2022/06/08 - 2022/06/08
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鯨の味噌汁さん
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6月8日、水曜。
シチリア・トラーパニ。連日の快晴。
午後にアグリジェントにバスで移動の予定なので、午前の時間を使って近場の観光をしよう。(珍しくやる気)
目指すのはトラーパニ郊外のエリチェとゆう町。標高750メートルの城郭都市で、バスとロープウェイを乗り継いで行くそうな。(4Tでは「エリーチェ」)
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス
- 航空会社
- エティハド航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
でもよく考えたら、トラーパニ旧市街のこと何も書いてなかった。
せっかく二泊したのに
「チチ見ました、めでたしめでたし。以上」
だといくらなんでもナニなので、ちょっとだけ前夜のことを。
船が港に戻って、みなさま三々五々解散、と思いきや、大半の客は待機していた観光バスに乗り込んでいった。パレルモからの日帰りツアーなのかもしれないね。
まあいいや。涼しくなってきたんで、岬の先端までぶらぶらと散歩。
午後9時、ようやく日が沈もうとしてる時間帯だ。
城壁が先端まで続いている。
そこにレストランの席が用意されていた。
岬の先端までいったところでちょうど日没になり、とぼとぼ引き返す。 -
旧市街は南北400メートル、東西1キロ。駅の西に広がっている。
歩いて回るにはちょうどいいサイズだ。
ティレニア海に向かって細い三角形が突き出ている感じなので、どこからでも通りの終わりには海が見える。
夜の10時を過ぎ、きのう訪ねたカフェまで行ってみることに。昨夜食い損ねたピザを食おう。 -
昨夜のお姉さんに
「きょうも来たぜ、マルゲリータピザとビール」
お姉さん、愛想よく頷く。
観光地で二日続けて通うと、歓迎される気がする。
気のせいかもしれんが。 -
だがしかし。
「スモールサイズ」
とお願いしたのに、なんだこの大きさは。
かんべんしてくれい。
おまけにチーズが表面張力みたいにかかってるではないか。
こんなの食いきれるわけないだろ。 -
食いきれるわけないのに、気が付くと完食し、追加でタコのマリネまで注文してしまった。
われながら狂暴な食欲だ。(2キロ太ってっ帰った)
が、このタコがうまい。
オリーブオイルと塩、それに香草、セロリにニンジン。ちょっと柑橘。
タコは柔らかくて、ビールが進むこと進むこと。
ついでに白ワインも頼んじゃう。
(シチリアは白がうまいんだそうな) -
6月8日、水曜。
連日の快晴。
午前7時に宿を出る。
さあ、エリチェを目指そう。
地球の歩き方に教えてもらったバスに乗り込み、30分町をジグザグに走り、ドライバー氏に「ここだよ」と降ろされる。 -
なるほど、それっぽい建物が目の前にある。
階段も駅舎もある。
でも入口はがっちり施錠され、ヒトの気配がないぞ。 -
案内表示を見たら、始発が8:30、まだ1時間も先だった。
われながら詰めが甘いんだよ。 -
てこてこ歩き回るが、どうやら周囲は郊外の高級住宅街らしく、バシっとスーツを決めたお嬢さんがお屋敷から出勤していく。
バックパックで怪しい東洋人が歩き回ってたら通報されそうだ。
しょうがないんでiPadひらいて日記をつけだす。(⇒この日記、たいていこうゆう時間に書いてます) -
1時間待って、口開けの客となる。片道9ユーロ。
ロープウェイって大人になってもワクワクする。乗った瞬間、ふわっと空中に放り出される感覚が独特だ。
快晴、目の下に海に向かって突き出した、三角形のトラーパニ市街が広がる。その向こうは海。
いっぱい歩いた旧市街はその三角形の先っぽだ。 -
足元の急斜面には小道がうねり、大きな邸宅がぽつぽつと続くが、やがてそれも終わり、むき出しの岩石地帯になる。
この先に人の住んでる町があるなんてホントかなぁ。 -
ずんずん高度を稼いで、10分でエリチェ到着。
城壁前にはバス停、駐車場などもあり、一応クルマでも来られる。
観光バスのスペースもあるから、ツアーのコースにもなってるらしい。
とはいえまだ9時前であるから、観光客はパラパラ。インフォメーションも開いてない。 -
門をくぐり、石畳の街並みに入っていく。
迷路のような路地にいくつかの砦と教会が点在する。
もちろん民家もある。その半分くらいは観光客相手のお店やホテルだ。
イタリア名物「二階の窓から外を眺めるおばちゃん」の姿もある。
ぼんじょるの、おばあちゃん。(ちゃんと返してくれる) -
日本にも戦国時代に造築された「山城」はいくつかあるが、こんな「町ごと山頂に作った」なんてのは見たことがない。
関東なら筑波山、新潟なら弥彦山、滋賀なら伊吹山の山頂に城郭都市があるようなものだ。
しかもエリチェの起源はフェニキア人までさかのぼるそうな。つまり紀元前にひらかれたのだ。 -
ヨーロッパで、人は実にしばしば山頂に町を築く。文明化してすぐに戦争をおっぱじめたのだから仕方ない。
対してわれわれ日本人は稲作民族なので、都市づくりは川沿いの平野を優先し、山間部においても川沿いか扇状地を選んだ。
つまりは防衛よりも水利を選んだわけだ。
コメと麦は文明のデザインを変える。戦争だけがずっと変わらずにある。 -
そんなことをぼうっと思いながら山頂から海を眺める。
きのう行ったファヴィニャーナ島。こちら側の海岸線には塩田も見える。シチリアは伝統的に製塩業が盛んだそうな。
空気が澄んでいればアフリカ大陸が見えるとのことだったが、水平線にはカスミがかかっていた。 -
見晴らしの効く広場に出ると。猫が集会を開いていた。
観光客が餌をあげてるらしく、にゃーにゃー言いながらワシのまわりに寄ってくる。都合11匹。
だがしかし、こちとら食い物のたぐいは持っていない。
中の一匹がそれを察して
「この東洋人手ぶらだ、みんなでいじめようぜ」(⇒一番手前)
なんて言ってるようなので、とっとと退散。 -
お城から下ったところに英国式の庭園があった。季節の花が美しい。
カフェがあったので、木陰の席を選んで一休みする。
カウンターをのぞくと、三角オニギリみたいなコロッケが並んでいた。
「これは何であるか」
お姉さんが答える。
「アランチーニ」
なんやそら。 -
「ライス、プロシュート、モッツァレラ」
おおお、これがシチリアのライスコロッケか。まさか天空の城で出会うとは。
昼間だけどビールをいっぱいだけ頼み、かぶりつく。
わわわ、わがみっつーーーーー。
めちゃくちゃうまいぞ、なんだこれ。
まずはサフランで炊いた黄色いコメ。しっかり味がついてる。
その中にハム。
さらにそのハムに包まれたモッツァレラチーズ。これがまた、とろりとしてタマランチ会長だ。
困った困った、こまつたつおだ。
昼間なのにビールが永遠に飲めてしまうではないか。(⇒2杯飲んだ) -
風がちょうどいい具合に吹いている。眼下に町と海と島。
夕方にここにたどり着いてたら泊まっちゃっただろうなぁ。
あんまり気分がいいのでかーちゃんにLINE電話。
浦和は夜の8時。
「今さー、すげー景色見ながらライスコロッケ食ってるんだぜー」(ビールも飲んでるけどな)
スマホをぐるっと回して、海と島と、ついでにコロッケを見せびらかす。
「わたしは鎌倉に一泊して、さっき戻って来たところ」
お義母さんと「親孝行旅行」に行ったらしい。うんうん、ワシがいたら骨休めにならんもんな。(⇒自覚あり) -
ロープウェイとバスを乗り継ぎ、バスターミナルまで戻る。
バスは巡回らしく、同じ乗り場でダイジョーブだった。
次の目的地・アグリジェント行きは午後2時45分、1時間半も先。
だがしかし、バスターミナルに切符売り場が見当たらない。
「ticket」の表示がでてるBARらしきコーナーは休眠状態だ。
そこらへんにいたセーネンに訊ねると、
「そこの角を左に曲がってたタバッキ(煙草屋)で買える」
無事に切符を買って引き返すと、通りの並びにコインランドリーの看板を見つけた。 -
中に入ってみたら、タッチパネルのセンターコントロール方式だった。
バスターミナルの近くにあるということは、バックパッカー御用達なんだろう。
ちゃんと4か国語に対応している。すげーな。
旅の3日目だけど、連日の猛暑で洗濯物が溜まっている。
洗い30分、乾燥30分で行けるじゃんか。
そもそもGパンがドロドロだ。3日間ワシの汗を吸い、さらに海風に当たって、イカの一夜干しみたいなニオイを発している。
だがしかし、ひとつだけ問題がある。そのGパンをいま履いてるのだ。 -
店内は清潔。洗濯機は1台回ってるが、人はいない。
よってもって「決断と実行」とつぶやき、替えズボンを取り出し、カウンターの陰で生着替えを強行。
若い頃の宮崎美子のコマーシャルが頭をよぎる。あのお尻ふりふり、Gパン脱ぐヤツですね。いっこも重ならないが、気は心、ワシもケツ振りながら脱いでみる。
…するとすると、なんということでしょう、下のおぱんつも、汗でぐしょぐしょなのであった。
そのおぱんつが
「ぜひぜひ私も洗ってほしい」
と懇願する。
よって、素早く前後左右タテヨコナナメを確認し、勇気凛々、おぱんつも脱いでしまう鯨の味噌汁(汚物系ハゲ62歳)である。
さいわい普段の行いの良さが出て、ワシのケツならびに「偉大なる息子」は誰にも目撃されることはなかった。
ヨカッタヨカッタ、と作業を終えて洗濯物をたたみ、バッグパックに詰め、店を出るときにふと視線を感じ、上を見ると、監視カメラと目が合った。
あら見てたのねー!!
後でこのブランド検索してみたら、ヨーロッパで600店舗を経営する超大手だった。
よって近い将来、欧州のコインランドリーで「下半身露出お断り」と注意書きが張り出されたらそれはワシのせいかもしれませんので引き続きよろしくお願いしますね。
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この旅行記へのコメント (7)
-
- ちゅう。さん 2023/06/20 23:35:05
- ビンゴ!猫いた!
- 鯨の味噌汁さん、こんばんは!
このたびは小心者さんつながり?で、フォローいただき恐縮です。というか光栄です。
たぶんかなり足跡をつけていると思いますが、鯨さんの旅行記との出会いは、ジョージアからなんです。
コロナ前は、猫を求めて旅してましたが、今は遠出ができないので、小心者さんの足元にも及びませんが、古い建物巡りをしています。
遅ればせながら、フォローさせていただきます。
よろしくお願いします!
ちゅう。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2023/06/21 14:29:34
- 読んでいただきありがとうございます。
- ちゅう。さん
>たぶんかなり足跡をつけていると思いますが、鯨さんの旅行記との出会いは、ジョージアからなんです。
無職になってから最初の旅ですね。あれから6年もたってしまいました。
ワシの場合、わりとおおざっぱな計画しか立てないので、小心者さんの旅ともちゅう。さんの旅とも、かなり旅のスタイルが違いますが。
おふたりとも読んでて楽しい旅をされてます。
旅日記は「どこに行ったか」が大事ではないなー、「誰が行ったか」が大事なのだなと思います。
ワシとかなり行先がかぶってるので、ゆっくり読ませていただきますね。
- ちゅう。さん からの返信 2023/06/22 18:59:02
- Re: ビンゴ!猫いた!
- 鯨の味噌汁さん、
小心者さんが、岡崎編の方へ、コメント書かれてますので、念のため^_^
〉ワシとかなり行先がかぶってるので、ゆっくり読ませていただきますね。
そうそうヤボルとシフィドニツァ、わたしもバスで行きました!親切なおばちゃんに切符奢ってもらったり、回送のバスに乗せてもらったりよい思い出です。
また、わたしもゆっくり読ませてもらいます!
ちゅう。
-
- mistralさん 2022/06/24 16:10:21
- エリチェ。
- 鯨さん
こちらの旅行記、さんざん笑って楽しませていただいたのに
なんのお礼のご挨拶もしなかったので、戻ってきました。
トラーパニ、エリチェの旅行記。
私は時間が取れず行けなかった街。
タイトルに宮崎美子ふう着替えのシーン、などとあったので
鯨さんお好みの美女が登場されるのかと思いきや、何のことはない
鯨さんのお着替えシーンという事が判明。
それもジーパンだけでなく、おパンツまでランドリーに放りこんでしまわれた。
こんな楽しいひとり旅ってないですね。(ご本人は多分大まじめ。)
ついつい、一枚の写真だけで延々とコメントが書ける方、と
しにあの旅人さんに宣伝してしまいました。
真っ青な海を背景にして、山頂に築かれたエリチェの街で
米と麦は文明のデザインを変える、戦争だけは変わることがない、、、
と思索にふけられる鯨さん、
アランチーニをおつまみに、ビール2杯も。
優雅な旅。
はるばる遠くまで来たもんだ、と遠く日本の奥さまにLINEされたんですね。
日本では奥さまはのんびりとくつろいでおられたことと想像。
眼下に広がる街と海と島と塩田と。
そんなところで吹き渡ってくる風に吹かれていたら、きっと
天国にいる気分になったことでしょう (未体験ではありますが)
mistral
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2022/06/25 10:10:22
- ひさびさの大ネタ
- mistralさん
いつも優しいお手紙ありがとうございます。
>鯨さんお好みの美女が登場されるのかと思いきや、何のことはない
>鯨さんのお着替えシーンという事が判明。
あい。
ひさびさの大ネタ。
われながら力が入りました。(入らんでええ)
>ついつい、一枚の写真だけで延々とコメントが書ける方、と
>しにあの旅人さんに宣伝してしまいました。
ご縁をいただきありがとうございます。
なんとなーく読みに行かせていただき、あまりのレベチに驚愕。
そのくせ厚かましくコメまで入れせていただきました。
>はるばる遠くまで来たもんだ、と遠く日本の奥さまにLINEされたんですね。
>日本では奥さまはのんびりとくつろいでおられたことと想像。
そうなんです。
「はるばる遠くまで来た」
その感覚がたまらんです。
だから旅に出るのかもしれません。
-
- さとぴ。さん 2022/06/20 10:46:49
- コーゼンワイセツ。
- 味噌汁先生おはようございます。
ギャグ担に任命されたさとぴです。
だれがキレいめですか
だれがピチピチですか。照れますわ。
ひと晩考えたのですが
「シチリア旅行記」は
「チチリア」
思いきって「乳リア」
に変えるのはいかがでしょう。
すばらしい青空ですね。
あちらの空気まで伝わってきました。
ライスコロコロとビールうらやましい。
さとぴ。
- 鯨の味噌汁さん からの返信 2022/06/20 21:37:02
- 闇に紛れて生きる♩
- さとぴ。さん
さっそくお手紙ありがとうございます。
>だれがキレいめですか
>だれがピチピチですか。照れますわ。
初手から大ボケのブチかまし、痛み入ります。
とりあえずお二人ともワシに中では妖怪人間の箱に入れてますので、闇にまぎれ、そおおおっと生きてください。
ちなみにワシはかーちゃんに素で「ベムみたい」とゆわれたことがあります。うれしくないです。そそそそれが亭主に対するセリフか!
>乳リア
一晩考えて結局チチかい!
島民が激怒してウチに火ぃつけにくるから却下だす!
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