2021/03/11 - 2021/03/11
14位(同エリア116件中)
かっちんさん
「日高本線」は苫小牧と様似(さまに)を結ぶ 146.5kmのローカル線です。
今回の旅行は、2021年3月31日まで営業する鵡川~様似間の25駅を4日間かけてお別れに訪れます。
2日目の午前中は新冠(にいかっぷ)から代行バスに乗り、節婦(せっぷ)、静内(しずない)、東静内、日高三石(ひだかみついし)等、計5駅を訪れます。
訪れた順番を数字記号で表すと、②節婦 ①新冠 ③静内 ④日高三石 ⑤バス--徒歩--東静内。静内駅だけ有人駅、他は無人駅です。
訪れた駅は昔、列車交換ができる駅だったので、島式ホームや2面のうち使われなくなったホーム、構内踏切の跡等に出会います。
東静内では「タフォニ」と呼ばれる不思議な穴の空いた奇岩の崖を見に行きます。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・JR北海道車内誌、2021年3月
・JR北海道資料「2021.3.13ダイヤ改正」
・新冠温泉レ・コードの湯「ホテルヒルズ」のHP
・新冠町「レ・コード館とは」「名勝ピリカノカ 幌尻岳」
・新冠町町勢要覧「シンボルマーク」
・歩王のLet'sらGO!「日高本線・静内駅に行ってきました。」
・タタールのくにびき -蝦夷前鉄道趣味日誌-「日高本線静内駅 日高線管理所が設置された日高の中心駅」
・みちのくラボ「閉塞方式」
・星野好郎のブログ「東静内のタフォニ」
・銀鱗高槻商店のHP
・リアルエコノミー「廃止「日高本線」早春の鉄橋点描」
・アイヌ語地名の傾向と対策「捫別川・ブユニ川・有良川」
・かっちん旅行記
『車窓風景が楽しめる日高本線の旅(北海道)』、2014年5月8日
『馬が見ている日高本線と新冠お花畑の旅(北海道)』、2014年5月30日
『日高本線列車代行バスの旅(苫小牧-本桐)2020~海沿いを走るローカル線と牧場~(北海道)』、2020年9月9日
『日高みついし昆布温泉と日高本線の風景2020~日高本線廃止6ヶ月前~(北海道)』、2020年9月9日
・ウィキペディア「日高本線」「新冠駅」「節婦駅」「静内駅」「東静内駅」
「新ひだか町」「日高町」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 高速・路線バス JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
宿泊した新冠温泉レ・コードの湯「ホテルヒルズ」
平成10年(1998)温泉湧出とともに開業した綺麗なホテルです。
ところで、「レ・コード」とは?
新冠町には「新冠町レ・コード館」があり、その始まりはあるレコード愛好者の夢である
「20世紀の偉大な文化遺産であるレコードを世界的なスケールでコレクションしよう」から始まります。
館内のミューシアムには歴史的に価値のある蓄音機や黎明期のレコード盤など希少な文化遺産が展示されています。 -
イチオシ
客室は206号室(ホテル)
ドアデザインの「レコード盤のトラックを走る競争馬」は、新冠町そのものを表しています。 -
牧場と太平洋を望む景色(ホテルからの眺望)
高台に建てられたホテルから絶景が眺められます。 -
新冠の町と小高い丘の「判官館森林公園」(ホテルからの眺望)
「判官館(はんがんだて)森林公園」は春になると「オオバナノエンレイソウ」が咲き誇ります。 -
これが「オオバナノエンレイソウ」(2014年5月30日に訪問)
旅行記を書いているので参考にしてください。
『馬が見ている日高本線と新冠お花畑の旅(北海道)』
https://4travel.jp/travelogue/10894703 -
在りし日の「新冠を走る日高本線」(2014年5月30日判官館森林公園から撮影)
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朝食バイキング(ホテル)
洋食だけでなく、イカ刺しも。
昨晩の夕食も絶品で、一つ前の旅行記で紹介しています。 -
国指定文化財 名勝「ピリカノカ」(ホテルから北東を望む)
名勝「ピリカノカ」とは、アイヌ語で「美しい形」を意味します。
左から「幌尻岳(ポロシリ岳)」と「イドンナップ岳」。
幌尻岳は日高山脈において最も高い山で標高は2053m。太古の時代にプレートの衝突によって高く持ち上げられて山になったと考えられています。
多様な動植物が生息し、生きた化石といわれる「ナキウサギ」や、多くの固有高山植物が生きている自然の楽園です。 -
今日訪れる「日高本線の駅」(JR北海道車内誌の路線図より)
午前中に訪れる「節婦~日高三石」の5駅を赤枠で表示します。 -
洋風の素敵な「新冠駅」
宿の車で新冠駅まで送ってもらいます。
駅舎は平成11年(1999)に改築し、「出会いと思いのセンター」と名付けられた町の施設になっています。
ここは新冠郡新冠町。 -
駅名標(新冠駅)
大正15年(1926)日高拓殖鉄道の「高江駅」として開業。
昭和23年(1948)国鉄「新冠駅」に改称します。
「新冠」の地名はアイヌ語の「ニカプ」(オヒョウダモの皮)に由来します。
オヒョウダモは付近に繁茂していました。 -
静内方面(新冠駅)
昔はホームの右側(駅舎側)にも線路がある島式ホームで、列車交換ができました。
昭和40年代後半に新冠ユースホステルを訪れたときに通ったのですね。 -
苫小牧方面(新冠駅)
正面の丘は「判官館森林公園」です。 -
新冠町の観光案内図(新冠駅)
新冠川に沿って「サラブレッド銀座」と呼ばれる競走馬を飼育する牧場が連なります。
新冠駅の左側に「判官館森林公園」、右側に「ホテルヒルズ」があります。 -
代行バスの乗降場(新冠駅)
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鵡川行きの代行バス(新冠駅)
朝は樽前観光のバスが運行しています。
最初に苫小牧方面に一つ戻った「節婦駅」へ向かいます。 -
馬の牧場(新冠町の車窓)
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「判官館森林公園」(新冠町の車窓)
小高い丘を日高本線はトンネルで抜け、バスは丘を越えていきます。 -
海岸に昆布干し場(新冠~節婦の車窓)
日高産昆布が採れます。 -
「節婦駅の乗降場」に到着
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V字隊列で飛ぶ渡り鳥(節婦)
バスを降り真っ青な空を見上げると見事な隊列。
シベリアへ帰るハクチョウでしょうか。 -
屋根のない建物(節婦)
台風等で被災したのでしょうか。 -
イチオシ
海の景色は変わらず(節婦)
-
馬の消火栓(節婦)
ホースの形は馬蹄形。 -
デザインマンホール(節婦)
新冠町の特徴となる事象をイメージ、デザイン化したマンホール。
①町民の夢や大切な思い出を詰め込んだレコード
②夢と希望をのせて走るサラブレッドと牧場風景
③すべてを優しく包み込む母なる太平洋---レコード下側に波がしら
④潤いと恵みを運ぶ新冠川---レコード右上に川
⑤まちを見守る雄大な幌尻岳---レコード左上に日高の山並み -
山小屋風の駅舎(節婦駅)
開業当初の駅舎はJR北海道継承時に待合所タイプの車掌車に変わり、現在はこの簡易駅舎に建て替えられています。
ここは新冠町節婦町。 -
駅名標(節婦駅)
大正15年(1926)日高拓殖鉄道の「節婦駅」が開業。
その後、国鉄、JR北海道に。
昔はホームの左側(駅舎のあたり)にも線路がある島式ホームで列車交換駅でした。 -
「構内踏切」の跡(節婦駅)
旧駅舎があったあたりから眺めると、ホームとの間の線路を横断する「構内踏切」があったことがわかります。
ホームに上がる階段は「構内踏切」から続いていたものです。 -
じゃがいも石(節婦駅)
ホームにポツンと置いてあり、列車を待つ間の椅子になったのでしょうか?
「せっぷ」と書かれていて存在感があります。 -
ホームと駅舎(節婦駅)
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錆びてしまった線路(節婦駅)
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イチオシ
冬枯れ色の「節婦駅」
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イチオシ
青空に向かってのびる線路(節婦駅)
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バス待合所(節婦駅)
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静内行きの代行バス(節婦駅)
バス前面に「ありがとう日高線列車代行バス」からバトンを渡される「こんにちは転換バス」の案内が表示されています。
イタリアの三色旗(トリコローレ)の配色ですね。
営業終了日まで残り20日です。 -
新冠町レ・コード館(新冠付近の車窓)
レ・コード館の中央部にそびえ立つ高さ36mのタワーは「優駿の塔」。
展望室から、太平洋や日高山脈、サラブレッドたちが草を食む牧場などが眺望できます。 -
水色に染まる太平洋(新冠~静内)
西方向にある太平洋の色は午前中水色。 -
「静内駅」に到着
「静内駅」では様似行きの代行バス出発まで8分あるので、急いで駅構内を訪れます。
有人駅なので、列車が不通でもホームに入るには入場券が必要。大人の休日倶楽部パスを提示すれば入場券になります。
ここは静内町と三石町が合併した「日高郡新ひだか町」。苫小牧側にある「沙留郡日高町」は別の自治体です。 -
広い駅構内(静内駅)
大正15年(1926)日高拓殖鉄道の静内駅が開業。
その後、国鉄、JR北海道に。
右側の様似方面ホームに駅舎、左側の苫小牧方面ホームに屋根が外された上屋があります。 -
様似方面ホーム(静内駅)
苫小牧方面のホーム(右側)へ行く時は構内踏切を渡ります。 -
イチオシ
懐かしい鉄道風景「構内踏切と階段」(静内駅)
線路を直接横断するので、跨線橋などいりません。
階段の上にある鉄板をずらすと階段を塞いでホームになります。かつて係員が操作していました。 -
苫小牧方面の眺め(静内駅)
左側の構内敷地にはかつてSL-C11の停車する機関区がありました。
「車載器は良いか 発車時刻は良いか」の看板は、運転士が出発時に閉塞の要求を行う「車載器」のボタンを押し忘れないようにするための注意喚起。
これは「電子符号照査式」と呼ばれる閉塞方式で、出発駅で車載器の出発ボタンを押すと、運行形態と列車固有番号が到着駅の駅閉塞装置に送信されます。
閉塞の要求が成立すると列車が出発できる仕組みです。
閉塞とは線路を一定区間(閉塞区間)毎に区切り、1閉塞区間には1列車しか入れないようにすること。
日高本線には列車交換ができる鵡川駅、日高門別駅、本桐駅、様似駅にもこの看板があります。 -
代行バスの乗降場(静内駅)
様似行きのバスに乗ります。
座席は別れを惜しみに来た人たちでほぼ満席。 -
キラキラ光る海(静内~東静内)
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潜水艦みたいな岩(静内~東静内)
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板張りの駅舎「日高三石駅」
静内から4つ目の「日高三石駅」でバスを降ります。
駅舎は平成5年(1993)に改築した新ひだか町の施設「ふれあいサテライト三石」。
中央に明り採りの塔があります。
旧三石町の沿岸一帯は「みついし昆布」の主産地。一般には「日高昆布」と呼ばれています。 -
年季が入った駅名標(日高三石駅)
昭和8年(1933)国鉄「日高三石駅」が開業。
駅名の由来は地名からですが、山陽本線に「三石駅」が既に存在していたので、旧国名の「日高」を冠しています。 -
苫小牧方面の眺め(日高三石駅)
右側に使われなくなった様似方面の乗車ホーム。 -
様似方面の眺め(日高三石駅)
ホームが2つあり、かつて列車交換駅だったことがわかります。 -
ホームへ上がる階段(日高三石駅)
枯草に覆われた構内踏切からホームへ上がる階段。 -
草むらへ続く線路(日高三石駅)
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雪が残る「日高三石駅」
駅舎の塔を見ていると、冠を被っている三石昆布温泉にいる「蔵王様(くらおうさま)」に似ています。 -
これが「蔵王様」(2020年9月9日に宿泊)
いつの間にか三石昆布温泉「蔵三(くらぞう)」に住み着いていたゾウの蔵王様(蔵三の王様)。
自由気ままに蔵三内をうろつく毎日を過ごし、何となく皆に愛されていて、お風呂が大好きなんです。 -
馬と昆布をデザインした街路灯(日高三石駅前)
「新ひだか町」は、馬の産地「旧静内町」と日高昆布が特産品の「旧三石町」が合併した町なので、両者の特徴を表しています。 -
バス停(日高三石駅前)
これから東静内へ戻るのですが、正午の時間帯に代行バスの便がないので、路線バス(道南バス)を利用します。 -
静内行きの道南バス(日高三石駅前)
-
日高本線の橋梁(春立付近の車窓)
日高三石~春立間のルートは、日高本線が集落(日高東別)のある内陸部を通り、一方バスが海岸沿いを通るので、お互いに離れます。
写真の橋梁は日高本線が春立付近で海岸沿いに近づいて来たところです。 -
「船入潤入口」バス停で途中下車(東静内付近)
道南バスのHP上では「船入澗入口(ふないりまいりぐち)」。
バス停の「潤」文字がどうも違うようです。 -
イチオシ
馬と桜をデザインした街路灯(東静内付近)
ここは旧静内町だったので、馬の産地と二十間道路の桜並木をデザインしています。 -
イチオシ
東静内の「タフォニ」(東静内付近)
バス停近くにある乳呑神社の裏に不思議な穴の空いた奇岩の崖「タフォニ」があります。
これは海水が岩石に染み込んで小さな隙間に塩の結晶を作り、だんだん隙間が広がったところに風化作用が働き、表面に円形や楕円形の穴があいたもので「タフォニ」と呼ばれています。
以前は海岸近くにあったものが隆起したのでしょうか?
ここからは、東静内駅まで1.3kmほどを歩きます。 -
天日干しの魚屋さん(東静内付近)
日高沖で獲れた魚が売られています。 -
蛇行する川に架かる赤い鉄橋(東静内付近)
静かに蛇行する捫別川(もんべつがわ)に架かるのは日高本線「捫別川橋梁」。
「捫別」とはアイヌ語の「mo-pet」、静かな・川という意味。
列車が走る景色を見たかったです。 -
魅力的なS字カーブ(東静内付近)
駅近くの踏切からの眺め。 -
たくましく育つ草木(東静内付近)
枕木の隙間を突き破って成長しています。
列車が来ないので自由奔放ですね(笑) -
東静内駅の駅舎
牧場の厩舎(きゅうしゃ)を思わせる建物で、大きな窓から馬が顔を出してくれそう・・・
開業当初の駅舎はJR北海道継承時に待合所タイプの車掌車に変わり、平成6年(1994)このコンクリートブロック造りの簡易駅舎に建て替えられています。 -
広い待合室(東静内駅)
雨風を凌げる快適な空間です。
ここで昼食のおにぎりを食べます。 -
駅名標とホーム(東静内駅)
昭和8年(1933)国鉄「東静内駅」が開業。
かつての所在地は「捫別」でしたが、地名に合わせて駅名も「捫別」にすると同音の地名が道内各地にあり紛らわしくなるため、旧静内町の東方に位置することから「東静内」駅となりました。
地名はのちに駅名に合わせて「東静内」に改称されています。
ちなみに道内のもんべつ駅は、名寄本線の紋別駅・元紋別駅(いずれも廃止)、室蘭本線の伊達紋別駅、日高本線の日高門別駅があります。
ホームの両側に線路がある島式ホームで列車交換駅したが、現在は片側の線路だけが残っています。 -
淋しさを感じる線路(東静内駅)
いつかは不通区間が復旧し、列車が来るものと思っていましたが・・・ -
駅名標だって負けないぞ!(東静内駅)
落ちないように必死にしがみついています。 -
まもなく廃止とは知らず、すくすく伸びる樹木(東静内駅)
駅のまわりは平穏で牧場が広がります。
午後は浦河までの駅を巡るので、次の旅行記で紹介します。
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