根釧国道だけでは、もったいない！　海辺の魅力スポットを繋ぐ旅

2022/07/02 - 2022/07/02

根室方面への移動は、高規格の国道44号線(通称：根釧国道)が何といっても最短快適ルートです。
でも、海沿いを走る北海道道142号線(通称：北太平洋シーサイドライン)は、厚岸以東に魅力が満載です。
※5つの道道を繋いで一つにまとめた経緯があるため、国道44号線から分岐合流を繰り返します。

湿原の詳細は、湿原めぐりの旅行記をご覧ください↓
https://4travel.jp/travelogue/11758786

エリア 厚岸・霧多布(北海道)

• 旅行の満足度: 5.0

まずは釧路～厚岸間。
殆ど海が見えず、急カーブする坂道が点在。
北海道らしい景色とはいえ、道内ならどこにでも転がっている景観。

初めて海が見えたスポット。
ワイルドとはいえ、道内では当たり前の眺め。

セキネップ展望広場 自然・景勝地

シレバ岬を越えて厚岸湾に入ると、
漁港のある浦を走行。乙な景観です。
尾幌で44号に合流。
というわけで、釧路～厚岸は、根釧国道に軍配が上がります。
モノ好きな方は、迂回してください。

あっけし望洋台
高台にあり、ワイドな景観。でも何かに欠けます。

厚岸からは再び分岐。
厚岸湖の眺め。

厚岸大橋を渡ります。

蝦夷三官寺(伊達・様似・厚岸)の一つで、東蝦夷では唯一。
東蝦夷が天領になった6年後の1804年に開山。
和人の埋葬だけでなく、アイヌの仏教化が重要な任務でした。
ロシアの脅威が増す中、先住民を味方につける政策です。

史跡国泰寺跡(史跡) 名所・史跡

幕府直営だけあって、寺紋が三つ葉葵。
幕府の道東の拠点は釧路ではなく、厚岸という事ですね。

2kmほど旧坂を走行して、駐車場に止めます。
こんな道を600mほど歩いて、次の目的地へ。

北大研究所の前でエゾシカに遭遇。

子連れのせいか、普通以上に警戒気味。

愛冠岬が現れました。
インパクト抜群のスポット。
長居しました。

左岸の景色

一歩引くと、柵が写ります。

もっと引くと遠景が。

絶景です。

柵付き。

厚岸で牡蠣の昼食。

先述のセキネップ展望台、あっけし洋望台とは比較にならないスケール。
それでも、厚岸では凡庸な景観にカテゴライズされます。

ピリカウタ広場 公園・植物園

厚岸では、駐車場から数百メートル歩いて目的地へアプローチするのが定番です。

動物除けの柵を2つ超えると、

名前の通り、アヤメが群生。

右岸

アヤメと高台からの絶景。
何とも贅沢な組み合わせ。

さらに、馬が放牧。
てんこ盛りの三重奏！
アヤメの群生を保護するために放牧しているそうです。

馬は繊細な感情を持つので、驚かさないようにします。

言葉が出ません

道産子もいます。足が太くて短く、雪中走行や荷役に適します。

左岸
小っちゃく涙岩が見えます。

涙岩へ車で移動。
ここからは、モンキーパンチの出身地の浜中町。
看板にルパン3世が登場するので、すぐにわかります。
駐車場からテクテク歩くと、角の取れた景観が。

右には涙岩。
女性的な美しさにうっとり。

涙岬 自然・景勝地

厚岸の漁師と霧多布の網元の娘が恋に落ち、彼が霧多布へ向かう途中にここで座礁して死亡。娘は、ここで泣き明かしたという言い伝えが名前の由来。

左岸には沖に立岩が。

この時期、どこでもアヤメが群生。

琵琶瀬展望台
眼下には太平洋。

反対側は霧多布湿原。
一度に両取りの景観。特に湿原の景観はオススメです！

霧多布湿原は、昆布漁師が引き揚げに使役する馬の放牧地として利用されていました。戦後、ナショナルトラストで自然保護に取り組んでいます。

併設カフェで、酪農王国浜中町の小松牛乳の製品をいただきます。
コーヒー等のオリジナル製品もあり、ささやかながらナショナルトラストに貢献。
季節の花のパンフレット等が充実しています。

やちぼうずCafe グルメ・レストラン

カフェ横の琵琶瀬木道を散策。

別名が「花の湿原」。
６－７月はピークの一つで、専用の花パンフレットも存在。
湿原めぐりの旅行記で、湿原と花を追いかけています↓
https://4travel.jp/travelogue/11758786

霧多布岬へ
名前の通り、霧がかかった神秘的な雰囲気。

駐車場から歩いて行きます。

エゾカンゾウの黄色が映えます。
遊歩道の先端で、人々が釘付けになっています。

太平洋に突き出しています。

真ん中の窪みには野生のラッコの親子が！
皆くぎ付け。１時間くらい眺めていました。

手前に２頭のラッコが泳いでいます。
双眼鏡で見ていたので、写真では海に顔を出した岩にしか見えないかも。

ラッコが離岸したので退散。

また霧が濃くなりました。

アゼチ岬へ移動。
凡庸です。

アゼチ岬 自然・景勝地

丘の上に外湯が。
マストです。

霧多布温泉ゆうゆ 温泉

このまま東進すれば浜中町の中心地ですが、時間切れで左折します。
道道８０８号線。
通称MGロード。湿原の道を意味するMarshy Grassland Roadの略。
両側に霧多布湿原が広がります。

MGロード 名所・史跡

霧多布湿原センターからの眺め
浜中町の観光基地です。

ラッコの展示思資料も。

ラッコはイタチ科カワウソ類に分類。３つの亜種に分かれ、アジアラッコ・アラスカラッコ・カリフォルニアラッコがいます。絶滅危惧種にして、かなり偏った分布です。ここは、ラッコ分布の最西端です。
アジアラッコは体調150cmで、亜種の中でも最大。毛皮のクオリティが高いことが災いして乱獲され、20世紀初頭に当時の日本領(千島列島を含む)では絶滅。
戦後に千島列島を経由して、1985年には霧多布にも定住。現在５頭が生息。

非常に無機質な名前で、保護観察されています。
雄A＝雌A　子供：A1雄、A2雄、A3雄
　　＝雌B(雄Aの後妻)　子供：B1(死産)、B２雌、B３雄
雄X　最近流れ着いた無頼者

１日に体重の２５％の重量を摂取。
なぜなら、寒い海に住んでいるのに、皮下脂肪がほとんどないから。
食事内容を見ると、旨み成分の多いものばかり。かなりのグルメです。
今後はウニ漁師とバッティングするリスクを潜みます。

ラッコのファニーなシーンの一つは、貝を石で割って中身を食べる動作。
実は、マイストーンを持っていて、脇の下のポケットに入れて持ち歩いているそうです。脇の下のポケットには、貝やウニをしまうためにも利用するとか。
可愛いだけでなく、賢いのですね。

ラッコは好奇心旺盛で、キュートな仕草が多いです。
下の写真では、サーフボードを抱えている、缶コーヒーで一服、お布団被っておやすみなさい(流されないように昆布に絡まるのは有名ですね)、玉乗りに挑戦、他の生き物にも興味深々、と人間臭い姿も。

育児
とにかくかわいらしいです。生後１か月で、泳ぎと潜水を嗜みはじめます。

心を鬼にして
母乳から離乳食へステップアップし、
生後３か月で餌取りを学び始めます。
生後５か月で毛色も大人になり、
生後６か月になると、突如親が姿を消します。
これ以降は、半年間のトレーニングを基に自立して生きていきます。
本能に従って生きているとはいえ、突き放すときは毅然としています。
それだけに限られた育児期間に愛情をたっぷり注ぐように映ります。
いろいろと学ばされます。

谷地坊主
遊歩道やちぼうずの小径にて

地中の鉄分が溶け出しています。
川に乗って海に拡散すると、昆布等の成長に貢献します。
汚染物質ではありませんでした。

こんな光景も。

茶内酪農展望台
根釧国道沿いの展望台
１００段以上登ります。

茶内酪農展望台 名所・史跡

茶内は国内有数の酪農地帯。
かつては、周辺の農場から生乳を集める軽便鉄道がはしり、国鉄茶内駅から全国へ配送されました。今も、メグミルクやタカナシ乳業など、メジャーな乳業工場が建ちます。
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