2021/03/10 - 2021/03/10
11位(同エリア98件中)
かっちんさん
「日高本線」は苫小牧と様似(さまに)を結ぶ 146.5kmのローカル線です。
日高山脈の最南端にある「えりも岬」を訪れる観光客はこの鉄道を利用しました。
太平洋沿岸を走る日高本線は、美しくてダイナミックな海の景色と牧場の風景を楽しめます。
さて、鵡川(むかわ)~様似間の線路は2015年1月の高波被害により不通となり、バス代行輸送に変わりました。
JR北海道には不通区間を復旧させるための資金力がなく、沿線自治体と度重なる協議の結果、ついに2021年3月31日鵡川~様似間の営業を終了しバス転換することになりました。
これにより「日高本線」は苫小牧~鵡川間 30.5kmに短縮されます。
今回の旅行は、廃止される鵡川~様似間の25駅を4日間かけてお別れに訪れます。
今日は鵡川から代行バスに乗り、汐見(しおみ)、富川(とみかわ)、日高門別(ひだかもんべつ)、豊郷(とよさと)、清畠(きよはた)、厚賀(あつが)等、計6駅を訪れます。
1~2時間の頻度で走る代行バスを効率良く利用するため、ダイヤグラムを作成し、上り下りのバス動きを可視化して乗車計画を立てました。
訪れた順番を数字記号で表すと、①汐見 ④富川 ②日高門別 ③豊郷 ⑥清畠 ⑤厚賀。全て無人駅です。
今晩の宿は新冠温泉レ・コードの湯「ホテルヒルズ」です。
なお、旅行記は下記資料を参考にしました。
・JR北海道車内誌、2021年3月
・JR北海道資料「2021.3.13ダイヤ改正」
・やぶログ「千歳と鵡川のVOR/DME」
・ハンター日記「エゾシカ 6月 新しい角の生え変わりと出産の頃」
・イメキャラBOOK「とねっこくん」
・北海道開発局室蘭開発建設部「日高町のご当地マンホール」
・JR北海道「日高線 富川・日高門別間 沙留川橋りょうの被災状況について」
・JR連合 政策News第273号「JR北海道日高本線の被災状況視察を実施!」、2015年11月24日
・アイヌ語地名の傾向と対策 (363) 「厚賀・厚別川・赤無」、国鉄北海道総局「北海道駅名の起源」:厚賀
・新冠温泉レ・コードの湯「ホテルヒルズ」のHP
・かっちん旅行記
『車窓風景が楽しめる日高本線の旅(北海道)』、2014年5月8日
『日高本線列車代行バスの旅(苫小牧-本桐)2020~海沿いを走るローカル線と牧場~(北海道)』、2020年9月9日
『日高みついし昆布温泉と日高本線の風景2020~日高本線廃止6ヶ月前~(北海道)』、2020年9月9日
・ウィキペディア「日高本線」「汐見駅」「日高門別駅」「豊郷駅」「富川駅」「厚賀駅」「清畠駅」
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- JRローカル 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
日高本線(JR北海道車内誌の路線図より)
苫小牧と様似を結ぶ146.5kmの「日高本線」。
今日訪れる鵡川~新冠間の駅を赤枠で表示します。
午前中に旭川から移動し、鵡川13:03~新冠17:51まで5本の代行バスを利用します。 -
今度の発車は「様似行き」(苫小牧駅)
苫小牧駅の列車案内表示板です。
鵡川まで鉄道で乗り、その先の静内・様似まで代行バスに乗る運行です。 -
キハ40気動車(苫小牧駅)
この列車で鵡川まで乗ります。 -
「勇払原野」の景色(浜田浦付近の車窓)
苫小牧を出発。しばらくすると都会の風景から原野に変わります。 -
イチオシ
廃材を使ったユニークなオブジェ(浜田浦付近の車窓)
屋外で釣りをする人、バイクでツーリングする人など、楽しそう・・・
看板には
「令和災害まけるな 昭和平成ありがとう タカハシ」 -
静内行き代行バス(鵡川駅)
鵡川駅で代行バスに乗り換えます。
13:03発の静内行きはJR北海道バスが運行します。
車内に入ると、運転手さんから「あれっ、昨年の夏に本洞駅まで乗ったお客さんだよね」と話しかけられ、急に親近感がわきます。
そうなんです。半年前に日高本線の廃止決定が発表され、代行バスに乗りに来ました。
その後、廃止される駅を一つずつ降りてお別れしようと計画し、今回実現したのです。
バスは国道235号を走り、各駅に寄って行きます。 -
無線航行援助施設(汐見駅付近の車窓)
これから行く汐見駅は国道235号から離れているため、鵡川漁港へ向かう横道に入り走っています。
この施設は航空機に位置や方位を知らせる装置「鵡川VOR/DME」です。 -
汐見駅踏切(鵡川方面の眺め)
日高本線は海沿いに敷設されているため、国道から3kmほど離れています。
汐見駅でバスを一旦降ります。
ここは勇払郡むかわ町。 -
砂利敷きのホームだけの「汐見駅」
大正2年(1913)「苫小牧軽便鉄道」が苫小牧~鵡川~佐瑠太(さるふと、現在の富川)間に開業。
汐見駅は昭和34年(1959)国鉄鵡川~富川間に新設された駅です。 -
駅名標(汐見駅)
鵡川と富川に挟まれた駅。 -
原野の中にある汐見駅
-
ホームから少し離れた場所にある待合所(汐見駅)
コンクリートブロック造りのやや大きな待合所です。 -
豪華な待合所の内部(汐見駅)
ゆっくりくつろげますね。
代行バスは近くの鵡川漁港まで行き、Uターンして戻って来るので、3分ほどかかります。
その間に「汐見駅」を訪れ、再びバスに乗車します。 -
野生の「エゾシカ」(日高門別付近の車窓)
国道235号を走るバスは、日高門別付近で国道を横断するエゾシカの群れに出会います。
写真は国道から牧草地に入り走るエゾシカ。 -
イチオシ
走り去る「エゾシカ」(日高門別付近の車窓)
立派な角が生えているのはオス鹿。
角は年に1回生え変わり、春先(4-5月)に抜け落ちます。 -
「日高門別駅」に停車
この駅では3分ほど出発待ちするので、急いで駅を訪れます。
ここは大正13年(1924)「日高拓殖鉄道」の「門別駅」として開業。翌年、「日高門別駅」に改称します。
現在の駅舎は平成2年(1990)に建て替えたものです。
ここは沙留郡日高町。 -
ホームと駅名標(日高門別駅
列車交換駅だったので、ホームの両側に列車が停車していました。 -
駅前の時計台(日高門別駅前)
駅前ロータリーに「馬の風見鶏」を載せた時計台があります。
日高は競走馬のふるさとです。 -
「豊郷駅」で降ります
代行バスは駅まで入らず、駅前の国道235号に乗降場があります。
ここも沙留郡日高町。 -
代行バスのお見送り(豊郷駅前)
-
サイロを利用した「ゆうパック」看板(豊郷駅前)
-
「浮き玉」の漁村風景(豊郷駅前)
-
駅名標(豊郷駅)
大正13年(1924)「日高拓殖鉄道」の「波恵駅(はええき)」として開業。
昭和19年(1944)「豊郷駅」に改称。
旧駅名の「波恵」は、アイヌ語の「ハイ」(イラクサ)に由来します。 -
箱型の簡易駅舎(豊郷駅)
二面がガラスに覆われ、内部が明るく待合所だけの駅舎です。
駅舎の後ろにホームがあり、その先が海です。 -
様似方面(豊郷駅)
砂利敷きのホームが一つ。 -
苫小牧方面(豊郷駅)
左手に広大な牧場と太平洋の波がしらが見えます。 -
イチオシ
錆びたレールと誰も来ないホーム(豊郷駅)
列車が来なくなってから6年経ちます。 -
枯草を食む馬たち(豊郷駅ホームから)
-
鵡川方面の代行バス(豊郷駅)
豊郷駅に1時間ほど滞在できました。
これから鵡川方面に代行バスで戻ります。 -
イチオシ
牧場の間を通る「日高本線」(豊郷付近の車窓)
高台に上がった国道から豊郷駅方面を振り返ります。 -
日高門別の海岸(車窓)
-
「富川駅」で降ります
代行バスは駅前の県道に乗降場があります。
ここは沙留郡日高町。 -
尖がり屋根の木造駅舎(富川駅)
駅舎は平成元年(1989)に改築された建物です。 -
駅名標(富川駅)
大正2年(1913)苫小牧軽便鉄道の佐瑠太駅(さるふとえき)として開業。
昭和19年(1944)富川駅に改称します。 -
木造駅舎のホーム側(富川駅)
尖がり屋根の正面は明かり窓になり、建物の外壁は板張りです。 -
広い駅構内(富川駅)
昔は左側にもホームがあったので広い構内です。 -
デザインマンホール「とねっこ」(富川)
富川では1時間20分ほど滞在できるので町歩きに出かけます。
マンホールには旧門別町時代に開催されていたイベント「とねっこカーニバル」のキャラクター「とねっこくん」が描かれています。
「とねっこ」とは生まれたばかりの馬のこと。 -
「沙留川橋梁」(富川)
沙留川(さるるがわ)に架かる日高本線の「沙留川橋梁」のたもとに来ています。
駅の位置移動に伴い、昭和6年(1931)に竣功した橋です。 -
ローカル線の踏切(橋のたもと)
柵がやや傾いていますが、歩行者の通行に支障がありません。 -
国鉄時代に造られた「沙留川橋梁」(富川)
長さは496.3mあります。 -
「馬のおまわりさん」(富川)
日高町の交通安全を呼び掛けています。 -
「青い太平洋」(日高門別~豊郷)
富川から静内行きバスに乗車。
豊郷手前の国道高台から眺める「青い太平洋」。
太平洋との間には、日高本線の線路と広大な牧場があります。 -
ややっ、エゾシカの群れ(豊郷付近)
ポーズをとってくれるのは2頭だけ。あとはお食事中。 -
ガーダー橋(豊郷~清畠)
6年前に高波により被災したところ。
線路はなく、橋の主桁が外され置かれています。 -
高波で被災したガーダー橋と橋脚(豊郷~清畠)
ガーダー橋の主桁が高波により流され、橋脚だけが残っています。 -
お洒落な木造駅舎「厚賀駅」
豊郷駅から2つ先の「厚賀駅」でバスを降ります
アーチ状の玄関と窓の駅舎は、平成元年(1989)に改築された建物。
ここは沙留郡日高町。 -
イチオシ
お洒落なアーチ状の玄関屋根(厚賀駅)
彫刻された立派な駅名板が取り付けられています。 -
アーチ状の窓が際立つ待合室(厚賀駅)
-
駅名標(厚賀駅)
大正13年(1924)日高拓殖鉄道の「厚賀駅」として開業。
駅名の由来は、駅が「厚別」と「賀張(がばり)」との境に設けられたので、この両方の頭文字をとって名付けられました。 -
枯草の茂るホーム(厚賀駅)
-
木造駅舎のホーム側(厚賀駅)
こちらの駅名板は漢字ではなく「あつが」。
厚賀駅では20分滞在後、鵡川行きのバスで1駅戻ります。 -
「清畠駅」に到着、降ります
代行バスは駅前の国道235号の乗降場に停車。
このバスは苫小牧を朝出発して様似まで行き、苫小牧へ帰る便なので、別れを惜しみに来た乗客で満員でした。
ここは沙留郡日高町。 -
箱型の簡易駅舎(清畠駅)
豊郷駅と同じ形の待合場です。
でも、腰壁の色が白くて少し違います。
駅舎の後ろにホームがあります。 -
ホームに上がる石段(清畠駅)
-
夕陽を浴びる駅名標(清畠駅)
時刻は16:52。
この駅は厚賀駅と同時期の大正13年(1924)、日高拓殖鉄道の「慶能舞(けのまい)駅」として開業。
昭和19年(1944)「清畠駅」に改称します。 -
イチオシ
枯草に隠れてしまった「日高本線」(清畠駅)
太平洋沿いを走る「日高本線」は、美しくてダイナミックな海の景色が楽しめる鉄道でした。
線路の先の右側に曲がる海岸線には厚賀の町、そして切り立った断崖が大狩部へと続きます。
列車が走らなくなってから6年が経ち、線路は枯草に隠れてしまいました。 -
黄金色に輝くレールとホーム(清畠駅)
-
島式ホーム(清畠駅)
かつて線路は島式ホームの両側にありましたが、陸側が撤去され、海側のみ残っています。 -
夕暮れのひと時(清畠駅)
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太平洋に落ちる夕陽(清畠駅)
刻々と変わる夕暮れの景色を眺めています。 -
今日の夕陽は雲に沈みます(清畠駅)
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静内行きの代行バス(清畠駅)
夕方の運行は「むかわハイヤー」の大型バスです。 -
茜色に染まる空と厚別川橋梁(車窓)
厚賀駅を過ぎ、これから国道は高台に進み、鉄道は崖下の海沿いを通り、大狩部へ向かいます。
厚賀~大狩部間の線路は6年前の高波により道床が流されたところで、3日後に訪れます。 -
新冠温泉レ・コードの湯「ホテルヒルズ」
今晩の宿です。
新冠駅より宿の送迎車に乗り、太平洋を望む新冠町の高台にあるロッジ風ホテルに泊まります。 -
夕食(ホテル)
お風呂に入り、レストラン「ヴァンヴェール」で夕食です。
道産ユリネのムース、旬のお造り、道産牛モモのロースト サラダ仕立て。 -
近海ホッケのフライ(夕食)
-
道産豚バラと白いんげんのカスレ風、本日のスープ(夕食)
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イチオシ
バレンシアン風釜飯(夕食)
明日も廃止予定の駅めぐり旅が続きます。
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