神奈川宿歴史の道　③

2021/05/16 - 2021/05/16

横浜で所用を済ませて、午後から、歴史の道歩き、再開です。

今度は横浜駅西口から上台橋まで歩き、そこから旧東海道を行きます。
歴史の道の中でも、上り下りのあるエリアです。

神奈川宿歴史の道は、横浜の上台橋から宮前商店街はほぼ旧東海道と同じです

が、それより東側は旧東海道は国道１５線となり、歴史の道は寺院などを巡る

ため、東海道より北側の道が設定されています。

昔の建物などは残ってないとはいえ、色々工夫されていて、楽しく街歩きができました。

エリア 東神奈川・保土ヶ谷・弘明寺(神奈川)

• 交通手段: 徒歩

横浜駅の西口から進み、坂を上ると見えてくるのが上台橋です。

神奈川宿歴史の道の西の起点です。

欄干には歴史の道のシンボルマークの青海波が施されていました。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

「神奈川台の関門跡」へ進みます。

こういった案内板もところどころ整備されています。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

浦島寺（慶運寺）の浦島伝説にちなんで、車止めには亀のデザインが施されています。
歩道の茶色いレンガタイルをたどっていくと、自然にガイドパネルが建つポイントに行きつくことができるようになっています。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

家々は斜面に建っているので、きっちり石垣が組まれています。

この石垣はけっこう古そう。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

旧東海道を進みます。左が山側、右が海側です。今はビルやマンションが建っていますが、昔はそのマンションのすぐ下が海になっていました。
今は埋め立てられ、海ははるか遠くになってしまいました。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

神奈川台の関門跡の石碑とガイドパネルです。

昔からあった関所というのではなく、幕末、開国後、外国人が殺傷される事件が相次いで起こったため、警備強化として設置されたものです。

神奈川台関門跡碑 名所・史跡

神奈川宿でもこの台町は崖の下に海がある人気の景勝地で、とても賑やかだったそうです。
この田中屋と言う料亭はその当時から続く歴史ある料亭です。
確かに、今はマンションの立ち並ぶ住宅街なので、「なんでこんなところに料亭が？」と思ってしまいますが、歴史を知れば納得ですね。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

田中屋の前の看板には、坂本龍馬の妻のおりょうが勝海舟の紹介でここで、働いていたとありました。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

もう一軒「滝川」という料亭らしい佇まいの建物がありました。

料亭滝川 グルメ・レストラン

その「滝川」の壁に取り付けられているプレートです。

東海道中膝栗毛の神奈川宿に関する記述です。
「片側に茶店が軒をならべ、いずれも座敷は２階造りで、欄干つきの廊下・・・
浪うちぎわの景色いたってよし」

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

台町の坂を下っていくと、大綱金毘羅神社の鳥居が見えてきます。港が近いから船乗りたちの崇敬を集めたのでしょうね。

大綱金刀比羅神社 寺・神社・教会

奉納された幟を見ながら、階段を上ります。

今日は、なかなかアップダウンがきついです。

大綱金刀比羅神社 寺・神社・教会

境内には小さな池があり、池を渡った洞窟内には弁天様が
祀られていました。

大綱金刀比羅神社 寺・神社・教会

大天狗の伝説というのがあるらしく、境内には大きな天狗の面が。

大綱金刀比羅神社 寺・神社・教会

金毘羅さんをお参りしたら、ここから歴史の道は東海道を少し離れて、東横フラワー緑道を歩きます。

東横フラワー緑道は東急東横線の地下化によってできた線路跡を歩行者専用道路に転用したもの。

東横フラワー緑道 名所・史跡

名前通りお花がきれいに咲いていました。

紫陽花とゼラニウム。

緑道の高島トンネルを抜けて、高島山公園を目指します。が、この坂道半端ないぐらい急でした。

東横フラワー緑道 名所・史跡

高島山公園に到着。

さすがに見晴らしがいいです。

高島山公園 公園・植物園

この「高島」というのは横浜の埋め立てに尽力した高橋嘉右衛門のことで、この丘の上に住んだことかから高島山と呼ばれるようになりました。

昔、新聞屋さんがよくくれていた「高島易断」の本、この高島易断も嘉右衛門が作ったものだそうです。

高島山公園 公園・植物園

三宝寺は高島山の下から見えているのに入口がどこにあるんだろうと思っていたら、
山の上が入口になっていました。
上から見ると一階だけど、下から見たら３階？４階？

三宝寺から坂を降りてくると、本覚寺につきあたります。

本覚寺 寺・神社・教会

立派な本堂です。

本覚寺 寺・神社・教会

本覚寺にはアメリカ領事館が置かれていました。

本覚寺 寺・神社・教会

門前には修好通商条約の交渉にあたった幕臣・岩瀬忠震の記念碑がありました。

修好通商条約は不平等条約として明治政府が改正に苦労したと歴史では習いました。もちろん、その通りなのでしょうが、武力を背景に欧米の理論・やり方を押し付けてきた中で、最前線で交渉にあたった幕臣たちは、たいへんだったと思います。

本覚寺 寺・神社・教会

山をだいぶ下りてきましたが、それでも本覚寺はこの高さがあります。

本覚寺 寺・神社・教会

さらに坂を降りて青木橋を渡ります。

下には東海道線などの線路が走っています。
本覚寺のある山と、青木橋を渡ったところにある幸ヶ谷公園のある丘（権現山）はもともとはひと続きでしたが、そこを切り崩して線路を通しました。

青木橋 名所・史跡

青木橋を渡って宮前商店街に入ります。この商店街は旧東海道そのものです。

現在はお店より、マンションなどの住宅のほうが多いような感じですが、それでも
旧街道の風情が感じられました。

神奈川宿 名所・史跡

宮前商店街の山側に位置する甚行寺には幕末、フランス公使館が置かれました。

建物は関東大震災や空襲で焼失し、昭和４６年に再建されましたが、境内の銀杏の木は樹齢２００年以上。

フランス公使館跡 寺・神社・教会

三門まえに、石碑とガイドパネルがあります。

フランス公使館跡 寺・神社・教会

普門寺は宮前商店街沿いにある洲崎大神の別当寺でした。

明治以降、やはり、寺と神社は別々になっています。

こちらが洲崎大神です。

洲崎大神 寺・神社・教会

緑が多く、神聖な雰囲気がしました。

この神社が一番、江戸時代の雰囲気を残しているのかも。

洲崎大神 寺・神社・教会

坂を上って幸ヶ谷公園に行ってみました。

ここが権現山だそうで、熊野神社が最初に置かれたのはここだったのですね。

幸ヶ谷公園 公園・植物園

古そうな石碑がありましたが、どういったものかは不明。

幸ヶ谷公園 公園・植物園

山を下りて、宗興寺へ。ヘボン式ローマ字のヘボン博士が施療院を開いていた場所で、ヘボンの横顔のレリーフ付きのモニュメントがありました。

宗興寺 寺・神社・教会

神奈川の大井戸。

宗興寺の横、住宅地の中にありますが、明治天皇が行幸の折、この井戸の水を飲まれたそうです。

浄瀧寺にはイギリス領事館が置かれました。

修好通商条約を結んだ５か国の内、ロシアを除く４国が神奈川宿内に領事館を置いていたわけですね。

浄滝寺 寺・神社・教会

石碑とガイドパネルがきちんと整備されています。

浄滝寺 寺・神社・教会

滝の川を渡ります。

江戸時代にはこの川をはさんで江戸側に石井本陣、京都側に鈴木本陣が置かれていました。ひとつの宿場町に二つの本陣があったのですね。
神社仏閣は建物や規模が変わっても現在まで存在していますが、本陣は全く跡形もなくなってしまっています。

神奈川宿歴史の道 名所・史跡

滝の川を渡ると滝ノ川公園があります。

そこに「明治天皇行在所之蹟」というとても立派な石碑が建っていました。

説明文などはありませんでしたが、明治天皇は２度ほど神奈川宿の石井本陣に宿泊・休憩されたことがあり、昭和３年に聖蹟碑が造られたようです。
今は公園となっている場所が旧本陣の一部のようです。

明治天皇行在所碑 名所・史跡

慶運寺には浦島太郎にまつわる龍宮伝来浦島観世音像があり、、通称「浦島寺」と呼ばれています。

慶運寺 寺・神社・教会

フランス領事館跡という石碑も建っていました。

甚行寺にはフランス公使館跡という石碑もあったので、

領事館から公使館になったのか、それとも、同時期に両方置かれたのかは

わかりません。

慶運寺 寺・神社・教会

成仏寺は広々とした境内のお寺でした。

ヘボン式ローマ字で名を遺すヘボンはここに逗留していたそうです。滝の川を渡って、宗興寺にある施療院に通ったわけです。
ヘボンは医者であり宣教師。キリスト教を布教する宣教師を寺院に泊める
寺側の人はどんな気持ちを持ったのでしょうか。

成仏寺 寺・神社・教会

三回に分けて踏破した「神奈川宿歴史の道」歩きを終えて、東神奈川駅に向かう途中、見つけたこの建物。

シンプルなモダニズム建築ですが、車寄せや中央上部は装飾的。

特に車寄せの装飾はいいですね～。

街歩きの最後にこんな建物に予想外にお目にかかれて、Happyでした。

ALL JAPAN SEAMENS UNION(全日本会員組合）の建物でした。