2018/05/03 - 2018/05/03
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sweetshibakenさん
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ベツレヘム分離壁アートの魅力 最終章です。
Walled off Hotel前の車道(Manger St.から枝分かれした道)の分離壁に出てきました。ここから分離壁沿いにくねくね歩いて行きます。
この通りには、「ベツレヘム分離壁の象徴」的なLeila Khaled女史の壁画が鎮座しています。
これを観て満足してしまう観光客も多いと思うけど、他にも味のあるMuralがあちこちにあり、2017年と2018年の比較を含め、後から見直しても楽しい場所です。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
-
2017年7月
walled off hotelは角地に建っています。その向かいの分離壁は、この様に続きます。 -
2017年7月
直線の車道に面する分離壁。
パノラマで撮影したら、曲がり角の様に写ってしまったけど、直線です。
muralの並びが良く分かります。 -
2017年7月
「BETHLEHEM LAND」ロゴの奥は、この様に重機とゴミ箱が置かれ、足元の低い位置には画が描かれているが、上にはベツレヘムの実情を訴えるポスターが整然と貼られています。
正直、ここはmural artを期待している者にとっては、魅力的な部分ではありませんでした。 -
しかし、2018年5月には若干の変化がありました。詳細に見ていきましょう。
BETHLEHEM LANDロゴの先には、アメリカのアニメ「Rick & Morty」です。
*BURP*M-MONTY
WELCOME TO *BURP* PALESTINE,
WE GOTTA SOLVE THE *BURP* WHOLE DAMN MIDDLE EAST CRISIS!
これは、トランプとネタニヤフの画で物議の的になったLUSH SUXの作品。
まぁ、セリフは悪くないんだけどねぇ。 -
その右下には、Jesusが履いた?!「AIR BETHLEHEM」
-
2018年5月
この辺りは、上書きされているけどローカルの子が描いたであろう画が続きます。
上の整然と貼られたポスターは、経年劣化していました。
トータルで見ると、2017年時と大きな変化はありません。 -
2017年7月に戻ります。
このmuralは、余り好きではなかったのですが…。
ある事実を見つけました。
平和の象徴「鳩」の足首を繋いで自由を奪っている鎖。
写真を撮っている時は勿論、帰国して写真を見直している時も、ずっとただの「鎖」と思っていました。 -
しかし、この鎖をアップにすると、こんな事になっていました。
この鎖は、「HATE:嫌」と「FEAR:恐」という二つの言葉で出来ていました。
この画では、「Release:解放」とプリントされたTシャツを着た人物により、鎖が断ち切られようとされています。
う~わっっ 感動もんじゃない?!
すね毛もわざわざゴッソリ描かれ、色彩や顔のデザインを含め、全てが私の好みの逆を行っていて、良い印象を持っていなかったのだけど、この事実を知った今、このartistのセンスに頭が下がりました。 -
2017年7月 さっきの「鎖」の画の続きです。
良かった!あった!!
「MAKE HUMMUS NOT WALLS」
これがBenjiによるオリジナル、の"場所"です。
2017年分離壁前の衝突の時に、くどい程映像で報道されていたから、今となっては有名なロゴです。
報道に使われた分離壁入口にある画は、比較的新しいから、最近の作品かと思っていました。
でも、このフレーズ、ずーっと以前から分離壁に存在するのです。
この作品は、Palestinian artistのBenjiによるもので、少なくとも2015年2月にはここに存在していました。
でも、2017年7月時に残っている画は、Benjiオリジナルのものではありません。
ここに描かれたBenjiの作品が、2015年2月7日にBanksy Shopのオーナーにより、汚れたエッジなんかを手直しされている写真が残っていました。 -
では、2018年5月の様子を見てみましょう。
「鎖に繋がれた鳩」は、下1/3が上塗りされていました。
しかし、残っている部分だけでも、この画の訴えるメッセージは受け取れます。
残念なのは、「MAKE HUMMUS…」の方。
オリジナルの場所は、LUSH SUXによるトランプ大統領の画にすっかり上塗りされています。
もう、ここにオリジナルの「MAKE HUMMUS NOT WALLS」があったという事実を自分で確認する事はできません。
2017年にここを訪れていて良かった! -
キッパを被り、嘆きの壁に手を当てている体で描かれたLUSH SUXのトランプ大統領。
顔をバツで覆われ、セリフも黒塗りされ、かなりの反発にあった様子が伺えます。 -
2017年7月に戻ります。
MAKE HUMMUS…の先には、この画が続きます。
American artisutのKyle Holbrookによる作品です。
Kyleの作品は、分離壁入口近くにも描かれています。
私の好きな画ですが、2018年5月時点でかなり上書きされていました。
https://4travel.jp/travelogue/11647002
↑で確認してみて下さい。 -
2017年7月
被っている帽子で判断すると、左のクマのぬいぐるみを片手に持ち、分離壁の亀裂を指差している子はユダヤ人の子、右の足首を重たそうな鎖に繋がれ、分離壁の亀裂に左手を大きく広げている子はムスリムの子と推察されます。その子の右手には、ムスリムにとっての自由の象徴「鍵」が握られています。
足元を詳細に見ると、ユダヤの子の影は、握られたクマのぬいぐるみまで描かれていますが、ムスリムの子の足かせと大きな鎖は、影に描かれていません。握られている「鍵」も同じく描かれていません。
これって、意図されている事なのかなぁ。だとしたら、この画のメッセージはここにあるのですね。
世間一般的に、表面は見えているけど、ムスリムが奪われている自由の象徴、そして課されている足かせと鎖は問題視される事なく消し去られている、という事を表現しているのでしょうか。
う~ん、奥が深い…。 -
こちらは2018年5月の状況。
う~ん残念。
こっちのKyleさんも、足元がごちゃごちゃと上書きされています。
これは重篤です。
この画が投げかけるメッセージの要がほぼ消し去られている…。 -
2017年7月に戻ります。
ようやくここに辿り着きました。
ベツレヘム分離壁の顔、と言っても過言ではないmural、
Leila Khaled女史です。
この画がいつからここに存在するのかは、調べきれなかったけど、一時はハイジャック闘争の闘志であったこの人が、現在も英雄視されるのは、一貫してパレスチナ人の自由の為に活動を続けているからなのでしょう。
「DONT FORGET THE STRUGGLE」
そのメッセージを視覚に強く訴える画ですね。 -
2018年5月の様子。
さすがにこの画は、大きく上塗りされる事なく、無事に残っていました。 -
2017年7月に戻ります。
Leila Khaled女史に続くのは、これまた長年ここに存在する画です。
が、余り意味が分からない画です。 -
2017年7月
円形に囲われた壁が存在し、その内部中央にはクリスマスツリーと思われる、星や球のオーナメントで飾り付けられた木。周りには溢れるほどのギフトボックスの山。
一方、壁の外は根元から伐採された木々の残骸が散在しています。
この根元だけが残った木々が、不毛というか、寒々した印象を与えます。 -
それが、2018年5月には、こんなワケ分からない状態になっていました。
壁の周囲にあった木の伐採跡。寒々とした雰囲気が上塗りされていました。
う~ん分からない。この規則性があるのか無いのか分からない柄で描かれた、パレスチナ国旗。(上から黒・白・緑そして赤の三角)
実は、これがパレスチナ国旗と気づいたのはたった今。この旅行記を記載している時でした。
引きで見て「あっ!」と気づきました。
でも、これ実際の国旗と比すると、赤の三角が左右逆に描かれています。
だから気付きにくかったのかな?
画自体は大作だけど、私にとってはメッセージを捕えがたい画でした。 -
そして、その先の監視塔には、コイツが出現しています。
「Rick & Morty」のPickle Rick by LUSH SUX。
頭にキッパを被ったPickle Rickの吹き出しのセリフがこれです。
"LOOK MORTY
I TURNED MYSELF INTO A KOSHER PICKLE...
I'M KOSHER PICKLE RIIIICK!!"
kosher:(ユダヤ教のおきてに従って料理された)正当な
pickle:ピクルス、いたずらっ子
この二つの意味が分かれば、このセリフのウイットが理解できますね。
また、この作品の作成途中では、こんな事もあったそうです。
Australian artist Lush Sux claims that one of the guards urinated on him from the window of the watch tower whilst he painted that particular piece.
え~本当ならサイテー!! -
ちなみに、2017年7月の同部は、こんな状態でした。
監視塔は、足元に落書きがあるものの、別段注目に値する画は描かれていません。 -
2017年7月
監視塔を分離壁に沿って曲がってきました。 -
2017年7月
これは、岩のドームらしき建造物が描かれているエルサレムの一角から、天に梯子がかけられています。
これは、韓国人のグループが描き上げた、とどこかで読んだ気がします。 -
2018年5月
なんだこりゃ?!
2017年7月と全く変わってない。
こんなに上書きされない画もあるのに、大切に保護して欲しい級の画でも上書きされている。
複雑な気持ちです。 -
2017年7月
先に進みます。
梯子が伸びたエルサレムに続くのは、ローラースケートを履いて荷台を引く白牛?
その後ろにはSAM3の作品、黒ラクダが続きます。 -
2017年7月
この作品は、後ろの黒ラクダと関連がある様にも見えて、全くタッチが違います。
ザツいし、画の意味も分からない。 -
2017年7月
こちらは、SAM3の作品。
大部分が広告設置の為、上塗りされてしまっているのが残念。
巨大な黒ラクダが描かれていて、足元には人間がよじ登っているのが見て取れます。 -
2017年7月
黒ラクダの先には、タケコプターで飛ぼうとしているペンギンです。
これは、誰の作品か分からないけど、単に可愛いから持ってきました。 -
ここから2018年5月の画。
白牛と黒ラクダは、この3人に塗り替えられていました。 -
2018年5月
写実的な画で、一瞬LUSH SUXかと思ったのだけど、違うと思う。
まず、色使いと光の受け方が他のLUSH SUX作品とは違う。
セリフが吹き出しに書かれておらず、また、小文字が使われている。
そして、LUSH SUXの署名がない。
NELSON MANDERAの文字の近くにある署名は
@PansterLab
この署名、他でも見かけた気がする。 -
2018年5月
こちらは@LUSHSUXの署名付きのBERNIE SANDERS。
黒ラクダの上に躊躇なく描かれている…。 -
2018年5月
このMr. Presidentには署名がないけど、セリフの書体を見ても、画を見ても、LUSH SUXの作だと思います。 -
2018年5月
MARK ZUCKERBURG
これも、同じくLUSH SUX? と思ったけど...。
違うんじゃない?
署名は無いけど NELSON MANDERAと同じPansterLabな気がする。
セリフが小文字だしね。どうなんでしょう。
2017年との比較はここまで。
この先は2018年の写真しかありません。 -
2018年5月
小さい画がほとんどだけど、この痛そうな作風のALAAの画があちこちに見られました。 -
2018年5月
分離壁に沿ってくねくね歩いていると、この画にぶつかりました。
「Nothing Lasts Forever」の文句に惹かれ、写真を残しています。 -
しかし、注目すべきはそこではなく、もうちょっと左でした。
Banksy作品、らしいです。
ターゲットの半分だけど、辛うじてこれは映っていました。
「角がかけてしまった壁」の画です。
更にその左側には、郵便物のスタンプの形態に似た画が添えられています。
中央に赤文字でFRAGILE。
その周りに"HANDLE WITH CARE”と” THANK YOU”の文字が刻印されています。
完全な形で写真に残っていなくて残念! -
2018年5月
Wall Streetのサインの下にも、ALAAの痛そうな作品。
2017年7月から2018年5月、たった10ヶ月程でも随分の変化がありました。
この旅行記を仕上げた2021年年始現在では、更に大きな変化が起こっていると思われます。
世界が落ち着いたら、是非確認しに行きたいものです。
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