2022/12/19 - 2022/12/20
44位(同エリア458件中)
玄白さん
2021年12月に富山の寒ブリ、ノドグロを味わうグルメ旅で、日本海のシーフードの魅力に取り付かれ、2022年も再び冬の日本海グルメ旅へ。今回は福井まで遠征し、本場の越前ガニを食すことが第1の目的。
実家の宗派が曹洞宗で、祖父が存命中に地域の檀家の総代を務めていて、毎年曹洞宗総本山永平寺に参拝に出かけていた。子供ながらに、飽きもせず毎年出かけている永平寺とはどんな所だろうという関心はあったが、わざわざ出かけるほどのこともないと思っていた。今回、福井までカニを食べに出かけることになったので、永平寺に立ち寄ってみることにした次第。折しも日本海側は大雪で、参拝客は少ない。しんしんと降りしきる雪の中で、静寂に包まれ凛とした佇まいの大伽藍は、仏教の信仰心が乏しい玄白でも厳粛な、身が引き締まる思いであった。
永平寺の近くにある一乗谷朝倉氏遺跡にも立ち寄り、今宵の宿、三国温泉の料理民宿で越前ガニのコース料理を堪能したのであった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
- 利用旅行会社
- じゃらん
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今回の旅では北関東道、東北道、北関東道、関越道、上信越道、北陸道と走行距離600km以上となる長丁場。自宅をAM3時過ぎに出発し、途中何度かSAで休憩しながらのロングドライブである。北陸道に入る前、道路標識で北陸道の一部が大雪のため通行止めという情報に接し一瞬焦ったが、通行止め区間は、新潟方面に向かう区間だとわかって、一安心。
写真は、3回目の休憩を摂った名立谷浜SAの雪の様子。30cmほどの積雪。こんな天気なので、駐車している車は数台だった。 -
雪道のドライブだったので、最初の目的地、永平寺に到着したのは予定より45分遅れの11時前になってしまった。
永平寺参道入り口の龍門にて。永平寺は観光寺としても福井随一の寺だが、こんな天気なので参拝客は少ない。 -
通用門の脇、受付の前にある手水舎。
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手水が出る蛇口の上に置かれた水晶玉
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受付は、吉祥閣という古刹には不似合いな鉄筋コンクリート作りの建物の中である。広い畳敷きのスペースがあり、時間によっては修行僧の説明があり、ガイドもしてくれるらしいが、今回は案内標識にしたがって勝手に伽藍の中を見学する。
なにやら、謂れがありそうな屏風が置かれていたが、何の説明もなく、よくわからない。
この建物は、宿坊も兼ねていて、予約しておけば一般の人でも座禅修行や写経体験もできるらしい。 -
イチオシ
最初の見どころは「傘松閣」。昭和5年に道元の一番弟子、孤雲懐奘禅師の650回忌を記念して創建された建物で、2階が156畳の大広間になっている。当時の著名な日本画家144名による230枚の花鳥風月の絵が天井一面に飾られている。
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この中に鯉2枚、唐獅子2枚、リス1枚が描かれている絵があり、すべて探し当てると願いが叶うのだそうだ。そんな話はあてにはならないので、時間をかけて探すなんてことはしなかったが・・・
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傘松閣をスタートに案内標識に従って七堂伽藍を見学してまわる。伽藍はすべて屋内の廊下でつながっているので、雪が降りしきる中でも楽に回れる。
山の斜面に立てられた寺院なので、階段が多い。廊下や階段の隅々まで修行僧によって毎日掃除がされていて、ごみひとつ落ちていない。
永平寺では、掃除、食事など日常のすべてが修行だとされている。 -
この一角は立ち入り禁止。修行僧が毎日座禅修行をする場所
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イチオシ
回廊の所々から別の伽藍を外からみることができる。これは「大庫院」という、食事を作る典座寮や、永平寺全体の維持管理する部門が入る建物。会社でいえば、社員食堂兼総務部のようなものだ。
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唐門
勅使門とも言われ、普段は閉じられていて、皇族の入山時や貫首就任時のみに開門する。雪を避けるためビニールで覆われているが、皇室の紋章、菊花紋が飾られている。 -
永平寺の伽藍の中で一番高いところにある法堂(はっとうと読む)
貫主が説法をしたり、法要の儀式が行われる伽藍の中でも中心となる建物である。下の回廊から見上げている -
小さな池の周りには盛大に雪が積もっている
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法堂内部へ。
人天蓋という天井から吊り下げられた、まばゆいばかりの絢爛豪華な飾りは、質実剛健な禅とは不似合いな印象がしないでもない。 -
祭壇の前に鎮座するあうんの白獅子像。「あ」と「ん」でものごとの始まりと終わりを象徴している
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メインの祭壇の反対側にある祭壇
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法堂の外廊下。他の伽藍の外廊下は雪が吹き込まないようにビニールの雪囲いで覆われているが、ここだけは囲いがない。
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一番高いところに位置しているので、ここからの伽藍全体の雪景色の眺めが素晴らしい。
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屋根には氷柱ができていて、寒さが厳しいことがうかがえる。
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法堂のすぐ下の仏殿を見下ろす
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これは。どの伽藍だったろうか? 左右に夥しい位牌が並んでいる
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時折り激しく降る雪
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イチオシ
積雪のグラデーションが美しい。
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格子窓を通して眺める雪景色
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仏殿の祭壇。中央に祭られているのは釈迦如来。わかりにくいが左右に阿弥陀如来、文殊菩薩が鎮座している。阿弥陀は過去、釈迦如来は現在、文殊は未来を象徴しているとのこと。
多くの寺院では、仏像は拝むものであって写真を撮るものではないとして撮影禁止になっている場合が多いが、永平寺では、自由に仏像の撮影をしても良いことになっている。 -
巨大な鏧子(けいす)が置かれている
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ストロボがあれば、雪景色は雰囲気が違う写真になるのだが、あいにく自分のカメラにはストロボが内蔵されていない。
あとで気がついたのだが、スマホで撮影してみればよかった。 -
氷柱をアップで
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承陽殿。道元禅師を祀っている廟で、いわば曹洞宗の聖地ともいうべき伽藍である。
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大きな香炉が置かれている
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大庫院への通路
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大庫院は仏像が安置されている内部には入れない。廊下から見るだけ。祭られている仏は護法韋駄尊天という、禅宗では典座寮(食堂)の守り神で、起源はヒンズー教の神だという。
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巨大なすりこぎ棒。元々、仏殿建立の際、地突き棒として使われた木材を、加工してすりこぎ棒の形にしたという。堅苦しい禅宗にしては、ユーモラスな計らいではある。
なでると料理上手になると言われているらしく、参拝客がなでるので、一部分だけ黒ずみが取れて木目が現れている。 -
中雀門から見た仏殿
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仏殿の前の灯篭
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雪吊りも入れて
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イチオシ
反対側には山門が聳えている。永平寺で現存する最も古い建築物で、1749年の創建である。国の重要文化財の指定を受けている。
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山門に安置されている四天王像。仏教の守り神だが、これも元はヒンズー教の神が起源である。
左上:広目天 武器は持たず、筆と巻物を持っている
右上:増長天
左下:多聞天 七福神の一人、毘沙門天のこと。四天王最強の神
右下:持国天 -
山門から浴室が見える。浴室も永平寺では七堂伽藍の一つで、入浴も身を清める大切な修行とされている。
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参拝を終え、外に出る
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右の建物は鐘楼堂。重さ5tの大梵鐘が吊るされている。
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境内を流れる永平寺川。九頭竜川の支流の一つである。
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永平寺川にかかる橋、偃月橋。
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門前町の入り口にある井上という永平寺蕎麦の店でランチ。地元、永平寺町産の黒蕎麦で打った10割蕎麦で、カツオ出汁のつゆと辛み大根でいただく。品種改良はせず、昔ながらの在来品種というのが特徴である。なぜか、GODIVAのチョコレートがついている。
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イチオシ
永平寺から車で20分ほどのところにある一乗谷朝倉氏遺跡に行ってみた。
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遺跡は雪に覆われて何も見えないが、一乗谷のシンボル、唐門だけが異彩を放っている。
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イチオシ
近づいてもう一枚
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室町時代末期から戦国時代まで103年間、5代にわたって越前の国を支配してきた朝倉氏が拠点とした山城と城下町の跡である。織田信長の配下の柴田勝家に攻められ、灰塵となり地中に埋もれた廃墟だったが、1967年から発掘が開始され、当時の街並みや生活が伺い知れる貴重な数多くの遺物が発見された。いわば日本版ポンペイ遺跡のようなものだ。国の3指定(特別史跡、特別名勝、重要文化財)を受けた数少ない史跡である。
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しかし、この時は遺跡は深い雪に埋もれたままで、当時の建物跡を伺い知ることはできなかった。
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遺跡の内部から唐門をパチリ。
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濠には、たくさんの鯉が泳いでいる。
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遺跡の近くに、道の駅を兼ねた、当時の武家屋敷を復元したエリアがあるので、入ってみた。入場料\330だが、65歳以上は¥100である。
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復元武家屋敷を囲む生垣の山茶花。モノトーンの雪景色の中で、ピンクの色が新鮮だ。
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一部の屋敷には、当時の生活を偲ばせる生活道具が展示されている。
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こんな井戸も復元されている
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みぞれ交じりの雪に変わってきたので、撤収。
今宵の宿、三国温泉の料理民宿「いそや」に向かう。 -
民宿だが、近くの源泉から引いた温泉である。雪の中を歩き回り、冷えた体に心地よい。
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お待ちかねの夕食。越前ガニのフルコースである。突き出しに続いて、カニ刺し。濃厚な蟹みそ、香ばしい焼きガニと続く。甲羅をあぶり、その中に熱燗の酒で味わう甲羅酒がたまらない。ごはんをカニを茹でた出汁たっぷりの湯で炊いたカニ飯である。
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イチオシ
メインの茹でたての越前ガニ。でかい!
なかなかのお値段ではあるが、一年の締めくくりとしてちょっと奮発した次第。 -
地元、三国港で水揚げされたことを示すタグが付いている。
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仲居さんが、手際よく大きな越前ガニをさばいてくれる。
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満腹になったところで、宿の近くの日本海に打ち寄せる波の音を聞きながら就寝。
翌日は、早めの朝食を済ませ、永平寺とともに福井の知名度が高い観光スポット、東尋坊、越前海岸の水仙の鑑賞に向かう。
続く
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