冬の信州温泉旅その1　昭和レトロな浴室といい塩梅の料理に癒される　美ヶ原温泉　御宿石川宿泊

2022/01/28 - 2022/01/29

毎年恒例にしている冬の温泉旅。今年は2年前にも訪れた美ヶ原温泉と白骨温泉に再訪する事にしました。前回は「すぎもと」に投宿。こちらもいい宿でしたが、もう1軒是非とも伺いたい宿がありそれが「御宿　石川」。料理が美味しいと評判で1日2組限定の宿。故に予約が取りにくく今回は9月上旬に予約し、念願を叶えることができました。

　ただ現在の状況で宿泊し、万に一つでも感染していて宿にご迷惑をかけるわけにはいかないので、出発前々日に（抗原定性検査ではない）PCR検査。翌日の結果で二人揃って陰性を確認した上での旅です。

エリア 美ヶ原温泉(長野)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 4.0
• ホテル: 4.5
• グルメ: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 3万円 - 5万円
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩
• 旅行の手配内容: 個別手配

出発の前々日に新宿で（抗原定性ではない）PCR検査。ニュースでは行列している様子がよく映っていましたが、早めに並ぶとすぐ検査できました。

翌日夕方には検査結果が分かり、二人揃って陰性を確認。これでちょっと一安心。

さてここからが本題の旅行記。
松本へは高速バスで。バスタ新宿から7時05分発の始発に乗車。

高速バス (京王バス) 乗り物

途中の双葉サービスエリアで休憩。南アルプスの甲斐駒ヶ岳（右）から鳳凰三山（中央）までバッチリ。いい眺めだ。

双葉サービスエリア 道の駅

松本バスターミナルへはほぼ定刻に到着。ここでタウンスニーカーと美ヶ原温泉行きのバス時刻表をゲット。現在（感染対策で）棚には並んでないので、窓口で希望すれば頂けます。そしてB1のデリシアにて相方にお任せで宿で呑むお酒も購入。

松本バスターミナル 乗り物

まずはタウンスニーカー北コースに乗車。大名町バス停で下車しランチへ。

タウンスニーカー 乗り物

美味しい蕎麦を食べようと伺ったのは、蕎麦倶楽部佐々木さん。まだ開店前で待っていると、中から店員の方が出て来られ予約扱いにしますから店を離れてもいいですよとの事。

蕎麦倶楽部 佐々木 グルメ・レストラン

周辺を散策していると、蔦の絡まった素敵な洋館があったり（鯛萬という洋食店でした）こんな激渋の横丁を発見。観光だとなわて通りと中町通りしか歩いた事が無かったので、ちょっと逸れるだけでも面白い。

11時半に開店し奥のテーブル席へ。注文したのはもりそばの大盛。九割三分で手打ちした蕎麦で、塩で頂くとしっかりとした蕎麦の風味と鼻に抜ける香りが抜群にいい。つゆに少しつけて頂くと、風味も豊かで非常に美味しい。歯ごたえ、喉ごしも良く噂に違わぬいい店でした。

蕎麦倶楽部 佐々木 グルメ・レストラン

昼食後はすぐ近くの四柱神社へ。鳥居の向こうに御幸橋。明治天皇が信濃地方で初めて御巡幸の際、当日午前に竣工したばかりのこの石橋をお渡りになり行在所へと入られました。よって御幸（天皇のお出まし）橋となったそうです。

御幸橋 名所・史跡

平日という事もあり、参拝する人も少なめ。御祭神は天之御中主神、高皇産霊神、神皇産霊神、天照大神の4柱。願いごとむすびの神として多くの方から信仰を集められています。

四柱神社 寺・神社・教会

目の前がなわて通り。2年前と比べても人も少なめ。歩いていくと県からの要請を受けて休業と貼り紙している店が多くありました。

なわて通り 名所・史跡

どこかでお茶でもしようぶらぶら。2年前に伺った喫茶まるもは現在土日のみ営業でこの日は休業。思いついたのは中町通りにある蔵シック館。ここは営業していました。

中町・蔵シック館 グルメ・レストラン

店内の客は地元の方お一人。注文したのは蔵ブレンドとチーズケーキセットをウインナーコーヒーで。このチーズケーキは甘さ控えめで大人のケーキでした。

中町・蔵シック館 グルメ・レストラン

お隣にある蔵の会館を見学。この前にある蔵の井戸はまだ現役。東京でも錆びついたものは見た事がありますが、こんな綺麗な手押しポンプは珍しい。

中町蔵の井戸 名所・史跡

この建物は中町に隣接する町にあった造り酒屋の母屋、土蔵、離れを移築したもの。1階の和室にはこの欄間も懐かしさを覚えます。

中町蔵の会館 名所・史跡

そして一番の見所は2階にあるこの梁組。天袋からの光もいい雰囲気で、これは見事という他ありません。

中町蔵の会館 名所・史跡

中町通り。平日とは言えこんなにガラガラというのも淋しい。

中町通り 名所・史跡

2年前はバス路線を把握してなかったので松本BTまで戻りましたが、今回は大名町バス停で美ヶ原温泉行きに乗車。

路線バス (アルピコ交通) 乗り物

約15分で美ヶ原温泉バス停に到着。歩いて2分で本日のお宿、御宿石川へ。

御宿　石川 宿・ホテル

外観はこじんまり。実は通りを挟んだ右側が2年前に泊まった「すぎもと」になります。外観の写真を撮っていると女将さんが出て来られ、そのままチェックイン。

御宿　石川 宿・ホテル

お世話になります。この衣紋掛けの後ろにテーブルがあり宿帳記入。館内の説明を受けお部屋へ。

御宿　石川 宿・ホテル

部屋は新館2階。和室8畳＋広縁付き。2間続きになり、

御宿　石川 宿・ホテル

左にも和室8畳。こちらにはすでに布団が敷かれています。二人では十分な広さ。
平日泊で13000円＋1300円（消費税）＋150円（入湯税）＝＠14450円になります。

御宿　石川 宿・ホテル

お茶菓子、アメニティなど。部屋の前に洗面とトイレ。2階はこの部屋だけなので専用という事になります。では早速お風呂へと参りましょう。

御宿　石川 宿・ホテル

お風呂は1階に2つありどちらも貸切で利用。手前にあるのが「昭和の湯」。アルカリ性単純温泉の湯がかけ流し。適温で肌当りの優しいいいお湯です。何よりこのモザイクタイルは昭和30年代のものらしく、懐かしさを覚えます。

御宿　石川 宿・ホテル

洗い場。シャワーの湯も温泉という贅沢。しかし少々温度調節が難しく、浴槽の湯を使った方が便利でした。

御宿　石川 宿・ホテル

奥には「離れの湯」。脱衣所。

御宿　石川 宿・ホテル

離れの湯は窓も大きく明るい。ただ浴槽が昭和の湯より小さい分、少し熱めに感じます。

御宿　石川 宿・ホテル

こちらにも洗い場。ゆっくり温泉に浸かり、お部屋では炬燵でゴロゴロ。久しぶりにのんびりします。
夕食は部屋食になり18時から。

御宿　石川 宿・ホテル

まずはお酒を。飲み比べができる信州セット（左から酔園、七笑、井筒長）を注文。

御宿　石川 宿・ホテル

お料理は最初に3品。あとは1品ずつ持ってきて頂けます。

デラウェアの食前酒
ほんのりとした甘さ、ぶどうのいい香り。

御宿　石川 宿・ホテル

葉わさびのお浸し
ツンとした清涼感ある辛味と歯ごたえが楽しめます。酒のあてに丁度いい。

御宿　石川 宿・ホテル

百合根まんじゅう
まんじゅうは舌触りも滑らか。少し長芋も混ぜているそうで、もっちりさと口どけの良さのバランスが絶妙。それでいてしっかり百合根の風味、ホックリした味わいも感じられ非常に美味しい。中には海老が入り上品な餡にゆずの香りがいいアクセント。

御宿　石川 宿・ホテル

米茄子田楽
この宿の定番。1度素揚げされているので果肉はトローリ。味噌の風味も程よく、卵黄でコク増しも楽しい。特に目新しい料理ではないですが、非常に美味しく頂けました。

御宿　石川 宿・ホテル

筍ソテー　　
今年獲れた生の筍だそう。生の筍らしいフレッシュは香り、歯ごたえ、ほのかなえぐみで一気に春が広がります。もうそれだけで御馳走。

御宿　石川 宿・ホテル

岩魚甘露煮
頭から全て食べれる一品。甘さ、塩味も控えめであっさりしており、その分岩魚の味わいを堪能できます。

御宿　石川 宿・ホテル

ここでデリシアで購入した日本酒へ。今回選んだのは〆張鶴の純。口当たりも滑らかで米の風味をしっかり感じる美味しいお酒でした。

御宿　石川 宿・ホテル

天婦羅　　
アレッタ、タラの芽、空豆、長芋磯辺揚げ。タラの芽は栽培という事で香りもなく今いちでしたが、その他はカラリと揚がり、特に空豆はホクホク感もあり美味しかったです。

御宿　石川 宿・ホテル

信州牛ステーキ
見事なレアに焼き上げられておりハニーマスタードソースもいい。ただ箸で食べるには噛み切りにくい。ナイフフォークで食べるにはこれ位の焼き加減がベストだと思う。上質の信州牛だっただけにその食べ難さだけが残念。

御宿　石川 宿・ホテル

土瓶蒸しと炊き込みご飯　　
昨年の松茸が保存してありそれを使ったもの。今の時期に頂けるとは思ってなかっただけに驚き。香りも十分楽しめ、旨味の詰まったつゆは体に染み渡ります。蕗と揚げの炊込みご飯も薄味で美味しい。お櫃に残ったご飯は夜食用のお握りに。

御宿　石川 宿・ホテル

スイートポテト
アツアツを提供。ねっとりした薩摩芋とフレッシュな甘みの金柑が良く合う。もうお腹パンパンでノックアウト状態。料理はどれも美味しかったなあ。

御宿　石川 宿・ホテル

2時間ほど爆睡後、夜にもう一度お風呂に入り夜食にお握りを頂きました。

翌朝もお風呂でゆったり。やっぱり朝からお風呂に入れるのが温泉旅行の楽しみ。

御宿　石川 宿・ホテル

朝食は8時から部屋食です。

御宿　石川 宿・ホテル

せりしめじお浸し、炊き合わせ、出汁巻き卵、冷奴
品評会で金賞を獲った「伍郎のきぬ」の冷奴は大豆の風味が強く、ほんのりと豆の甘みも感じられそのままでも十分美味しい豆腐でした。

御宿　石川 宿・ホテル

焼き鮭、卯の花、漬物（紫白菜と蕪）、ご飯、味噌汁
焼き鮭も立派でご飯が進みます。

御宿　石川 宿・ホテル

食後の飲み物は選べ、コーヒーとカフェオレ。ふ～、朝からお腹一杯です。

御宿　石川 宿・ホテル

御宿石川の料理を思い返した時にフッと頭に浮かぶのはどの料理もいい塩梅だなぁという事。特に目新しい料理があるわけではないのに一品一品丁寧に作られており、どれも好みの味付け（薄味）で大満足です。施設面での古さを感じる部分はありますが特に気になる程でもなく、値段もリーズナブル。貸切の風呂やかけ流しの温泉、何より松本から近いので気軽に行ける距離感もちょうどいいですね。季節により山菜や松茸のプランなどもあり、また魚、肉料理は変更もできるようなのでまた伺います。

御宿　石川 宿・ホテル