です。 -
「速度制限標識」(美作河井駅の線路脇)
黄色標識の「キヤ」はキヤ143形気動車のことのようで、除雪用に使用してきた従来のディーゼル機関車+ラッセルに代わる単独で動く「ラッセル形態の気動車」が走る時代です。 -
「美作河井転車台」の説明板(駅構内)
かつて鳥取から雪深い峠を越えてやって来た「SL+ラッセル車」が戻る時、方向転換に使われた「手動の転車台」。
近代化の流れによりディーゼル機関車の前後にラッセルをつける形に置き換わると、転車台が使用されなくなり、長い年月をかけて土中に埋まってしまいました。
その転車台は2007年、有志により掘り起こされ、2009年に近代化産業遺産の認定を受け、一般客に公開されるようになりました。
平面図に記載されている桁の長さは12.4m(=40フィート)であり、「40フィート転車台」と呼ばれています。 -
「40フィート転車台」はラッセル車の方向転換に使用(待合室に展示していた説明)
我が国のSL用転車台は、40フィート(ft)に始まり、50ft、60ft、20m、24mと発展しました。
40ft桁転車台は他に青森県の津軽鉄道に2基、愛知県の明治村に1基が現存。ほぼ原型を保つ可動桁は美作河井駅のものだけです。
明治初期に輸入された40ft桁の来歴はまだ解明できていません。
ここからは私の調べたことです。
因美線を走っていたSLを調べてみると、昭和10年に那岐駅に停車する8620形の写真がありました。(津山線はいいぞ!のHPより)
8620形SLの全長は16.75m。この長さでは40ft桁には乗らないので、ラッセル車の方向転換に使われていたようです。
当時使われていたと思われるラッセル車は「国鉄キ100形貨車」。全長は、11.011m-11.390mなので、40ft桁に乗ります。 -
「ラッセル車」とは(2011年7月29日別海町鉄道記念館にて)
この写真は北海道の旧標津線西春別にある別海町鉄道記念館に保存されているラッセル車「キ276」。
前面の排雪板で線路の雪をかき分け、左右についた翼で雪を線路の外に押しのけていきます
屋根に圧縮空気を溜めておくエアタンクがあり、空気圧によって翼などを動かしています。
このラッセル車は単独で動けないので、SLに押してもらいます。
鉄道記念館の様子は旅行記にしているのでご覧ください。
『町営バスで広大な別海町を満喫し、鉄道記念館を訪れます(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/10918929 -
ディーゼル機関車時代のラッセル除雪(2021年3月8日宗谷本線にて)
この写真は「DE15形除雪用ディーゼル機関車(ラッセル式)」。
新旭川を過ぎると旭川運転所の横を通るので、除雪に活躍する「ラッセル車」を見かけます。
ディーゼル機関車の前後に「ラッセルヘッド」を連結して除雪します。
宗谷本線の旅は旅行記にしているのでご覧ください。
『宗谷本線各駅停車の旅(旭川・名寄間)2021~廃止駅直前のお別れ旅~(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/11684688 -
イチオシ
「美作河井転車台」(駅構内)
線路のついた桁にラッセル車を乗せ、180度回転させて方向転換します。
桁を動かすのは人間。手押し棒を押して回転させます。 -
転車台の構造(駅構内)
真ん中部分を中央支承(ちゅうおうししょう)と呼び、支承を中心に桁は360度回転します。
桁の両端には車輪があり、その下には円形レールが敷かれています。 -
転車台の全景(駅構内)
転車台に進入する線路は撤去されています。 -
転車台に進入する時の感じ(駅構内)
-
今は使われなくなった線路(駅構内)
-
時代と共に草に覆われた路床(駅構内)
-
線路脇で見つけたスミレ(駅構内)
-
イチオシ
美しい桜が彩る「美作河井駅」
津山行きの列車が入ってきます。 -
桜の下に停車(美作河井駅)
-
イチオシ
満開の桜の駅を出発する因美線(美作河井駅)
-
智頭(ちず)行きに乗車(美作河井駅)
20分後、反対方向の列車に乗り、今晩の宿のある鳥取へ向かいます。 -
製造銘板(美作河井駅)
気動車キハ120は、平成8年「後藤車両所」の製造。
「後藤車両所」は、鳥取県米子市にJR西日本の車両基地と車両工場があります。 -
因美線の路線図(車内)
津山と鳥取を結ぶ因美線。美作河井は岡山県の最北部にあります。
智頭からは智頭急行から乗り入れている車両に乗り換えて鳥取へ向かいます。 -
「杉玉」を飾る智頭駅(智頭駅に到着)
「杉玉」は杉の枝葉の色が緑から茶色に変わる頃に、おいしいお酒ができていることを知らせるために、酒蔵に飾られます。
智頭町は「すぎのまち」として地域づくりを行っており、家々の軒下に「杉玉」がぶら下がっています。
と言うことで、智頭駅ホームにも。 -
智頭駅の駅舎
因美線智頭駅は大正12年(1923)の開業。
平成6年(1994)に智頭急行智頭線の開業により、智頭駅が乗換駅になります。
智頭のふりがなは、町名が「ちづ」ですが、駅名が「ちず」で不思議・・・。 -
ポケモンマンホール「ポケふた」(智頭駅前)
とっとりふるさと大使の「サンド・アローラサンド」が、鳥取県内のいろんな町でいろんなポケモンと仲良く遊んでいる姿が描かれています。 -
鳥取行きは「智頭急行の車両」(智頭駅)
この列車で鳥取へ向かいます。
今晩の宿は東横INN鳥取駅南口。 -
夕食は「魚鮮水産」(鳥取駅北口)
-
配膳で活躍する「鮮ちゃん1号」(魚鮮水産)
-
鰹のたたき定食(魚鮮水産)
高知産鰹の旬の味をいただきました。 -
デザインマンホール(鳥取駅前)
鳥取に伝わる伝統芸能「因幡の傘踊り」に使われる傘をデザイン。
「おすい」ではなく「うすい」の文字は間違い?
よく考えれば「うすい」は雨水のことなので納得。
因美線の風景や駅舎は、昭和の鉄道を思い出させてくれました。
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
津山(岡山) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
44