2016/08/15 - 2016/08/15
3位(同エリア107件中)
エンリケさん
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2016年夏休みのスウェーデン~フィンランド旅行4日目。
この日はフェリーに乗り、ストックホルムから南へ約200km離れたところにあるバルト海最大の島、ゴットランド島へ。
宮崎駿のアニメ映画、“魔女の宅急便”のロケーションハンティングが行われたことでも知られるこの島の中心都市、ヴィスビューは、オレンジ色の屋根をしたかわいらしい家々と、かつてのハンザ同盟都市時代の教会遺跡が調和する、風光明媚な世界遺産の街。
スウェーデン一の大都市ストックホルムを離れ、島ならではののんびりとした雰囲気の中、美しい街並みの陰に潜む、かつて栄華を誇った中世都市の姿にも思いを馳せながら街歩きを楽しむことのできたショートトリップとなりました。
<旅程表>
2016年
8月12日(金) 羽田(フライトキャンセル)
8月13日(土) 羽田→北京→ストックホルム
8月14日(日) ストックホルム
〇8月15日(月) ストックホルム→ヴィスビュー(ゴットランド島)
→ストックホルム
8月16日(火) ストックホルム→
8月17日(水) →トゥルク→ヘルシンキ
8月18日(木) ヘルシンキ
8月19日(金) ヘルシンキ→タリン→ヘルシンキ
8月20日(土) ヘルシンキ→
8月21日(日) →上海→成田
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- グルメ
- 4.0
- 交通
- 5.0
- 一人あたり費用
- 20万円 - 25万円
- 交通手段
- 高速・路線バス 船 徒歩
- 航空会社
- 中国国際航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
8月15日(月)
この日は宮崎駿のアニメ映画、“魔女の宅急便”のロケーションハンティングが行われたことでも知られるゴットランド島の風光明媚な世界遺産都市、ヴィスビューへ日帰りの旅。
早朝5時、まずはゴットランド島へのフェリーの港があるニネスハムン(Nynäshamn)へ向かうべく、ストックホルム中央駅隣のシティ・ターミナル目指して歩いて行きます。 -
5時10分、ストックホルム中央駅隣のシティ・ターミナルに到着。
ゴットランド島へのフェリーが出ているニネスハムン行きのバスは、5時45分にゲートBから出発とのこと。ストックホルム シティターミナル バス系
-
そのゲートBでは、出発10分前の5時35分からバスに乗車開始。
ちなみに乗車券はゴットランド島へのフェリーツアーを取り扱っているDestination Gotland社のHPから購入。
フェリー乗船料も含め、代金は往復で758SEK(約9,400円)で、バス片道のみでは109SEK(約1,350円、予約なしの場合139SEK=約1,720円)でした。
【Destination Gotland社 フェリー予約サイト】
https://www.destinationgotland.se/en/ferry/book/ -
5時45分、ニネスハムン行きのバスはストックホルムのシティ・ターミナルを出発。
まずはストックホルム中央駅近くの線路を越え・・・。 -
レンガ色のストックホルムの建物群を横目に、バスは進んでいきます。
-
5時55分、バスは高速道路に入り、ストックホルムからニネスハムンに向かって、約50kmの道のりを南下していきます。
-
6時40分、バスはニネスハムンの港に到着。
港には、ヴィスビュー行きDestination Gotland社の巨大な客船がすでに待機。
しかしこの客船、あまりにも巨大すぎて全体がカメラに収まり切りません(笑)。 -
7時10分、その巨大客船に乗船開始。
この巨大さでは、さすがに目線も高くなります。 -
客船の内部はこんな感じ。
乗客数に比して船内があまりにも広々とし過ぎていて、造船費用が回収できるのかと、要らぬ心配をしてしまいそう・・・。 -
7時30分、巨大客船は定刻通りニネスハムンの港を出発。
途中、雲が厚くなってきてこんな幻想的な光景も。 -
さて、ホテルの出発が早すぎて朝食を食べられなかったので、船内で買って食べることに。
購入したのはサラダ(79SEK)とラップサンド(55SEK)で、合わせて134SEK(約1,660円)。
さすがの北欧価格です・・・。
まあ、野菜が美味しいのはいいのだけれども。 -
そんなこんなで巨大客船は南下を続け、3時間が経過した10時30分、青い海の向こうにけっこうな大きさの街並みが見えてきました。
あれがゴットランド島の中心都市ヴィスビュー・・・。 -
10時40分、船はヴィスビューの港にだんだんと近づいていきます。
-
港の向こうにはオレンジ色のかわいらしい屋根をした家々や、教会の尖塔が。
ゴットランド島のヴィスビュー、期待通りの風光明媚な街のようです。ハンザ同盟都市ヴィスビュー 旧市街・古い町並み
-
10時45分、巨大客船は定刻通り、ヴィスビューの港に到着。
帰りの船の出発時刻は17時。
本当はこの島に1泊したかったところでしたが、今回の旅のスケジュール上、日帰りにせざるを得なかったので、短い時間で効率的にこのヴィスビューの街を見て回りたいと思います。 -
さて、港の近くには、こんな中世風のファサードを持った建物と、観光用の連結バス(プチトラン)が。
後ろの建物は何だかハリボテっぽくも見えますが(笑)。 -
ヴィスビューは全長3.5kmの城壁に囲まれた街で、端から端までの距離が1.3kmほどのため、プチトランには乗らずに徒歩で観光。
11時10分、港から歩いて15分ほどで、ヴィスビューの街のほぼ中心に位置する広場、“ドナース広場”(Donners plats)までやってきました。 -
このドナース広場、1746年にリューベックからこの街に移ってきた“ドナー”という商人の商館があったことから名付けられた広場で、周りには中世さながらの、パステル調の美しい建物が軒を連ねています。
-
どんどん歩き進んでいきますが、どこもかしこも絵になるかわいらしいスポットばかり。
こちらには周りの緑と調和した、雰囲気のある噴水が設置されていますね。 -
こちらは赤いバラの咲く小路。
ヴィスビューの街は、どこもオレンジないし赤い屋根の建物と緑とが、絶妙にマッチしている感じですね。 -
11時20分、てくてくと歩いて街の北側にある植物園へやってきました。
緑がいっぱいの静かな雰囲気の場所です。 -
その入口近くに建っていたのがこちらの聖オーラヴ教会(S:t Olof、St Olof's Church)。
ヴィスビューがハンザ同盟都市として隆盛を誇っていた1240年頃に建てられた教会で、ノルウェーにキリスト教を広めたことで列聖されたノルウェー王、オーラヴ2世(Olof Ⅱ Haraldsson、在位:1015-28年)にちなんで名付けられたとのこと。
かつてはヴィスビューで最も大きな教会のひとつだったそうですが、ルター派の浸透による宗教改革によって放棄され、その石は、ヴィスビューの建物の建築資材として使われることとなったという・・・。 -
そんな古い教会の残る植物園を横切り・・・。
-
11時30分、突如街なかに、石組みだけの廃墟になっている教会を発見。
13世紀に建立されたというドロッテン教会(Drotten Church)です。
“ドロッテン”とは、古い北欧語で神とか支配者という意味。
13世紀から14世紀にかけてハンザ同盟都市としての発展とともに隆盛を誇ったこの教会も、先ほど見た聖オーラヴ教会と同様、16世紀の宗教改革で放棄されることとなってしまいます・・・。セントドロッテン教会の廃墟 寺院・教会
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そしてまた、オレンジ色の屋根をした建物が見える小路を抜けて行くと・・・。
-
聖ラース教会(S:t Lars、St Lawrence's Church)の廃墟に。
ヴィスビューの他の教会と違って、正十字のビザンティン様式で造られているのが特徴です。
3世紀の殉教者、聖ラウレンティヌス(225-258年)に捧げられた13世紀建立の教会で、他の教会と同様、宗教改革後の16世紀に放棄されています。S:t Lars Ruin 寺院・教会
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再びてくてくと歩き、11時45分、今度は現役の教会に。
“ヴィスビュー大聖堂”とも呼ばれている聖マリア大聖堂(S:t Maria Domkyrka)です。
1225年に建立されたこの教会は、ヴィスビューの他の教会と異なり、宗教改革後もルター派の教会として存続。
市民の信仰の場となると同時に、現在ではヴィスビュー以外からのたくさんの観光客が訪れる場所ともなっています。サンタ マリア大聖堂 寺院・教会
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高い見事な塔を持つ聖マリア大聖堂。
この大聖堂は宗教改革をくぐり抜けながらも、何度も火災に遭っては修復を繰り返し、現在の塔の姿になったのは18世紀半ばを過ぎてからのことだそうです。 -
中に入ってみると、このようにシンプルなルター派の聖堂。
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建物自体がシンプルすぎて、ところどころに飾られている昔ながらの祭壇がコテコテしいものに見えますね。
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聖マリア大聖堂、本当に飾り気の少ないルター派の聖堂でした。
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聖マリア大聖堂から出て、再びヴィスビューの市街をてくてく。
街の端には、このように中世から続く石造りの輪壁が、現在もなお破壊されずに残されています。ヴィスビューの輪壁 建造物
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バルト海に面した街の西側を除く三方には、このように輪壁の内外をつなぐ門も残されています。
-
12時、その北門から少し歩いたところに、またまた放棄された教会の石組みを発見。
あちこち緑に覆われ、廃墟感満載です。 -
こちらは聖ニコライ教会(S:t Nicolai、St Nicolas Church)の廃墟。
1230年、ドミニコ派の修道士によって建設されたスウェーデンでも最も大きい修道院教会のひとつで、商人や船乗りの守護聖人である聖ニコラウスにちなんで名付けられました。
この教会も1525年、リューベックに攻められた際に火災に遭い、その後の宗教改革の結果、そのまま放棄されたとのこと。セント ニコライ教会の廃墟 寺院・教会
-
聖ニコライ教会を後ろからパチリ。
こんな巨大なものが廃墟になったままの姿で街なかに500年もの間放置されるとは、考えてみればすごいことですね。
それだけ、ハンザ同盟都市時代には隆盛を誇ったヴィスビューも、新航路発見や宗教改革の後は力の重心がほかに移って衰退してしまったということなのでしょうが。 -
聖ニコライ教会の近くにあったこちらはヘルゲアンド教会(Helge Ands Church)。
“Helge Ande”とは“聖霊”という意味で、スウェーデンにしかない八角形の教会と言われているそうです。
13世紀にリヴォニア(ラトビア北東部からエストニア南部にかけての地域)への十字軍や巡礼の中継地として、リガの司教によって建てられたそうで、1611年の火災で屋根が焼失した後、納屋や牛舎に転用され、破壊されずに現在に至っているとのこと。 -
12時35分、街の中心部に戻ってきて、広場にあったこちらは聖カリン教会(S:ta Karin、St Catherine's Church)の廃墟。
1233年、フランシスコ会の修道士によって建てられた教会で、これまで見てきた他の教会と同様、16世紀の宗教改革で放棄され、現在に至っているところです。サンタ カタリーナ教会の廃墟 寺院・教会
-
聖カリン教会の内部はこんな感じ(入場無料)。
椅子が配備されており、この広さを利用して、現代では何やらイベントが行われているようです。 -
12時45分、街を歩いていたら、美術館らしき建物を発見。
その名もずばり、“ゴットランド美術館”(Gotland Art Museum)だそうですが、時間もあるし、少し中に入ってみることに(入館料80SEK=約990円)。 -
内部はこんな、ゆったりした田舎の美術館といった空間。
展示されているのは地元の方の作品ばかりで、有名なものはひとつもありませんが、街歩きに疲れた時に気分転換させてくれる美術館です。 -
こちらに描かれているのは19世紀後半のヴィスビュー。
先ほど見た聖カリン教会の廃墟が描かれていますね。
100年以上経っているのに、人々の服装を変えるだけで、まるで今見てきたばかりの景色になっているのがすごいところ。 -
こちらも19世紀に描かれたヴィスビューの輪壁。
こちらも現在もそのままの姿で残されている風景で、大都市とは違う時の流れの穏やかさを感じますね。 -
館内では常設展のほか、女性アーティストの特別展も開催。
性や人生についての映像を使った一人芝居のような作品でしたが、来館者が皆、興味を持って映像を見つめているのが印象的でした。 -
なんだかんだで美術館を出たのは13時55分。
1時間以上も長居をしていたことに。
さて、次に向かうのは・・・。 -
14時、聖ペテロと聖ヨハネ教会(S:t Per och S:t Hans、St Peter and St Hans)の廃墟に。
12世紀と13世紀に建てられた教会が一体化したもので、いずれも16世紀の宗教改革後に放棄。
なお、この場所からはヴァイキング時代のルーン石碑も発見され、キリスト教化以前の宗教センターがあったとも考えられているそうです。 -
続いて歴史博物館(Gotland Fornsalen)に入館(120SEK=約1,490円)。
ゴットランド島で出土した数々の遺品が展示されており、特にルーン石碑の多さには目を見張るものがある博物館です。歴史博物館(ゴットランド島) 博物館・美術館・ギャラリー
-
まずはそのルーン石碑の展示から。
こちらは5~8世紀頃のルーン石碑群で、下段中央にある石碑には女性と蛇などの呪術模様が描かれており、現代でも通じるデザイン性の高さとなっています。 -
こちらは5~7世紀頃のルーン石碑。
中央の呪術模様やその周りに描かれたトナカイと思しき動物など、やはりデザイン性の高いものとなっています。
これらのルーン石碑は石灰岩や砂岩を刻んで作られたとのこと。 -
こちらも5~7世紀頃のルーン石碑。
四つ葉のクローバーを描いたものとされていますが、ナチスのハーケンクロイツのようにも見えますね・・・。 -
こちらは7世紀頃の戦士の墓。
馬に乗る戦士が描かれているのが分かります。
ルーン石碑を建てる習慣は、もともと故人の業績を称えることから発しているそうで、このような使われ方が本来のものなのでしょうね。 -
8~9世紀頃のルーン石碑。
馬やヴァイキング船が描かれており、戦いで亡くなった者の記録を表しているとか・・・。 -
11~12世紀頃のルーン石碑。
この頃には北欧にもキリスト教が普及してきたようで、ヴァイキング伝統の龍の装飾に混じって、キリスト教の十字が描かれるようになっています。
また、ルーン石碑の名称のもととなった“ルーン文字”(ゲルマン人がゲルマン諸語の表記に用いた古い文字体系)が刻まれているのも印象的。 -
15世紀のルーン石碑。
形まで十字になるなど、かなりキリスト教化されたものになっていますね。
以上でルーン石碑の展示は終わり・・・。 -
続いてはゴットランド島で発見された数々の金属製品。
こちらは銀製の食器など。
ヴィスビューは12世紀から14世紀にかけて、ハンザ同盟都市としてバルト海貿易を担い、隆盛を極めていたと言いますから、その頃の品々も数多く発見されるのでしょう。 -
こちらは8~9世紀頃の銀貨。
ビザンツ帝国(東ローマ帝国)由来のものも多いそうで、ヴィスビューの商人が遠くコンスタンティノープル(現イスタンブール)辺りまで出張していたことが推測されます。 -
こちらはゴットランド島北部のヘルヴィ(Hellvi)で発見された青銅製のマスク。
2世紀中頃に製作された、ローマ騎兵の儀礼で使われたもので、アレクサンドロス大王の顔を模しているとのこと。
交易か、略奪か、それとも戦利品なのか、このマスクが最終的にゴットランド島にたどり着いた経緯を考えると、いろいろと想像が膨らみますね。 -
こちらは10世紀のヴァイキング女性のブローチと、手の込んだ金や銀製の宝石箱。
“ヴァイキング”というと、角の付いた兜をかぶった戦士集団ということで、いろいろと漫画やアニメーションの題材にされますが、故地では普通に農業や漁業をしていたとのことで、実際はどのような生活をしていたのか、考えていくと興味が深まりますね。 -
こちらはそのヴァイキングが身に着けていたという兜や鎖帷子。
よくヴァイキングというとイメージする、角の付いた兜はひとつもありませんね(笑)。 -
こちらは13世紀の教会の木彫群。
建物本体が宗教改革で放棄され、破壊されるものも多い中、よくぞ当時の姿のまま現代まで残ったものです。 -
色の残る、カトリック教会時代の木彫。
1519年、ルターに師事したスウェーデンの神学者、オラウス・ペトリ(Olaus Petri、Olaf Petersson、1497-1552年)は、スウェーデンに帰国後、宗教改革を開始。
王室財政の逼迫により、教会財産の没収を計画していた当時の国王グスタフ1世(在位:1523-60年)も支持に回り、スウェーデンにおける宗教改革は成功。
ペトリは当時デンマーク領(1361-1645年)であったゴットランド島にもやってきて宗教改革を行い、1536年、ゴットランド島を含むデンマークはプロテスタントに改宗。
以後、カトリック教会の廃棄が進むことになります。 -
15世紀、聖ヨハネ教会(S:t Johns Church)に設置されていた聖ゲオルギウスの像。
当時の領主Ivar Axelson Tottを模したものとされているそうです。 -
こちらは13世紀の聖母子像。
16世紀の宗教改革で放棄されたカトリック教会の内部を彩っていた彫刻作品の数々も、今となっては貴重な歴史的資料ですね。 -
こちらは北欧らしい木製の素朴なキリストの磔刑像。
奥にはヴァイキング船の竜頭のようなものも見えます。
【ノルウェー~デンマーク紀行(2) オスロのヴァイキング船博物館の竜頭柱】
https://4travel.jp/travelogue/10478252#photo_link_19590325 -
こちらは1100年頃の北欧における初期の教会を復元したもの。
木造の素朴なところが、ノルウェーのオスロで見た木造教会のスターヴヒルケを思い起こさせます。
【ノルウェー~デンマーク紀行(2) オスロのノルウェー民俗博物館のスターヴヒルケ内部】
https://4travel.jp/travelogue/10478252#photo_link_19590432 -
最後は11世紀のものとされるヴァイキング船の装飾ベーン。
このような装飾から、ヴァイキングたち北欧人がキリスト教とは違う独特の精神世界を持っていたことが推察されますね。
・・・以上で、歴史博物館の見学を終了。 -
外に出ると15時30分。
いつの間にか空には雲が広がって、陽が陰ってきました。
お腹も空いてきたので、かつて商館として使われていた観光案内所の建物を横目に、ランチができるお店を探すことにします。 -
15時40分、すでにお昼時を過ぎていましたが、何とか昼食を出してくれそうなレストランに入店。
このとおり席はガラガラで、時間を外してちょっと寂しい感じも。 -
それでも最初に頼んだのはやはりビール(笑)。
“Sleepy Bulldog”というゴットランド島の地ビールで(65SEK=約810円)、褐色に近い色合いが独特で飲んでみるとなかなかの美味。 -
帰りの船の時間が迫っているため、本格的な料理は間に合わないと思い、注文したのはこんなサラダとオムレツ(Vinäger Omelett、145SEK=約1,800円)。
サラダは美味しそうに見えますが、オムレツはまあまあの味、だったかな? -
食事を終えると16時15分。
帰りの船は17時出発なので、そろそろ港に戻らねば。
・・・思いのほか美術館や博物館見学が楽しくて、ヴィスビューの街並みをゆっくりとは眺められませんでしたが、オレンジ色の屋根やパステル調の壁をした建物が印象に残った、おとぎの国のような平和でかわいらしい街でした。 -
16時30分、港に到着。
出発30分前ですでに乗船が始まっているようなので、早速乗り込みます。 -
そして17時、往路と同じくDestination Gotland社の大型客船は、ゴットランド島のヴィスビューの港を出発。
あっという間に街が背後に遠ざかります。 -
遠ざかっていく間も、美しかったオレンジ色の屋根をした家々が建ち並ぶ街の姿を目に焼き付けます。
さらば、ゴットランド島の世界遺産都市ヴィスビュー。 -
昼食が急ぎ足だったので、小腹満たしにと、船内でシナモンロールを購入(25SEK=約310円)。
レストランより安いなと、この物価に慣れていくのがコワい・・・。 -
そして3時間15分後の20時15分、船はニネスハムンの港に無事到着。
まだまだ空は明るいですが、日本ではすでに夜となっているこの時間帯。
皆、疲れ切った表情でストックホルム行きのシャトルバスに向かいます。 -
20時45分、ストックホルム行きのシャトルバスはニネスハムンを出発。
往路も通った高速道路を北上していきます。 -
21時30分、バスはすっかり暗くなったストックホルムのシティ・ターミナルに到着。
かなり疲れていたのですが、せっかくだからストックホルムの夜景を見ようと思い、ガムラスタン方面に向かって繰り出します。
まずはこれまでも何度も足を運んだ市庁舎へ。ストックホルム市庁舎 建造物
-
市庁舎の中庭は特段のライトアップもされず真っ暗でしたが、エントランスの上部にある2階の黄金の間からは神々しい光が。
何かイベントが行われているのか、それとも常時のことなのか、内部が垣間見られるような仕掛けにびっくりです。 -
アーチを抜けてメーラレン湖沿いに来てみると、夜の散歩を楽しむ人々の影が。
ストックホルムの治安の良さを感じますね。 -
そしてメーラレン湖の方を眺めると、ライトアップされた対岸の景色が。
陽の長い北欧の夏は魅力的ですが、こうして陽が沈んでライトアップされた景色を眺めるのもいいものですね。 -
ライトアップされたリッダーホルム教会を含むガムラスタンの夜景。
水の都と言うにふさわしい夜景ですね。 -
新市街方向も合わせてパチリ。
ストックホルムは新旧様々な姿が見られる街ですね。 -
市庁舎の端にそびえる塔もパチリ。
この塔の頂上からも素敵な夜景が眺められそうですが、夜間は入場禁止。
夜景ツアーを組めば少し稼げそうだけれども・・・。 -
そんなこんなで市庁舎で撮影していたら、いつの間にか22時。
あまり遅くなるといけないので、今度は旧市街のガムラスタンへちょこっと足を伸ばします。 -
22時10分、ガムラスタンの入口である国会議事堂前に到着。
この辺りは観光客がまだまだたくさんいて、市庁舎付近よりも賑やかな感じです。国会議事堂 現代・近代建築
-
国会議事堂の手前の橋から隣を見ると、向こうでは何やらクレーンを使ったショーが行われている模様。
ストックホルムの夏の夜は、まだまだ盛り上がりそうです。 -
22時20分、元気なスウェーデンの若者たちには付いて行けず、さすがに疲れてきたので、この辺りで退散。
この日も早朝5時からこんな時間まで、ゴットランド島にまで遠出をしたりして、充実した時間を過ごすことができました。
さて、翌日はスウェーデンで過ごす最終日。
まだまだ見足りないストックホルムの観光名所を回っていきたいと思います。
(スウェーデン・フィンランド旅行5日目~ストックホルム観光に続く。)
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この旅行記へのコメント (4)
-
- 川岸 町子さん 2021/08/08 16:54:21
- 朝5時から22時過ぎまで満喫なさった一日
- エンリケさん、こんにちは(*^^*)
ゴットランド島へのお出かけ、お天気に恵まれ良かったですね!
朝の着込んでいる人々の様子から、北欧の爽やかな空気感が伝わります。
巨大客船で、ヘルシンキ・タリン間の客船を思い出しました。
ヴィスビューの街には、様々な教会や廃墟になった教会があること、全く知りませんでした。
ハンザ同盟都市としての発展と宗教改革の歴史による街の移り変わり。
オーバーな言葉ですが、光と影を併せ持った街なのでしょうか?
歴史博物館でご覧になった中で、印象的なのは13世紀の教会の木彫群や聖母子像です。
これほど廃墟になった教会があるので、内部の祭壇などはどこへと思ったら、きれいな状態で展示され、心の拠り所としても大切にされているのですね。
最後に美しい夜景まで見せて頂き案した。
治安の良いストックホルムを朝5時から22時過ぎまで満喫なさった一日でしたね。
今後海外へ行けるようになったら、エンリケさんのように一日を有意義に過ごしたいと改めて思いました(*^▽^*)
町子
- エンリケさん からの返信 2021/08/09 16:49:14
- また避暑で訪れたい夏の北欧
- 川岸 町子さん
こんにちは。
ゴットランド島旅行記にご訪問ありがとうございます。
> ゴットランド島へのお出かけ、お天気に恵まれ良かったですね!
> 朝の着込んでいる人々の様子から、北欧の爽やかな空気感が伝わります。
今回の旅では、スウェーデンにいる間は一度も雨に降られず、北欧らしい青い空と青い海を楽しむことができました。
気温もちょうどいい感じで、夏の北欧は陽も長くて本当に素晴らしいなと感じた次第です。
> ヴィスビューの街には、様々な教会や廃墟になった教会があること、全く知りませんでした。
> ハンザ同盟都市としての発展と宗教改革の歴史による街の移り変わり。
> オーバーな言葉ですが、光と影を併せ持った街なのでしょうか?
ヴィスビューは今でこそ美しい街並みと廃墟然とした教会の遺跡がうまくマッチして、世界遺産になるほどの大観光地となりましたが、取り壊されもせず何百年も放置されてきた教会の跡は、少し前の近代の人々から見れば、もう二度と戻ってこない、華やかなりしハンザ同盟都市時代の残滓か、宗教紛争時代の爪痕のように見えたでしょうね・・・。
> 歴史博物館でご覧になった中で、印象的なのは13世紀の教会の木彫群や聖母子像です。
> これほど廃墟になった教会があるので、内部の祭壇などはどこへと思ったら、きれいな状態で展示され、心の拠り所としても大切にされているのですね。
プロテスタントにとっては、聖書の教えを捻じ曲げ、旧態依然として世俗の民を支配しようとしている忌むべきカトリック教会ですが、教会組織そのものは壊せても、芸術性を持った美しい聖像は壊せず、ひそかにかくまわれていたのでしょうね。
それが今では貴重な歴史的資料となるのだから、何ともありがたいものです。
> 治安の良いストックホルムを朝5時から22時過ぎまで満喫なさった一日でしたね。
本当に夏の北欧は治安がよく、日本のような感覚で遅くまで出歩くことができますね。
また日本が猛暑で耐えられないほど暑いときに、避暑で訪れてみたいものです。
-
- Decoさん 2021/07/12 21:04:38
- 歴史博物館と
- エンリケさん、こんばんは。
ゴッドランド島の美しい景色、廃墟となっても美しく見えるカトリックの教会跡、夜のストックホルム。
見所がたくさんの旅行記でしたが、特に印象に残ったのは、歴史博物館の展示(と北欧価格でした…高っ!)
ルーン石碑が古い北欧神話を思わせるようなものから、キリスト教の流入によって変化していく様子は、特に印象深かったです。
北欧神話の時代から、カトリック、そしてプロテスタントへ。人間は神話や宗教によって考え方や理解の枠組みも変化していくと思います。また、その中でも意外に変化せずに頑固に残っている部分もあるのかも知れません。考えてみれば、北欧は欧州の中で数少ないキリスト教以前の神話を持ち、尚且つその時代から現代までその民族が持続してのですから、民族としての精神は古い歴史と変化を経験しているのかも知れません(←私の勝手な思い込み)。
冒頭「魔女の宅急便」のロケ地の話が出ましたが、以前ある大学の留学生のクラスで、「となりのトトロ」を見て、アニミズムとしての素朴な神道の視点を含めて論じるという課題が出て、そのレポートを見せていただいたことがあります。
東南アジアや東アジアの子たちは、アニミズムが感覚的にわかっているようでしたが、欧米系やアジアでもカトリックの国の子は、キリスト教の倫理の枠組みで理解していたような印象がありました。その中にあって唯一感覚的に理解できていたのが、スウェーデンの子でした。トロルが民話の中に出てくる国ですし、キリスト教化されたのが比較的遅くて、北欧神話が確立されて民族の中で共有される時間があったからかな…なんて思いました(←これも私の勝手な想像)。
ただ、エンリケさんの旅行記を読んで、私の勝手な想像も、もしかしたら当たっているのかも…なんて思いました(^^; (長文失礼しました)
Deco
- エンリケさん からの返信 2021/07/25 20:45:16
- 北欧人の精神世界
- Decoさん
こんばんは。
ゴットランド島旅行記にご訪問ありがとうございます。
ゴットランド島というと、“魔女の宅急便”のモデルになったという美しい街並みの方が話題になる中、歴史博物館に興味を持っていただいて、アップした甲斐があったというものです。
おっしゃるとおり、5世紀から15世紀まで、およそ10世紀にもわたるルーン石碑の展示は、彼らの宗教ないし精神世界の変遷を表していて、たいへん興味深いものでした。
Decoさんが例に挙げられた“となりのトトロ”のレポートの件、こういう身近なアニメを見ての感想でも、それぞれの民族の精神世界の有り様というものが分かるものですね。
わたしもそのレポート結果、読んでみたいものです。
北欧というとヨーロッパの辺境というイメージですが、Decoさんのおっしゃられるとおり、キリスト教の世界観にどっぷり浸かった他のヨーロッパ諸国とは違う独特の精神世界など、旅していて気づくことは意外と多いかもしれませんね。
機会があれば、今度は北欧にゆっくり滞在して、そのことを確かめてみたいものですね。
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