2022/10/09 - 2022/10/09
654位(同エリア1617件中)
Bachさん
「京都祇園祭」、「岸和田だんじり祭」に続いで「3年ぶり祭」の第3弾として、以前から行きたいと思っていた「大津祭」に行き、ついでにこれも行きたいと思っていた「琵琶湖疏水」を歩いてきました。
「大津祭」は、戦国時代に大津城下の鎮護神として崇敬されていた「天孫神社」の祭礼として生まれ、江戸時代には当時大津が湖上交通の港町と東海道五十三次の宿場町の要衝だったことから豊かになった大津町人の経済力を背景に曳山祭りとして発展し、京都祇園祭を継承した祭りとして現在まで受け継いできています。
祇園祭に比べれば規模的にも豪華さでも小ぶりな祭りですが、見所は曳山に「カラクリ」があることで、当時流行していた「カラクリ」をいち早く取り入れて「大津祭」の独自性を出し、その当時の「カラクリ曳山」が全て残されているという話を聞いて、琵琶湖のイメージしかなかった大津の歴史と町人の気骨と文化水準の高さに感嘆です。
「大津祭」は午前と午後の巡行があるので、午前の「天孫神社」で祈願し出発するところから見ることにし、午後からは明治初期に琵琶湖から京都まで水を引き入れるという壮大な工事で出来上がった「琵琶湖疏水」を歩き、琵琶湖の水が京都の街まで届き、京都の発展には勿論、今でも生活のインフラとして大きく貢献しているところを実際に見て、あらためて「琵琶湖」の偉大さに感嘆です。
(行程)9:30JR大津駅~天孫神社~大津祭~11:30(ランチ)~曳山展示館~12:30京阪浜大津駅~びわ湖疎水ウォーキング~17:30地下鉄蹴上駅
*「琵琶湖」は、近江盆地にある日本最大の淡水湖で世界で3番目に古い「古代湖」(100万年以上の年齢)で旧石器時代からの湖底遺跡が90もあり、周囲235km、道路距離200kmで自転車で2日。貯水量は河川流入67%、地下水13%、降水20%、ここから琵琶湖疏水で京都へ8%、瀬田川から淀川を経て大阪へ82%流れて、地域住民の11年分あり「近畿の水瓶」と言われる。
*「大津市」は、古くは天智天皇が飛鳥から交通の要衝である大津に遷都し5年間だけ「大津京」を置き、大化の改新から画期的な政治が行われ近江の国の発展の基となった時代から始まり、戦国時代1586年には秀吉が琵琶湖から京都、大阪へつながる拠点として坂本から大津へ城を移転し、江戸時代には東海道五十三次の「宿場町」、琵琶湖水運の「港町」、三井寺の「門前町」など、戦略的にも経済的にも重要な拠点として栄えてきたが、今でも100年以上続く老舗が数多くあり、常に琵琶湖のめぐみを受けながら歴史の積み重ねを続けてきた。
*「琵琶湖疎水」は、明治初期東京に都が移り衰退しかかった京都の復興を図るため、琵琶湖の豊かな水源に着目して、当時京都府予算の2倍の建設費をかけ、殆どの工事が外国人に委ねていた時代に全て日本人の手により行った我が国最初の大工事で出来上がった琵琶湖から京都市へ流れる延長約9kmの水路で、京都市の飲料水、輸送、発電、農業用水などに今でも使われている。
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「大津祭」は、日吉山王祭、長浜曳山祭と並び湖国三大祭の一つで、毎年10月に宵宮と本祭が行われ、曳山13基が見事な「カラクリ」を演じながら巡行する。曳山は江戸時代に制作されたもので「カラクリ」が乗っているのが特徴、平成28年(2016)国指定重要無形文化財。
豪勢な曳山が生まれた背景には、大津が湖上交通の港町と東海道五十三次の宿場町の要衝として発展した中で生まれた豊かな大津町人の経済力がある。さらに京都祇園祭と同様、能曲の故事を題材にした曳山にしているのは当時の大津町人の高い文化性がうかがえるが、それを証明する「カラクリ」は江戸時代流行していたものをいち早く曳山に取り入れ祭礼の独自性を出したと考えられ、京都で誕生した「カラクリ」が大津祭で完成したと言える。しかも13基ともに現存していることは大津町人の自負と文化水準の高さを示し素晴らしい。また曳山の装飾も祇園祭と同様、唐織、朝鮮織、ベルギー織など町人が競って豪華なものにしている。さらに曳山の天井板にある天井画も当時京都でも活躍した画家が描いたもので、これも当時の大津町人の経済力を表している。 -
京都祇園祭と同様、毎年9月の「くじ取り式」で巡行順を決め、10月1日「総囃子」(稽古の仕上げ)、本祭1週間前の日曜日「山建て」と「曳き始め」、前日の土曜日「宵宮」で午後から曳き始め、曳山の提灯が灯される(からくり人形は町家に飾られる)、10月体育の日前日日曜日が「本祭」で、9:00天孫神社に集合し鳥居前でくじ改め、からくり奉納の後巡行スタート、巡行中はお囃子とともに厄除けちまきや各曳山の手拭いが撒かれ、途中でからくりが披露される。午後からは衣装が紋付から着流しに替わり、13:45大津別院をスタートし寺町通りで17:30解散、体育の日月曜日に「解体・蔵納」
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大津駅を出ると既に多くの人だかり!
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天孫神社の方向へ歩いていくと、既に12基(1基は休み)が天孫神社を先頭に並んでいる *休山は郭巨山(かっきょやま)
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「天孫神社」
大津祭は天孫神社の祭礼で、天孫神社は奈良時代創建の後大津城城下の守護神として町衆より崇敬され、四ノ宮神社と呼ばれる。戦国時代坂本城を大津に移して大津城と改称した際、城下の鎮護神、産土神となり祭礼となる四宮祭が生まれ、江戸時代から曳山祭りとして発展し、京都祇園祭を彷彿させる神輿山鉾16基による優美な巡幸になった。
*近江の国の社格は、国司が任国に赴任した時巡拝する順番で、一宮・建部退社、二宮・日吉大社、三宮・多賀大社、四宮・天孫神社 -
後方から順に、
11. 月宮殿山(げっきゅうでんざん)
能楽「鶴亀」に因んで名付けられた月宮殿で皇帝が不老門に立ち、美しい前庭で春を祝う会を催された様子で、亀の冠をつけた男児と鶴の冠をつけた女児が舞う、星座を入れた天井が素晴らしい、カラクリは鶴亀が両手を上げたりまわったりして舞う人形の身振りの仕組みが良く出来ている -
10. 孔明祈水山(こうめいきすいざん)
諸葛孔明が魏と戦ったとき「敵の大軍を押し流す大水を与えてほしい」と祈ったら、大洪水が起り魏の大軍は木の葉のように流れてしまったという故事による、カラクリは鉾先を河水の作り物に突きさすと河水が下から巻き上って湧き出る -
9. 湯立山(ゆたてやま)
曳山中最古のもので、この山から授かった湯をかけられた人は五穀豊穣、悪疫退散、商売繁昌するという、カラクリは天孫神社に湯を奉る神楽舞で、称宜がお祓いをし巫女が釜湯を立て飛矢が神楽を舞う -
8. 神功皇后山(じんぐうこうごうやま)
神功皇后が肥前国で鮎を釣り戦勝を占ったとされる伝説に因み、草花や鳥等を極彩色で描く格子天井が素晴らしい、カラクリは皇后が岩に弓で字を書く所作をすると次々と文字が現れてくる -
7. 猩々山(しょうじょうやま)
能楽の「猩々」に因み、中国の親孝行の高風が街で酒を売れば富貴な身分になろうというお告げに従って酒を売っていたら、海に住む猩々が来て酌めども飲めども尽きない酒の泉を与えたという、カラクリは杓で酒を汲んで大盃に注ぎ呑むと扇でかくした顔が真赤になっている -
6. 殺生石山(せっしょうせきざん)
能楽の「殺生石」に因み、鳥羽上皇に寵愛をうけた玉藻御前(たまものまえ)が生命を縮めんとしている古狐であることがバレ殺生石となったが玄翁和尚(げんのうおしょう)の法力で成仏したという話、カラクリは和尚が法子をあげると殺生石の岩が二つに割れ優美な女官姿で出てきて舞扇をおろすと顔が狐に変っている -
5. 西王母山(せいおうぼざん)
能楽の「西王母」に因み、西王が天子の齢を祝い世の平和を祝福し三千年に一度だけの桃の実を捧げたという通称「桃山」、これに桃太郎の話が付加されカラクリは、桃の中から桃太郎が出てきて舞い終って元の桃の中へ戻る -
4. 石橋山(しゃっきょうざん)
能楽「石橋」に因み、天台宗の僧が修業のため宋国に渡り文珠菩薩の浄土と伝えられる険しい石橋を渡ろうとしたら獅子が岩陰の牡丹にたわむれているのを見たという話、豪華な牡丹彫刻が目立つ、カラクリは大小2個の岩の上の獅子が岩の中からとび出して牡丹の花に戯れ再び岩の中に隠れる -
3. 龍門滝山(りゅうもんたきやま)
黄河上流の龍門山の滝を上がる魚は直ちに昇天して龍になるという故事に因み通称「鯉山」、カラクリはわが国最古のもので龍門の滝を鯉が躍り上がる -
2. 源氏山(げんじやま)
石山寺で源氏物語を書いたという故事に因み、別名紫式部山という、柱上の近江八景の彫刻や「四季草花図」と呼ばれる格天井が素晴らしい、カラクリは石山寺をかたどった岩の中から牛車や舟などが現れ紫式部がこれらを眺める -
1. 西宮蛭子山(にしのみやえびすやま)
蛭子様を祀っており恵美須山(えびすやま)又は鯛釣山(たいつりやま)といい社寺建築の屋根構造が特長で宮大工の関与が推測される、カラクリはエベッサンが巧妙に鯛を釣るしぐさで人気がある -
*撮影に間に合わず曳山連盟HPの写真を拝借
不籤取(くじとらず)西行桜狸山(さいぎょうざくらたぬきやま)
天孫神社で狸の面を付けて踊りをしたのが始まりで、西行法師が桜の精と問答を交わす人形を使うようになってから西行桜と改めた、狸は屋上で祭の先導をし祭日の天気を守っているので、この山は毎年くじ取らずで先頭で巡行している、面白い!カラクリは桜の木から桜の精(翁人形)が姿を現わし西行法師と法問答をして消える -
ちょうど先頭から2番目の「西宮蛭子山」(にしのみやえびすやま)が天孫神社正面鳥居へ左折しているところに遭遇
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大津祭の方向転換は祇園祭と同じ「辻回し」?だが、祇園祭の曳山は11トンあるので車輪の下に竹を敷いて滑らせるのに対し、大津祭は4トンだから狭い通りでも割とスムーズに小回りが利く、同じ4トンの重さの地車を勢いよく走りながら周る岸和田と比べれば安心して見ていられる
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大津祭の曳山の特長は車輪が3つの三輪車であること、方向転換はしやすいが後ろに倒れやすい、そのため「猫足」と言われる棒がぶら下がっていて転倒を防ぐ、まさに猫足!
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方向転換することを大津祭と祇園祭では「辻回し」、岸和田だんじり祭では「やりまわし」というが、飛騨高山祭では「戻し車」といい車輪が5つあって5番目の車輪を使い変則の三輪車となって角を曲がる、昔の人の知恵は凄い!
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曳山が「天孫神社」の鳥居の前でカラクリを披露して巡行を開始するのも大津祭りの特長
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2016年国重要無形民俗文化財に指定
京都の影響を受けつつも独自の祭礼文化を形成し、近世の都市祭礼の性格をよく残して、我が国の山・鉾・屋台行事の伝播のあり方や変遷を理解する上で重要であると評価された -
曳山は、カラクリの他にもいろいろな動物や人物がいる欄間や飾り金具、屋根の形と屋根上の狸もいるシンボル、星座もある天井、ベルギー製もある飾り幕など見所が多い
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曳山の高さは約6m、電線や信号、アーケードなど全て支障がないようになっているという
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何でも先導役が大事!
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常に真っ直ぐ進んでいるか見て指示し、停まって曳山を持ち上げて修正する、11トンの祇園祭ではこうもいかない
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お年寄も3年ぶりの曳山を楽しんで大津町民全体で盛り上げているのがよく分かる
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巡行する通りの家は2階の窓を外し緋毛氈を掛けて曳山を応援する、曳山から粽(ちまき)や手拭いなどを投げ込むと盛り上がる!
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後で調べて分かったが、「神楽山」は、明治5年(1872)に退いた曳山で、本体は現存せずからくり人形や幕は現在も残っているので、祭りの両日町内に飾られている、
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所望(しょもう)
軒先の御幣(ごへい)は、カラクリが演じられる所望場所の目印で20数か所ある -
3.龍門滝山(りゅうもんたきやま)のカラクリは、龍門の滝を鯉が躍り上がる鯉の滝登り、わが国最古のもの *撮影が出来なかったのでイメージを貼りつけ
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4. 石橋山(しゃっきょうざん)のカラクリは、大小2個の岩の上の獅子が岩の中からとび出して牡丹の花に戯れ再び岩の中に隠れる
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*撮影が出来なかったので、morino296さんの旅行記「大津祭2008」を拝借しました。→https://4travel.jp/travelogue/10280124
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5.西王母山(せいおうぼざん)のカラクリは、桃の中から桃太郎が出てきて舞い踊り、終ったら元の桃の中へ戻る
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4.殺生石山(せっしょうせきざん)のカラクリは、和尚が法子をあげると殺生石の岩が二つに割れ優美な女官姿で出てきて舞扇をおろすと顔が狐に変っている
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7.猩々山(しょうじょうやま)のカラクリは、杓で酒を汲んで大盃に注ぎ呑むと扇でかくした顔が真赤になっている
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8. 神功皇后山(じんぐうこうごうやま)のカラクリは、皇后が岩に弓で字を書く所作をすると次々と文字が現れてくる
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9. 湯立山(ゆたてやま)のカラクリは、称宜がお祓いをし巫女が釜湯を立て飛矢が神楽を舞う
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10. 孔明祈水山(こうめいきすいざん)のカラクリは、鉾先を河水の作り物に突きさすと河水が下から巻き上って湧き出る
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11. 月宮殿山(げっきゅうでんざん)のカラクリは、鶴亀が両手を上げたりまわったりして舞う人形の身振りの仕組みが良く出来ている
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町内ごとに曳き山の会所がある
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途中の喫茶店で
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11:30大津駅に戻ってランチ
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前から食べたいと思っていた「近江ちゃんぽん」をいただく、全国に68店舗もあるらしいが滋賀県で食べてこその価値、全国展開もそこそこにして欲しい
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和風だしで中華の長崎ちゃんぽんよりあっさりして、野菜もたくさん入って食べやすい
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曳山展示館へ、曳山の実物大模型やカラクリが見れる
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「西王母山(せいおうぼざん)」を展示してカラクリが良く分かる
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三輪車の構造が良く分かる
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祇園祭でもあったが、「トロイの木馬」を描いたベルギー製のタペストリーは、3分割に裁断して祇園祭の「白楽天山」と大津祭の「月宮殿山」、「龍門滝山」に使われているという、徳川時代オランダから日本に入り徳川家から三井本店を通じて入ってきたというから歴史の重みを感じる
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町屋の2階から見た感じ
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桃を開閉する、人形が桃から出た時に衣装をピンとさせる、滑車で歩行し方向転換する等々、どういう人たちが作っていたのか想像すると楽しい
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12:30京阪浜大津駅前に到着、これから「琵琶湖疏水」ウォーキングのスタート
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