「滋賀びわ湖のひな人形めぐり」（1）「清湖雛」シリーズ

2022/03/04 - 2022/03/04

早春の近江路を彩る「滋賀びわ湖のひな人形めぐり」。
滋賀県内12市町で、
３月３日ひな祭り/女の子が健康に育ち、
幸せに生きていけるようにと願いを込めて
地域に富んだ「ひなめぐり」を展開します。
その土地ならではの雛人形は、
近江の深い歴史と文化、子の健やかな成長を願う思いを伝えます。
そんな春のイベント「ひな祭り」の季節に、
私は、去年に引き続き---
今回は滋賀県内2市2町15カ所を訪ねましたので3部に分けます。

東之湖氏の「清湖雛」＜清湖雛物語＞を注目しました。
まずは、東近江市の五個荘近江商人屋敷中江準五郎邸へ

滋賀県東近江市ご五個荘地区で毎年開催される
「商家に伝わるひな人形めぐり」。
昭和初期、朝鮮半島や中国で三中井百貨店を築いた中江準五郎邸。

毎年ひな祭の頃、滋賀県東近江市五個荘町で開催される。
「商家に伝わるひな人形めぐり」
中江準五郎邸に展示されている＜清湖雛物語＞です。
雛匠 東之湖さんがつくられる琵琶湖をモチーフにした創作人形です。
最初に女雛＜聖水の舞＞を作られ、
一人では淋しそうとの声を受けて右の男雛を作られ、
女雛と男雛が揃い＜清湖雛＞と命名されました。
その後、毎年、琵琶湖の周囲の野山のイメージや近江八景に因む
雛人形が追加されています。

近江上布を使った、繊細かつ華麗極まりない人形づくりで知られる、
雛匠　東之湖氏のびわ湖をモチーフにした「清湖雛」のシリーズです。
2005年に寄贈されてから、
年々、制作され「近江八景」も「石山の秋月」を残すのみ。
　近江八景
　　石山秋月　- 石山寺（大津市）
　　勢多（瀬田）夕照　- 瀬田の唐橋（大津市）
　　粟津晴嵐　- 粟津原（大津市）
　　矢橋帰帆　- 矢橋（草津市）
　　三井晩鐘　- 三井寺（大津市）
　　唐崎夜雨　- 唐崎神社（大津市）
　　堅田落雁　- 浮御堂（大津市）
　　比良暮雪　- 比良山系

「滋賀びわ湖のひな人形めぐり」（1）清湖雛シリーズ
　　　　　　　　　https://4travel.jp/travelogue/11741717
「滋賀びわ湖のひな人形めぐり」（2）東近江市＆守山市
　　　　　　　　　https://4travel.jp/travelogue/11742376
「滋賀びわ湖のひな人形めぐり」（3）愛荘町＆豊郷町
　　　　　　　　　https://4travel.jp/travelogue/11743202
■■■■■■「滋賀びわ湖のひな人形めぐり2022」■■■■■■
◆守山市
　○大庄屋諏訪家屋敷
　・大庄屋諏訪家屋敷の雛人形（2月16日～3月11日）
◆東近江市
　○中江準五郎邸
　・商家に伝わるひな人形めぐり（2月11日～3月13日）
○外村繁邸
　・商家に伝わるひな人形めぐり（2月11日～3月13日）
○金堂まちなみ保存交流館他
　・商家に伝わるひな人形めぐり（2月11日～3月13日）
　○弘誓寺 ○東近江市立 ぷらざ三方よし
◆愛荘町　
　○中山道愛知川宿街道交流館
　・愛荘のひな人形めぐり（2月5日～3月6日）
　○湖東三山館あいしょう
　・愛荘のひな人形めぐり（1月30日～3月6日）
　○るーぶる愛知川
　・愛荘のひな人形めぐり（2月1日～28日）
○ 近江上布伝統産業会館
◆豊郷町
　○豊郷小学校旧校舎群
　・とよさとひなめぐり（2月5日～3月13日）
○伊藤忠兵衛記念館
　・とよさとひなめぐり（2月5日～3月13日）
○岡村本家
　・とよさとひなめぐり（2月5日～3月13日）
○称名寺
　・とよさとひなめぐり（2月5日～3月13日）
○豊郷駅
　・とよさとひなめぐり（2月5日～3月13日）
○豊会館（又十屋敷）
　・とよさとひなめぐり（2月5日～3月13日）

エリア 湖東三山・多賀・東近江(滋賀)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 自家用車 徒歩

今年の大雪で大変でしたが、雪を考えて来ました。今は溶けて・・・。
重要伝統的建造物群保存地区の五個荘金堂町にある。
近江商人屋敷 中江準五郎邸
　　　　　　　幻の百貨店王といわれた中江氏の一族のお屋敷。
　　　　所在地；東近江市五個荘金堂町643
中江準五郎邸は、大正時代から戦前まで朝鮮半島や満州及び中国大陸
を中心に約20店舗もの三中井百貨店を経営した。
中江家４兄弟の末の中江準五郎さんの本宅です。
三中井（みなかい）というのは、中江家の屋号（商号）です。
（屋敷内では、三中井という屋号の由来も解説されていました。）
三越百貨店を追い越す勢いでしたが、終戦後に対外資産を失い、
三中井百貨店は消滅したそうです。

近江商人屋敷　外村　繁邸で行われた「にんげん雛まつり」が開催
近江商人屋敷　外村宇兵衛邸で行われた「変身お雛様」が開催
今年は無く、コロナで、また外村宇兵衛邸は民泊へ変貌。

中江準五郎邸にて東近江市が誇る雛匠、
東之湖氏作の創作雛「清湖雛」 東之湖作 楽しむことにしました。

東之湖氏は平成17年から近江上布（じょうぶ）をまとった、
創作雛人形を市に毎年寄贈。

受付の方と、いろいろお話ししてましたが、
近くの幼稚園の方が見学に来られて、
私一人で貸切でカメラを用意した時に・・・。

聖水の舞（２００４年）

親王（女雛）
＜聖水の舞＞

東京日本橋高島屋主催の『日本の伝統展』への出店を機に
滋賀県のシンボルである琵琶湖を
モチーフにした作品2005年9月滋賀県東近江市五個荘町の主催する
『ひな人形めぐり』に「聖水の舞」を寄贈。

親王（男雛）
＜清湖雛＞（雛匠 東之湖）

聖水の舞が「ひとりでは淋しそう」との声を受けて男雛を制作する。
完成後、女雛と男雛が揃った記念として、
名前を一般公募した結果『清湖雛（せいこびな）』と命名される。

琵琶湖をイメージして作られた清湖雛（せいこびな）は、
　　　　　　　　　　　　　　　　人形師東之湖氏作。
中江準五郎邸では人形師・東之湖（とうこ）さんが、
寄贈した創作ひな人形です。

中央に.南の無垢の女神
＜清湖雛物語＞
制作日:2011年2月
今年の作品は、四方の守り神の最後、南の女神を作成。
南の女神は滋賀県の中心地。
原点に復帰し、純粋、清楚な気持ちで未来に向かう姿を
白無垢の十二単で表現いたしました。

純真無垢の「無垢」「むく」と読みます。

けがれがなく純真な事、
欲望や執着のない事、
世間ずれしていないこと、
清らかな事、清浄
いつまでもそうであって、ほしいのですが、
その反面、
それでは厳しい社会では生き残れませんので、
たくましく育ってほしいと願っているのでは？。

五個荘近江商人屋敷中江準五郎邸 名所・史跡

＜清湖雛物語＞
無垢の神は白無垢の十二単をまとった立ち雛人形

無垢の女神（２０１１年）

無垢の女神（２０１１年）

無垢の女神（２０１１年）

＜清湖雛物語＞制作日:2013年2月

今年は近江八景の一景、比良の暮雪をテーマに・・・
「雪ふるる比良の高嶺の夕暮れは花の盛りにすぐる春かな」
「比良暮雪」は、琵琶湖の西岸に沿って連なる比良山地が雪に覆われ、
その美しき高峰が遠方から描かれています。冬を過ぎ
春のおとずれを感じる頃になっても、
なお雪を残す連山は雄大かつ、優美な姿だったことでしょう。

近江八景の一景、比良の暮雪
比良暮雪　- 比良山系

比良暮雪　- 比良山系

比良暮雪　- 比良山系

園児たちは、説明されてるが理解できるかな。
先生に従って、決められたルートを歩く・

東之湖さんの作品は滋賀県で鎌倉時代から発展した
麻織物の近江上布を使って、
ひな人形製作の全ての工程を一人で行っておられるそうです。

「清湖雛（せいこびな）物語」は２００４年から
五箇荘の雛人形めぐりに人形の寄贈をされており、
“近江八景”シリーズは...
「石山秋月」が製作され“近江八景”は完成。

このように、園児たちは観てました。

唐崎夜雨　- 唐崎神社（大津市）

「唐崎の夜雨（近江八景）」は２０１９年に製作された
人形で“男性的な女性的な魅力で女形を表現、
時雨を和傘に櫻の花びらの道”を歩きます。

＜清湖雛物語＞制作日：2019年1月

近江八景第七景は、唐崎夜雨（からさきのやう）
近江八景のひとつ、びわ湖の南西岸の唐崎神社には、
天正９年（1581年）に当時の大津城主の弟、
新庄直寿によって植えられた３代目の巨松の古木に
夜の雨が降り注ぐ情景・・・
和歌のイメージで妖霊的な雰囲気を醸し出す。

観る人の心の感情によって女性にも男性にも見えるフォルムが魅力。
時雨を和傘に桜の花びらが魅惑的・・・。

梅雨しぐれと巨松を描いた「唐崎の夜雨」を表現。
男装に身を包んだ人形で妖艶さを醸し出し、
手に持った和傘に描かれた桜の花びらで桃の節句の春らしさを表した。

近江八景第七景は、唐崎夜雨　- 唐崎神社（大津市）

近江八景第五景は、三井晩鐘（みいのばんしょう）- 三井寺（大津市）

＜清湖雛物語＞制作日：2017年1月

近江八景第五景は、三井晩鐘（みいのばんしょう）
「いで入るや波間の月を三井寺の　鐘のひびきにあくるみずうみ」
帰路を急ぐ夕暮れ時、びわ湖に鐘の音が響きわたっていきます。

ふと立ち止まると、湖面には風をはらんで走る帆船の影
対岸には三上の山を望み、寝ぐらへと急ぐ雁の姿。

衣装には７色を使い、
グラデーション（色が（鐘）連続的に変化）をイメージ・・・
琵琶湖の鐘が心地よく響きわたる。

三井晩鐘
　三井晩鐘　- 三井寺（大津市）

三井晩鐘
　三井晩鐘　- 三井寺（大津市）

五個荘の商家に伝わるひな人形めぐり～人形師東之湖氏作
琵琶湖をイメージして作られた清湖雛（せいこびな）

＜清湖雛物語＞制作日：2018年1月

近江八景第六景は、堅田落雁（かたたのらくがん）
「鎖（じょう）あけて　月さし入れよ　浮御堂」（松尾芭蕉）
琵琶湖の東側の対岸には円錐形の三上山（近江富士）や
鏡山が低く見えていて昇る月が湖面に映え、
月自体の光を湖面に走る光が織り成す光のアンサンブル。
東之湖氏は下の部分を湖に上の部分を浮御堂をイメージして、
夕日が射し込む湖面に温もりを感じさせる
暖色にて愛でられました・・・。

堅田落雁　- 浮御堂（大津市）
近江上布や草木染めなど地域特産の素材を用い
茅拵え(なえごしらえ)の技法で雛人形の造形美を表現している。

近江八景第六景は、堅田落雁（かたたのらくがん）- 浮御堂（大津市）

堅田落雁　- 浮御堂（大津市）

近江八景第六景は、堅田落雁（かたたのらくがん）- 浮御堂（大津市）

＜清湖雛物語＞制作日:2009年2月
琵琶湖は湖東、湖北、湖西、湖南と
四つの地域にかこまれながら、
美しい輝きをはなっています。
その琵琶湖を取り囲む、四方の守り神として、
今回製作し、登場したのが「湖北の水の神」です。
凛々しい姿が、魅了されそうです。

「湖北の水の神」

「湖北の水の神」

＜清湖雛物語＞制作日:2010年2月

今年は、四方の守り神の一人、東の女神を製作。
湖東の山々からふりそそぐ太陽の光、希望への輝き・・・
一日の始まり、人々の新しい日のはじまり・・・
今も、未来も輝きつづけてほしい、
そんな願いを東の女神に託し・・・

東の女神

近江上布は、伝統的なな麻織物で、
彦根仏壇・信楽焼などとともに、国の伝統的工芸品です。

　東之湖さんが手がけるひな人形は、
平安時代から伝わる装束衣装の着方を基本としています。
裁断から着付けまでの工程をほとんど手作業で行い、
できるだけのりを使わず針やくぎを使いながら、
実際に十二単を着ているような柔らかな雰囲気を醸し出しています。
今回は、関連性から近江上布伝統産業会館を訪ねてみました。

＜清湖雛物語＞制作日:2015年2月

近江八景第三景は、矢橋帰帆（やばせのきはん）
「いにしえの時の流れを感じづつ・・・」
矢橋はかつて近江マ米の出荷地として栄えた港。
白い帆を連ねて港に入る船の列が、
ゆったりとした時間の流れを感じさせる。

＜清湖雛物語＞制作日:2014年2月

近江八景第二景は、瀬田の夕照・・・
「露時　雨もる山遠く過ぎきつつ　夕日のわたる勢多の長橋」
「瀬田の夕照」は日本の三大名橋の一つ唐橋を舞台に、
古来より「唐橋を制する者は、天下を制する」とも言われ、
夕日を眺めつつ
一日の疲れを癒やされたのでしょう。

瀬田の夕照
勢多（瀬田）夕照　- 瀬田の唐橋（大津市）

＜清湖雛物語＞
制作日:2009年2月
琵琶湖は湖東、湖北、湖西、湖南と四つの地域にかこまれながら、
美しい輝きをはなっています。
その琵琶湖を取り囲む、四方の守り神として、
今回製作し、登場したのが「湖西の山の神」です。
凛々しい姿が、魅了されそうです。

「湖西の山の神」

「湖西の山の神」

＜清湖雛物語＞制作日:2008年2月

「湖面に桜をうつし明ける近江の郷」
湖周に咲く桜をイメージした10人囃子を製作、
新たに仲間入りした作品です。
清湖雛物語もにぎやかになってまいりました・・・

10人囃子

10人囃子

10人囃子

10人囃子

10人囃子

＜清湖雛物語＞制作日：2016年2月
近江八景第四景は、粟津晴嵐（あわづのせいらん）
静寂・・・晴れたある日、
湖上を渡る湖風が粟津の松林を吹き抜ける・・・
ふと、口笛を吹きたくなるような黄昏時・・・。
遠方にみえるのは比叡山。

粟津晴嵐. 粟津原（大津市）

近江八景第四景は、粟津晴嵐（あわづのせいらん） 粟津原（大津市）

近江八景第四景は、粟津晴嵐（あわづのせいらん） 粟津原（大津市）

制作日:2007年2月
琵琶湖を取り囲む野山の風景をイメージした六人官女を制作
六人官女を3人と3人分けてレイアウト。

六人官女を3人と3人分けて

六人官女の一人

六人官女を3人と3人分けて

絆雛
日本大震災からの復興を願い、地域をつなぐ役割になればと、
宮城県岩沼市に「絆雛」と名付けた
近江上布のひな人形を毎年贈り続けています。

絆雛

絆雛

絆雛
去年は、確か
青色を基調とした清輝雛
コロナ収束を願い、
不安な思いを抱えながらも闘い続ける医療従事者の人たちに対し、
少しでも励みになってほしいとの願いが込められて・・・。

近江商人といえば、
天秤棒を担いで各地を行商するイメージですが、
中江家のように百貨店王と言われるような大事業家が
五個荘近江商人からも輩出されていたんですね。


二階から庭園を見てたら
園児たちが帰るので・・・。

いつの時代も変わらない親から子供への心温まる愛情が、
きっと伝わってくるはずです。


園児たちがお礼の挨拶に応じて私も。

東近江市の五個荘近江商人屋敷中江準五郎邸・
毎年初春に「商家に伝わるひな人形めぐり」が催されます。
中江準五郎邸では、近江の郷土玩具　小幡人形など滋賀県伝統的工芸品
その中でも、東之湖氏の「清湖雛」＜清湖雛物語＞を注目しました。

有名な金堂を撮り

中江準五郎邸を後にして.外村繁邸.金堂まちなみ保存交流館を見て
弘誓寺に立ち寄りプラザ三方よしへ
　*「三方よし」とは「売り手よし」「買い手よし」「世間よし」。
この後は、愛荘のひな人形めぐりと
とよさとひなめぐりと、残り急いで駆け回ります。