道央・北の路線を巡る旅、その３　『鉄道員（ぽっぽや）』エレジー

2022/06/20 - 2022/06/20

襟裳岬から黄金道路を抜け、次の街へ向かう。

十勝の交通の要衝であった帯広は、東西に根室本線が走り、南へ広尾線・北へは士幌線が延びていた。
文字通り旧国鉄時代の『十字路』でもあった。


私は車を西へ向け、新得を目指す。
かつては落合方面から狩勝トンネルを抜けると、眼下に十勝平野が広がったらしい。
その様は『日本三大車窓』と詠われた。
明治に着工された路線は、莫大な費用と多くの犠牲者を出して７年後に完成。

そののち漏水や凍結などで、老朽化が顕著になる。
１９６６年、新狩勝トンネルが開通するにともない、急こう配の旧路線は廃止となった。


今回は国道３８号線を走り、狩勝峠を超える。
峠からは、鬱蒼とした木々が見えるばかり。
当時の人々の労力に思いをはせ、展望台を後にする。

車は南富良野町に入り、落合から幾寅を経て富良野へと向かう。
落合駅に着いて、その姿に驚愕！
いたる所、雑草・草木に覆われている。
２０１６年の台風被害により、東鹿越－新得間が運休（バス代行）になったのは、周知のとおり。


このあと、錆びた北の鉄路はどうなるのだろう？
鉄ファンのひとりとして、雑木の中で悲しさがこみあげてきた。

エリア 北海道

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 5.0
• グルメ: 4.5

• 交通手段: レンタカー 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

お昼時間に帯広に到着。

ぶた丼のとん田 グルメ・レストラン

地元でも評判のお店で「ぶた丼」を注文。

「ロース」と「バラ」、柔らかい(^^♪

盛り合わせを、美味しく頂きました。

お腹も満ち、車を西に向けます。

新得駅に到着

新得駅 駅

大きな駅です。

モニュメント

蒸気機関車に石炭をくべる様子でしょうか。

こちらも交通の分岐地点

駅前には、東鹿越行の代行バスを待つ列が

北上すると、ＳＬが静態保存されていました。

新得町SL広場 公園・植物園

昭和１３年製造の「Ｄ５１９５号」とありました。

各地を走った後、昭和４９年に引退。

「新得町ＳＬ広場」らしい

旧鉄路が保存されているようです。

時間があれば、ゆっくり散策したい遺構群ですね。

国道３８号線を、一気に北上

狩勝峠に到着

狩勝峠展望台 名所・史跡

峠からの眺望は、絶景です。

この森林の中を鉄路が走っています。

国道を下り、着いたのは

落合駅

２０１６年から不通に

ホームを見ると

雑草が伸び放題・・・

跨線橋は固く閉ざされて

落合駅 駅

線路も隠れて見えず．．．

振り返ると、ルピナスが咲き誇っていました。

北海道らしい紫花だが・・・

駅には、代替えバスの時刻表

空知川に沿って下ると、

幾寅駅に到着

幾寅駅 駅

そう、そこは・・・

『鉄道員（ぽっぽや）』の世界

映画は１９９９年に公開

現役でもある駅舎の半分は、

展示コーナーに

物語の一部やキャスト・スタッフの思い出も

健さんをはじめ、今ではもう会うことの出来ない人もいる。

行き先表示板

せっかくなので、ホームまで上がりましょう。

錆びた鉄路に

ルピナスの花が・・・


なぜか、悲しい

駅前にまわると

映画のセット

だるま食堂も

物語の中にも出てくる

駅舎の見学を終え、かなやま湖に沿って進む

途中、根室本線と交わりながら走る

線路の向こう側は、雑草に覆われて見えない。

東鹿越駅に到着

現在、滝川からの列車はここが終点

ちょうど、代行バスも到着


数名の乗客が列車に乗り換えました。

本物の走るディーゼルカー

東鹿越駅 駅

乗客も、思わずパチリ！

やがて、ブルブルとエンジンが唸り

滝川に向けて出発しました。

列車を見送り、湖を渡る

峠を越えて

金山駅に到着

金山駅 駅

山あいの静かな駅です。

待避線もある長いホーム

根室本線に別れをつげ、

次に、どうしても行きたかったのが“麓郷の森”

麓郷の森 名所・史跡

ご存じ『北の国から』の舞台

１９８１年から放送された。

時間があれば、ゆっくり観光したいのだが・・・

脚本は倉本聰氏で、物語もそうだが

僕たちを圧倒したのが

北海道の大自然だった。

白銀の中を走るキタキツネ

極寒の地で生きる人々

そこで織りなす家族の物語

もちろん、さだまさし氏の楽譜にも惹かれる

でも、やはり五郎さんはいない。

閉園の時間が間近だったので、外からだけ見学し帰途に就く。


真っすぐな道が山ぎわまで続く。

さらに北上し

今宵のお宿へ

旭川旭岳温泉 湯元 湧駒荘 宿・ホテル

“秘湯の宿”に荷を解く

さっそく夕食を

美味です(^^♪

「秘湯ビール」だって！

こちらは「ゆこまんの酒」

地元のお酒と共に

いただきます♪

「しゃぶ、しゃぶ」

食事の後は、ゆっくり旅の疲れをとりましょう。






　　　　　　―――　つづく　―――