2021/10/03 - 2021/10/06
151位(同エリア801件中)
jokaさん
山行二日目
今日は予定ではコースタイムで14時間を超える長丁場。
本当ならば自炊のうえ早立ちして余裕を作りたいところですが、うわさに聞く槍ヶ岳山荘の焼き立てパンに出会うべく、あえての小屋食済ませてからのスタートです。
前回気になったものの時間読めないのと下り口を見落としてしまったのとで立ち寄れなかった鷲羽池探検も楽しみ♪
さてどうなることやら。
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深夜の0時40分に目が覚める…
寝付こうと努力するもその甲斐なく、3時半ごろ布団を抜け出しました。
部屋でゴソゴソしてると周りの人を起こしてしまうので、コンタクト入れたりトイレ行ったり水入れ替えたりといった部屋の外でできる準備を済ませて、再度布団に寝転び朝を待つ。ヒュッテ大槍 宿・ホテル
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数年前から山での寝付きが悪くなって睡眠薬無しでは眠れなくなりました。山を下りるとぐっすりなので、たぶん山では心身共に興奮状態なんだと思います。
以前は一錠でそれなりに効果があったのですが、今ではきっちり3~4時間で目覚めるように… -
5時から朝食。
9月半ばあたりから多くの小屋ではスケジュールが秋時間に移行して朝食も5時半や6時開始になるのですが、ヒュッテ大槍では夏と同じまま。
基本早立ちしたいわたしには大変ありがたい。 -
厨房にいる小屋の人達に声をかけて、5時21分出発です。
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東の空がほんのり明るんでいます。
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画像だとかなり明るく写っていますが、実際にはまだヘッデン点けた方がいいくらいの暗さです。
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殺生ヒュッテを通過。
日の出待ちの人がいるかと思いきや、外に人影はありませんでした。
本文には関係ありませんが、4トラベルの写真のスポット検索で“殺生ヒュッテ”が表示されないんですよね。まさか“殺生”がセンシティブワードとか…… -
テント場を過ぎ、たまに東を振り返りつつ登る。
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登るにつれて、ヒュッテ大槍以降いったん見えなくなっていた常念岳が再び姿を現し始めました。
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何度目かに振り返ると…
!!! -
ご来光です♪
それほどこだわりは無いのですが、見れば見たでやっぱり嬉しいものですね。 -
高度を上げるにつれて、日の出も進み、景色も広がってきました。
殺生ヒュッテ付近に日の出待ちの人がいなかったのも納得。どうせ途中まで上がらないと見えないのなら、槍ヶ岳山荘前まで登ってしまえ!ということなのでは。 -
大喰岳や前穂高岳もほんのり赤らんでいます。
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5時55分、槍ヶ岳山荘着。
槍ヶ岳山荘 宿・ホテル
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テラスからの朝日。
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位置的に考えて、赤槍見るにはヒュッテ大槍からでないとダメですね。
と言いながら頭の中は槍ヶ岳山荘名物の焼き立てパンでいっぱい!
数日前に電話で確認すると6時半頃販売開始とのこと。
その時間調整も兼ねて朝食を小屋食にしたわけです。 -
まだ早いけど前倒しということもある。
念のため売店で確認してみると「本日分は売り切れました」……
おいおい、話が違うじゃないか!そうと知ってれば自炊していくらでも時間合わせたのに。
今日は驚くぐらいにすごい売れ行きだったそうで… -
さぞやいいご来光が見られたことでしょう。
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今日歩く予定のルートがほぼ見えています。
画面左下の西鎌尾根を中央に向けて進み中央左の山頂で左に折り返し。その先のなだらかな山が双六岳です。そこから右に水平移動した二つ先のピークが三俣蓮華岳で、ぐっと下げた鞍部に三俣山荘。登り返して鷲羽岳といった具合。
その先の祖父岳や雲ノ平は鷲羽岳の向こうに隠れています。 -
6時5分、気を取り直して出発!
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小槍の存在感!
なのに前回も山頂からは見損い、西鎌尾根を下る途中で気付きました。 -
ザレザレの斜面を下っていきます。
西鎌尾根はこんな感じの場所が多く、特に下りで時間がかかる印象です。
なんて言ってますが、単にわたしが下るの下手なだけです。 -
6時44分、千丈乗越。
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この辺りで西鎌尾根に入って初めてすれ違った方に呼び止められる。
「有名な方ですか?」
ん?誰だろ…
「望月さんじゃないですか?」
なんと!TJAR四連覇、生ける伝説の望月将悟さんと間違えられてしまいました。
すれ違い後、いつ振り返られてもいいよう無理して背筋を伸ばして歩いていたのは言うまでもありません。 -
鎖もあります。
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太陽の光がやっとのことで西鎌尾根に届きました。
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大キレット方面
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ようやく日向の中を歩けます。
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左手を見ると鏡平山荘が。
直線距離だとけっこう近い。 -
どんどん遠のいていきます。
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7時33分、左俣乗越。
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さらに遠くへ!プルスウルトラ……
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8時2分、硫黄乗越。
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画面中央の稜線上の鞍部に三俣山荘が見えています。
尾根沿いに左に行けば三俣蓮華岳、右に移動すれば鷲羽岳。尾根の奥には雲ノ平の生みの親である祖父岳、そのさらに奥、画面一番先には薬師岳の姿が。 -
西鎌尾根最後の登り。
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8時26分、樅沢岳(2755m)山頂。
樅沢岳 自然・景勝地
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樅沢岳山頂から10分ほど歩くと双六小屋が見えてきました。
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この時間にしてはけっこうテントが残ってますね。
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8時43分、双六小屋に着きました。
こちらは新穂高からのアルプスへの入口であると同時に槍穂ゾーンや表銀座などの北ア南部東側(ややこしい…)と雲ノ平、黒部五郎あたりの北ア南部西側を結ぶ大交差点でもあり、いつも多くの登山客で賑わっています。双六小屋 宿・ホテル
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小屋前のベンチにザックを下ろして受付へ。
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個人的にこの小屋最大の利点は軽食の販売時間の長さです。
なんと朝8時から!
そして終了時間も今でこそ15時のようですが、以前は20時か21時まで開いていました。
テント泊の際には夕食としても利用できたり、通過する場合でも時間を気にせずあてにできたりと非常に使い勝手がいいのです♪ -
何度も利用しているのでたいていのメニューは試していますが、やっぱりカレーが鉄板でしょう。
5分でご馳走さま♪ -
8時57分、小屋を後にします。
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巻道との分岐点。
せっかくなので山頂方面へ。 -
今度は中道との分岐。
巻道が一切山頂を踏まないのに対して、中道は道中最高峰の双六岳はスルーするものの丸山の山頂は通るルートです。
中道は一度も通ったことがないので少し迷いましたが、やっぱり双六岳を目指すことにしました。 -
双六岳といえばなだらか&たおやかなイメージ。
こんな岩場あったっけ?
完全に忘れてます… -
これこれ、これですよ!
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今朝あそこにいたとは我ながら信じがたい…
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これぞ双六岳のイメージ。
天空の滑走路と呼んでいます。 -
西を向けば笠ヶ岳。
角度によってはまんま槍ヶ岳です。 -
9時41分、双六岳(2860m)着。
写真を二、三枚撮ったらそのまま通過。双六岳 自然・景勝地
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これから向かう先。
目の前の三俣蓮華岳を越えて画面右奥の鷲羽岳に登ります。 -
ここが稜線コースと中道の合流地点。
いつか中道も歩いてみたいものです。 -
左が黒部五郎岳、右が薬師岳。
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バランス!
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あと一踏ん張り!ですが、見えているのはピークではありません。
登り切ったさらに先が本当の山頂です。 -
登り切って振り返ったところ。
先ほど道端で休憩中だった二人組。
よく見ると先頭の人が4mくらいの木材を担いでます。すごい!
山小屋のスタッフでしょうか? -
今度こそあと少し。
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10時30分、三俣蓮華岳(2841m)山頂です。
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細長くて広い山頂。
反対側にも山頂碑が建てられています。 -
先にくつろいでる方が二人いたので、一眼レフを下げた人にシャッターをお願いすると、みごと二枚中二枚ともがっつり指が入ってました…
勇気を振り絞って再チャレンジをお願いしたことは言うまでもありません……三俣蓮華岳 自然・景勝地
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ザレザレの急斜面を下る。
標高差にすれば100mにも満たない区間ですが、ここには毎度毎度泣かされてます…
私的“真アルプス三大急登”の一つです。 -
下りた所が双六小屋の上から始まる巻道との合流点。
写真では伝わりづらいけれど、ここから見上げる三俣蓮華岳の山頂は心折れるほどの激坂の上です。 -
鷲羽岳に向かいます。
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ハイマツのトンネルを潜る。
三俣山荘周辺はハイマツの楽園です。 -
ハイマツ帯をしばらく出たり入ったり。
急に目の前が開けました! -
わたしの中で“The 北アルプス”の風景の一つ。
この景色を目にすると、“北アに来たな~♪”と実感します。 -
目指すはキャンプサイトの一角。
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ここ!
明日の分まで水の補給。 -
10月の平日にしてはずいぶん賑わってますね。
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と思ったら他はガラガラ。
寂しがりやさんが多いのでしょうか?
ここは画面を横切って流れる(今は枯れていますが)小川というか水流沿いに小さなサイトが点在するおもしろい配置。豊富な水量、小屋との絶妙な距離感、充実の小屋飯、素敵な景観とも相まって北アで一番お気に入りのテント場かもしれません。
南アだと今のところ荒川小屋かな… -
テント場からまたまたハイマツの中を通ると
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見えてきました。
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11時10分、三俣山荘に到着。
三俣山荘 宿・ホテル
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お目当てはこちら。
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前回に引き続いて貸切でした。
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ジビエ丼は今日も売り切れ…
時期が時期だけに予想はしていましたが。
いったい何度通えば出会えるのでしょうか? -
電気は入っていません。
気持ちの問題です。 -
お疲れ様~♪
窓の外には槍ヶ岳と北鎌尾根。 -
ボロネーゼ!
テント泊だとよく作る、というか温めるメニューですが、小屋の軽食でパスタってめずらしい気がする。
以前食べたオムライスが復活しないかな… -
あれ?ここでも汲めたんでしたっけ?
山荘でトイレを借りるついでに受付で鷲羽池への行き方を尋ねる。
受付のおにいさん曰く、
・下り口は九合目あたりのハイマツ帯にある
・登りだと見落としやすいので要注意
・下りはそれほどだけど急登なので登りは苦戦するかも
・往復30分以上はみたほうがいい
とのこと。 -
小屋の前では盛大に布団干し。
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11時32分、布団の海をかき分けて出発です。
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登りの取り付きまではトラバース気味に進む。
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こんなところにザックが!
三俣山荘前にデポればいいのに。人間不信なのでしょうか?
いやいや、まさかの伊藤新道を目指す達人か?? -
ひたすらつづら折れの直登です。しかもザレザレ。
薬師岳以上、赤石岳未満といった感じ… -
三俣山荘があんなに遠くに。
ちなみに画面中央左寄りのあたりです。
中央上方に飛び出ているのが三俣蓮華岳。画面右端が双六岳、その右のひょっこりはんはシルエットからして笠ヶ岳ですね。 -
三俣山荘を出て40分ちょっと、頂上まであとひと踏ん張りの所で三俣山荘のおにいさんに教えてもらった下り口を見つけました。
登山道脇のデッドスペースにザックをデポして下降開始。 -
思ったより下りそうですね。
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ザレてる上に歩く人が少ないせいかとてもよく滑る!
登り返すことを考えて、早くもちょっと後悔気味… -
このハイマツ帯に大苦戦。
足元にはたしかに道らしきものがあるのですが、ハイマツの主張がエグい!枝を全力で押し退けて進む!!
きれいな格好では通らないほうがいいかも。 -
核心部は抜けました。
でもここからも案外長い。 -
優に100m以上は下りてきました。
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ビクトリーロードを進む。
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15分かけて池のほとりにたどり着きました。
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逆さ鷲♪
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自撮りタイムに突入。
なかなか上手くいきません。 -
ここを渡れば池のほとりを一周できそうです。
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渡れました。
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こちら側はきれいな砂浜です。
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水も澄んでいます。
試しに飲んでみればよかったな… -
再び自撮りタイム!
連写機能をよく理解しておらず、10枚目だけを見てボツ出ししてました…
けっきょく二十回近く飛んで諦めたのですが、後で見返した時にそれっぽい写真を見つけた次第。
これは岩が目立ち過ぎ… -
惜しい?
完全に見切れてます… -
こんなもんでいいか。
手は勘弁してください… -
なんだかんだで30分以上遊んでました。
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まずい!
予定を30分以上オーバーしてる。
そろそろ戻らないと。 -
登りの方がずっと楽な気がします。
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13時12分、デポ地点へ戻ってきました。
下りも登りも同じ15分…
よほど下りが下手なのか…… -
気を取り直して山頂を目指す。
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真っ青よりも少し雲があった方が空に奥行きが出るような気がします。
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13時22分、鷲羽岳(2924m)山頂です。
鷲羽岳 自然・景勝地
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先ほどまで遊んでいた鷲羽池を見下ろす。
取り憑かれたようにジャンプを繰り返していた姿は……大丈夫、ここからじゃ見えませんね。
滞在2~3分で山頂をあとに。 -
視線の先には薬師岳。
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いったん下ってゴツゴツのワリモ岳に登り返す。
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ゴツゴツ…
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辿ってきた道を振り返る。
鷲羽岳からの稜線が美しい♪
左奥には今日の出発点(ほんとはその少し向こうだけど)、槍ヶ岳。 -
山頂のトラバース。
以前通った時は少し怖かったけれど、今日は平気でした。 -
14時5分、ワリモ北分岐。
裏銀座、読売新道方面と北アルプス西部を結ぶ、地味ながらも重要な交差点。
水晶岳をピストンする人のザック置き場としても有名です。 -
岩苔乗越への急斜面を下る。
標高差わずかに60mちょっとですが、こちらも私的“新アルプス三大急登”の一つ。 -
計画ではここから黒部源流碑まで南下、日本庭園を通り雲ノ平山荘を目指すつもりでした。コースタイムで2時間40分ほど。
それに対して祖父岳経由でまっすぐ山荘に向かえば2時間。
たかが40分、されど40分。
山荘に着いて夕食前に乾杯してくつろぐ時間が欲しいな~ -
というわけで予定変更!
黒部源流碑は明日のお楽しみということにしてまっすぐ雲ノ平山荘へ向かうことに。 -
チングルマの綿毛をたくさん見かけました。
秋ですね~ -
14時41分、祖父岳山頂(2825m)に着きました。
相変わらずのっぺりと広い山頂。前回訪れた時にはスマホの電波がバリバリに入っていろいろと助かった記憶があります。
ところが今回は途切れ途切れで、友人に画像を送ろうとして何度も失敗…
15分近くも無駄にしてしまいました。せっかく近道したのに…… -
あぶり出しでしょうか?
地味な印象の祖父岳ですが、実は超一流の展望台。
北アルプス南部が一望できます。 -
まずは今日歩いてきた道のりから。
画面中央左の槍ヶ岳をさらに下ったヒュッテ大槍からスタート。稜線上(西鎌尾根)をずーーーっと右に移動して画面右端が双六岳。そこから左手前に進路を変えて画面中央下あたりに見える三俣山荘を通過。左手前の鷲羽岳へと続く。 -
目の前の鷲羽岳から左のワリモ岳を経て今、この頂に立っているというわけです。
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他の方角に目を向けても有名どころのオンパレード!
北には明日登る予定の水晶岳(右手前)とその先の赤牛岳(中央)。 -
北西を見ると薬師岳。
昨年の裏銀座から立山に抜ける縦走中、山頂で財布の入ったサコッシュを失くした思い出深い山です。その騒動の過程で一日に四回も山頂を訪れました。 -
南西に目を向けると黒部五郎岳。
快晴のカールを歩いたのは最高の思い出。次は黒部五郎小屋でテントを張りたいですね。 -
南に転じると笠ヶ岳と槍ヶ岳。北アルプスのとんがり兄弟です。
笠ヶ岳は真夏の笠新道経由で登りましたが、ザックの中のウォーターバッグから水漏れしてるのかと疑うほどの滝汗でした。後にも先にもあんなに汗をかいたことはないかも。
次はクリヤ谷ルートで登りたいなと思っています。 -
とにかくだだっ広い祖父岳山頂。
足元の細い緑色のロープが無かったらどちらへ進んでいいかしばらく迷ってしまいそう。
悪天候時には要注意! -
緑ロープの導きで下り口までたどり着く。
雲ノ平が眼前に。中央左には山荘も見えています。 -
雲ノ平は祖父岳の火山活動の結果生じた溶岩台地。高天原の温泉もその影響で湧き出ていると考えられています。
なのに噴火口がはっきりとしないという不思議な山。そんなことがあるんですね。
荒涼とした山頂や雲ノ平側のこの岩だらけの表情がいかにも火山で、緑あふれる雲ノ平とのギャップがおもしろい。 -
15時10分、祖父岳分岐。
ここを北へ向かえば雲ノ平山荘、南西に向かえば黒部源流碑です。下りてきたのは北西から。 -
ここから木道のお出まし。
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左奥に山荘、右下にテント場が見えますね。
思ったより賑わっています。 -
雲ノ平キャンプ場への直進ルート。すぐそこにテントが見えています。
植生保護のためずいぶん前から利用禁止となっており、キャンプ場の反対側にぐるっと遠回りして向かわなくてはいけません。 -
疲れた足になだらかな木道歩きは助かる。
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歩いて5分程度らしいのですが、なぜかいつも素通りのスイス庭園。
次こそは… -
ここにもたくさんのチングルマの綿毛。今度は初夏に訪れてみたいですね。
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こちらが現在のキャンプ場への分岐です。真正面には祖父岳。
先ほどの近道入口の真反対になります。 -
片側が完全に崩壊している木道もちらほら。
こういう登山道の整備は基本的に近くの山小屋の仕事。たとえ国有地であっても国や自治体がしっかり管理していることの方がまれ。むしろ管理者があいまいなケースが大半なのだとか。
そう考えると歩ける状態を保ってくれるだけありがたい。山小屋の方、ボランティアの方に感謝、感謝です。 -
だいぶ日も傾いてきました。
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テント泊らしき人とすれ違いました。
雲ノ平キャンプ場は敷地自体は広いのですが、岩場や傾斜地が多く見た目ほどにはテント適地がありません。
いい場所が見つかるとよいですね。
東の空はまだ真っ青です♪ -
右の道は高天原への下り口や薬師沢へと続きます。
わたしはもちろん左へ。 -
15時46分、雲ノ平山荘に到着です。
雲ノ平山荘は1963年に現オーナーの父親であり、“黒部の主”と呼ばれた伊藤正一さんによって完成させられました。
伊藤さんは戦後間もなく当時は猟師小屋であった三俣山荘を買い取り、1961年本格的な山小屋として建て直しました。ちなみにその資材を運ぶために切り拓いたのが伊藤新道です。既存のルートではいくら屈強な歩荷でも重い資材を担いでたどり着くのが困難なほどの山奥だったということですね。
1946年には漁師小屋だった水晶小屋の経営権も購入し、台風による度重なる全壊にもめげず山小屋として再建も行っています。
著書『黒部の山賊』は黒部源流域を訪れる人なら必読の名著かと。未読の方はぜひ!雲ノ平山荘 宿・ホテル
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現在の小屋は2010年に建て直されたばかりのピカピカです。
内部はこんな感じ。
少なくともわたしが訪れた中では一番のおしゃれ小屋です。
販売しているグッズ類もアーティストコラボものなど他の小屋とは一線を画すセンス。ストールやウォレットなんかもある。そのぶんお値段も高めですが… -
靴を脱いでいると、先に到着されていた方が「もしかして三俣蓮華岳でお会いしませんでしたか?」と。
どうやら指ガッツリ写り込み事件?の場に居合わせたようで、「なかなか再チャレンジお願いする人いませんよね。あんなにはっきり言ってるのを初めて聞いたので内心爆笑でした」とのこと。
いやいや、かなり丁重にお願いしてたはずなんですけど…… -
床がツルツルかつ結構急斜面なので手すり無かったら大変かも。
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二階の談話スペース。調度品や空間づくりがいちいちカッコいい!
ベランダには望遠鏡。 -
こちらが宿泊スペース。
手前の階段上ったところが二階、床がさらに一段高くなっている奥の部分が三階です。つまり二階に比べて三階は、段差の分だけ天井が低いというわけ。
二階右手の入口を奥に折れるとそこにも寝室があります。今回は女性用のスペースとして割り振られていたみたいですね。 -
ここが三階スペース。
かなりの中腰で移動しないと確実にぶっとい梁に頭をぶつけます。
実際激突して悶絶している人を複数見かけました… -
割り当てられたのは三階の一番奥。
隅っこ大好き人間のわたしにとってはベストポジションかも。
そのぶん忍者歩きが長くなりますけど…
荷物の整理や着替えをしているとお隣に三俣蓮華の方がやってきました。
京都からお越しだそうで、カメラで景色を撮りながらのんびり歩いているとのこと。それで小屋泊なのに65Lのザックがパンパンなのか。
前後の行程やこれまで訪れた山の話などで盛り上がりました。 -
窓があるのも最高です♪
ひとまず荷ほどきを終えたので、「また後ほど」と声を掛けて階下へ。 -
この一杯のために歩いている!
お疲れさま~~~♪ -
ん?
正面の雲からてっぺんだけのぞかせてるのは笠ヶ岳ですね。 -
ちょこん!
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穏やかな時間が流れています。
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四枚綴りの宿泊者用チケット。一番上が宿泊券で朝食券、夕食券、弁当券と続く。
使用するたびに回収されるわけだけど、夕食券を最初に使用する可能性が圧倒的に高いので、その時点でもれなくチケットが二分割されてちょっと不便。失くしちゃいそうで。
気持ち的にこの並びなのは理解できるけど、一番使用確率の低い弁当券を上にして以下宿泊券、朝食券、夕食券にした方が使い勝手がいいのでは?弁当を希望しない人には最初から宿泊券から下を渡せばいいわけだし…
なんてどうでもいいことを考えてしまう…… -
いつの間にか雲がひいて笠ヶ岳がきれいに姿を現しています。
そろそろ夕食の時間なので中に入りましょう。 -
小屋の玄関。
横に広くて使いやすい。下駄箱と隣接していないので雨で土間が濡れている場合なんかにはちょっと不便かも。
階下の更衣室と乾燥室も探検してみればよかった… -
二階の階段脇にある充電コーナー。一回百円。
特に時間制限が設けていないおおらかなシステムで助かります。 -
夕食は17時スタート。
一番乗りでした。 -
窓際のこちらの席へ。
同席したのは京都からの三俣蓮華さん、神奈川からの男性、名古屋からの男性。 -
夕食のメインは雲ノ平山荘名物のオリジナル石狩鍋です。
鮭の切り身がごろんと入った野菜たっぷりの一品。味噌と酒粕の風味がいいですね♪
こんなご時世になる前はテーブルごとに大きな鍋から取り分けるシステムでしたが、現在ではカウンターに置かれた大鍋からよそう方法に変更されています。 -
食事自体は石狩鍋とご飯のおかわりをしつつ早々に終えたのですが、話が盛り上がってしまい、まだ食事中のお三方と一緒に歓談。
受付の際に聞いた話では、食堂では夕食後(小屋が空いている本日は一回転)にスライドショーがあり、そのあとバータイムとして解放されるとのことで、それまで待ってから飲もうと思っていたのですが、「待てよ…食事中に飲んでいいのなら、今飲んだっていいのでは♪」と思い至り、一足早くバータイムに突入です。 -
さすがに小屋閉め間近のこの時期だと売り切れ品もあるけれど、なかなかに豊富なラインナップ。
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かんぱ~い♪
最近訪れた山の話などで盛り上がっていると窓の外のテラスから、「夕陽がいい感じですよ」と声がかかりました。 -
おおっ!
せっかくなので神奈川の男性(以下”神奈川さん”)とテラスに移動して飲み直すことに。
左の席には声を掛けてくださった60代の男性(以下”先生”)、右には“神奈川さん”、その右隣りには名古屋からの女性(以下”名古屋さん”)という布陣。 -
途中で“先生”が中に戻られてからも三人でずっと話していました。
“神奈川さん”が今年の夏11連休で北海道を訪れ、天候を見ながらレンタカーで移動して大雪山とトムラウシを除く百名山7座を登った話。“名古屋さん”と“神奈川さん”が薬師岳や利尻岳で今年ニアミスしてた話、明日わたしが向かう予定の読売新道の話、おススメの東北の山の話などなど。 -
あとは目の前に広がる星の話なんかも。
なんだかんだで19時過ぎまでテラスにいました。
今思い返せば半袖Tシャツの上にペラペラジャケット一枚の姿でよく風邪をひかなかったもんだと思います。 -
さすがに寒くなってきたので食堂に移動。
まだまだ話は尽きません。 -
途中“京都さん”も加わって四人でわいわい♪
明日以降の予定は、“京都さん”は鏡平山荘まで下りて明後日下山。“神奈川さん”は双六小屋に移動して明後日は大天井ヒュッテまで。“名古屋さん”は同じく双六小屋で明後日新穂高に下山とのこと。
みなさん、よい山旅を! -
雲ノ平山荘の消灯は21時なので、20時40分過ぎに互いの健闘を祈りつつ解散。
最後は四人で食堂貸し切り状態でした。 -
考えてみれば、荷解きはしたけど明日の準備や寝床づくりを何にもしていない…
とっとと歯磨き済ませて就寝スペースへ。 -
大急ぎで明日の準備を終わらせあと、眠剤飲んで就寝Zzz
今日はぐっすり眠れますように……
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