2023/04/08 - 2023/04/10
153位(同エリア1107件中)
willyさん
- willyさんTOP
- 旅行記111冊
- クチコミ130件
- Q&A回答8件
- 121,461アクセス
- フォロワー41人
もう何回も参加しているアクトレップ主催のウルトラウォーク。
次はどれにいこうかな~とすでにクセになってしまっていて、だいぶ以前から琵琶湖の大会に行こうと思っていた。
アクトレップさんは大阪の会社なので勢い関西圏の開催が多く、交通費宿泊費などよーく考えてからの選択となる。
琵琶湖はいつも通過するだけでちゃんと立ち止まってみたことがない。かつ、折しもこのところ、良く拝見するトラベラーさんの旅行記で数本琵琶湖関連を拝見して興味も高まっていた。
当日早朝の新幹線に乗れば受付にはなんとか間に合うのだが、旅行支援がまだ使えてお安く泊まれることもわかって急遽前乗りと決めた。
ところが琵琶湖周辺、とくに大津方面はやたらお高いのしか残っていない。大会当日は寝ないで歩くので前夜はちゃんと寝ておきたい。となると到着時刻に無理がない、かつリーズナブルなお値段というので探したところ彦根の宿がなんとか見つかる。
ゴール後もそのまま帰宅も可ではあったが、状況によってはできればもう1泊して、見られるところは見たいと思っていたのであらかじめ休み確保。
結果、彦根城・安土城跡・鉄砲博物館の3つを回ることができ、これまでほとんど知らなかった琵琶湖とその周辺について見聞を深めることができた。
大会のほうはカナダスキーから痛めている膝の調子が思わしくないのと、山仲間も参加したのでぼちぼちペースで記録狙いはしなかったけど、相変わらず走る人が多いみたいでどうなんだか。
ダメージはほとんどなく、タール〇も今回はごく一瞬。それというのも食べられたからだろう。寒かったせいかいつも襲われる眠気も来なくて楽だった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 3.5
- グルメ
- 3.0
- ショッピング
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
- 交通手段
- レンタカー 新幹線
PR
-
というわけで、前夜は19時頃のひかりに乗って米原から琵琶湖線で彦根へ。
ひこねステーションホテルという古いホテルで実質1000円で宿泊。当日朝は琵琶湖線とバスで、スタートのびわこ浜大津駅まで。
ほ~。こんなところですか。初めてきました。
旅行支援では宿泊に1000円の補助、お買い物に翌日まで有効な3000円の補助。
とはいえ翌日はずっと歩いているから買い物といってもどうしたらいいのか、どこでつかえばいいのか、ちょいと困った。(使い道は後述) -
スタート会場の琵琶湖汽船ゲート前広場。きれいです。
が、すぐそばにコンビニはなく、徒歩5分ほどのところまで買い出し。
主催者では「琵琶湖1周」と銘打っていますが、実際は浜大津から高月駅まで、琵琶湖の東側半周100㎞の大会です。
歩いたうちのほんのちょっとだが中山道と被るようだ。
中山道の終点は草津だと初めて知る。 -
出発時は動いていなかったけど、こんな船が発着しているようだった。
南湖には特に、若狭湾と上方をつなぐため、大津や堅田という内水系の需要な港湾が発達したのだそうだ。 -
スタートは2部の10:05。
今回は定員150名に対して、登録ゼッケンは270番まで。
人気らしい。
この日、他のレースと被っていたのだが、真夜中すれ違ったその人たちは驚異の150㎞のマラソン。後で調べたら琵琶湖ほぼ1周だそうだ。すごい人たちがいるもんだ。
しかもこの日から翌日まで、天気予報は晴れにもかかわらず、強烈な寒気が入って大荒れ。断続的な20m/sはあろうかという暴風雨に途中小粒の雹も一瞬吹き付ける大変な荒れ模様で、大会中止になるんじゃ?と思うようなコンディション。冷え込んで、ずっと防寒着を着ていても汗ひとつ「かけない」寒さだった。
普通は第1エイドまでの間にペットボトル2本近く飲むのに、今回はゴールまで600ml1本飲み切らず。 -
琵琶湖でまず思ったのが、最近トラベラーさんの記録でよんだ琵琶湖疎水と三井寺。どちらも以前から気になっていたところ。時間があれば行ってみたかったが今回は叶わなかった。三井寺といえば近江八景。今回は瀬田の唐橋だけが被るので楽しみにしていた。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%BF%91%E6%B1%9F%E5%85%AB%E6%99%AF
近江八景は愛読書、團伊玖磨氏の「パイプのけむり」に登場して知っていた。
中国の真似をして、水辺の美しい光景を選んで集めたものを近江に当てはめた、日本最古の八景なんだそうで、以下。
瀬田夕照、唐崎夜雨、粟津晴嵐、堅田落雁、比良暮雪、石山秋月、矢橋帰帆、三井晩鐘。
何と美しい響きだろうか。文字をみるだけで風景が目に浮かぶ。
でも実際の瀬田の唐橋は写真のようで、想像していたような風情はなかった。
同じように粟津の松林もほぼ消失、矢橋の港も埋め立てられて名前が残るだけ、と時代が変わって仕方がないのだろう。だからこそ変化の少なそうな三井寺や石山寺は別の機会に行ってみたい。 -
わが埼玉・戸田も同じく有名で全日本大会などが開催されるようだが、琵琶湖はボートのメッカだ。漕艇部も山岳部と同じく、憧れの大学運動部である。
自分の環境にあったなら(時代・性別なども含め)やってみたい世界だった。
行きの新幹線でも歩いている間も、ずっと頭に流れるのは「琵琶湖周航の歌」。
京大ボート部の小口太郎(作詞のみ)により大正時代に生まれた名歌である。
琵琶湖の南湖(琵琶湖大橋より南側)にぐるりと、各大学・各団体の艇庫があり、部員たちが集っていたが、前述のような荒れ模様の為練習にでられないでいるようだった。
琵琶湖には西から比良おろしが吹き付け、もともと風が強いところなのを知る。と~~~~~にかく本当にもんのすごい烈風でまっすぐ歩けず、時折押されて車道側によろけるので柵の手すりに摑まる始末。 -
こんなかわいいのしか撮れなかったが、雨にまじってこの水しぶきに絶えずさらされる。空は晴れているのに雨に降られる。
青空と日光が降り注ぐ見た目と実際の過酷な状況が折り合わず、頭がバグる。
この手前第1エイド9㎞地点のファミリーマート玉野浦店に11:40。小さいスペースで配給はサンドイッチだった。まだお腹もすいていないのでもらっただけで通過。このあともずっと湖岸に沿ったさざなみ街道をゆく。 -
そんな天候だから、こんな思いがけないプレゼントもあった。
みごとなダブルレインボウだ。 -
さらに色鮮やかになって、車もみんなとまって撮影タイム。
これがあっというまに消えてしまう。
儚いショーだった。 -
その後もなんども虹がでる。こんどは西側の湖面に。荒れた湖面に妖しい黒雲。
ずっとこんな雲が襲来したり去ったり、やっと収まったかとおもうとまたぞろ再来したり、翻弄され続けた。 -
やっと第2エイド、ローソン琵琶湖大橋東詰店27.9㎞地点到着が15:48。
ここで反射たすきの配布を受ける。配給はモチモチどら焼き?
仲間が道の駅で購入した炊き込みご飯が重いから食べてくれという。
無理やり詰め込む。
初回の痛み止めを摂取し、傷んでいる右膝に外付けサポータを追加する。
この大会のエイドはすべてコンビニ系。晴れて暖かい時はいいが、コンビニエイドは雨の時に本当につらい。座る場所もなく休めない、手当や靴下の履き替えなどの態勢修正の場所もない。 -
この水際の水しぶきが風にのって道路まできてかぶるのだ。
これでは「さざなみ街道」じゃなくて「大波街道」でしょ。 -
どっぱんどっぱん、音もすさまじい。
この後日本遺産の長命寺そばの温泉などを通過するのがすでに宵闇が下りたころ。少し山っぽい林の中をしばらく通過した後でやっと第3エイドファミリーマート近江八幡市羅王町店52.3㎞地点に到着したのが20:50。
雨で冷たくて寒くて、店内のイートインになんとか席を見つけて座れた。配給の冷たいおにぎりを押し込み、温かい味噌汁をすする。二度目の痛み止め摂取。
ファミマの人は迷惑な話だと思うがありがたかった。
防寒のための軍手と電池といろいろ買い物したから許してください。
リタイアする人は~と聞かれて「はい!」と手を挙げる人もいたが、この時間では電車も宿もどうするんだろう、と余計な心配をしてしまう。
もうこの後はリタイアしても雨の中待つだけとなるので、それならいっそ歩く、という選択肢しかないと思われる。 -
そして第4エイドファミリーマート滋賀県立大学前店65.8㎞地点に0:09到着。この先が彦根の町となる。
そのあともまた雨風にたたかれながら第5エイド豊公園81.7㎞地点が3:30ごろ。
スープ春雨の小さいカップをもらってトイレ休憩。この先はもうエイドはなく、ゴールまでひたすら歩くしかない。この間が長かった。
すでに前後ほとんど人がいなくなるが、ひたすら湖岸の「さざなみ街道」を行くため、ロストの心配は少ない。正面から吹き付ける雨風に耐えて、抜かれた人を抜き返したころ、やっと湖面が静かになって月明りを映す。時間は朝の4:15。 -
天候はようやく落ち着いたようで穏やかな朝日を迎える。
吐く息が白い。時折道端にでてくる気温計は7度というが、いやいや、体感では5℃間違いない。
そのせいか同行の仲間はしょっちゅうトイレ希望を連発。そのたびに待たされて寒いったらありゃしない。 -
このあたり水鳥の観察地があった。たしかに琵琶湖という水場と周りの広大な田んぼは、ガンの越冬にも最適な環境と思われるが、朝焼けの空を雁行をくんで鳥が盛んに飛んでいく。この時期なのでカモ類と思われるがシルエットで種の特定はできないまでも、思いがけずねぐら立ちの素敵な光景が見られて大満足。
後で調べたらなんとちょうどこのあたりは水鳥公園と銘打っていて、ヒシクイやコハクチョウも越冬にくるようだ。でしょう~。 -
いつどこでみてもいいなあ。
-
右に左に群れをなして朝ごはんの為にいそいそと飛ぶ鳥たち。
湖岸にはどこもトビがとても多くて、彼らも朝ごはんにでかけるのだった。
いいものが見られた。 -
写真とは関係ないが、今回初めて知ったことに、米原や彦根、ゴールの高月など琵琶湖の上半分はけっこう雪国というか、日本海側気候で、湖西・湖北の大部分は特別豪雪地帯・豪雪地帯なのだそうだ。道路には融雪用の水のでる設備もあるし、店舗の駐車場はそれを見越して広大、道路の脇には雪捨て用とおぼしき溝あり、道路幅も広い。
-
例年、桜が素晴らしいというこの大会、今年は残念ながら開花が早くて間に合わなかったが、湖北にはまだあります、という開会式での話だった。
たしかにそのとおり北部ではまだ満開の桜があちこち残っていた。田植えの準備も始まったのどかな田園に小粒の枝垂れ桜が和ませてくれた。
ゴールまで3キロくらい。あと一息。 -
そしてついに。ご~~~~~~る。
いつもこの瞬間は駆け込みたくなる。
ゴールポストを通過しないといけないといわれてぐるっと回ってチェックをしてもらい、スタッフにねぎらわれて完歩証明をいただく。一刻も早く靴を脱いで痛む足を開放してやりたい。
今回、この荒れ模様にもかかわらず270名?の参加者のうちリタイアは66名だったそうだ。
足を休めつつ荷物の整理をしていると、温泉施設「北近江の湯」へ主催者側で用意してくれたシャトルが到着。とりあえず休みたいので乗ることにした。
いってみるとこれが素晴らしい設備であまりに快適なため、ついつい昼寝をしたら目覚めて3時過ぎ。なんとー。
これではもう帰る気にもならないのでもう1泊して翌日は観光に充てることを決める。ここから宿泊とレンタカーの手配を手早く済ませ、夕方米原駅のホテルに到着する。
貸自転車でもよかったんだけれど、さすがにこの大会翌日は気持ち的に楽したい。
なぜ米原かというと駅そばのレンタカーはここしかなかったから。37年ほど前に来たことがある駅なのだが、その時は店ひとつなく、ひたすらベンチに座って待ち人を待つしかなかったのに比べれば、大きくきれいになっていた。
が、やはり、10㎞圏内にガソリンスタンドはなく、彦根か長浜にはたくさんあります、とレンタカー屋さん。新幹線とまるのに~?
「そうなんですよ~土地も安くていいところだと思うんですけどねぇ~」と。
そして米原市は、なのか、泊ったナレッジインさんが、なのか不明だが、旅行支援の適用はなし。残念。夕飯にでてもやっていないお店が多く、ほとんどチョイスはなかったので、ホテル併設の居酒屋にてタンパク質と野菜をたっぷり補給した。 -
休みをとっていた月曜日。まず行ってみたかったのは国宝彦根城。
昨年夏、家族で帰省した際にたちよった松江城にて、現存天守が12しかなく貴重というのを知ったので、見てみようと思ったわけだ。さらにここはその中でも5国宝天守の1つ。
とても立派に保全されていて、周りのお堀も深く広い。屋形船なども浮かんでいて、いい時間帯は予約満席になっていた。 -
微妙に登りがおおい。それがお城。ハア(´;ω;`)
筋肉痛は3回目参加以降ほとんどないが、足の裏はやっぱり痛い。
それ以前にもうあんまり歩きたくないのよねぇ~。 -
天秤櫓というものだそうで、珍しいものだそうだ。
天秤なのに片方しか撮らなくて馬鹿だった。
この石垣が重要で、登り石垣という現存数の少ない例とのこと。見えている右側が古くからのごぼう積み、左側に落とし積みという方法で積まれていて、見た目全然違っていた。
間をつなく多門櫓というのがこれまた重要ポイントなのだそうだ。 -
遠くからも目立って威厳を与えるように、費用は掛かってもしっくいを使ったそうだ。花頭窓に数種のこてこてな破風づくり、高欄など、素人目にも過剰な装飾と思える。小ぶりなのは、5層の江戸城より低くするためだとか。
これが権力誇示の目的で、実際には政治的行事の場や年貢米の倉庫でしかなかったというのだからもったいないといいますか・・
中の階段は激烈に勾配がきついのでお足元不安な方は要注意です。 -
城の下の展望台から琵琶湖の眺め。今日は穏やかだ。
では藩主はどこにいたかというと、城に行く前に入った彦根城博物館の場所にあった御殿だったそうだ。その一部が木造で復元されていた。
博物館もなかなか見ごたえがあった。井伊家に伝わる宝物が展示されているのだが、どれも贅を凝らしたもので、特に私は能衣装が一番興味深かった。保存状態もとても良い。美しくて見惚れてしまった。
それにしても贅沢三昧だったのねぇ。 -
贅沢な御殿で、藩主は優雅な日々を送っていた模様。
-
来客用の茶室だそうだ。
-
次に行きたかったのが安土城跡。
実は恥ずかしながら安土城がどこにあったか正確には知らなかった。
歩いている途中に「安土城跡こっち」の看板をみつけて初めて知った次第。
それで行ってみたいと思った。
教科書や本で見知った信長の最盛期の居城。そこにルイス・フロイスなどが謁見に訪れ、信長がテーブルと椅子でワインを傾けていたであろう城だ。
行ってみるとまさに兵どもが夢のあとそのものであり、RUINそのものであり、いきなり心をつかまれた。信長に関しては教科書で知る以外さほど興味もなかったからわれながら意外だった。
入ってすぐに見上げる大手道。ここもまた長い急な石段を長々たどることになる。 -
往時からそこにある石積み。
栄華の果ての野にただ静かに息づく花たちが寄り添っていた。
何も持たず何も飾らない素朴で質素な風景が胸を打つ。
ここが「安土・桃山時代」の名称のもととなる場所かと思うと感慨深くて感動した。書物でしかしらない歴史がここに展開していたのかと思う。 -
大手道脇左手・入口すぐの、羽柴秀吉邸宅跡と思われるエリア。向いには前田利家邸宅跡があり、すぐその上に信長が建立した総見寺仮本堂(場所は移転)がある。
この安土城跡全体は、その総見寺の所有となっているそうで、入口にある観覧ルールには「総見寺のご厚意により見学できるということをご理解ください」のようなことが書かれていた。 -
天主(安土城では天守でなく天主とするそうだ)本丸のすぐ下のエリアにあった森蘭丸邸跡と織田信澄邸跡。
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黒金門から上は選び抜かれた側近者のみのエリアだったんだと。
黒金門まわりの石は他と比べて確かに立派で威圧的だった -
これが黒金門
そういえばトールキンの指輪物語でモルドールを守るのも黒門。ちょっと似てる。 -
本丸御殿跡と考えられる場所。千畳敷といわれたそうだ。内裏清涼殿を模して造られたのではといわれているとのことである。ここに天皇を招待する計画を2度目論んだが実現することはなかったのだそうだ。激烈だなあと圧倒される。
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私のつたない説明では残念なので興味のある方は拡大して読んでください。
スペースがあるのでここにリンク張っておきます
https://www.azuchi-nobunaga.com/ -
いまはあたたかな木漏れ日に守られて平和な場所となっていた。
-
そしてその本丸御殿からさらに1段高みに登ったところに天主台が作られたのだという。それまでの城にはなかった構造、遠くからみてもすぐにわかる威容を誇るものだったようで、山全体を石垣で作り上げた城郭は指輪物語でいえばゴンドールを思いださせる。何故か本能寺の変の直後焼け落ちて、昭和の初めごろまで放置されていたというから驚いた。
この時から以降の城は天守を装備するようになり、ここで活躍した石垣をくむ技術者たちが全国にその技を伝えていったのだそうだ。
こんなところでもエポックメイキングなひとだったのだと知る。 -
その天主台の礎石。これは地下部分で、実際の構造物は今は崩れた地盤も含めてもっと大きかったそうで、その高さ32mもあったそうだ。よくぞまあ、と思う。
-
天主台からの琵琶湖の眺め。この平原がつづくのがもともとの風景かとおもっていた。なぜもっと水際によらなかったんだろう、と思ったら、実はこの辺りはすべて干拓されたものだそうだ。当時は南側だけが開けていて、それ以外は琵琶湖に接していたのだそうだ。日本海側にも船でのアクセスが保証され、交通の要衝であるこの地を制することに意味があったのだという。
そういう意味でもこの地域の重要性をいままであまり知らなかったことを残念に思い、しっかり知りたくなった。こういうのが旅の財産であり、おまけのご褒美。 -
本丸御殿の左手、二の丸跡には信長の廟が設置されていた。
青い目の見学者も熱心に見学していた。
日本人離れしていたこの為政者は彼らにはどんなふうに映るのだろうと興味をかきたてられる。 -
降りるときは別のルートをたどると、創建当時の総見寺跡を通る。重要文化財の三重塔だけが静かにたたずむ。
-
どこからか移築したようで、素朴で力強い建物であった。
-
少し降りたところに仁王門。これも同じく重要文化財で、木造の仁王像がたっていた。ほとんど彩色もはがれて風化していたのであまり熱心に見なかったが、室町時代の作なのだそうだ。いろいろと丁寧に保存された文化財もよいが、このように朽ちるにまかせたまま時を具現化したような物に遭遇すると、そのはかなさを思ってしみじみ感慨深い。
ご存知、信長が好んだ舞、「敦盛」の一節にどうしても考えが及んでしまうのだった。以下蛇足。
「人間五十年、下天のうちを比ぶれば、夢幻の如くなり
一度生を享け、滅せぬもののあるべきか
これを菩提の種と思ひ定めざらんは、口惜しかりき次第ぞ」 -
そんな信長の勝利に貢献したのが、湖北、国友町の鉄砲作り集団だそうだ。これまた恥ずかしながら知らずして、たどりたどって行ってみた。
ここは「国友鉄砲ミュージアム」。https://kunitomo-teppo.jp/
大きいものは30㎏から小さいものはまさにピストルまで、たくさんの現物が展示されていた。火縄銃は歴史でみれば一瞬で時代を譲ったが、銃そのものは、歴史学者ジャレド・ダイアモンドさんがいうように、人類の歴史を形作るうえで3つの重要な要素の1つだ。
古風な街並みが守られているこじんまりした地区の小さな博物館だったが、ここで初めて知る鉄砲伝来からの歴史。昔の日本人はやはりすごいとしみじみ思う。
つい最近、「なぜ日本は植民地化をまぬかれたのか」という記事を読んだばかりだったのでなおのこと感心しながら拝見した。
歴史好き、とくに戦国あたりが大好きな我が家の男たちに話したら、まあよく知っていること、帰ってから盛り上がってしまった。
各地に鉄砲師が派遣されたことや、平和になってからは花火師として生き残った彼らの歴史など、本当にたくさんのことを知ることができた大満足の旅だった。 -
そして冒頭の旅行支援でもらったお買物券、どうやって使うか苦心惨憺。
わざわざ遠回りして立ち寄った道の駅「グリーンプラザからすま」しかそのチャンスはなかった。
少しでも軽くするため、かさばらなくて単価の高いものを探して、草津市名産「あおばな」を使ったコーヒーにきめた。
湖東は百名山の伊吹山を擁する。8年くらい前に登りに行ったが、誰もが知る、古来から薬草の名産地である。百人一首にも登場する。
「あおばな」ってなに、と思ったらこちら↓
https://www.city.kusatsu.shiga.jp/citysales/tokusanhin/tokusan/aobana/index.html
おすすめ「あおばなソフトクリーム」も賞味。
こちらはやや青臭かった。
ちょっとだけ不足の分は手近にあったひこにゃんクッキーを差し出した。
ひこにゃんがいうように、出かけて泊って遊んで学んだ、有意義で充実した琵琶湖一周ウルトラウォークだった。
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この旅行記へのコメント (8)
-
- mistralさん 2023/04/14 17:21:09
- 琵琶湖一周ウォーク
- willyさん
こんにちは。
朝、旅行記を拝見して、再び参上です。
メインイベントは、当然琵琶湖一周ウルトラウォークですね。
私には凄まじいほど過酷なウォークに思えます。
夜を徹して歩くなんて。
しかも普段は穏やかな琵琶湖の湖面がもの凄く波立っていて、今にもその飛沫を
浴びてずぶ濡れになりそう。
自然の凶暴な一面をまさに見せつけられるようでした。
途中では素敵な虹にもご対面。
朝焼けの空を飛び交う鳥たちの群れにはきっとこころを癒されたことでしょう。
終点の高月駅前のロータリー、まさに秋の観音祭りの折の出発点となりました。
その前には雪に埋もれていた駅でした。
私も琵琶湖の北半分が豪雪地帯とは最初は知りませんでした。
1月の高月で、辺鄙な観音堂巡りにはレンタカーが必要だからと
大津でレンタカーを予約していたほどでした。
あまりの積雪で、レンタカーで回るなんて無謀なことだったとは、初めて知ったことでした。
知らないことがまだまだたくさんあることに驚きます。
それでも知ったことの喜びはそれを上回りますね。
安土城跡、RUINそのものだったという跡地に立たれてのwilly さんの感慨が伝わってきます。
野の花だけが静かに寄り添っていた、なんて情景に遭遇したら
こころを打たれます。
今まで時間が足りず、安土城跡はついつい後回しになっていました。
いつか行ってみたいと思いました。
まさに泊まって、遊んで、学んだ、素敵なウルトラウォークでしたね。
mistral
- willyさん からの返信 2023/04/14 17:54:38
- Re: 琵琶湖一周ウォーク
- mistralさん
ご訪問とコメントありがとうございます!実は密に期待しておりました。
というのも、今回一番心にあったのがmistralさんの最近の大津の記事だったからなんです。しかしなんと。その雪に阻まれた旅行記だけ読み逃しておりました!ざ~っと今しがた拝見したのでまた後程ゆっくり読みなおします。まさに高月駅ですねぇ!そして彦根城も、冬はこんなになるんですね。
彦根城はリベンジされてよかったです。その記事の元ネタ編をまだ拝見していなかったというわけですね。
実は主催者が用意してくれたゴール後の温泉施設の運転手さんに、「道路に融雪設備があるんですね」というと、「はい!雪がとても多いのですがこれでダイジョブなんです!これが彦根や米原だと通れなくなってだめなんですよ」とちょっと自慢気におっしゃったのです。
琵琶湖の風も身をもって知りました。その大きさも。おっしゃる通り、知る喜びは生きる喜びに通じますね。忘れるのが残念ですが(笑)
私も今回、全然時間が足りなくて、ぜひまた行かねばと思いました。
mistralさんの御覧になった仏様、みんな素晴らしいご様子なので次回行ったら真似したいです。大津の町屋は真似できなさそうですが(;^_^A
willy
-
- きなこさん 2023/04/13 09:21:06
- ウルトラウォーキング
- こんにちは~willyさん
ウルトラウォーキングたっぷり楽しみました、旅行記で(^_^)v
こんな過酷な大会があるんですね。
「琵琶湖」と聞くと観光地も多くて楽しそう、、、ですが、あの過酷さ!
最初100kmってどう歩くの?1泊2日のウォーキング?と思ってたんですが、なんと夜通し歩きっぱなしなんですね。
willyさんが紹介されてたアクトレップさんのHPも覗いてきました。
良い感じの地名が並んでるけど「だめだめ惑わされたら」笑笑
ゴールされただけでも凄い!凄い事なのに、なのに翌日観光されるなんて!どんだけウルトラwomanなんだーと(^^)
途中のあったかいお味噌汁美味しかったんでしょうね
エイドは気持ちも体も嬉しいですよね
ウルトラwomanバンザーイ*\(^o^)/*
きなこ
- willyさん からの返信 2023/04/13 10:08:17
- Re: ウルトラウォーキング
- きなこさん
こんにちは~~。ご訪問とコメントありがとうございます~。
おバカな自己満足なのに、楽しんでいただけて何よりです(笑)
100㎞普通にあるきます( ´艸`)
だいたい10~20㎞ごとにチェックポイントを兼ねたエイドがあって、飲み物や軽食おやつなどを配給してくれるので、それを目指してやっていくと自然に終わります。途中名物を食べたり店にはいってもいいし、最終関門通過時間さえクリアすれば完歩となります。知らない土地を足で歩くと、車で通るときには絶対に見えない風景が見えるのがうれしいです。血(知)となり肉となります。旅そのものですね。
最初は夜寝ないで歩いたら幻覚がみえるかも、と興味があって始めたのですが、一晩くらいじゃ大したことはないです。アクトレップさんはベテラン、コアなツウが多い大会で、初めてという人でもトライアスロンとかトレランとかなにかしらキビシイことしてる人が多いみたいです。ちちぼーさんへのお返事にも書きましたが、歩く大会は結構人気でたくさんあるので、アクトレップでなくても楽しいですよ~。
琵琶湖って日本一なのに、なぜか興味もあまりなく全くしらない土地で、われながら反省とともに学べてとても有意義でした。ちょこっとしか見られなかったのでまた行かねば、と思いを新たにしました💪
willy
-
- チーママ散歩さん 2023/04/13 06:02:46
- かっこいい女性!
- おはようございます。willyさん。
想像を絶する距離のウオーキングですね。
淡々と状況を伝えるwillyさんの口調が
読み手に過酷さと、ピンとした空気が共に
伝わってきます。
夜間も歩き続けるとは.....。
そしてちょっとだけ人生感も垣間見えた気がします。
人生の中では忍耐が必要な時期ってありますが
それを回避するためにもがいて泣いてばかりの
弱虫な私と真逆の根性ストーリー。
一度は忍耐というものを、母のお腹の中に忘れて
きてしまったのかもしれません。
私に備わっているのかどうか....
試してみたいと思った(だけ)の私です。
お疲れさまでした。
友人がホノルルマラソンの翌日にガニ股で
歩いていたのを思い出しますが、
それはwillyさんの場合は3回過ぎるとなくなる....。
それだけ普段の鍛え方が違うのですね。
そしてさらに元気に観光。
体力 気力すべてにおいて4トラで秀でた存在。
カッコよすぎます。
- willyさん からの返信 2023/04/13 09:52:12
- Re: かっこいい女性!
- チーママ散歩さん
おはようございます
ご訪問とコメントありがとうございます。
いや~辛いのは嫌ですよね、それが普通(笑)。でもなんか、癖になるんですよ。人間にはやっぱりドMという人種がいるのは間違いなさそうです。
脳内麻薬も出るんじゃないかと思います。麻痺してるのかもしれませんね。
達成感が忘れられないのでつい次も・・・ってなります。今でもまだ充実した時間の余韻を楽しめています。
歩く大会はけっこうあちこちでやっていて実は盛んです。少しからやってみて楽しかったら伸ばすのもいいですよ。走るのとちがって心肺に負担はないし、途中食べたり飲んだり適当に遊んでもいいから楽しいです。
でもやっぱり雨はいやだ~
willy
-
- ちちぼーさん 2023/04/13 01:00:03
- 100キロの翌日に!
- willyさん、こんにちは。
雨の中って駅まで歩くだけでも大変なことですよ。
それなのに、風雨のなか100キロ。
想像をはるかに超えています。
そして、そんな人たちが沢山いるのにも驚きます。
そして、翌日もすごいですよね。
彦根城・安土城跡・鉄砲博物館も回っちゃうんですから。
脚力も凄いけど、見学されたところをしっかりと理解してご自身の言葉として伝えてくれて、とても分かりやすく興味がもてるように書かれていて。
同世代とは思えない、本当にすごい方だなあと改めて感じちゃいました。
ちちぼー
- willyさん からの返信 2023/04/13 09:46:26
- Re: 100キロの翌日に!
- ちちぼーさん
おはようございます。
ご訪問とコメントありがとうございます。
だらだら長いの読んでいただき恐縮です(;^_^A
わかりやすく興味がもてるように、って言ってもらえるのがものすごくうれしいです。知らないことがたくさんの土地だったからほんとに行ってよかったです。
ウルトラは初めてが富士山1週125㎞でしたがその時はタール便(失礼)がでたのも初めての経験(最初なんだ!と思った)、回復まで3~4日かかりましたが、2回目は少し楽になり、3回目は軽い筋肉痛だけ、4回目からはそれもなくなりました。なんで人間って慣れるんでしょうね。
だから150㎞走ってる人たちも慣れるのかもしれないです。
最後一緒にお風呂にはいった私より年上ぽい人は300㎞とか走るんですって。
狂った世界・・・(笑)
※でも年取ると痛みに鈍くなるから有利という話もききました!
willy
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