2022/11/05 - 2022/11/05
2091位(同エリア3195件中)
滝山氏照さん
JR東北線岩切駅からタクシーで約8分、標高106mの高森山にある岩切城(いわきりじょう、宮城県仙台市宮城野区岩切)は大手道に沿って進む右側は深い谷間が待ち構え、左側は2~3mにもなる一部石垣と尾根壁が迫り、また山頂部の奥から続く尾根をいくつかに分断させ主郭や二郭に続く小規模廓を造り、それぞれに独立性を持たせて敵の侵入を防御する難攻不落な連郭式縄張りになっているようです。
古くは鎌倉幕府を開設した源頼朝が奥州征伐(平泉攻略)に勝利しその残党追討する中で頼朝命によって当地へ留守職として派遣された伊沢氏が土着化し職名を名乗り留守氏として勢力拡大、交通の要地を背景にして陸前における政治・経済の中心地であったようです。
「陸奥国留守職(むつのくにるすしき)」は聞きなれない用語ですが、鎌倉幕府の地方における統治機関の一つで、陸奥国府(在多賀城)留守所長官を指し、任務は民事行政全般を統括し全国に配された守護とほぼ同様の任務を帯びていたようです。
指名された伊沢家景(いざわ・いえかげ、生誕不詳~1221)はもともと京都・公家に仕える下級武士で、頼朝名代として上洛していた外戚北条時政に文筆能力を認められ、鎌倉に下った後も時政推挙のもと御家人として頼朝に仕え文僚として重宝されていたようです。尚家景の家系は代々この職を受け継ぎ家名も「留守」と称することとなります。(職名を家名として勝手に名乗ることは不可能な時代だったので頼朝の信頼が厚かったと思われます。)
南北朝時代になりますと足利尊氏と実弟直義(ただよし)の争い(観応の擾乱)が激化・長期化し、兄弟を支えていた家臣たちが夫々に袂を分かち対立を深めてゆきます。
具体的には観応2年(1351)岩切城に立て籠もる尊氏方の奥州管領である畠山高国・国氏父子及び留守氏を、直義方のもう一人の奥州管領吉良貞家が攻撃して落城させた合戦がよく知られているところです。
留守氏は上述の当該合戦で壊滅的な打撃を受け大部分の所領を失いますが家系は残り、国分氏との失地回復のための係争を続け、後に奥州探題として入部した大崎氏の介入に対し伊達氏の救援を求める中、次第に独立性を失ってゆき伊達氏から養子を受け入れる状況が度々続きやがて伊達氏の臣下として組み入られ、秀吉の奥州仕置で留守氏は本領没収となり、以降は伊達政宗に従い伊達家一門として水沢に配されます。
登城口横に建てられた当該城跡説明板には下記の如く記載されています。
『 史跡
岩 切 城 跡
指定年月日 昭和57年8月23日
別名を高森山、鴻の館とも伝えられる。
仙台市岩切入山と利府町神谷沢にまたがり、急峻な地形を生かした典型的な中世時代の山城である。
平泉藤原氏の滅亡後、源頼朝は重臣伊沢将監家景を陸奥国の留守職に任じた。伊沢氏は留守姓を名乗り、岩切城を居城とする。七北田川の水運にも恵まれたこの地は、東北地方の政治、経済の中心地として大いに栄えた。貞和2年(1346)、足利尊氏は奥州管領として吉良貞家、畠山国氏を任命するが、足利家内部で兄尊氏と弟直義の対立が激化すると、両者も二派に分かれて争うことになる。留守氏は畠山氏、宮城氏とともに尊氏側に加担したが、正平6年(1351)ここ岩切城での合戦に敗れ、岩切城は落城、留守氏は衰えた。
その後、留守氏は伊達氏と親族関係を結んで勢力を回復、藩政時代は水沢に1万6千石を領し、一門格に列せられた。なお、岩切城は元亀年間、留守氏が居城を利府城に移すとともに廃城となっている。 』
- 交通手段
- タクシー JRローカル 徒歩
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岩切城・大手口(=公園入口)
公園入口(=城郭入口)説明板の背後には尾根先端部が構えており、その右側にいわゆる大手道が開かれています。 -
「県民の森」案内図
岩切城はこの公園の一部(手前の部分)となっているようです。 -
岩切城・石標
石標には「史跡 岩切城跡」と刻されています。 -
岩切城跡・説明板(近景)
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岩切城・説明板(全景)
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岩切城・大規模谷
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岩切城・大規模谷
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岩切城・登城通り
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岩切城・独立郭
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岩切城・二郭辺り
手前には「土橋」が見られます。 -
岩切城・三郭
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岩切城・二郭展望
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岩切城・主郭
右側の建物は東屋と思われます。 -
岩切城・主郭上り口(振り返り)
主郭に入った所から上り口に向けて振り返ります。尚左側の屋根はトイレです。 -
岩切城・主郭上り口
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岩切城・主郭石柱
高森山の頂上として標高106mが刻されている石柱が地中に打ち付けられているようです。 -
岩切城・主郭展望
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岩切城・主郭
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岩切城・主郭D
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岩切城・主郭展望
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岩切城・二郭展望
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岩切城・二郭展望
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岩切城・独立郭A
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岩切城・独立郭B
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岩切城・独立郭C
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