2022/06/08 - 2022/06/10
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鯨の味噌汁さん
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6月8日午後、トラーパニからバスでアグリジェントへ向かう。約170キロ、3時間半の移動だ。
バスは海岸線を走ったり、山間部へもぐりこんだりしながら東へ走る。
高台に出ると、はるばると南に広がる海を見渡せる。
少しばかりうとうとしてるうちに、山肌にぎっしりとビルが簇生する町が見えてきた。
その手前に神殿らしき遺跡も見える。
おお、これがアグリジェントか。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- エティハド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
アグリジェントは丘の町だった。どっちへ行くにも上りか下り。
宿はバスターミナルから坂道を下った町の南側。
トントン階段を下っていくと、観光地区を外れ、いちめんゴミが散乱している通りに出る。
ペットボトル、犬の雲古、新聞雑誌、下着、遠慮なく捨ててある。
経験上「ゴミだらけの町=治安が悪い」なので、いやがうえにも緊張が高まる。
前後左右に注意を払いつつ、google map を頼りに、なんとか宿へ。 -
ホストは30半ば、穏やかな感じのお兄ちゃんで、見事なザビエルハゲだった。
部屋は安っぽいインテリアのダブルルーム。
クッションがハートのピンクであること以外は特にツッコミ処はない。
お兄ちゃん、部屋であれこれ説明してくれる。こっちもいろいろ質問。
「エアコンは?」
「これ」
…シチリアではこれを「エアコン」ってゆうのか?
日本では違うぞ、これは「扇風機」とゆうものだぞ。 -
さらに問う。
「ネットにはランドリーサービスって書いてあったが」
すると兄ちゃん、洗面所を指して「ここ」。
さらにバルコニーにヒモが通してあるのを指して「ここ」。
イタリアの下町は洗濯物が名物だけど、ワシのおぱんつがそのラインナップに加わることになろうとは。 -
夕方、現金だけ持って、そのゴミ町に出かける。なにしろゴミ町であるから、付近に一休みするようなカフェはない。
バールでビールを買うと、入墨した地元の兄ちゃんたちがワイワイやっていた。騒がしいけど、凶悪な感じはしない。仕事が終わってノンビリしてるだけだなこりゃ。
パン屋、八百屋と回って夕食を仕入れ、宿に引き返し洗濯。バルコニーにおぱんつを干したらやがて日が暮れた。
結果的に、夜は意外に涼しくなったから扇風機だけで足りた。
さらに洗濯物もばっちり乾いたから結果オーライだ。おぱんつも「貴重な体験した」と喜んでいた。(ウソ) -
翌6月9日。
天気予報は珍しくも「曇り時々雨」。
宿を出たら気持ちいい風が吹き出す。
空を見上げるといい感じで雲が広がってきた。涼しいぞ。
この日は町の南に広がる「神殿の谷」へ、古代遺跡を見物に行く予定だった。
カンカン照りだったら干物になるところだ。ついてる。
地球の歩き方に教えてもらったバス停から古代遺跡を目指す。市内から2キロ、10分。
観光客の方々がドドドっと降りる場所で下車し、キップ売り場へ。 -
売場のお姉さんは小柄のブルネット美人だった。さらには形のいいチチで、小ぶりなりに谷間クッキリ。
この子はワシをジジイに見立て、
「端から端まで3キロあるのよん。往復6キロよん。無理だと思ったらシャトルバスに乗ってねん」
敬老精神のマナザシでアドバイスしてくれる。
ありがたやありがたや。神殿の谷を拝む前にチチの谷を拝んでしまう(⇒本能)。 -
この谷(チチの方ではない)で見たかったのは、神殿跡に横たわる巨人像だ。
ただっぴろい遺跡をせっせと歩き、たどり着いてみると、そいつは仰向けになり、化石のように眠っていた。
黄銅色で全体に朽ちかけた様子は、ドラクエのモンスター・ゴーレムそのものだ。(これはレプリカで、本物は博物館なのだが) -
近寄って触ってみる。
巨人は深い眠りについたままで、起き上がる気配はない。
だれかがかけた眠りの呪文「ラリホー」が何千年もの間続いているんだね。 -
ひとりでウロウロしてると、きれいな銀髪、東洋人のご婦人と目が合う。
地味だけど上品なワンピース、高そうなメガネ。予感がしたので、訊いてみる。
「ジャパニーズ?」
「イエス」
ひとりで旅してるという。きっと待ちに待って旅に出たんだろうな。
この方とは場内で2回ほどすれ違ったが、お互い会釈するだけで通り過ぎた。
なんか同類のニオイがした。
どうぞよい旅を! -
神殿はどれもギリシア時代のものだという。
ある神殿の前には、ブチ壊れたブロンズ像が置いてあった。
…といってもこれは遺跡の一部ではなく、現代作家の彫刻であるらしい。
お姉様たちがキャーキャー言いながら写真を撮ってました。 -
神殿の谷は南北1キロ、東西4キロほど。
オリーブ畑が広がる中にぽつりぽつりと遺跡がある。その北側にはアグリジェントの町、南には地中海。
緑の中にフツーに建ってるから、遺跡が遺跡っぽくない。
奈良の斑鳩は田んぼの中に法隆寺とか法起寺とか建ってるけど、あんな感じだ。 -
東の端まで歩き、帰りはお姉さんのアドバイスに従い、シャトルに乗る。
片道3ユーロ。
「ミュージアムへ行きたい」
とドライバーの兄ちゃんに言ったら、出口のトンネルの反対側にある近道を教えてくれた。
みなさん親切だ。ジジイでよかったぞ。 -
博物館の入り口にあったブロンズ像。
「おおご立派な腹筋ではないか!」
とカメラを向け、のけぞった顔を確認したら、女性だった。(最初おっぱいがあるのに気づかなかった)
睨まれたような気がする。 -
ここでゴーレムの本物を見物する。
なるほど、こうやって立ってたわけですね。
両腕をあげているのは、天井を支えるため。 -
おとなりには顔面の展示もある。
それによると、風化する前はアーリア系だった模様。 -
再現するとこんな感じなんだそう。
-
壺も売るほど展示してあり、そのすべてに鮮やかな絵が描かれていた。
神話が描かれてるものが多いが、なかには生々しい戦闘場面もある。 -
大満足して博物館を出て、市内へ戻るバスを待つ。
だがしかし、バス停は確かにあるのだけれど、どのバスもみなさま素通りしていく。停まってくれない。
ヤケクソになって逆方向に乗ると、神殿入口を通り過ぎ、アグリジェント郊外の住宅地をどんどこ走って、やがて終点についてしまった。
ドライバー氏に「降りな」とゆわれたが、
「セントラルバスターミナル」
と言ったら、まいいか、という顔になり「そのまま乗ってな」。
ううう、なんてやさしい。
重ね重ねジジイでよかった。(くどい)
あとで調べたら、帰りのバス停は博物館のずっと坂上にあるらしい。 -
午後からはアグリジェントの旧市街へ。坂の多い静かな町だった。
路地から路地へとゆっくり歩く。
道は曲がったり折れたりで、たちまち東西南北が分からなくなるが、そうゆう時は慌てず騒がずgoole map で方角を確認し、また歩き出す。
旧市街は狭いので迷ったとしても、いかほどでもない。 -
バスターミナルへ寄り、次の行く先を探す。海岸線に沿って南下するならシラク―サ、中央部を突っ切って東の海岸に出るならカターニアだろう。
バス便を調べるとカターニアへの便が頻繁に出ていた。こっちでいいや。
サントスピリト教会を見物し、夕刻、宿に戻る。
ゴミだらけなのは相変わらずだけど、通りにに気持ちのいい風が吹いていた。ワシのおぱんつもその風にたなびいている。
ホストの兄ちゃんがバルコニーでビールを飲んでいた。客はワシだけだからヒマなんだろう。
これは付き合うしかない。
となりのバールでビールを買ってきて合流する。
「日本人は多いのかい?」
「以前はいっぱい来たけど、コロナからこっちはさっぱりさ」
それから家族の話になった。
息子が6歳で空手を習ってるという。写真も見せてくれた。かわいい金髪の男の子だった。
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