中国・スローガンを味わう街歩き

2019/04/29 - 2019/05/06

中国では街中の至る所でスローガンを見かけます。
社会主義国家の様子が垣間見れ、隣国社会を理解する糸口です。

エリア 上海(中国)

蘇州駅構内で。
スローガンは突然目の前にやってくるので、カーネル・サンダースもびっくり。

まずは「社会主義核心価値観」から。
「富強、民主、文明、和諧、自由、平等、公正、法治、愛国、敬業、誠信、友善」
これはもうお決まりのスローガンで、この24文字を街角で見かけないことはないほど。横に小さい字で「人民有信仰　民族有希望　国家有力量」。
こう来ましたか。

街中の学校の壁にも、もちろん。

右上に小さな文字で例の24文字がありますね。

｢文明があれば、蘇州はもっと美しくなる」と読むのでしょうか。

｢文明」はNo.1ヒット検索ワードです。
とにかく中国は文明好きです。

中華員夢
春色満園

この｢春色満園」は理想郷のようなものでしょうか。
次のスローガンにも登場します。

堅決排除黒悪勢力
ブラック勢力は排除すると堅く決意されたのでしょうか。

人民得幸福感安全感！

地下鉄の駅はスローガンの宝庫です。

文明十箇条。

｢惜福拒浪費」とあって、レストランで食べ残しを持ち帰るイラストもあります。

別バージョンです。

さらにまた別バージョン発見。

一歩前に。
その一歩は小さくとも、文明には大きな一歩。

習近平の教え　その①
夢想従学習開始
事業従実践起歩

「夢は学習から始まり、キャリアは実践から起こる」
(Google先生訳）

ちょっと年季が入って、色が褪せてきたスローガン。

文明的な地下鉄ではしてはいけないこと。

スローガンは下町にももちろん。
環境整備優美　生活健康科学　社会文明進歩

做文明市民　建文明単位　創文明城市

做可愛蘇州人
（可愛い蘇州人になろう、ではないですね。愛される、という意味でしょうか）

スローガンをよく読んでいると、その内容とは別に言葉の使い方に感心することがあります。
「一花一木、一言一行」ときて...

｢一点一滴」。

真実、善と美、そして精神と精神の促進
（Google師訳）

文明的なハンドルカバー。

「あらゆる善の中で親孝行が第一である」（孝は百行のもと）。

左の看板、「○播」とあるのですが、播の左の漢字は何ていう意味でしょうか？？

姑?は昔の蘇州の呼び名。

「??」は道理を説明する、というような意味らしいです。

幸福在勤労的手上

日本語だと手の中にある、と言うところを中国語だと手の上に在る、となるようですね。

浄化社会文化環境
促進未成年人健康成長

はい、言いたいことはよく分かります！

こりゃまたどでかい看板の三本立て。

習近平の教え　その②
人民対美好生活向往＝人民の生活向上への願い
我??斗的目?＝我々の奮闘的目標

スローガンよりも花壇にある標識の方が気になります。
何をしちゃダメ、と書いてあるのでしょう？
とても文明的な行為には見えませんが。

「両学一做（中国共産党の規約・規則を学び、習近平総書記の一連の重要講話の精神を学習し、『合格党員』となること）」

スローガンは頭上高くにも。

聚力創新 聚焦富民 高水平全面建成小康社会.
イノベーション、人々を豊かにすることに焦点を当て、オールラウンドな方法で裕福な社会を構築します。（2016年11月18日共産党新聞より）

聚力＝力を集めること

蘇州駅のスローガン。
鉄道路線も新局面!?

もちろん高速列車の車体にもスローガンは流れます。

?＝譲（～にさせる）
「科学技術は生活を活力に満ちたものにする」

出口でないところから出てはいけません。
文明ですから。

上海虹橋駅構内に男性用の下着の自販機が。
文明ですから。

上海の南京路の植え込みの上にもあの24文字。
ここは看板激戦区。
ひしめく看板の手前にもスローガン。

上海郊外の住宅街。
スローガンはしっかりと市民を監視しています。

愛犬のフン始末も文明ですから。

信号待ちの時間はもちろんスローガンを読む時間です。

文明旅遊＝文明化された観光
从我做起＝まず私から始めます

ベンチでは気持ちよさそうに午睡中。

ちょっとお洒落な色使いのスローガン。
フランス租界にて。

街の広告板。

「天使的微笑」を地下鉄職員を受けたかなあ...?

メーデー連休の最後の夜。
上海のバンドはものすごい人混みです。

街中のスローガンから見えてくるもの。
このライトアップされた植民地時代の建物から見えてくるもの。
いまの中国の姿を眺めながらの街歩きでした。