2019/08/13 - 2019/08/14
1位(同エリア62件中)
takaさん
2019年8月13日、1泊で南幌温泉に宿泊し、次の日8月14日に北海道の炭都「三笠市」の旧幌内炭鉱変電所を訪れました。実はこの年の春にも旧幌内炭鉱の敷地内の施設や変電所、神社跡を訪れたのですが、連休やお盆の時季限定で普段見られない変電所の内部見学ができるとあって心躍らせて訪れました。合わせて、旧幾春別炭鉱跡や旧奔別炭鉱跡も立ち寄り、緑いっぱいの森の中の炭鉱遺産を堪能しました。往時のまま光輝く(あくまでも私の心の中で)炭鉱遺産に感動すると同時に、財政の厳しい折にこれらを昔のままの姿でずっと後々の世代にまで残そうとする自治体の努力に敬意を払わずにはいられませんでした。そして、写真は少ないのですが、途中、三段の滝、桂沢湖、小林酒造等にも立ち寄りました。相変わらず古いアルバムから集めた記念写真ばかりの旅行記ですが、お暇があれば本文を覗いてみてください。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
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今回の行程は
《8月13日》
①三段の滝
②桂沢湖
③宝水ワイナリー
④小林酒造
⑤ことぶきや
⑥南幌温泉
《8月14日》
①旧幌内炭鉱変電所
②更科食堂
③旧奔別炭鉱立坑櫓
④旧幾春別炭鉱立坑 -
以上の行程になります。最後までお付き合いいただければ幸いです。
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芦別市から三笠市の桂沢湖に向かう途中に三段滝(芦別市)があります。
三段滝 自然・景勝地
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低い滝ですが、三段に分かれ、階段状の岩盤を流れ落ちる川の姿は豪快です。ここから少し上流に進むと白亜紀の地層からアンモナイトが出ます。化石の採取発掘のために頻繁に通った道路だったので懐かしかったです。
三段滝 自然・景勝地
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三段滝から山の中を30分ほど進むと、桂沢湖(三笠市)に出ました。護岸工事が大規模に行われていて、湖畔には降りられるのですが、砂利道が多く散策できる場所もほとんどなく、ちょっと残念でした。でも、原生林に囲まれた湖は神秘的な姿で心が落ち着きました。元の土産店等があり賑わっていた場所は今は誰もいませんでした。駐車場の案内板くらいは表示してほしいと思いました。
桂沢湖 自然・景勝地
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岩見沢市郊外まで進み、宝水ワイナリー(岩見沢市)に立ち寄りました。いろいろなワインがあってワイン好きにはいいスポットだと思いますが、私はソフトクリーム目当てです。赤ぶどうと白ぶどうの2種類ありますが、白ぶどうソフト(パフェ)をいただきました。ほんのりぶどうの香りがして、まろやかで上品な甘さがおいしかったです。もちろんお酒は入っていません。
宝水ワイナリー 名所・史跡
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さらに15分ほど車を走らせて、昼食は「ことぶきや」(南幌町)でとりました。北海道厚岸町の牡蠣を毎日直送していて味も評判のお店です。1階は牡蠣や海産物の販売、2階が食堂、夜は居酒屋としても賑わうお店です。席は個室だったので落ち着いて食事をとることができました。
ことぶきや グルメ・レストラン
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めったに来ないお店なので、牡蠣のフルコース「スペシャル御膳」をいただきました。
ことぶきや グルメ・レストラン
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カキのフライ、ステーキ、カキ酢(orザンタレ)等いろいろ入って1680円、これだけの内容にしてはお安いです。もちろん、味も◎。満足の昼食でした。
ことぶきや グルメ・レストラン
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小林酒造北の錦記念館(栗山町)を訪れました。中に入るとすぐにKura Master金賞受賞の盾がおいてありました。これって何?見てみると2018年にフランスで開催された日本酒コンクール「Kura Master」純米吟醸・純米大吟醸部門で「北の錦純米大吟醸」が金賞を受賞したことがわかりました。地元北海道のお酒が認められるのはとてもうれしいことです。
北の錦記念館 美術館・博物館
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たくさんの種類のお酒の他に九谷焼かなと思われる豪華な酒器も展示されていました。
北の錦記念館 美術館・博物館
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北の錦記念館 美術館・博物館
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100年以上前の開拓期に札幌で創業し、その後清流夕張川の水を求めて栗山町の地に場所を移して苦労しながら現在の地位を築いた酒造の歴史がよくわかりました。
北の錦記念館 美術館・博物館
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この日宿泊する南幌温泉(南幌町)に着きました。道内では公共温泉の走りで結構古いのですが、リニューアルしながら現在に至っています。ただ、当初は日帰り専用で、宿泊棟は後からできたので、渡り廊下のような造りもあり部屋からお風呂までが多少遠い感じがします。ここは宿泊棟のロビーですが、吹き抜けでお洒落な造りです。1階はお風呂につながっていて、2階が部屋です。
なんぽろ温泉ハート&ハート (南幌温泉) 宿・ホテル
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すみません。館内の写真はほとんど撮っていないので、食事の写真しかありません。これが夕食です。
なんぽろ温泉ハート&ハート (南幌温泉) 宿・ホテル
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料金の割には内容は良かったと思いました。
なんぽろ温泉ハート&ハート (南幌温泉) 宿・ホテル
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翌8月14日、帰りに長沼町の道の駅に立ち寄りました。ここの産直コーナーはとても広く、たくさんの農家がそれぞれにブースを作っているので比べながら品定めができるのがいいです。採れたての新鮮野菜をたくさん買って帰りました。
道の駅 マオイの丘公園 道の駅
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この日は旧幌内炭鉱変電所の内部公開日なので楽しみに訪れました。変電所があるのは三笠市内の山奥のここ、幌内炭鉱景観公園です。公園とは言うものの、実態は旧炭鉱の施設を昔のまま残している古い施設です。
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春に来た時とは別世界になっていました。当然と言えば当然ですが、8月はこんな感じで、周囲はほぼジャングル状態です。積み込みポケットの台座もほぼ雑草に埋もれています。
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円柱状のシックナー(右上)は道路からはほぼ見えません。これを見るために背の丈ほどある雑草をかき分けてここに辿り着いたのはいいのですが、移動の際に転んでコンクリートの角に手をぶつけて負傷し、整形外科に通院するはめになってしまいました。意識しないでカメラを持つ右手をかばったのでしょうね。カメラと右手は全く異常なし。左手だけの負傷でした。恥ずかしい話です。
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整備されている道沿いから見られるものもありますが、この時季の幌内炭鉱施設の野外見学は難しいかも知れません。やはり、草が生い茂る前の雪解けの時季が良いでしょうね。
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旧変電所のそばの道はこんな風に比較的整備されています。
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そして、奥の山は実は自然の山ではありません。真ん中あたりをよく見て下さい。木々の間に黒っぽい土のようなものが見えるでしょうか。そうです。ここはズリ(石炭採掘時に選炭され生じた捨て石)でできたズリ山です。真っ黒な石炭カスの捨て場だった山が32年の年月でほぼ自然の山と見間違うほど緑豊かな場所になってしまいました。ああ、月日の流れ・・・・万感の思いです。
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そして、春にも訪れた幌内神社跡はこんな姿です。社殿本体は残っていません。苔の生えた階段や、崩れ落ちた屋根、折れた灯篭、真赤に錆びた鳥居。鳥居の高さは数メートルくらいあり、かなり大きな神社だったことが想像されます。
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上は折れた灯篭の根元、下は木材だと思いますが、草や苔で覆われて原型がわからなくなっています。自然が人工物を駆逐しようとしています。
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そしていよいよこの日の私のメインイベント、旧幌内炭鉱変電所の内部見学です。駐車スペースには数台の車が停まっていました。
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やや小高い坂の上に変電所があります。
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1919年建設ですから、100年以上前に建てられたものですが、とても斬新で美しい。ひょっとして大正ロマンの雰囲気でしょうか。当時(大正8年)としてはモダンで洗練された建物だったのでしょうね。改修工事などされたような跡はほぼ見当たりません。頑強な造りです。
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20km離れた夕張清水沢発電所からの高圧の電気をここまで送電されてくるようになって、大型機械が使えるようになり石炭採掘の効率も向上したそうです。そして、炭鉱で暮らす人の家に電灯がつくようになったということです。ということはそれ以前はランプ?生活だったのですね。
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裏側から見るとこんな感じです。それにしても、白とブラウン系の色のバランスが見事です。このブラウンに見える色も最初はスカーレットのような明るい色だったかも知れません。デザイナーのセンスに感服です。
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入口横はこんな感じ。鉄板の錆び、砕けたガイシのかけらは長い歴史を物語っています。
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色だけ眺めると陶器の白い色と錆びた茶色のツートンがいいコントラストになってとてもきれいです。
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「近代化産業遺産」のきれいなプレートが錆びたドアから浮き立って輝いています。
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そして、いよいよ中へ。
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思ったよりもきれい。機械や道具類も少ないような気がしました。撤去したものもあるのでしょうか。
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これは何の機械でしょうか。まだ新しく今でも使えるような気がします。
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変圧器かな?。但し中身は取り除いていて何も入っていないようです。
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天井は高いです。そしてこの中は別世界のように涼しい。
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配電盤とメーター、スイッチ等のアナログ計器類が整然と並んでいます。
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壮観な雰囲気。
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壁は色があせたのかカビが生えたのか緑色のまだら模様が広がっていました。
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1階と2階は吹き抜けの構造です。
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送電線部でしょうか?
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配電盤の中です。
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高い天井と大きな窓。ステンドグラスを張ったらどうな風になるだろうと想像します。
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機器の検査記録を書いたと思われる黒板もありました。
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安全灯でしょうか。
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階段を上がって
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吹き抜けの2階から眺める。
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天井部には梁のような構造を造り、さらに壁と天井が交差する場所も斜めに切った形になっていて、見た目も構造もお洒落です。やはり大正浪漫?
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そして、変電所には似合わないものを発見!何と隣にあった幌内神社の銘板や絵馬、神棚等がここに大事に保管されていました。隣の神社跡に社殿は消え失せてしまっていたのですが、ここにその宝物が大切に納められていました。ヤマ(炭鉱)で生きた人たち、ヤマで生活した人の命と生活を守ってくれた神様はここに鎮座していらっしゃいました。かつて、幌内で働いた人たちが神様を永久に安全な場所へと考えてここに移したのでしょう。閉山の寂しさに堪えながらも神への感謝を忘れなかった人々。炭鉱で生きた人たちの熱い心に感涙。心を揺さぶられました。
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制御室のような場所でしょうか。
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外からは格子の窓を通して優しい光がさしこんできます。
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油まみれになった大小の缶が無機質に置いてありました。
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よくわかりませんが送電のための器具かな?
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ほこりだらけの制御盤です。
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肉眼で見るとこんな感じで中は暗いです。他の写真は普通に撮影すると露出不足になるので2段階程度+で撮影しています。
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静まりかえった館内。
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目を瞑ると、はるか石炭産業の最盛期へ舞い戻るような錯覚に陥ります。
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今にも「お疲れさん」と言いながらここから炭鉱マンが出てきそうです。
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内部見学を終えて再び外へ出ます。奥には緑を背景にぎっしりと送電線。よく見ると蔦も絡んできているようです。
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送電線の根元にあるのは遮断器というものらしいです。これは変電所を運転・保護するため回路の電流を開閉・遮断する機器のようです。
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旧幌内炭鉱変電所の見学を終えて更科食堂を訪れました。市内幾春別地区にある道内最古の鉄道「幌内線」の終点、旧幾春別駅の近くにあります。創業は1925年( 大正14年)という歴史あるお店で、ざるそばをいただきました。すぐそばに幾春別炭鉱、奔別炭鉱もああり、延べ何千、何万の人がここで同じそばをいただいたのかと思うと感慨深いものがありました。
更科食堂 グルメ・レストラン
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以前にも紹介しましたが、目と鼻の先に旧奔別炭鉱立坑櫓があります。下の方は木々で覆われていますが、櫓の威容は壮観な眺めで圧倒されます。
旧奔別炭鉱立坑櫓 名所・史跡
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最後に、市立博物館に車を停めて、旧幾春別炭鉱立坑櫓まで早足で約15分歩きました。この炭鉱は1886年に開鉱し1957年に廃鉱となりました。立坑櫓は1920年に完成した施設で現存するものの中では道内で最も古いものです。
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鬱蒼とした藪の中の階段を上るとこの景色。春にも来たのですが、あの時はまだ雪が残っていてモノトーンの背景でしたが、今は眩しい緑に覆われています。大自然の中で茜色に輝く廃墟・・・・。旧北炭の☆のマークも光ります。何てきれいなんだろう・・・・来て良かった。
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櫓の隣にはレンガ造りの立坑と巻揚室があります。巻揚室の壁には蔦が伸びてきていました。自然と人工物が共生している空間です。
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明るい外の景色とは正反対に巻揚室の中はくすんだ暗い世界。
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シーンと静まり返っています。
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外から見た巻揚機です。ここにも蔦がからまり、自然と共生しています。
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郷愁を誘う枯れた色の鉄骨。
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日本の産業発展の礎を築いた炭鉱遺産は赤い錆び色に輝いていました。
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帰路の途中、三笠の道の駅で移動販売の石炭ざんぎをいただきました。石炭の町三笠ならではのソウルフードだと思います。見た目は真っ黒で、ん~何?という感じですが、たれは市内の農園で採れた各種材料で作られ、絶品の味でした。
以上で、《2019夏 北に輝く廃墟 炭鉱遺産 旧幌内炭鉱変電所内部公開 三笠市他》を終わります。
最後までお付き合いいただきありがとうございました。道の駅 三笠 道の駅
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この旅行記へのコメント (2)
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- 電動自転車さん 2021/03/05 22:42:40
- 不思議と美しい
- いつも楽しませて頂きましてありがとうございます。
お人柄のためでしょうか?
今回も廃墟感は感ず、映画のセットのようで可愛い女優さんが出てきそうな。
緑の勢いのためでしょうか?
赤茶色の錆と緑のコントラストも不思議に美しく、小人さんが住んでいそうです。
昭和人間としては、スイッチに納得しますし、当時は最先端だった事は容易に理解できます。
お蕎麦も牡蠣もそこに行くからこその味。
お金を積んでも味わうことは出来ない味ですね。お酒が全くダメとおっしゃるのに、クスッとしました。酒蔵って。
緊急事態宣言が延長されました。納得していますが、ため息はお許し下さい。
早く北海道に行きたいので、大人しくしてます。
本当に本当にご自愛下さい。
そしてまた、素敵な旅行記お願い致します。
電動自転車
- takaさん からの返信 2021/03/06 10:16:18
- RE: 不思議と美しい
- 電動自転車さん、こんにちは。
いつもありがとうございます。今回は、前回の訪問地の二番煎じのようで本当に恐縮です。ただ、旧変電所の内部、そして夏の旧幾春別炭鉱等の見学が私にとって行きたかった場所なので・・・・お恥ずかしい限り。
でも、仰る通り緑の中の廃墟ってきれいだなと思うんです。子供のころ石炭で生活した私ですので郷愁と感激と感謝と入り混じった感情が湧いてくるんです。
そして、前回も述べたのですが、過去には実際にミュージシャンのPVのセットにも使用されたようです。地元の大学の美術専攻ゼミでもアートプロジェクトでアート作品とコラボして利用しています。確かにアートとしても美しいスポットだなと思います。
私が酒造見学とはおかしいですよね。他人から見ると笑っちゃいますね。お酒が目当てではなく、単に通り道の途中にあったからということなのです。見学するとそれなりに地域の歴史を知ったり、今回も創業者のお宝などに出会うこともあって良かったと思っています。
本当にため息、ため息の連続ですよね。小梅太夫ではないけれど、「ちっくしょ〜」と叫びたくなりますね。
余計なお世話かも知れませんが、お互いに近場の散策をする中で今まで気づかなかったものを再発見してみるプチ旅というのもありますよね。でも、行きたいところは人によってみんな違うので、近いところには自分の求めるものがない人もいるとは思いますが。すみません、よけいなことを言いました。忘れてください。
私は冬は嫌いなので、いつもなら寒くて絶対に行かない冬の美瑛を先日散策してきました。紹介することは電動自転車さんには刺激が強くて申し訳ないかなとも思っているのですが。
つらい毎日でストレスが溜まりまくりですが、何かで発散しながら乗り切りましょう。
taka
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