2020/08/08 - 2020/08/15
101位(同エリア132件中)
napaさん
5月の連休は新型コロナウイルスによる緊急事態宣言で旅行の予定を取りやめ、あれこれ自粛でずっともやもやしていました。ようやく夏休みは長男が働いている九州へ。我が家の住む北海道は歴史が無いわけではありませんが形のあるものは少ないので、どこへ行っても歴史的な建造物や遺跡が残っていてうらやましく感じました。
九州ならではの風景が見られる旅になりました。
8/ 8 羽田泊
8/ 9 七ツ釜、杉の原放牧場
8/10 佐世保周辺の戦争遺跡、長崎市内
8/11 古墳めぐり
8/12 阿蘇を越えて黒川温泉へ
8/13 ヒゴタイ公園、旧宮原線遊歩道、筌ノ口温泉
8/14 竹田周辺から一路、宮崎日南へ
8/15 北海道へ帰宅
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 5万円 - 10万円
- 交通手段
- レンタカー JALグループ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
出発は雨、時折土砂降りとなるなかを遠まわりして諫早湾潮受け堤防の上を走ってみました。全長7㎞にも及ぶ壮大な土木事業で、防潮堤の閉門を要求する農業者、開門を訴える漁業者の起こした裁判がずいぶん報道されましたが、事業の効果、影響はどうだったのでしょうか。少なくとも堤防で仕切られた湾内はかなり汚れているように見えました。
諫早湾干拓堤防道路 名所・史跡
-
長崎から3時間、本州の距離感は難しいですね。北海道の感覚からすると距離としてはそんなに無いのに時間はかかります。すっかり昼どきになってしまいました。
今日はいちにち古墳めぐりをします。九州北部といえば石室を持った古墳、とくにその内部に顔料などを用いて文様を描いた装飾古墳が多いことで知られています。全国で660基といわれる装飾古墳のうち九州で386基、その多くが福岡県南部から熊本県北部にかけての地域に集中しています。まずは周濠を持った全長107mの前方後円墳、石人山古墳。石人山古墳 名所・史跡
-
古墳の名前の由来となった武装石人。鎧を身に着け墳丘の上に立ち、高さ2mの大きな体で古墳を守っていました。
-
石棺の納められている石室、石棺の蓋には直弧文などの彫刻が施されています。とにかくやぶ蚊が多く、慌てて退散しました。今日いちにち似たような場所を訪れましたが、何故ここだけこんなに蚊が多いのか不思議です。
古墳のすぐそばにある広川町古墳公園資料館も見学したかったのですが、今日は休館日でした。 -
道路で一部が削られてしまった弘化谷古墳、断面部分の石積みは本来のものを復元したものなのでしょうか。こちらも横穴式石室に赤や緑を使って矢筒やさまざまな文様の装飾があるそうです。この地域の装飾古墳の素晴らしいところは定期的に公開、あるいは申し込めばいつでも実物を見学できることです。ところが今年は春先からの新型コロナウイルスの影響で見学を中止している古墳が多いようです。こんなところにまで影響が・・・
-
お茶の名産地でもある八女丘陵の上に石人山古墳や岩戸山古墳をはじめ約300基からなる八女古墳群はあります。
-
岩戸山古墳は全長170mと九州北部では最大規模の古墳で、人物、動物、道具などを石で実物大に形作った石人石馬が100点以上出土しているそうです。少し小さめのレプリカが並んでいました。
ここでも岩戸山歴史文化交流館(資料館)は休館でした。タイミングが悪いですね、残念。岩戸山古墳 名所・史跡
-
平坦な丘陵地にある八女古墳群から東へ、平野を見下ろす低い山の山腹にある童男山古墳群。きれいに整備されている3号墳
-
石室を覆っていた土の一部は失われているものと思われます。
-
入り口はかなり狭く、かがんでようやく通れるくらい
-
巨石を積んで造られた石室。自由に入って見学できる古墳は多くないと思います、貴重な体験。
-
山の斜面にある2号墳
-
3号墳は巨石だけで造営されていましたが、2号墳は巨石とともに平たく割れた石を隙間なく積み重ねてあり、少し雰囲気が異なります。
-
複室構造の石室
-
山腹を少し上ります
-
童男山古墳1号墳
童男山古墳 名所・史跡
-
直径48mの大型の円墳、羨道は失われていますが全長18m、6世紀後半のものと推定されています。
-
素晴らしいの一言の石室、首のない石仏が代わりに石を乗せています。
-
玄室奥の石屋形とくりぬき式の石棺、棺の中には石仏が祀られています。
-
古墳の前に祀られていた石仏。きれいな花が手向けられています。
-
県境を越えて南下し、鍋田横穴群へ。横穴式墳墓で、川沿いの崖にいくつもの横穴が口を開けています。亡骸を埋葬した際には入り口は密閉しないままだったのでしょうか。
鍋田横穴群 名所・史跡
-
地下水が豊富に湧き出ている横穴もあります
-
鍋田横穴群の最大の見どころ、第27号墓。古代の人の描いた彫刻が残っています。7世紀ごろのものとされ、人物や弓矢などがはっきり判別できますが、こんな貴重なものが特別な障壁もなく間近に見られることにびっくりです。
-
第二次世界大戦後は住むところを失った人が大きめの横穴に一時期住みついていたこともあったそうで、焚き火によってすすが付いた跡も見られました。
-
弓矢の浮彫のある横穴、1300年以上前のものが良く残っています。
-
鍋田横穴のある川沿いから台地に上がったところにあるオブサン古墳、国内有数の装飾古墳として有名なチブサン古墳のすぐ隣にあります。どちらの古墳も普段は内部を公開しているようですが、新型コロナウイルスのために中止していました。
-
オブサン古墳の蓋をしていた石、左の石には西南戦争の時の銃弾の跡がはっきりついています。
-
今夜宿泊する奥山鹿温泉旅館に到着
平山温泉 奥山鹿温泉旅館 宿・ホテル
-
奥山鹿温泉旅館のある平山温泉は里山風景の中に温泉宿が点在しています。共同浴場の元湯もあります。
-
この日は大浴場の清掃日に当たったようで、そのため温泉付きの離れの客室に変更してくれていました。
-
翌朝の露天風呂。平山温泉はアルカリ性が強く、九州一の美肌の湯との評判を聞いて宿泊を選択したのですが、期待していたほどのとろっとした湯ざわりではありませんでした。少し硫黄臭のある源泉は高温で、長い時間浸かっていられなかったのもちょっと残念。
-
奥山鹿温泉旅館の朝食、ちょっとしたことですが小鉢が竹かごに並べられているだけでよりおいしそうに見えました。こちらの宿は正直クチコミ評価が高くなかったのですが、食事はどれもおいしく、宿としても何の不満もありませんでした。
「九州はいいですね。どこにでも古墳とか歴史的なものがあって」と宿の方に話したら
「そうですか?私はあまり好きではないですね」とのことでした。私たちも北海道に住んでいてエゾシカやキタキツネには見慣れて何とも思わないので、それと同じなのかもしれません。宿で合流した長男は仕事で何度も鍋田横穴群のすぐ前の道を走ったことがあったのに、横穴の存在、ましてや古の彫刻が残っていることなどまったく知らなかったそうです。そんなものかもしれません。 -
熊本県立装飾古墳館。さまざまな出土品や資料が展示されていますが、古墳の内部をレプリカとは思えない精巧さと質感で忠実に再現、展示している装飾古墳室は必見です。
大坊古墳の赤や黒の彩色熊本県立装飾古墳館 美術館・博物館
-
チブサン古墳。赤、黒、白の彩色で人物や文様が描かれていますが、石室内の石屋形内壁の装飾が乳房に見えることからチブサン古墳と呼ばれるようになったようです。
観察しやすいよう十分に明るく、その一方で本物の古墳に入ったような狭く薄暗い雰囲気も感じられるよう工夫されています。 -
繊細な直弧文や同心円文が見事な井寺古墳。広い範囲に点在している10基あまりの古墳の、しかも非公開だったり、通常決まった公開日にしか見ることのできない内部をいちどに観察でき、見ごたえがありました。
-
トンカラリン、その名の不思議な響きに魅かれて立ち寄りました。
トンカラリン 名所・史跡
-
暗渠のような通路のような不思議な遺構。今も何のために造られたものか解明されていないそうです。
-
建物の下をくぐって顔を出す暗渠出口、全体では445mに及ぶ遺跡ですが、地震の影響もあり立ち入ることができるのは一部だけです。4年前の震災から完全に復旧しないまま、次々に豪雨などの災害、そして今度はコロナ禍が。平和な毎日がこれほどありがたいと感じたことはありませんでした。
つづく・・・
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
この旅行で行ったホテル
八女・筑後(福岡) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 見たことのない風景を求めて
0
38