2020/06/27 - 2020/07/05
189位(同エリア518件中)
Reisさん
2019年秋ごろから諸事情により数日かけての旅行はしづらい状況となってしまいました。もちろん毎年楽しみにしていた海外旅行は当分は諦めなくてはなりません。それでも1泊2日くらいで国内の小旅行くらいならできるかなと思っていたのですが、そうこうするうちにコロナウィルスの感染拡大があり外出すらままならない状況になってしまいました。
緊急事態宣言は解除になったとはいえ、依然として旅行は難しい状況が続いていますが、自粛生活にも疲れたし近所で人が少ない場所に出かけてみようと思いました。そこで思いついたのが自宅の近くを流れている見沼代用水路です。
見沼代用水路について簡単に説明すると、かつて浦和のあたりには見沼溜井という灌漑用の溜井があったのですが、土砂の流入などにより貯水能力が低下したため、これに代わる灌漑用の水路を利根川から引いたのです。これが見沼代用水路です。
現在、この用水路に沿って「緑のヘルシーロード」というサイクリングロードが整備されています。この道を走って利根川まで行ってみようと思ったのです。さらに起点に行ったのなら終点にも行ってみようということで、翌週には終点を目指すサイクリングも実施しました。
2020年6月20日に用水路の起点となる行田市の利根大堰まで自転車で行ってみました。起点まで行ったのだから次は終点まで行ってみようと思い、翌週に行ってみることにしました。ところで見沼代用水路は上尾市のあたりで東縁と西縁の2つに分岐しているので終点は2つあります。当初は1日で両方行ってみようと思いましたが、結局それは果たせず2回に分けて実行しました。
- 旅行の満足度
- 3.5
- 観光
- 3.5
- グルメ
- 3.5
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
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【2020年6月27日】
さいたま市見沼区の自宅付近には見沼代用水の東縁が流れています。今回はこれに沿って自転車で下り終点を目指すことにします。終点は足立区の舎人。起点の行田へ向かうよりは距離は短いので少々余裕があります。写真は走り始めたポイント。さいたま市見沼区の七里総合公園の近くの大宮第二調節堰です。 -
用水路に沿って走り始めるとすぐに見沼弁財天(溜井弁天)があります。周囲は広々とした畑が広がっていますが、このあたりが見沼代用水を作る前にあった見沼溜井の北端だったようです。
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さらに進むと用水路の右手に広大な見沼自然公園が広がります。走り始めて大して時間は経っていませんが少し寄り道をしていきます。園内には広い芝生の広場がありその一角には見沼を干拓した井沢弥惣兵衛の銅像があります。また大きな池がありちょうど蓮の花が綺麗に咲いていました。かつてこの近くには「野田のさぎ山」というサギの集団営巣地があり国の特別天然記念物に指定されていましたが、その後サギがいなくなり指定が解除されています。
見沼自然公園 公園・植物園
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いきなり寄り道をしてしまいましたが先に進みます。さらにしばらく南下すると用水路の対岸に鬱蒼とした樹林が広がります。このあたりはコンクリートの護岸もされておらず、用水路と森林が一体となった昔の姿の残しています。
見沼代用水路は水田地帯と台地の際に沿って作られているため、くねくねと細かく蛇行しています。水田よりもやや高い台地の際に水路をとることで水田へ水を流しやすくしているそうで、そう考えると納得できます。このあたりは自然が豊かで自転車で走っていても気持ちの良いところです。 -
川口自然公園を通り過ぎ、武蔵野線の線路をくぐり少し進むと「見沼通船堀」に着きます。公衆トイレがあったのでここで少し休憩します。
「見沼通船堀」は見沼代用水路と並行して流れる芝川との間で船を行き来するために1731年に作られた運河(堀)です。見沼代用水と芝川は水位に差があったため、閘門によりこの水位の差を調整して船が往来したとのことです。パナマ運河と同じ仕組みです。もちろん現在は使われていませんが、年に一度、閘門開閉実演が行われているそうです。 -
通船堀のすぐ南側はかつて見沼溜井を作っていた八丁堤があったところ。つまり、かつての見沼溜井の南端です、ここから先、用水路は住宅街の中を流れてゆきます。水量もかなり減っています。
水路沿いの「緑のヘルシーロード」もしばらくは続いていますが、やがて途切れます。それでも一般の道路が水路に沿って続いているので自転車で走ることに支障はありません。とはいえ、住宅街の中を走るのは、何となく味気なく感じます。 -
こちらは川口市東本郷付近。首都高速川口線と交差するあたりです。ここまでくればゴールはすぐそこです。
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走り始めて2時間半でようやく見沼代用水東縁の終点に着きました。写真の左手から流れてくる見沼代用水路の水は、写真の右手前から左奥へと流れる毛長川に流れ込んでいます。
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「見沼代用水東縁用水路 管理終点」の標識が立っていました。しかし、周囲は住宅や町工場などで、先週、利根大堰に到着した時のような感慨はありません。車の往来も多く落ち着かないのですぐに引き返すことにします。
さて、そのまま引き返しても面白くないので、地図を確認して今度は見沼代用水路の西縁の終点へ行ってみようと思います。そして、そこから水路に沿って遡る形でさいたま市へ戻ることにします。 -
ここからは水路を離れて普通の通りを走ります。その方が距離は短いのです。しかし、自転車経験の乏しい私にとって大型トラックが走る幹線道路の路肩を走るのはかなり怖くて神経をすり減らします。
正直に言うともうリタイヤしたくなりました。しかし、自宅へ帰るには自転車に乗らなくてはいけないのです。 -
見沼代用水路東縁の終点である足立区舎人をスタートして約1時間。ようやく見沼代用水路西縁にたどり着きました。場所は川口市芝です。ここから見沼代用水路西縁の終点は近いはず。頑張っていってみようと思います。
しかし、この辺りの見沼代用水路は幅も狭く水量も少なく、ごみが捨ててあったりして街中の下水路と大差ない状態です。しかも途中から暗渠になっていたりしてわかりにくいです。私は疲れていたせいもあり、あっさり諦めて引き返すことにしました。 -
帰りは見沼代用水路西縁を遡る形でさいたま市見沼区まで戻ることにします。ところで、昼食を食べていませんでした。まだ先は長いのでしっかり食事をしてエネルギーを補給しなくてはなりません。昼食は川口市にあるアルハラムという名のレストランに入りました。
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チキンビリヤニとマンゴーラッシーを注文。ビリヤニはスパイシーですがそれほど辛くはなく好みの味でした。胃が満たされると動くのが嫌になってきますが、気を入れなおして出発します。
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再び、見沼代用水路の西縁に沿って北上します。やがて、再び見沼通船堀へ戻ってきました。この辺りは見沼代用水路の西縁と東縁が接近していて間に芝川が流れています。ここでまた少し休憩します。
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見沼通船堀から北は見沼田んぼと呼ばれる広々とした田園風景が広がります。やがて用水路沿いに氷川女體神社のすぐわきを通るので自転車を停めて立ち寄ってみました。用水路に面した高台を急な石段で登ると鳥居があり、その先に拝殿があり、武蔵国一宮の扁額が掲げられていました。
氷川女體神社 寺・神社・教会
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見沼代用水路は見沼田んぼの東西の縁を東縁、西縁が流れています。東縁はのどかな風景の中を流れていた印象でしたが、西縁は見沼田んぼの対岸は完全な住宅街です。それでも用水路沿いの道は散歩に最適です。写真のようにサクラ並木が延々と続いている場所もあります。春に訪れたらきっと素晴らしい景色が見られることでしょう。
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ずっと用水路沿いを遡ってきましたが、さいたま市北区のJR宇都宮線の線路をくぐるところで先へ進めなくなりました。近くに踏切はなくかなり離れたところに陸橋が見えます。相当迂回する必要があります。ここでさすがに先へ進む気がなくなりました。どちらにしても、今回は西縁の終点まで辿れなかったのでもう一度走ろうかと思っています。今回は無理をせず、ここで終わりにして自宅へ帰ることにします。
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【2020年7月5日】
先々週は見沼代用水路の起点まで自転車で行ってきました。そして先週は見沼代用水路東縁の終点へ行きましたが、西縁の終点までは行けませんでした。
そこで今回は見沼代用水路西縁の終点まで自転車で辿ってみることにします。今回は事前に下調べをしてあるので途中で分からなくなることはないはず。どうせなら、まず、見沼代用水路が東縁と西縁に分かれるポイントをスタート地点として、そこから西縁の終点まで行ってみようと思います。天気がやや心配でしたが、迷うことなく出発します。
自宅を出て約30分で上尾市瓦葺にある瓦葺伏越へ。ここで見沼代用水路は綾瀬川を潜っていますが、ここが東縁と西縁の分岐点になっています。写真の左側が東縁、右側が西縁です。 -
見沼代用水路西縁に沿って南下します。写真は東大宮駅付近。このあたりから徐々に地形は台地になっていきます。そのため、用水路はわずかな区間は地下にもぐります。
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見沼代用水路が暗渠となり地下を流れている部分の地上に作られているのが、東大宮親水公園です。子供が水遊びができるような水路がありますが、これは地下を流れている見沼代用水の水の一部を汲み上げて流しているそうです。
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やがてすぐに見沼代用水路は再び姿を現します。そしてすぐに芝川と交差します。これまで何か所かあった伏越では見沼代用水路が川の下を潜っていましたが、ここは逆で芝川が見沼代用水を潜る形になっています。
他の伏越は地平レベルだとその様子が分かりにくいのですが、ここはちょうどJR東日本の東大宮操車場を跨ぐ陸橋かあり、そこから様子を眺めることができます。 -
東大宮操車場を陸橋で渡り再び用水路に沿って走ると次にJR宇都宮線にぶつかります。先週は下流方向から遡りここで挫折したのでした。今回はここから用水路を離れ南に行ったところにある陸橋で線路を超え、先へ進みます。
ここからは先週走ったルートを逆に辿ることになり真新しい景色はありません。しかし、先週はこのあたりではすでに疲労が蓄積しており、自転車を走らさせることで精一杯で周囲を見渡す余裕はありませんでした。今回は周囲を眺めながらゆっくり進みます。
次に目に入ったのは天沼揚水機場です。ここで見沼代用水西縁から分水した水を「荒川連絡水道専用水路」という地下水路を通して荒川に流しているのです。この地下水路ができたのは1989年のことです。 -
見沼通船堀を過ぎると見沼代用水西縁は住宅街の中を流れるようになります。写真は川口市の柳崎氷川社です。用水路に面した高台の上にあります。それまで曇り空だったのですが、このあたりから雨が降り出してきました。近くのコンビニで雨が止むのを待ちますが、一向に止む気配がないので小雨の中を走ることにします。多少ぬれても仕方がありません。
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先週は、川口市芝のあたりで水路を見失ってしまったのですが、今回は事前に地図で調べていたので迷わずに水路をたどることができました。それにしても、この辺りの見沼代用水路は私のイメージするものとは全く違った姿です。
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見沼代用水路西縁の終点と思われる場所に到着しました。場所は川口市小谷場です。時刻は12時20分。上尾市瓦葺の分水ポイントを出発してから3時間20分が経過していました。
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左から流れてきた見沼代用水路の水は中央の水門を通って、別の水路として先に流れてゆきます。ここは東縁の終点と違い、終点であることを示す標識などはないので本当にここが終点なのでやや不安がありますが、ネットで調べてみるとここが見沼代用水路としての管理区間の終点で間違いなさそうです。これでついに3週間かけて当初の目的は達成しました。
幸いにも雨は上がりましたが、また降ってきそうな気配なのですぐに引き返すことにします。そしてその予想は的中し、途中から雨が本格的に降り出しました。ちょうどJR東浦和駅の近くでしたので駅前の屋根のある部分で再び雨宿りをします。 -
東浦和駅でかなりの時間を雨宿りに費やしてしまいましたが、雨が弱まったところで再び出発します。途中で食事をしたかったのですが、すでに服は路面から跳ね上げられた泥水で汚れており、街中のレストランには入れない雰囲気です。
結局、自宅近くまでもどり途中にあった「バンブー」という店に入りました。明らかにコンビニの後に入ったことがわかる店の作りです。手作りパンを販売するスペースと食事をとるスペースがある店で、カウンター席が空いていたのでそこで食事をすることにしました。バン ブー グルメ・レストラン
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厚切り豚丼を注文したのですが、厚切りの豚肉がこれでもかと言うほど入っていて満腹になりました。長時間のサイクリングを締めるにふさわしい食事でした。
さて2020年初めての旅行記は、旅行と言うより散歩と言ったほうが近いものとなりました。コロナウィルスのパンデミックで旅行ができない状況ですのでやむをえません。近いうちに普通に旅行ができるようになることを願い、この旅行記を終わります。
終わりバン ブー グルメ・レストラン
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