庄内の旅　紅葉の山居倉庫　湯野浜温泉游水亭いさごやで秋の馳走三昧

2020/10/20 - 2020/10/21

　山形県の酒田は、北前船の流通で独自の文化を創り上げた。
庄内と言えば鶴岡・酒田となるが、酒田は寄港処だっただけにその彩が強い。
前回の庄内の旅が鶴岡オンリーだったので、今回は鶴岡でのシゴトついでに（ドッチがついでかナ？）ちょっと足を延ばして（といっても鶴岡から車でせいぜい30分ほど）酒田を訪れることに。
　お目当ては北前船と酒田の関係がよくわかる「山居倉庫」と「土門拳記念館」だったが、土門拳の方は2月まで改修中とのことで今回は紅葉はじまりの山居倉庫をじっくりとめぐることに。

　お泊りは、いつもの湯野浜温泉いさごやです。季節ごとにかわる絶妙なお料理が大好きなお宿。ホテル前の白浜の海岸のドラマチックな景色と相まって庄内に来た時の定宿。
今回はバツグンの「夕陽劇場」にも恵まれました！

エリア 湯野浜温泉(山形)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• ホテル: 5.0
• グルメ: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円 - 3万円
• 交通手段: 自家用車
• 旅行の手配内容: 個別手配

　鶴岡市内でシゴトを終えて、国道7号線を北上して約30分ほどで、
最上川河畔にある「山居倉庫」に到着。
Gotoトラベル解禁のせいか、平日にもかかわらず駐車場はけっこう一杯！

はい！これが山居倉庫お約束のカットですね！
紅葉真っ盛りとまではゆかないもののやや紅黄帯びた葉が
路上に舞っております！

山居倉庫 名所・史跡

山居倉庫は、明治26年（1893）に酒田の米取引所の付属の倉庫
として積み降ろしに便利な場所として建てられました。
最上川と新井田川の間にあった「山居島」に建てられたことから
この名前が付いたとのオハナシ。

ケヤキの大きさや美しさに圧倒されます。
見てください！この木漏れ日劇場！
杜の都仙台のオカブ奪われそうです！

ケヤキ並木の丁度真ん中にある「三居稲荷神社」。
倉庫鎮守の神様として「三居」と改名したそうです。
お参りいたします。

山居倉庫は実は今も現役で、農業倉庫としての役目をまっとうしています。
この写真は、山居倉庫の中廊下。

昔は、この中廊下でこうしてカツギのおばさん達が米俵を
はこんだ風景があったそうです。（資料館フォトより）
重そうです！！

倉庫中間地点の横通路のつきあたり。
「東宮殿下行啓記念館」とあります。
開いてませんでした。

中通路から倉庫表側にまわり、「山居橋」を渡ります。
ここから山居倉庫周辺のスポットに徒歩でも行けますが、
・・・それは次回のお愉しみに。

橋の下には屋形船。コロナでなければお客さんも一杯でしょうね！

山居倉庫にもどります。入口近くにあるオープンテラスです。
それにしても歴史を感じさせる見事なケヤキです！

テラスから「幸の館」のショッピングコーナーに入ります。
ここでは、主に食品などの御土産が販売されてますね。

そこからさらに進むと、「華の館」へ。
こちらは民芸品などのある通路売店です。

華の館は、先の通路売店とこのミュージアム売店に分かれています。
ここでは、北前船が運んだ山形の逸品や、工芸品や庄内の文化的遺産を
一堂に観て買うことができます。

それぞれの作品に工人さんの名前とお値段が書かれている札が並びます。

展示されているものには、お祭りで使う山車などスケール感もあり。

繊細な組子細工もあり。
ちなみに、青森ヒバと秋田杉を使った組子四枚折り屏風
（W48㎝×4枚・H130㎝）にて税込814,000円也！

おしん人形劇場では、名場面、家族との最上川での別れのカット！
米一俵とひきかえに材木問屋に奉公にだされるシーンに世界が泣いた！
「おしん、すまねえ。」・・・と、その前でつぶやく。

こちらは、山形といえばの紅花染のコーナー。
赤がマブシイ！

買って帰ろかな？とチラッと気軽に値札をみたら、
チョッと気軽な値ではありませんでした！（笑）

こちらは、地元工房さんの藍染です。キレイな青です！
こっちはケッコウ気軽なお値段でした（笑）。

山居倉庫のジオラマです。
最盛時にはこんなカンジで船が行来していたんですね。

北前船の航路図です。
本州を一周する航路の西回りを北前船航路と呼ぶんですな。

ちなみに私の住む仙台は東回り航路で、寄港は荒浜ですか！
そういえばそのあたりから仙台城まで川でのぼる貞山掘
（伊達政宗の別名が貞山）が有名です。

これが北前船の模型です。カッコイイ！

建物続きの「庄内米歴史資料館」です。
庄内のコメと山居倉庫に関わる展示で愉しめます。
これは、運んできた米俵を計っているシーンでしょうな。

旺時のころの酒田の街中の風景。
育ちのよさそうな人々が楽しそうに語らっています。
・・・さっきのおしんのシーンとは真逆の世界です。

当時の一般住宅での生活風景です。
年配の方には懐かしい「つぐら」ですな。
今で言う赤ちゃん篭。

作業場で、なんかやってます。

蕨打ちのようです。
こうやってやわらかくしてクッションや防寒に使ったんでしょうか？

驚いたのはコチラです！
なんとおばさん（失礼）が米俵五俵背負って立ってます！
俵一俵の重さは約60kgですよ！計300kg？！ウッソー！！

・・・と思ったのですが、こんな写真が残されてました！
ヤヤヤ！！！昔のオンナノシトは！
・・・と思ったら、これは撮影用で上二俵はダミーだったんだそうです！
それにしてもです！それでも180kg持てます？！

写真の前に米俵と同じ重さ＆形のリフトがありました。
いくら踏ん張ってもビクともしません！（驚笑）
やっぱりムカシノオンナノシトはスゴイ！

資料館に展示されていた昔の風景「一家総出の稲揚げ」の写真。
でもＱ太郎にとっては、子供時分のあたりまえの風景・・・ン？！

「庄内米歴史資料館」しょうないこめれきししりょうかん
・住所　酒田市山居町一丁目1-20
・電話　[phone]
・時間　09：00〜17：00（12月は16：30まで）
・休館　12月29日〜2月末日
・入館料　大人300円・中学200円・小学生150円

山居倉庫 名所・史跡

などといいながら、約3時間。
たっぷり遊んで山居倉庫を後にします。

「山居倉庫　酒田市観光物産館」
・住所　酒田市山居町一丁目1-20
・電話　[phone]（酒田観光物産協会）
・時間　09：00～18：00（12月は16：30まで）
・休館　1月1日
・入館無料

酒田といえば、「満月」のワンタンメン！
昼食の混雑時間をさけて来たのでかんたんに入店できました。
写真は、塩ワンタンメン830円！
満月50年の歴史の中では比較的新しいメニューで、出汁には酒田
特産のアゴ（トビウオ）を使っているそうです！

そしてコチラが醤油ワンタンメン680円なり！
あとから、煮卵つければヨカッタと後悔！
とにかく、このワンタンがトロトロで美味い！
そこにコシのある麺が絡まって・・・・ああ！美味い！
御汁には数種の煮干しと鶏ガラをあわせて炊いたあっさり味。

満月は周辺に駐車場がいくつかありますので、
店の前の看板で確認ください。
とにかく混むのでお昼時間をちょっとズラすといいかも。

「満月」まんげつ
・住所　山形県酒田市東中の口町2-1
・電話　[phone]
・時間　11：00～16：30（金土日は21：00迄）
・休み　不定休

ワンタンメンの満月 酒田本店 グルメ・レストラン

山居倉庫から車で約30分ほどで湯野浜温泉に到着！
海と空が、蒼い！碧い！青い！
砂浜は、白い！シロい！

湯野浜温泉「游水亭　いさごや」にチェックイン！
なんやかややってるうちに、ミルミル陽がつるべ落としのように。

湯野浜温泉　游水亭　いさごや 宿・ホテル

お部屋は10畳和室タイプの海側。
日本海をじっくりと眺めることができますなあ。
聴こえてくるのは潮騒のみ、そしてときどきカモメ。

お風呂に行く前に、ラウンジでちょっと休みます。
なんせ、山居倉庫だけでもけっこう歩きましたのデス！

いさごやのお風呂は、夕方と朝のご婦人・殿方が入れ替わります。
こちらは山側で人口滝を愉しむ「月水湯」。
やさしい光が湯船に射す木造りのお風呂です。

こちらは、月水湯の露天岩風呂。
樽風呂と岩風呂の二つの趣が愉しめます。
ここは夜がイイカモ！

チェックイン時に予約した「ハイプライベートバス・スパ漣」です。
つまり、・・・貸切展望風呂です（笑）
ここで湯に浸かりながら夕陽を待ちます。

おお！いよいよ落ちて参りました！
「お客さま、本日の夕陽は絶景です！どうぞお外へ・・・」
とホテルのインフォメーションが館内に流れています。
みな、ゾロゾロと海岸に降りてゆきます。
イヤー確かにこの彩はスゴーイ！

湯舟がどんどん赤く染まります。

夕陽のエンドテーマを楽しみます。
ゆっくりゆっくりと、空が紫色から紺に染まってゆきます。
なんかクラッシックを聴いているみたい。
ちなみにオーディオ装備ですので好きなＣＤも持ち込めます。

ハイプライベートバス・スパ漣は有料3000円（税別）。
シャンパン付きのプレミアムプラン（5000円）もありますので
夜にもう一度来ることにしました！CD持ってコヨウ！

湯野浜温泉　游水亭　いさごや 宿・ホテル

夕陽入浴劇場のあと、ややお部屋で休んでからお楽しみの夕食です！
なんと個室いただきました！

まずは先付・前菜です。
神無月「秋深まりゆく」と題した本日のお料理テーマの如く
お月見の趣ですな。
剥き蕎麦に庄内三元豚フィレと紫キャベツのピンチョスほか。
巨峰酒をいただきながら箸を遊ばせます！

造里は、サワラにイシナギ、幻のソイと牡丹海老。
どれもシャキシャキと海の甘みと香りが口の中で舞い踊り！

ここで、月山ワインの白をチョイス。
香しいフルーティさがいさごやのお料理にはよく合います！

焼物は、おばこサワラの杉板焼。
綺麗ですね！キノコや銀杏にすだちの香りが合わさり、
秋の海と山の協奏曲を聴くような・・・。

出ました！お愉しみの客前料理です。
本日はアワビの踊り焼きです。
板さんの絶妙な口上もこのお料理のお愉しみです！

焼きあがったアワビにバターをのせてイタダキマス！
これはもうコトバになりません！
・・・▽□〇=◇三？◇！！！（笑）

湯野浜温泉　游水亭　いさごや 宿・ホテル

台の物は山形牛のしゃぶしゃぶ。
出汁も美味しい！野菜も美味しい！お肉はさらに美味しい！！

そっかー！芋煮会の時季ですな！
西の方々のために、「芋煮会」とは、秋紅葉の河原で火を焚き大鍋でお肉や野菜を煮る料理というかイベントです。この時季になると東北各地でその風景があちこちの河川敷で見られます。
特に山形はそのメッカで、味付けや具材が庄内の海側と山形市の内陸とでは変わってきます。

芋煮汁食べ比べと称されたこのお料理。
手前が庄内の豚と味噌仕立てで、
奥が内陸の牛と醤油仕立てとなります。

ワタシは、庄内仕立てがさっぱりしていてスキです！
（内陸でご馳走になると逆のコト言イイソウ！笑）

芋煮汁とあわせて、はえぬき米のご飯をいただき、
今夜のラストデザートは鳥海高原ヨーグルトとシャインマスカット。
さっぱりしていても深いので美味しい！

ごちそうさまでした！

お腹ごなしに、1階のナイトラウンジに。
チェックインの時はバタバタとして気づかなかったのですが、
素敵な現代絵画が壁いっぱいに沢山飾ってあります。

カウンターでオンザロックを一杯いただきました！
夜の池面に映る灯を眺めながらしみじみします。
1ショット1000円（税別）也。

再び予約しておいた貸切展望風呂の漣へ。
夜の部はシャンパン＆何故かバスローブ付のプレミアムプランで。

もう外は闇、乾いた潮風だけが窓から静かに入ってきます。
チョイスしたＣＤは、チェット・ベイカーの枯葉。
哀愁あるブルース・ペットと潮騒が、ほどよく交ざり合い

・・・なんて！たまにはこんなカンジもイイかなッテ！笑

おはようございます！
今日も良く晴れております！
お部屋からの景色は青一面！
遠くに海風発電の風車も見えます。

もう早々釣り人もおります。
この時季はなにが釣れるのかしらん？

ということで、もっと海景色を楽しむために大浴場へ！
昨日とは入替にて、朝は吟水湯となります。
スゴイ！スゴイ！スゴーイ！
湯面と海がインフィニティです！

吟水湯には窓がオープンになる展望檜露天風呂もあります。
ちょっとクールな秋の海風が心地ヨーイ！

湯野浜温泉　游水亭　いさごや 宿・ホテル

ひとふろ後に朝ごはんです。
係のお母さんが「今日の海はキレイですヨー！」といいながら
障子をあけてくれました。

おお！鳥が飛んでますなあ！

ワタシのつたないカメラとつたない腕ではこれくらいが限界です。
カモメさんです！
ハーバーライトに〜明かりがとも〜る〜〜！（古！）

朝食はお馴染みのイカ刺しと諸々。
巾着の煮つけも美味しいゴザイマス！

焼魚は鮭の焼漬け。頬張るほどにホロリほろりと秋の味が沁み込んできます。

三元豚のローストがのったサラダをいただいたら・・・

ナント！「福」の一文字！
この旅の幸せを祈っての心遣いでしょうか、
いさごやさんらしい温かいもてなしですな。
これも魯山人のウツシですね。

「游水亭　いさごや」ゆうすいてい・いさごや
・住所　〒997-1201　山形県鶴岡市湯野浜1-8-7
・電話　[phone]　
・ＨＰ　http://www.isagoya.com/

チェックアウトのあと、目の前の海岸でちょっと遊んでみました。
遠くに見えるのは鳥海山です。
山の麓まで白浜が続いているような錯覚さえ覚えます。

カモメが大空に飛んでゆきます！（小さくてみえませんネ）
大手を振って見送る姿は、なにか昔話の１シーンのようです（笑）。

ちょっとＳＮＳを意識したカットも撮ってみました！
ワカイシト・・・のようにミエナクモナイ。

熟年のご夫婦が仲良く海を散歩しています。
お二人の頭の中にはワカイジブンの二人の景色があるやも・・・。
ホント！海って不思議デスネ！

北前船で栄えた酒田のまちなかや、鶴岡の凛とした文化など
まだまだ発掘する素材が一杯の庄内。
これからもリポートいたしますよ！乞うご期待！

今回も最後までお付き合いいただきましてありがとうございました！

Q太郎

資料①
山居倉庫の夢の倶楽（ゆめのくら）の地図と資料です。

資料②
山居倉庫周辺の見所スポットのマップです。
ご参考にどうぞ。
＊山居倉庫にあった看板より

今回の工程です。

1日目
仙台宮城ＩＣ＞東北自動車道＞村田JCT＞山形自動車道＞月山IC（約90分）
月山IC＞R112＞湯殿山IC＞山形自動車道＞鶴岡IC（約80分）
鶴岡市内＞R7・R356＞山居倉庫（約30分）
山居倉庫＞R112＞湯野浜温泉（約25分）

2日目
湯野浜温泉＞R112＞鶴岡IC（約15分）
鶴岡IC＞山形自動車道＞湯殿山IC＞R112＞月山IC＞山形自動車道＞村田JCT＞東北自動車道＞仙台宮城IC（約180分）

この旅行記へのコメント （2）

• wakupaku2さん 2021/01/06 21:05:21

  「いさごや」気になっていました。素敵ですね。

  Q太郎さん
  
  新年あけましておめでとうございます。
  明日から緊急事態宣言でどうなるんだろう・って気持ちが沈んでいた時に素敵な旅行記に出会えてとっても嬉しいです。
  
  いさごやは日本旅行のパンフで見つけて、行きたいなあ、って素人調べでは周りにくらげの水族館しかなくて、断念したんです。でも、Googleマップに印をつけておいた宿です。宿の料理もお風呂も素敵。おしん観光と組み合わせたら、十分楽しめますね。
  
  いつか行ける日が来ますように。Q太郎さんのいさごや、って旅行記を見返すことができるようにメモしておきます。有難うございました。

  Q太郎さん からの返信 2021/01/07 15:38:27

  Re: wakupaku2さん　こんにちは　Q太郎です

  wakupaku2さん　こんにちは　Q太郎です！
  Q太郎の旅行記にご来訪いただきありがとうございます！
  
  そうですか・・・「くらげ」しかヒットしませんでしたか！
  確かにクラゲ水族館はマストかもしれませんが、あくまでも
  それはオカズ程度ですよ。
  
  庄内（鶴岡・酒田）はホント手ごたえある見所一杯ですよ。
  山岳信仰の聖域「出羽三山」や、この記事で紹介した酒田の
  「山居倉庫」その周辺のシネマカットのような街並み。
  鶴岡公園周辺にある「致道館」はじめ武家文化の名残等々、
  それらが、車でほぼ1時間圏内で周れる利便さなど・・・・
  語り始めたらキリがありません。
  
  いさごやは、景色・味・湯　ともに申し分のないお宿で、
  こちらもオススメですヨ！地元での評判も高いようです。
  
  山形を巡るには、お洒落な庄内か？土香る内陸か？に分かれ
  ます。コロナ終息後は、まずは庄内をひとめぐりどうぞ！
  
  飯坂のかわせみもイイお宿さんですね！記事拝観しました。
  今年もよろしくお願いします！
  
  Q太郎