1978/08/11 - 1978/08/19
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おくさん
自転車の旅 山陰編(3)
自転車の旅5日目、米子の歩道橋の朝。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 3万円 - 5万円
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5時半起床。歩道橋の宿もまんざらでもなかったな。欲を言えばもう少し床が柔らかいと助かるのだが。前にも歩道橋の上で寝始めたことがあったが、その時は途中で雨に降られたので、朝まで寝られたのは今回が初めてだ。記念に写真を撮っとこう、パチリ。
国道沿いにあったゲームセンターで朝飯にする。こういうところも旅行中だと何かと便利することがある。水もトイレもあるし、更にここではタダのお茶があったのでボトルの水を捨てて入れ替える。お茶は特別好きではないが、タダというと何となくこうしてしまう習性なのだ。自販機のサンドイッチを買って備え付けの電子レンジで温めようとするが、使ったことないので時間設定が間違ったのか焦げたトーストサンドにしてしまう。勿体ないので食べたが、旨くないのは当たり前。うぅ~っ、一日の始まりなのに縁起が悪い。
どじょうすくいで有名な安来を通過中、どじょうすくいを踊っている構図のでっかい看板が目に入る。こういうのは地元の人にしたらアホらしいかも知れないけど、遠くからやってくるとちょっと嬉しいものがある。安来は止まることなく通過して、宍道湖のほとりの美しい街、松江市に入る。 -
松江城を見物するが、面倒なので天守閣には上がらなかった。昨日の鳥取砂丘で中に入って体験することの重要性を感じたばかりなのに、面倒が先に立ってついうっかりパスしてしまう。
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ラフカディオハーン(小泉八雲)の旧宅と八雲記念館を見物する。入場券は八雲記念館の物だが、旧宅とは別の所に建っていた。旧宅は建物が小さいので八雲のあれこれを展示するには手狭だったようだ。
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八雲は日本の怪談話を英語で紹介したことで知られているが、ギリシア人なのに変な所に目を付けたもんだ。日本の文化等に感心があって、日本人に帰化までする程だったそうだ。小泉の姓は小泉セツと言う日本女性と結婚したので小泉になったらしい。お婿さんってことかな?
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この側に八雲庵というそば屋があって、名物のわりご蕎麦を食べさせてくれるらしい。さっき変な朝飯を食べたばっかりだけど名物なので入ってみる。武家屋敷をそのままソバ屋にしたような構えのいい店なので高級そうだけど値段は並と言うところだった。わりご蕎麦は390円だった。色んな味付けのそばが5種類で、丸い小さな器で重なって出てくる。旨くもまずくもないというところで特に特徴のある蕎麦ではなかった。
水の街松江というらしく、でかい川があちこちにあり大きな橋で繋がれている。落ち着いたきれいな街だ。山陰は都市までも山陰なのだった。暮らすには良さそうだが日本海側だから冬は大雪になるんだろなぁ。
誰が決めたんだか、宍道湖の夕景が日本で一番きれいなんだそうだ。でもまさか夕方までここでボーッと待って夕焼けを見物する余裕はないので出発する。先はまだまだ長いのだ。松江市から宍道湖に沿って西へ20数キロも走る。写真で良く紹介されている湖の中にある中之島が見える風景の中を走るのは気分が良い。まったく大きな湖だ。こんな景色の良い所なのにフィルムが勿体なくて一枚も撮ってない。
コインレストランが道ばたに出現する度に洗面所の水を使わせて貰いサッパリする。こういう所は大体エアコンが入っているので炎天下を走る者にとっては砂漠のオアシスといった所だ。何も飲み食いしなくても誰も文句を言わないし、大いばりで恩恵に与れるので非常に助かる。まことにありがたい施設だ。こんな有り難い施設を国や自治体でなく、民間がやってるのは驚きだ。まぁ営利目的の施設なのでそれなりの勝算があってのことだろうが、私は毎回タダで利用させて貰っているので特にそう感じる。 -
2時近くに出雲大社の大鳥居をくぐる。さすがに天下の出雲大社で、長い参道の途中に大社駅という専用の駅まであり、たいそう賑わっている。中に入ってスタンプを探すが、この駅には用意されてないようだ。
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拝殿に下がっている有名な巨大しめ縄も写真の通りだった。そのぶっといしめ縄の至る所に硬貨が刺さっている。下から投げて突き刺すんだろうが日本人は投げ銭が大好きだ。でもこれって場所が場所だけに罰当たりにならないのかな?神社敷地内に池や水がある所には必ず硬貨が沢山沈んでいるし、水さえあればすかさず投げ銭しちゃう人達はもう少し景観に配慮した方がいいと思うぞ。
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境内には角材で四角に区画された鳩の居住地があり、鳩はそこだけで暮らしているらしい。よく仕込んだもんだね。この中にいれば人間は入ってこないと覚えたんだろう。裏に回ったら因幡の白ウサギの像もあり、何となく太古の神話の世界に足を踏み入れた気がした。
出雲大社から国道9号に戻るのに、近道をしようと8キロほど田舎道を走る。ハッキリとしない道なので、桑畑の中まで半信半疑で走るが、こういう近道は何処に出るか分からないので精神衛生上よろしくない。正規の道に戻りホッとする。 -
海岸沿いの道を離れ、少し山の中へ入ったところでまたもや4時過ぎてからの昼飯となる。半端な朝飯を2度食べたといっても、わりご蕎麦が9時半頃だったからちょっと間が空きすぎている気がする。店に入って素早く注文したら食堂の洗面所へ直行だ。水道の水で顔を洗い頭を冷やし、濡らしたタオルで汗まみれの体を拭いてサッパリしたところでクーラーの前で焼き肉定食。快適だ~。
夕方7時過ぎ、温泉津(ゆのつ)という文字通りの温泉町を通過中、通りに共同浴場があったので渡りに船と入っていくことにする。入湯券は風呂屋の前のたばこ屋で買うんだそうだ。50円。値段が値段だから仕方ないが、風呂の中はてんでお粗末。湯船があるだけで水道も何もない。体を洗うお湯は湯船のお湯をケロリンの洗面器でかい出して使うらしい。50円じゃしょうがないか、町民用の共同浴場らしい。
この近くに石見銀山があることを知らなかったので見物することが出来なかった。世界遺産になったのだったかな?どっちみち夜だったので訪れても入れなかったろうけど。
こんな小さな町だけど、ちゃんと駅がある。温泉津駅で湯上がりの缶ビールなぞ飲む。今回、ナイトランが多いので、バッテリーランプの乾電池が終わってきたようだ。小さな電気屋があったので新しいのを仕入れる。店主はお釣りをくれようとしないので待っていると仕方なしのようにくれた。ちょっと挙動がおかしい人だな。
やっぱり山陰はこんなとこまで地味なんだろうか、1桁国道の9号なのに街灯がさっぱりないのだ。街を離れてしまうと真っ暗闇になってしまう。腕に付けた小さなランプだけでは心もとないがペダルが重くなるダイナモライトは使いたくない、せめて月明かりくらいは欲しいなぁ。月が出てないってことは天気が崩れるのかも知れないな。
20キロほど走った山の中に、コインレスト&ゲームセンターのでっかい建物があったので、ここで朝まで過ごすことにする。結構一晩中客が出たり入ったりしているので寝ることは出来ないが、水もトイレも各種自販機もあるので離れられないでいる。一度、暴走族っぽいグループのあんちゃんが話しかけてくるが、悪さはしてなさそうだ。
本日の走行距離130キロ。 -
自転車の旅6日目、相変わらずゲームセンターでグダグダしている。
自販機でみそ汁を飲んで出発。すぐに雨が降ってきたのでポンチョのお世話になる。一時どしゃ降りの強い降りになるヒェ~。
8時半、運良く通りに開いている食堂があったので雨宿りにもなるしグッドタイミングだ。朝食はカツ丼とみそ汁。さっきも飲んだけど、やっぱり朝はみそ汁が飲みたくなる。
今日は一日中雨の中かと半ば観念していたが、食堂を出る頃には小降りになってきた。空も幾らか明るくなってきたのでどうやら止みそうだ、ありがたい。
ずっと海沿いをつかず離れずしてきた国道9号は、益田市からは内陸に入っていく。このまま海岸線を走り続ければ、その先には有名な萩市があるのだが、萩へは直接向かわないで内陸の津和野を見てから行く予定なのだ。津和野を目指して走り続ける。もうすっかり天気も良くなってきて、朝のどしゃ降りが嘘のような真夏日になっている。雨降りも嫌だけど、あんまり天気のいいのもなー。 -
12時40分、今日はちゃんとした時間にお昼にできる。運良く通り端に手頃な食堂を発見したのだ。ホルモン250円、野菜80円、大盛りのご飯100円。何て安いんでしょう。ここは表に大型トラックが沢山停まっているからお薦め食堂かなと思って入ったら、やっぱり大当たりだった。ここのホルモンはレバーも入ってたりしてて、中々豪華だ。ホルモンの皿にも野菜が少し付いていて今回は野菜を沢山とれた。
この辺りから津和野までは、32キロだから、余裕の気持ちで昼飯を食べていられる。津和野は事前の往復葉書で今回2度目の教会に泊めて貰えることになっているんですよ。そのことも非常に余裕の気持ちにさせてくれる。
高台の上から津和野の町が見えている。津和野って完全な盆地らしいのが分かった。坂を下って津和野に入る。3時50分、津和野教会に到着。早速神父さんを尋ねてお願いすると、気持ちよくOKしてくれる。案内されたのは、司祭館とは別になっている純日本風家屋で、丸ごと一軒一人で使っていいとのこと。へー、こういうのも珍しい。ありがたいこってす。更に有り難いことにシャワーまであった。水しかでないがとても助かる。早速使わせて貰いサッパリする。
久しぶりに日が高いうちの宿決めなので、寝袋を表に干し、濡れたポンチョも広げて乾かす。何だかとても満たされた気分だ。テレビCMで主婦の人が洗濯をたくさんして晴れ晴れしてるのがあるが、こういう気分なのかも知れない。 -
この教会は観光ルートの一つになっているらしく、ガイドブック片手の観光客がフラフラと敷地内に入ってくる。私が泊めて貰った建物には絵はがきその他に自販機まで置いてあるところを見ると、本当に観光名所になってるようだ。観光名所に泊まれるなんてトラピスト以来2度目だ。ありがたいありがたい。入ってきた観光客に「私の宿ここなんだよねー」なんて自慢したくなってしまう。
近くのスーパーへ買い出しに行く。教会のお礼にと100%ジュースを2本買い、石鹸が終わっちゃったのでそれも買う。石鹸が切れると当然、洗濯も水洗いしか出来ないわけで、持参のTシャツが全部臭くなっちゃってるから、取りあえず着るためのTシャツ1枚を購入する。このTシャツは今年から津和野を走っているSL、C571のでっかいマーク入りなので記念になってとてもいい。
教会に戻り、すぐに買った石鹸でたまった洗濯を全部済ます。物干しは自転車用のゴムロープで代用できる。これで当面の問題は全部解決したわけだ。新品のTシャツを着て晴れ晴れとした気持ちで市内観光に出かけていく。 -
旅支度を解いて軽くなった自転車で、錦鯉が泳いでいる有名な掘り割りを見物する。この掘り割りは津和野の代表的な風景で、ガイドブックでもよく見た光景だ。この教会の前も掘り割りになっているので教会が一層観光地ぽくなっている気がする。
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紙すきの実演、森鴎外の旧宅などを一般観光客に混じって見物する。津和野は有名な観光地だが、とても小さな町で暫くふらつくと、もう地図なしでも行きたいところへ行けてしまうようになった。主だった道も数本しかないのだ。観光客にとっては物足りないような、ホッとするような、そんな町です。
夕飯を食べようと店を探すが、やっぱり小さな町なので食堂の数も少ない。意外なことに観光客用の店というのも殆ど見あたらないようだ。結局、おなじみの「道産子」に入る。餃子に塩ラーメン、ビールも頼む。やっぱり店で飲むビールは高い、でもラベルがC571だったから許す。 -
津和野駅に行ってみると「SLやまぐち号運転」の大きな看板が掛かっていた。どうやらSLはこの夏から運行を始めたらしい。それで土産の饅頭やTシャツまで便乗してるってことか。
昼間も居たサイクリングの2人組がまだいる。どうやら今夜の寝床は駅のようだ。駅に泊まるのもいい思い出だ。ましてや有名な駅なら尚更だ。私の宿に誘ってやろうかともチョッピリ考えたが、私にしたって好意にすがって泊めて貰っている身分だから、勝手なことは止めておく。
教会に戻り絵はがきを沢山書く。喉が渇いたので、玄関先の自販機から買おうとしたら、夜になると電源を落としてしまうらしい。自販機がここにあると言うのに仕方なく歩きで遠くまで買いに行く羽目になった。
野宿が3日続いた後なので、今夜は良く眠れるだろう。寝るところのある有り難さが良く分かる。
本日の走行距離、107キロ
自転車の旅 山陰編(4)に続く
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