2022/07/14 - 2022/07/14
91位(同エリア154件中)
ちゃんさん
博多~鹿児島間を結んだ在来線特急「つばめ」こと、787系電車のデビューから今年で30周年。その生まれ変わりと言える、36ぷらす3の木曜日コースに乗車しました。
列車は熊本県から鹿児島県へ。JRから経営分離され、電化設備すら貨物用となった「肥薩おれんじ鉄道」を、JRの電車特急で下る。もう二度と無理だと思っていた旅路を満喫しました。
https://www.youtube.com/watch?v=jaU91q5W8D4
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- JR特急
-
ビュッフェまで来たついでに、2号車の方もちょっとのぞいてみましょう。1~3号車は食事セットプラン専用の半個室になっています。
うわぁ、コテコテやなぁ。もし水戸岡先生が今、在来線の一般的な特急列車をデザインしても、こんな雰囲気に仕上がるんでしょうか。36ぷらす3 乗り物
-
個室はいくつか空いていて、中の様子を見ることができました。列車の中とは思えない、手の込んだ調度に目が奪われます。
趣味が合うかは別にしても、家族やグループなら水入らずの時間を過ごせるのは、間違いなさそうです。 -
身障者対応個室は、車椅子を取りまわすスペースがある分、さらにゆったり。新幹線の多目的室とは、レベルが違います。
-
近年の水戸岡デザインで、いろんな列車に取り入れられている大川組子。
掃除が大変そうだなという現場サイドへの思いはさておき、光の入り方が繊細。ステンドグラスのような効果があります。 -
1号車は畳敷きになっていて、靴を脱いで上がる、本邦でも珍しいスタイル。もちろん畳は八代製で、ふわっとイグサの匂いが漂います。
なんとなく気が引けて、この先への立ち入りは控えてしまいました。 -
本拠地の5号車へ戻ろうとビュッフェを通ったら、ピークタイムを過ぎていてガラガラ。これはチャンスとばかり、コーヒーを飲むことにしました。
味は「まったりの3」「ほんのりの6」の2種類。ひとまず、まったりを頂きました。400円なり。 -
コップを渡され、カウンターのコーヒーサーバーで注ぐセルフスタイル。混雑緩和には有効かもしれないけど、コンビニみたいで気分は乗りません。
カウンターの奥に同じサーバーがあるのでもいい、手渡ししてほしいとうのは贅沢でしょうか。ローソンに求めるのは、贅沢だと思ってますが。 -
こちらも空いてきたマルチカーの片隅で、のんびりコーヒータイム。お味は満足のいくものでしたよ。
-
観光特急として大改造を施された36ぷらす3ですが、原形の面影を留めるポイントも随所に見られます。
なじんでいる丸形のスポットライトは、もとの787系にもあったもの。 -
気分が悪い時に横になったり、授乳にも使えたりするマルチスペース。これも、今在来線特急として走っている787系にもある設備です。
-
3号車にある2人用個室は、特急では3~4人用のボックスシートになっている区画です。
ガラスには「セミコンパートメント」と書かれていて胸熱。787系のデビュー時は、この名前で呼ばれていたんです。 -
乗降口には経由地を表示したサボ(サイドボード)が差されており、さすがにこれは原型の787系にはなかったものです。
小さい時、それこそ787系が登場した頃は、都市圏の電車でもサボを差してました。いつの間にか、見なくなったなぁ。 -
11時10分、玉名着。正式な停車駅ではありませんが、地元からの歓迎おもてなしのある駅として、20分停車します。
1時間に2本の特急が消えて以来、静かになっていた主要駅に、ひとときの賑わいが戻ってきました。玉名駅 駅
-
乗客が買い物を楽しんでいる間に、客室乗務員はテキパキと動いています。食事つきプランの弁当を、地元の料理屋さんから受け取っているのです。
いかにも地元のおばちゃんといった従業員さんから労われつつ、短い時間での受け取りを頑張っておられました。 -
乗降できる停車ではないけど、発車案内にはしっかりと「36ぷらす3」の文字。
-
つやっとした車体が、誇らしげです。
-
乗客それぞれが、思い思いの時間を楽しめたようです。お見送りを受け、玉名を離れました。
-
座席で一息ついていたら、あっという間に唯一の「正式な」停車駅・熊本に到着。意外と降りる人が多く、さらに多くの人が乗ってきました。
立派な高架駅に生まれ変わった熊本駅在来線ホームのスペックが生きる、数少ない列車でもあります。熊本駅 駅
-
ビュッフェ車の部分は、カウンターに合わせて窓が少し高くなっているのがアイキャッチになっています。かつての食堂車も、厨房脇の通路部分が同じような窓でした。
長距離列車の風格を感じられる部分です。 -
ナイフとフォークの、今風の食堂車マークも素敵。時刻表でのビュッフェの表記はコーヒーカップなんだけど、細かいことはナシで。
-
熊本駅の発車時刻は12時きっかりで、これも風格を漂わせます。週1度の観光列車に黄金ダイヤを明け渡せるのも、並行在来線の一つの現実ではありますが。
-
熊本駅の社員さんに見送られ、九州南部へと足を踏み出しました。
-
12時30分からは個室での食事が始まるということで、13時30分まではビュッフェの利用を控えるよう呼びかけられました。
となれば、その前に行っておかねば! 3度目のビュッフェにお邪魔しました。 -
季節の日本酒飲みくらべセット(おつまみ付き)を買い込んできました。3つの盃は、いずれも大川の若波酒造。純米、純米吟醸、純米大吟醸を飲み比べです。
おつまみは、きびなご、有明のり、そして茶色い四角…? 尋ねてみれば、塩チョコでした。 -
イグサの絨毯を駆け抜けた列車は、八代駅へ。肥薩線が災害で寸断され、在来線特急が消滅してしまった駅に、華やぎを与えます。
八代駅 駅
-
この駅からJRを離れ、肥薩おれんじ鉄道へと乗り入れます。九州新幹線の部分開業とともにJRから経営分離され、乗客も少ないことから、ディーゼルカーで運行されている私鉄です。
電化の設備は貨物専用として残されたもの。「ななつ星」もディーゼル機関車なので、36ぷらす3は、電化設備を使う唯一の旅客列車ということになります。球磨川 自然・景勝地
-
西九州新幹線開業でディーゼル化される長崎方面は、貨物列車もないため、電化設備そのものが撤去される予定。従って36ぷらす3の乗り入れも、この秋までです。
日奈久温泉を出るとほどなく、東シナ海が現れました。この景色を見ながら一杯やりたくて、ビュッフェに行くタイミングをうかがっていたのです。 -
東シナ海に、乾杯! 専用のグラスに、水面が映ります。
「つばめ」のビュッフェから見る東シナ海が好きで、同じようにビュッフェに行くタイミングをうかがっていたことを思い出しました。 -
36ぷらす3のグリーン席のうち、最後尾の6号車も畳敷きになっています。立派な「玄関」にシューズボックスもあるので安心。
-
靴を脱げば、長旅の疲れも軽くなるんじゃないかな。小さなお子さんにもよさそうですね。
-
一番後ろには畳敷きのフリースペースがあります。ここも、子どもがぐずった時には逃げ場になりそう。
-
おもちゃなんか置いてあれば尚いいけど、コロナ禍とあっては難しそう。代わりに、各ルートの絵葉書が飾られていました。
-
さらに暖簾をめくってみれば…運転席が現れた! 787系の運転席は、パノラマ型だった先代の783系とは対照的に、完全に閉ざされていました。
へえ、こんな運転席だったんだと感心していたら、ちょうど帰って来た車掌長と雑談に。36ぷらす3に限らず、今は他の787系も運転席が見えるようになったんだそうです。 -
「お客様とのコミュニケーションのため…」とは言ってたけど、日豊本線で実施されているワンマン運転との絡みも大きいんじゃないかな。
1号車も同じようになっていますから、是非ご覧になってみて下さいと勧められました。え、1号車にも入っていいの!? -
車掌長に許可を得たのだから、堂々と靴を脱いで1号車へ。畳敷きの廊下が新鮮です。
コーナーの部分には、鏡面仕上げのレリーフが飾られていました。角でぶつからないよう、注意喚起の意味も込められていそうです。 -
装飾は洋風だけど、畳敷きの床と意外にマッチしてます。
-
靴を脱いでくつろげる ゆったりソファの個室、これは家族旅行にぴったり!
-
そして窓からは、確かに先頭部分を眺めることができました。運転席には改造が及んでいないそうですが、席がどっしりしていて、座り心地は良さそう。
九州新幹線との乗換え駅、出水に滑り込みました。ドアは開きませんが、おれ鉄の社員さんが横断幕を掲げて歓迎してくれました。出水駅 駅
-
海沿いでは景色を見るためゆっくり走っていた列車は、内陸部に入ると全力疾走。今の「おれ鉄」も、特急を走らせられるだけの線路規格を維持してるんですね。
「つばめ」時代は3時間45分だった福岡~鹿児島間を6時間半もかけて走るので、どんなにゆっくりかと思ってました。3時間近い余分な時間は、どこへ…? -
おれ鉄線内では海の見えるポイントが3箇所あり、その度にゆったり走行してくれます。通路側の座席では、満足に車窓を楽しめないのが残念。
徐行するくらいですから、景色を「見せる」気はあるんでしょうに。 -
席にいてもつまらないので、4度目のビュッフェへ。焼きそばだけでは小腹が満たせず、黒い鶏カレーを、都農ワインのスパークリングと合わせてみました。
食事系のメニューはカレーと うどんくらいなので、もしグリーン席プランで九州一周するなら、2日目以降は駅弁を持ち込んだ方がいいかもしれません。 -
2つ目の観光停車は、阿久根市の牛ノ浜駅。小さな無人駅が、どっと賑わう十数分です。
国道を挟んで海と対峙する、磯の香る駅。ただ国道の通行量が多く危険ということで、駅前広場から出ないよう案内されました。牛ノ浜駅 駅
-
歓迎の横断幕は、乗客が道へ出ないようにするためのものでもあります。
以前、一度海岸まで降りたことがあり、磯遊びができる楽しい岩場が広がっていました。お子さん連れの途中下車にはおすすめの駅です。 -
代わりに特産品ショッピングを楽しみました。売り子さんは阿久根市役所の職員さんが中心で、観光とは関係のない課の方もチラホラ。当番制なんでしょうね。
十年前は大変なことになってたけど、今の市役所は大丈夫ですか? と聞くと、今は大丈夫との答えが返って来て安心しました。 -
車内に戻ると、マルチカーでは体験イベントの準備が進んでいました。
-
家族で乗る機会があれば、ぜひ参加したいですね!
肥薩おれんじ鉄道を抜け、列車は鹿児島へ向かってラストスパートです。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
八代(熊本) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 36ぷらす3「赤の路」で行く787系30周年の旅
0
46