ヘレン・ケラーも泊ったという名ホテル

2021/10/24 - 2021/10/25

北海道も10月15日から諸々解除になるという。
喜ばしい限りです。
しかし、札幌市民は札幌を出るなというきついお達し。
ガすリンもバカみたいに高いことだし、遠出は諦めて市内の気になっているホテルに泊まることにします。
今回は、札幌の老舗ホテル、札幌グランドホテル。

しかし、ガすリンはどこまで値上がりするのだろう。

エリア 札幌(北海道)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 高速・路線バス 徒歩

天気晴朗なれど、風強し。

自宅前のバス停から路線バスに。
一年半ぶりくらい（！）のバス。

どっかに「プリカ」があったはず……。
「あった！」
「ピッ！」
なんだ、130円しか入ってないな！

そういえば、昨年の2月頭に千歳空港から乗ったのが最後か……。
ちょっと感慨に浸ってしまう。

天気もいいので、ギリギリ210円区間の「北大正門前」で下車。
あと一駅で札幌駅だけど、ちょっと節約を兼ねた北大見学。

北海道大学 名所・史跡

一つ手前のバス停「北大病院前」で、チェックした有名な銀杏並木は、まだ6分程度の色付き。
黄緑とイエローのグラデーションが、奥ゆかしい。
が、燃えるような黄葉にはあと一歩ですね。

古賀記念講堂の前を通って……

クラーク像の前を通って……

清華亭

北大の南にひっそりとあります。
久しぶり。
午後3時ころですが、すでに明かりがともっていて、どなたかが内部を見学しています。
この建物は古く、明治13年の明治天皇の行幸に合わせて建てられたものです。

清華亭 名所・史跡

風はすっかりやんで、抜けるような晴天が広がる。

清華亭から函館本線のガード下を札幌駅方向に歩くと、ラーメンの自動販売機。
冷凍で、一つ千円程度。
これも、コロナが生んだ産物でしょうか。

函館本線をくぐって南に歩き、赤レンガ道庁。

西日が向かいのビルのガラス面に反射して、赤レンガの東側を照らしている。
何やら改修工事中。
令和7年まで続くように説明書きがある。
これもコロナ禍と無縁ではないようです。
当初の予定が、東京五輪やら何やらでずれ込んだらしい。

北海道庁旧本庁舎 名所・史跡

道庁の前庭のもみじが赤く色づいている。

周囲を取り囲むような高層のオフィスビル。

これから、次第に紅葉もたけなわに向かう。

南側の池のもみじが燃えるように赤くなっています。

ハスの池にかかる橋は、池の中央にある小島に続く。

道庁のあるブロックの南東に位置する、札幌グランドホテル。
1934年開業。
道内初の本格洋風ホテルとして、皇室を始め数々の有名人をもてなしてきたのだとか。
無名人中の無名人として、泊めていただきますか。

札幌グランドホテル 宿・ホテル

エレガントなエントランスロビー。
エレファントのようなお腹で歩く。
これもみんなコロナのせい。

部屋は、東館7階のコーナーツイン。
東館は高層の新館として1976年にオープンしたそうで、この部屋は40平米ほどもある。
この地域では異例の広さの客室。

「お部屋はお任せということで、東館ツインの広めの部屋をご案内いたします。」
ということでした。
ありがたき幸せ。
広い部屋は、バスとトイレがセパレートになっていて、入り口は反対側についています。

夕食は、大丸デパートの地下食品外で「さざえ」のお弁当。
久々の地下街を歩いて駅前まで行きました。
なんか、懐かしい。

セレブ的なデパ地下にあって、庶民の味方的なお弁当を購入し、優雅な部屋でいただく。
旨かったですね。

それにしても、静か……。
札幌の中心部にいるというのがうそのよう。

長い間札幌随一のホテルとして、数々のセレブを迎えてきた札幌グランドホテル。
皇室はもとより、フィリップ殿下やヘレン・ケラーも宿泊しているという。

ヘレン・ケラーが札幌を訪れたのは1948年の二度目の来日の際。
9月13日札幌に滞在しています。
札幌を訪れた女史は、もし目が見えるようになったら、という質問に「熊の子を見てみたい」と女性らしい答えをしています。
知的好奇心旺盛な女史を魅了したヒグマですが、最近は街中に現れます。

実はその10年前にも北海道を訪れていて、小樽の聾唖学校や花園小学校を訪問したという。
ネットを見ていたら、亡くなったおばあちゃんが小学校の総代としてあいさつをしたという方の話が出ていました。

どちらの際に、この札幌グランドホテルに滞在したのだろう。
年表を見ると、1948年は終戦後の米軍に接収されていたので、ホテルとしては営業していない。
だとすると、1937年の時だろうか。
いずれにせよ、その時の旧館は、もう取り壊されていて存在していません。

ヘレン・ケラーで思い出したことがあります。
だいぶ前、聾唖の方と話していた時に聞いた話です。
彼が幼い頃、生まれつき耳の聞こえなかった彼に、母親は素人ながら超人的な努力をして日本語(文字言語)を教え込んだという。
それまでは、周囲にあるものは見えるものの、概念として把握することができず、文字の言葉を一つ覚えるたびに世界が認識されるようになったと話して(筆談)おられました。
まるで、初めて物が見えるようになったような経験だったということです。
それを聞いて、ヘレン・ケラーの映画「奇跡の人」の一場面を思い出しました。

その後日本手話を覚えたので、彼の母語は手話ではなく日本語(文字)なのだという。
人間にとって、文字だろうが音声だろうが、手話だろうが、言葉というものがいかに大切なのか、思い知らされました。

そんなことを考えているうちに、今日は久しぶりにたくさん歩いて疲れたのか、深い眠りに落ちました。

朝食バイキングが、ノーザンテラスダイナーでいただけます。
10月15日から再開したのだとか。

ノーザンテラスダイナー グルメ・レストラン

妻が、いろいろネットでチェックしておりました。
「コーンスープはマストだね。」
だとか。

トースターでホテルブレッドをトースト。
回転してストンと落ちてくるタイプ。
日本では珍しいですね。

8種類のはちみつが用意されている。
クローバーのを付けました。

夕べ夜中に一度目覚めて、肩こりを覚えたので、ソフトな枕からハードな枕にスイッチいたしました。
するとあら不思議、朝までぐっすりと寝てしましました。
枕、大事ですね、枕。

人気のホテル朝食。
スタッフの数がすごい。

ホテル業界、大変でしたね。
このまま、需要が戻るといいですね。

手をかざすだけで、空気圧でフッと膨らむビニール手袋に手を通し、大皿にいろいろ取り分けました。
1966年から親しまれている名物のコーンスープをたっぷりよそって席に戻る。

オムレツのキノコソースのシメジが美味しかった。
手前は洋ナシのジュレ。
ソーセージが、見た目よりおいしかった。

あと、大きな声では言えないですが、北見焼きそばと釧路ザンギが地味においしかった。

エレベーターホールでちょっとスナップ。