2022/05/29 - 2022/05/30
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mom Kさん
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おそらく最後のロード旅。作戦は、時々投げ出していた。
北海道旅は、点の経験しかない。
距離感がつかめない。地図をいつも手元に置き、にらむこと多し。
北の大地をそのまま本州に重ねてみれば、青森から茨城まで?!
おおーーー。
南北長い地形ではなくスペイン国土タイプ。私はとりわけ苦手。
NZはいいけれど、オーストラリアも難しかった。
最大目的地とその到達日は決まっている。この縛りがまだ救い。
全くのフリーハンドは、さらに長引く作戦になったと思う。
西側の海辺の町は、どこに。
・・・
「留萌」
何よりこの響きが気に入った。
不便そうなのも気に入った。決まった。旅立ち10日前。
- 旅行の満足度
- 5.0
-
旭川駅、8時10分発乗車。
普通列車ながらピカピカ車両に,スズランのような花柄壁面。
北国旅情。 -
20分余で乗換駅、「深川」着。
さて2時間待つか、バスに乗り換えるか。
駅前状況判断前に、この旅初の、唖然&これまで出会えた数多の道民に反する行為に遭遇。
何が彼をそうさせるのか。
やはり「深川」退散決定。 -
駅前で出会ったローカル紳士にたずね、すぐに「深川十字街」がわかった。
バス停で待っている男性の姿にホッとする。「ここが留萌行きのバス停ですか」と尋ねれば、不遜顔できっぱり頷く。もうそろそろバスが来る時間のはず。今朝旭川駅前でそのバスのそばを通り、見ている。しかし、時刻表のどこを眺めても留萌行き掲示なし。「旭川」行きばかり。
妙だな。「留萌行き、載っていませんね。」と、彼にもう一度尋ねる。彼は、無表情でうなずく。
列車はこちらからだったけれど、バスは、その方向からとは限らない。落ち着かない。そこへ反対から高速バス。あれ?行き先表示が「留萌」と光っている。向かいのバス停に止まった。左右車なし。横切れ!
運転手さんは、乗るお客さんが一人もいなかったバス停で、私がたどり着くまで待ってくれていた。
”捨てる神あれば拾う神あり”
真のプロフェッショナルに、降りるとき、もう一度お礼を伝えたら、向かい側で待っている私に「?」と思ってくれたそう。
さらに女神が隣に座っておられたのです。
「深川駅の不快」が払拭された。 -
風もなく、ぽかぽか陽気。ここでもうボロセーターを
置いていこう。
名に違わない威容。今夜はホワイトハウスに投宿。
まだ10時前。
荷物を預ける。 -
十分楽しみ、学び、お買い物をどっさり抱えて、増毛から戻る。行ってよかったあ。
泊まりたかったなあ。
チェックイン。
旭川で衝動買いしたお帽子がくずれないように、と。 -
増毛には多く存在していたローカル建築。ここ留萌で出会ったただ一軒。
それもどうやら空き家。惜しい。 -
女神様がバスから降りられた留萌駅まで行けば、観光案内所があるだろう。
あそこももう空き家なんだろうか。朝早くの営業だけなのだろうか。
名前にも魅かれる。
脇からせわし気な女性が出てきた。尋ねる。「もうすぐ閉店です」
時計は、4時30分ジャスト。
明朝確認課題。 -
周辺にも観光案内所はなく、駅窓口もすでに営業終了時間でした。
構内そば&うどんスタンドもクローズ。
観光案内所場所地図を見つける。そんな建物あったかなあ。駅前通りを戻る。
お土産店のレジがどうやら案内も兼ねているよう。
「留萌にとても美味しいスープカレーのお店があると聞いたのですが・・・」
と尋ねたら、お姉さん、「多分ここだと思いますよ。」とあっさり教えてくれた。 -
たどり着けば、「本日予約で満席にて、持ち帰りだけになります」表示。
時刻は、開店10分前。
扉の前で、日が傾きかけた静かな通りを眺めていた。 -
ーーー深川から這う這うの体で乗れたバスには、先客一人。左側一番前に女性。
私、右側にすわり、深川の二つの出来事を考え続けていた。自分の中でのおさまりにまだ時間が必要だった。車窓からの景色も取り留めないところだなあとぼんやり。途中の、こんな所から?!と思えるバス停から、一人、また一人と乗り込んでくるのを見ていた。
ようやく落ち着いた。お隣に目をやると、御着物!
気が付かなかった。しかも色無地。
思わず、「御着物すてきですね」と声をかけてしまった。
♀「ありがとうございます。」
「お稽古ですか」
♀「はい、お茶の日なんです。・・・」から始まって、彼女、堰を切ったようにお話ししてくれる。なぜ、わざわざ旭川から留萌まで通っているかから始まり、ご自分の出身が○○(関西)であることや、旭川留萌界隈の気質に風土まで。
やはり関西人同士の相よる魂か。旅人へのおもてなし以上。
最後に、彼女は断言した。「留萌では、スープカレーを食べてみてください。札幌ナンカとは比べ物になりません。ピググルマンてご存じですか。それに選ばれています。2軒あります。誰に聞いても分かります。ぜひ食べてみてください。」
お店の名前も場所も尋ねる前に、彼女の降りる「留萌駅前」に、バスは着いてしまった。
終点「留萌十字街」には、私一人が降り立った。 -
小さなお店だ。仕込みの音がかすかに聞こえる。
女性が、扉を開けてくれた。「持ち帰りたいのですが、可能でしょうか。」
♀「はい、大丈夫ですよ。座ってお待ちください。」と言って、メニューを取りに戻られた。カレーは、チキンを避ければ、三択だった。 -
女性に、地図を見せ、ホテルまでの確実、早くの道順を教えてもらう。早く早くホテルへ。
まだ熱い。バスマットをテーブルクロスに。
女神さま、留萌一押しカレー店から選んだのは、
「角煮スープカレー」
これ、二人前ではないのか!
(右上、旭川で前日購入の北海道版”御座候”) -
満足満足。女神様ありがとう。
留萌での食事はどこのお寿司屋さんに、とばかり考えていたんですよ、
あの時まで。
すっかり夕焼けの名所であること忘れていた。 -
黄金岬方面に歩いてみたが、
-
到底無理な距離なんだ”Cape Ogon"(道路標識名)
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車も人もいない。心もおなかも満たされるって寂しくないんだよなあ。
-
一夜明けて、今日も晴天。素晴らしい。
歩くよう。
留萌線は廃線後、すでに経過長く、
線路は、赤い。 -
黄金岬をめざせ!
旭川で買った新しいシューズは、快適、快調。 -
あれはどこなんだ。連峰ですよ。
-
振り向けば、もう一方も坂。
-
進め進め。
郵便局開局同時に北海道のお味満載ゆうパック無事発送。明後日着くそうだ。
彼らの喜ぶ顔が目に浮かぶ。 -
あの先だろう。
陽気のせいもあるのか、昨日の増毛より、波も穏やか。
心も穏やか。 -
岬てっぺんに着いた。
-
そのまた先に岩があり、橋もかかっている。行くべきだ、この靴ピタリ。
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岩の形状に北の海の色。
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空気の透明感
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日焼けに気づき、そろそろ退散。
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なあるほど。合点。
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私、ゲソのから揚げが好きなんです。ハマったのは、今年の鹿児島。
あれは、美味しかったとまた思い出す。 -
このオブジェ必要かしら。
思わず吐いてしまうこの景色のすばらしさ。 -
木製ベンチは異議なし。
-
来れてよかった。夕日でなくても素晴らしい。
-
このおうちの息子さんのガレージを急遽作られたのか。左手斜面、微笑ましい形状。
-
岬へ向かっている時、気づかなかった。
陶器屋さん。小さな古い町のこの手のお店は、私の観光名所。
一つぐらい記念に買ってもいいなあ。
入店してみれば、留萌の僥倖。 -
コーヒーカップの得も言われぬフォルムに見とれていたら、
店主登場「昭和のものなんですよ。日本製なんですよ。今は、同じようなのが中国製でたくさんあるので・・・。」と、遠慮がちな声でつぶやく。
私、このカップソーサーのために立ち上がり、2客即決購入。 -
「ゆっくり見せていただきます」と断って、
商品でところせましの棚をなめるように眺める。
これもいただき。手吹きに違いない。もちろん製作者は、彼岸の人だろう。 -
これの丸い版は、7年前、実家の物置から私は助け出している。
欲しいが、もう織部の中皿を救い出しているから、持てない。許せ。 -
店主が陶器を包んでくれている間、上がり框に腰掛けさせてもらう。
と、目の前にひっそり、この水屋。
「いいですねえ、この水屋」と思わず口に出る。
すると、包装の手を止め、店主が引き出しを開けたと思ったら、 -
書籍?古書!
-
なんと明治時代発行の英語の辞書!!!
お父様のものという。
そこから新美家の歴史講義が始まる。
この通りで唯一戦前からの店舗で残っている新美商店の往時の様子、
ビデオスイッチオン。 -
「ごめんなさい。お昼の汽車なんです。
来年、健康であれば、来ます。」あああああ、また約束してしまった。
今回の旅、二つ目の約束。
お父さんに受け入れられたのは、先代さんの出身地、半田市の新美南吉を知っていたからと思う。
帰り際、店主の父上時代のごひいき、町一番のレストラン、当時のメニューをいただいた。固辞する私に、「コピーだから、大丈夫」と、言ってくれても、そんな問題ではないんです。
振り切って、お店を出たようで、今でも心痛い。
お父さんの「一生懸命生きてきたので、悔いはありません!」静かに言い切られた言葉が、残響。 -
公衆トイレは、ほんとの英語表示に、ロシア語。
-
幼稚園そばの公園トイレだって、同じく。
-
開いていました。潜入調査。
-
三軒?営業。魚屋さんだけで数店分のエリア占拠。それでようやく活気が、市場らしい。地元のお客さんも次々。大型店スーパーでなく、魚屋さんでお魚を買いたいのは、私も同じです。
天ぷらやさんの店名は、昨日増毛でみかけた。
お母さんと息子さんコンビかな。相手をしてくれた。前の椅子に掛けなさいと
薦めてくれた。端っこにいると、「こっちの方を使いなさい。」と、わざわざ出てきて、机のある方に誘ってくれるお母さん。大きなバッグでごめんなさい。
ありがとうございます。 -
足元を見て、入口扉を開ける。市場の歴史を想像する。
まだまだ頑張れますよ。私も頑張ります。 -
駅前に唯一、町の古い喫茶店。
勇んで、楽しみにたどり着けば、本日定休日。
そんなこともあります。
いいことばっかりだった留萌。これでいいのかな。 -
構内掲示。
陶器で一段と重くなった荷物は、待合室ベンチなので楽勝。 -
戦死者の遺骨が帰りました。総出でお迎えしました。
ウクライナは、これさえできない。 -
JR北海道の作戦。
-
留萌駅、当初の運賃表示板。
博多が、最も遠い。
博多とつながっていた人とモノ。 -
旭川の御着物女性、ここでよかったんですよね。
ほんとに、おいしかったですよ。
教えてくださってありがとう。
出会えてよかったです。 -
閉まっていた喫茶店は、これだったんですね。
-
新美商店さんは、このあたりだった。指で押さえてみる。
-
あの深川まではローカル列車。
-
向こうのホームは、もう使われることはないのかもしれない。
-
一度東へ。そして南へ。
-
深川駅で、ライラック号乗車、乗り換え連絡よし。安堵。
私の身体も心も異常なし。
次は、いよいよ旅の上がりの地、サッポロ。
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この旅行記へのコメント (6)
-
- ちゅう。さん 2022/06/06 23:08:42
- 色々な出会い
- Kazukoさん、こんばんは。
「留萌で出会ったただ一軒。」
とても素敵な佇まいですよね。私も気になる建物です。
しかしここで、半田市出身の新美さんと出会われるとは!
ミツカン酢の関係の方なのですか。
先日、新美南吉を話題にしていたばかりのところ、運命なんですね。
ちゅう。
- mom Kさん からの返信 2022/06/07 01:29:13
- Re: 色々な出会い
- いつも応援ありがとうございます。北海道は、見慣れない建物が多く、新旧かかわらず立ち止まり、見とれることが多かったです。
父上について、息子である店主曰く「この北海道へ来るんですから、大抵わけありですよ。」と言っておられました。私は、半田は、瀬戸市に近く、そのつてもありそうで、そのころ大生産地の瀬戸物を商売に始めたように推測しました。
創業時の新美商店の店舗写真は、とても立派な物でした。「この辺りが、留萌の中心でした。」と何度も口にされていました。
辞書とともに置いていた表装のよい和紙ノートは、スケッチのような日本画。
字も達筆でした。これも父上の遺品とか。学士様だったように思えます。その学歴なら当時どこへでも就職できたでしょうに、北海道へ、単身、お商売!息子でなくったって、気になりますね。
-
- てつやんさん 2022/06/05 22:09:16
- 素晴らしい留萌
- mom kazuko様
こんばんは♪
旅情という言葉にぴったりな写真ばかり。
切り取り型が上手いとやはり惹き付けられますね♪
美しい古い街並みが残っているんですね、留萌。
そんな留萌にも意外におしゃれなカレー屋さんがあるんですね。
スープカリー美味しそう*。・+(人*´∀`)+・。*
旭川で買われた帽子がおしゃれです♪
衝動買いですか?
それとも意外な日射しに必要でした?
今や大半が、憎きロシア。
ロシア語でトイレットと書いてあるだけで、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いで、北海道留萌にあるトイレなだけなのにちょっと気になる存在。
北海道にあれだけいたロシア語を話す人達は、今どうしてるのかしら?
てつやんでした
- mom Kさん からの返信 2022/06/06 06:10:02
- Re: 素晴らしい留萌
- こちら雨の朝です。おはようございます。てつやんさんのように家族旅も好きですが、一人旅だと360度異国で、その中にポーンと掘り込まれたようになります。人にもモノにも緊張していることもあって、敏感になりますね。それが写真の結果になっただけです。
それに、一人だと相手も話しかけやすいようです。女性だから、珍しがるというか不憫がるというか、若くないからか、いたわってもらえることが多くなりました。若い時の一人旅より醍醐味感じています。
トイレ表示もすぐ目が留まりました。地元の人に尋ねたら、ロシアからの船員上陸が多いからだそうで、「今は全然だけれど、よく来てたからねえ。」と。その口ぶりもなんだか優し気で彼らにも心寄せる感じで、私は一般人の交流こそ平和を築くなあと感じました。いろんな軋轢も超えて、長いロシアと留萌のつながりを想像しました。
帽子の件、褒めてもらえてうれしい。そのわけは、次の次の日記で明かしますね。
てつやんさんの家族旅だからの出来事観、楽しみにされている方多いと思います。もちろん、私もこわもて隊長を想像しながら、拝見続行。
-
- エフサさん 2022/06/05 16:59:44
- 増毛 行かれたんですね!
- 黄金岬から増毛の向こうに見える残雪の連峰、主峰が 暑寒別岳(しょかんべつだけ)って言うんですよ。^_^
海に突き出た所が雄冬岬。雄冬は以前、陸の孤島で船でしか行けなかった所。当時は公道がなかったので車検なし、ナンバープレートなしの車が走っていました。道路交通法が存在しない陸の孤島でした。今はトンネル、ズドォ~ンでオロロンラインが通っています。(小樽から稚内まで海沿いに)
ちなみにオロロンはハクション大魔王の泣き声ではありません。天売島に生息する海ガラスの俗称なんです。鳴き声と言われりゃ、その通りなんですが‥
(ご存知でしたら、すんません)
深川、ご愁傷様です。とんでもない奴がいるもんですね。ド田舎人は都会人に声をかけられるだけでフリーズする人種もいるのでお許しください。(特に美人さんに直面した場合は)
JR職員の方は切捨御免でOKでぇ~す。文明開花殺法 ザンギリ!!
なんかmom Kazuko さんは 焼け跡闇市派 みたいですね(←いい意味で)
田舎にリュック背負って買い出しに来る様な‥(←いい意味で)
ワシの思っている以上にパワフル・レディさんなのかもしれませんね(←いい意味で)
小樽、心配し過ぎたかな?
- mom Kさん からの返信 2022/06/05 20:13:07
- Re: 増毛 行かれたんですね!
- はい、参りました。Dr.のご推奨ですから、何としても。
留萌、増毛ともになんの予備知識も調べもせずに訪問。ですから、何に出会っても全身全霊全開で受け止められたように思えます。我が人生ここを知らずに死ぬなんてと思えるようなことが、増毛でございました。
焼け跡闇市派の称号、なかなかワイルドですが、その時代の知識皆無。愛読書関係にもなく、明治より遠い存在で。
少し前に京浜東北線で、千葉からの担ぎ屋叔母さんの勇姿を一度だけ見かけました。東京人は、全く関心を寄せない電車内。私は、そのカッコよさにうっとりしていました。すでに、空になったと思しき網籠に段ボールを頭より高く積み、背負っておりました。その横顔、周りのサラリーマン氏よりはるかに「生きている顔」「働いている顔」「誇り高き顔」。
彼女にたとえてもらえるなら、本望です。
あの見ほれた連峰の名前を教えてくださって、ありがとうございます。そのストーリーもうれしいです。一層この一瞬の記憶が確かに。
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