2019/10/07 - 2019/10/07
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frau.himmelさん
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アルベルティーナがこんなに素敵なところだと知りませんでした。
ウィーンには宮殿はいくつもありますし、見どころも数えきれないほどあります。そんな中で今まで強いてアルベルティーナに行ってみたいとは思いませんでした。
しかし宮殿とは言いながら、実は中は美術館になっている、そして凄い絵が目白押し、そのうえ豪華な宮殿も見学できる・・・。つまり一粒で二度おいしい(笑)、という旅行記が目に留まりました。
これは行かないわけにはいかないでしょう。
前編はほとんど絵画の羅列旅行記でしたが、今回は1粒で2度も3度も楽しみました。
豪華な宮殿はもちろん、デューラーの特別展ではアルベルティーナの所蔵作品だけでなく、他の主要なヨーロッパの美術館からも応援作品が来ていました。そこには目を疑うルネッサンスの巨匠たちの作品も!。
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近・現代絵画をひとしきり鑑賞して、次へ移動したら、豪華な部屋に入ってきました。
大理石の大きな柱それに床。
日本式に言うと欄間ですか、柱の上の壁の天使たちの装飾、竪琴を持った優美な女神像。
絵画に気を取られて、ここがハプスブルク家の宮殿だったことをすっかり忘れていました。 -
次の部屋も豪華。
窓辺で外を眺めている女性の横には、「プルンク・ルーム(豪華な部屋)」の文字を掲げた女神の像。(右○)
世界一美しい図書館も「プルンクザール」って言っていましたね。
プルンクって豪華なこと。さあ、プルンクなお部屋を見せていただきましょう。 -
と思ったらここも絵画会場でした。
大勢の人々。さっきより混雑しています。
ここでアルブレヒト・デューラーの特別展をやっています。それを鑑賞するために大勢の人々が来ているのですね。
デューラーの人気は凄いです。 -
デューラーの経歴。
アルベルティナーにも彼の作品は多く所蔵されていますが、今回はヨーロッパの美術館からも借りてきて、デューラー展を大々的にやっているようです。 -
まずはデューラーの素描画を。
「馬に乗る二人」1496 -
「聖母子と音楽を奏でている天使たち」1491
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「聖家族と3匹の野兎」。
野兎は下の方にチョロチョロと見えます。
野兎はアルベルティーナの顔みたいなものですものね。
やはり素描ですから見難いですね。 -
「王座に着席した東洋の支配者」1495
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「ヴェネツィアの娘」1495
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「男たちの浴場」1496/97
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「ライオンをやっつけたサムソン」1496/97
なお、日本語訳は、一部を除いて、私がドイツ語をみて適当に訳したものです。参考程度にご覧ください。 -
色付きデッサン画です。
「皇帝マキシミリアンの騎士」1498 -
こちらのコーナーも人気です。
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無理もありません。
ここにはアルベルティーナーの顔とも言うべき「野兎」があります。 -
拡大しますね。
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「青い鳥の翼?」。
死んだ鳥の標本を基に描いた自然研究細密画。
この特別展の目玉のようです。
あちこちにこの翼が飛び交っています。 -
今回のデューラー特別展のために、ヨーロッパの他の美術館からも作品が集められていました。
「Jesus unter den Schriftgelehrten(律法学者の中のイエス)」1516。ティッセンン・ボルネミッサ美術館・マドリッド -
「東方三博士の礼拝」1504
ウフィツ美術館 -
「バラの冠の祝い」1606-1612
ウィーン美術史美術館より。
聖母マリアから冠を受けているのは皇帝マキシミリアン1世。 -
「切った梨を持つ聖母子」1512
ウィーン美術史博物館より -
「一万人のキリスト教徒の殉教」1508
ウィーン美術史美術館より -
「聖母子像」
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デューラーは人物画も多く描いています。
「ヤーコブ・ムッフェル」1526、ベルリン絵画館。 -
「聖ヒエロニムス」1521
国立古美術館、ポルトガル・リスボン。
ヒエロニムスの象徴、骸骨と十字架も描かれています。
それにしてもどうして聖ヒエロニムスはいつも不機嫌そうな顔をしているのだろう。 -
右:「使徒フィリッポ」1516、ウフィツィ、
右:「使徒ヤコブ」1516、ウフィツィ -
皇帝マクシミリアン1世はデューラーの盟友です。二人のつながりも深いものがありました。
「皇帝マキシミリアン1世」ハンス・ヴァイディッツ作。 -
デューラーはマクシミリアン1世のために絵本の挿絵も描いています。
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デューラーの特別展を抜けると、再び豪華な宮殿の部屋。
立派な大理石の暖炉を挟んで肖像画があります。
こちらはアルベルト・カジミール・フォン・ザクセン=ティッシェン(1738-1822)。
このアルベルティーナ宮殿は彼の居城でした。そして彼は美術品の収集家で、アルベルティーナ美術館の創始者です。 -
カール大公(1771-1847)
アルベルト・カジミール公夫妻の養子カール大公です。
ホーフブルクの英雄広場の騎馬像の主です。
養父の意思を引き継ぎ、美術館のコレクションを拡充しました。 -
ここは鮮やかな赤のティールーム。
ここにもいくつもの肖像画が。
壁の正面には女帝マリア・テレジアと夫のフランツ・シュテファン。 -
こちらはマリア・クリスチーネ。
マリア・テレジアとシュテファン公の娘で、このアルベルティーナの主アルベルト・カジミールの妃です。
また養子のカール大公の父はマリア・テレジアの息子神聖ローマ皇帝レオポルト3世ですから、マリア・クリスチーネはカール大公の伯母になります。 -
若かりし頃のアルベルト・カジミール・フォン・ザクセン=テシェン。
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赤のティールームの床のモザイク模様。見事としか言いようがありません。
家具の表面のちょこっとだけでなく、床一面がこの模様ですから。 -
ここにも大きな暖炉が備え付けられた執務室。
ここは薄いグリーンのダマスク織の壁。
部屋によって色が統一されています。 -
黄色いダマスクの壁はロココルーム。
ロココ調の優美な家具が部屋を飾ります。 -
ひときわゴージャスなホールはミューズの広間。
何体ものミューズ(女神)とアポロに取り囲まれた豪華な大ホールです。 -
ここでしばしばパティ―やコンサートが開催されるそうです。
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豪華なお花
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豪華と言えば、このウエッジウッドの部屋も豪華です。
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お部屋全体をウェッジウッドで飾るなんて、スケールが違う。
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そして薄いブルーのダマスク織のスペインの部屋。
ここにもデッサンが飾られています。
またデューラかしら?と名前を見ると・・・。
えっ、そこにはドイツルネッサンスの巨匠マティアス・グリューネヴァルトの名前が!
「森の中の髭をはやした聖人」 -
それだけではありません。
このデッサンは、ラファエロ!
「使徒の頭」 -
これはミケランジェロ。
すごいですね~。
「キリストの哀悼」 -
これもミケランジェロ、
「旗竿を持つ男性の背中」1504 -
ここには、ピーテル・ブリューゲル(父)の作品がありますよ!。
「大きな魚は小さな魚を食う」。
どこの世界にもありますね「弱肉強食」は。 -
これもブリューゲル。
「画家と画商」。
画家はブリューゲル自身でしょうか。 -
これは、ヒエロニムス・ボッシュ(1450-1516)の魑魅魍魎の世界。
「ツリーマン」1500 -
ピーテル・パウル・ルーベンスも何枚もあります。
「息子ニコラスの像」1619年、右:1625-27。 -
こちらはちょっと生意気盛りに成長したニコラス。
ピーテル・パウル・ルーベンス
「息子ニコラス」1625-27。 -
ルーベンスの娘「クララ・セレナ」1623。
ルーベンスはとても子煩悩だったのですね。 -
ルーベンス
「牛」1618 -
この部屋に飾られているのはルネッサンスの巨匠たちの作品だけではありません。世紀末の画家の作品も。
グスタフ・クリムト
「ケープと帽子をまとった婦人の肖像]1897/98。 -
グスタフ・クリムト
「裸体画」1901 -
エゴン・シーレ(1890-1918)
「裸体画」1914 -
エゴン・シーレ
「座る男女」 -
エゴン・シーレ
「オレンジの衣装をつけた自画像」 -
ムンク(1863-1944)
「桟橋の上の娘たち」1918 -
最後に、アルベルト・カジミールの養子で、オーストリアの英雄でもあるカール大公の部屋を。
この部屋はカール大公の妻ヘンリエッテの寝室でしたが、彼女が若くして急死したあと、夫のカール大公が使っていました。 -
別な部屋に妻ヘンリエッテの写真がありました。
二人はカール大公が44歳、ヘンリエッテが18歳の時に齢の差26歳で結婚しました。そして7人もの子供に恵まれました。
しかし、ヘンリエッテは32歳の若さで亡くなるのです。 -
大きな陶製の暖炉に豪華な家具。
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ナポレオンの騎馬像・・・、と思っておりました。
でも顔が何となく違う。
そうですよね、ナポレオンと言ったらカール大公の敵、二人はナポレオン戦争で戦ったライバル同志ですもの、ナポレオンの騎馬像が飾ってあるはずがありません。
騎馬像と言ったら英雄広場のカール大公の騎馬像、この部屋はカール大公の部屋。
この像はカール大公ですよね。 -
しかし部屋の中にはナポレオンの胸像も飾ってあります。
いつからここにナポレオンの胸像が飾られているか知りませんが、
オーストリアとフランスの英雄が今でも睨みあっているって面白いと思いました。 -
絵画と宮殿を見るのに、2時間以上はいたでしょうか。
売店にはデューラーの「鳥の翼」が重ねてあります。
画集、1冊36.9ユーロですって。
私はこの翼の断面図、グロテスクで好きではありません。 -
そんな私の気持ちなんてお構いなく、これでもかと並べられた「鳥の翼」に見送られてアルベルティーナーを後にします。
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美術館の外に出ると、フランツ・ヨ-ゼフ1世の騎馬像とアルベルティーナ宮殿。
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下を眺めると、人気のホットドッグ屋さんの屋根の上にはデューラーの「野兎」が。
横断歩道の向こうは国立オペラ劇場。 -
下に降りると、階段には特別展の「デューラー」の文字が記されています。
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さて、時間はまだ5時になったばかりだけど、夫がお腹が空いたね~と申します。朝が遅かったとは言え、お昼を食べていないのですものね。
アルベルティーナの地下にあるレストラン「アウグスティナー・ケラー」に入ります。 -
昔の修道院のワイン蔵をレストランに改造したもので、この通りの穴倉。
雰囲気がありますね。 -
ラッキーなことにフェダーヴァイサーがありました。オーストリアではシュトゥルムですね。
今回の旅で初めての出会いです。ぶどう柄のグラスが可愛い・・・! -
シュニッツェルとサラダを取って二人でシェアする。
カトーフェルザラート(ジャガイモサラダ)も付いている。
体調がまだ思わしくない私はあまり食欲がない。大好きなシュトゥルムも半分しか飲めなかった。
夫はそんな私を尻目にシュトゥルムを飲み干してビールを追加する。食欲旺盛で羨ましい。 -
デザートのアプフェルシュトゥーデルを一つ注文する。
お店の人が気を利かせてフォークを2本と取り皿を持ってきてくれたのに、ほとんど私一人で平らげた(笑)。 -
石造りのゴツゴツした壁には、アルベルティーナ宮殿の写真が飾ってあります。
ここは有名店なのですね。
私たちが入った時はまだ早かったので席は空いていましたが、帰るころには人がいっぱいでした。
さあ、私たちは無理をしないでまっすぐホテルに帰ります。
体調が悪いと言いながら(私が)、ウィーン大学、王宮、オペラ劇場、そしてアルベルティーナと歩き回った1日でした。
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この旅行記へのコメント (2)
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- ペコリーノさん 2021/05/02 11:56:16
- アルベルティーナ、楽しみました
- frau.himmelさん、こんにちは
過ごしやすい季節になりましたね。
アルベルティーナ、楽しませていただきました。私の何倍もの説明文で、これを調べて旅行記にするのは大変だったことでしょう。お陰さまで私ももう一度行った気分になりました。
私も今まで何で行かなかったのだろうと後悔しました。美術史博物館は2度も行ったのに。
まあ、それほどウィーンには見所が沢山あると言うことですよね。
早く旅行が出来るようになるといいですね。今は家の周りを時々散歩をして、旅行の体力をつける毎日です。
ペコリーノ
- frau.himmelさん からの返信 2021/05/02 15:02:31
- RE: アルベルティーナ、楽しみました
- ペコリーノさん、こんにちは。
旅行記に無断でお名前を使わせていただいてごめんなさい。それから何度も旅行記にお邪魔してご挨拶もしないで・・・。
おかげさまでいいところを教えていただきました。
ほんと、アルベルティーナって地味ですよね。
あそこに何があるのか、それまで調べようともしませんでしたが、行ってびっくりでした。
美術史美術館のように展示物も派手ではありませんが、素描画ってその絵の前にたつと、画家の息吹が聞こえてくるようで楽しめました。
宮殿も素晴らしかった。
暇に任せていろいろ調べていたら前・後2編になってしまいました。
それにペコリーノさんの旅行記を拝見しますと、私が見ていないところがまだいっぱいありましたね。
一体どこまで奥が深いのか・・・。もう一度行きたいです。
先が見えないその日に備えて時々散歩していますが、くじけそうになります。
お互いに健康に気を付けて、その日を待ちましょう。
himmel
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