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 獅子ヶ鼻トレッキングコースが、磐田市の最北端、旧敷地村にある。<br /> およそ4.5kmのコースで、初心者向けの手軽なコースと、本格的なトレッキングコースが混在しているという。<br /> 獅子ヶ鼻公園は知っているが、その奥にトレッキングコースがあるとは知らなかった。<br /> 人の噂にもならないマイナーな地区。<br /> ここなら人はいないだろう。<br /> コロナ禍のこの時期、体力トレーニングを兼ねて出掛けてみる。

獅子ヶ鼻(ししがはな)トレッキング(1/3)切り立つ岩山『蟻の戸渡り』

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2020/05/01 - 2020/05/01

35位(同エリア130件中)

旅行記グループ 獅子ヶ鼻公園

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motogen

motogenさん

 獅子ヶ鼻トレッキングコースが、磐田市の最北端、旧敷地村にある。
 およそ4.5kmのコースで、初心者向けの手軽なコースと、本格的なトレッキングコースが混在しているという。
 獅子ヶ鼻公園は知っているが、その奥にトレッキングコースがあるとは知らなかった。
 人の噂にもならないマイナーな地区。
 ここなら人はいないだろう。
 コロナ禍のこの時期、体力トレーニングを兼ねて出掛けてみる。

同行者
カップル・夫婦(シニア)
交通手段
自家用車 徒歩
  •  獅子ヶ鼻公園の駐車場に到着。<br /> 我が家から12km。<br /> 目と鼻の先のようなものだ。<br /> 駐車場は、山の上部と下部の2か所にあるが、ここは山の上の駐車場。<br /> 誰もいないと思っていたのに、数台の車が停まっている。<br /> ここまでの道路事情は動画で<br />https://youtu.be/C4fxpBRjuVM 

     獅子ヶ鼻公園の駐車場に到着。
     我が家から12km。
     目と鼻の先のようなものだ。
     駐車場は、山の上部と下部の2か所にあるが、ここは山の上の駐車場。
     誰もいないと思っていたのに、数台の車が停まっている。
     ここまでの道路事情は動画で
    https://youtu.be/C4fxpBRjuVM 

  •  獅子ヶ鼻公園には来る人はいるが、その奥まで足を伸ばす人は、私たちくらいだろう。<br /> そう思って歩き出す。

     獅子ヶ鼻公園には来る人はいるが、その奥まで足を伸ばす人は、私たちくらいだろう。
     そう思って歩き出す。

  •  駐車場の脇に赤い鳥居がある。<br /> 稲荷神社の鳥居だ。<br /> 「この先には駐車場はありません」との警告もある。<br />

     駐車場の脇に赤い鳥居がある。
     稲荷神社の鳥居だ。
     「この先には駐車場はありません」との警告もある。

  •  空は晴れ渡り、新緑が映えている。<br /> 足取り軽く歩き出すと、

     空は晴れ渡り、新緑が映えている。
     足取り軽く歩き出すと、

  •  右手の斜面に茶園畑が広がっていた。<br /> 茶畑には見慣れているが、この茶畑の美しさは別世界だ。<br /> 「旅行に来たみたい!」

     右手の斜面に茶園畑が広がっていた。
     茶畑には見慣れているが、この茶畑の美しさは別世界だ。
     「旅行に来たみたい!」

  •  道はアップダウンしながらまっすぐに伸び、おとぎの国に通じているみたい。<br /> 気分爽快!<br />

     道はアップダウンしながらまっすぐに伸び、おとぎの国に通じているみたい。
     気分爽快!

  •  『自然ふれない広場』にやって来た。<br /> 遊歩道に入ると、目の前にハイキング姿の親子が現れた。<br /> 遠くにも人の姿が見える。<br /> 誰もいないと予想していたので、びっくりする。

     『自然ふれない広場』にやって来た。
     遊歩道に入ると、目の前にハイキング姿の親子が現れた。
     遠くにも人の姿が見える。
     誰もいないと予想していたので、びっくりする。

  •  「こんな場所に、やって来る人がいるんだね!」<br /> と話していると、後からもおじさん二人が現れた。<br /> 密集地を避けて体力増進・・<br /> 考えることは皆同じだ。

     「こんな場所に、やって来る人がいるんだね!」
     と話していると、後からもおじさん二人が現れた。
     密集地を避けて体力増進・・
     考えることは皆同じだ。

  •  ボランティアガイドを伴った人ともすれ違う。<br /> マスクをしていないので、話しかけるのは遠慮する。

     ボランティアガイドを伴った人ともすれ違う。
     マスクをしていないので、話しかけるのは遠慮する。

  •  ふれあい広場の終点には休憩所が建っていた。

     ふれあい広場の終点には休憩所が建っていた。

  •  東南方向に小國神社の森が見え、はるか彼方には小笠山の丘陵が横たわっている。

     東南方向に小國神社の森が見え、はるか彼方には小笠山の丘陵が横たわっている。

  •  西には天竜川と浜北市。<br /> 三方ヶ原台地も霞んで見える。<br />https://youtu.be/KLzVb1NkQzI<br /><br /> 

     西には天竜川と浜北市。
     三方ヶ原台地も霞んで見える。
    https://youtu.be/KLzVb1NkQzI

     

  •  「さあ、トレッキングの開始だ!」<br /> 坂道に踏み込むと、

     「さあ、トレッキングの開始だ!」
     坂道に踏み込むと、

  •  高級カメラを手にした男性がいた。<br /> 撮影アングルにこだわる写真マニアといった様子で、<br /> 声をかけるのもはばかられ、ちょっと頭を下げただけで、

     高級カメラを手にした男性がいた。
     撮影アングルにこだわる写真マニアといった様子で、
     声をかけるのもはばかられ、ちょっと頭を下げただけで、

  •  森林に入って行く。<br /> 「あれっ!」<br /> 「これ、ワラビじゃない?」<br /> 道端に群生しているのは若草色のシダだ。<br /> その先っぽがワラビ状になっている。

     森林に入って行く。
     「あれっ!」
     「これ、ワラビじゃない?」
     道端に群生しているのは若草色のシダだ。
     その先っぽがワラビ状になっている。

  •  ワラビは子供の頃には身近にあったのに、いつの間にか見られなくなってしまい、田舎暮らしなのに、今は貴重品だ。<br /> 「ここに来れば、採り放題だよ。」<br /> 「来年の春になったら、ここに来ればいい。」

     ワラビは子供の頃には身近にあったのに、いつの間にか見られなくなってしまい、田舎暮らしなのに、今は貴重品だ。
     「ここに来れば、採り放題だよ。」
     「来年の春になったら、ここに来ればいい。」

  •  と喜んでいると、展望台への別れ道があって、

     と喜んでいると、展望台への別れ道があって、

  •  山道に分け入ると、展望台があったが、<br /> 周りの樹木が育ち過ぎて、展望台の役割をしていない。

     山道に分け入ると、展望台があったが、
     周りの樹木が育ち過ぎて、展望台の役割をしていない。

  •  次に現れた標識は、<br /> 「蟻の戸渡」と「八畳岩」への分岐点を示している。

     次に現れた標識は、
     「蟻の戸渡」と「八畳岩」への分岐点を示している。

  •  私たちの予定は、「蟻の戸渡り」「浮き石」「サクラ台」を巡り、<br /> 帰り路に「八畳岩」に立ち寄るコースだ。

     私たちの予定は、「蟻の戸渡り」「浮き石」「サクラ台」を巡り、
     帰り路に「八畳岩」に立ち寄るコースだ。

  •  当然ながら「蟻の門渡り」に向かう。<br /> 妻はスタスタと歩いていくが、この道は稜線で両側は深い谷だ。

     当然ながら「蟻の門渡り」に向かう。
     妻はスタスタと歩いていくが、この道は稜線で両側は深い谷だ。

  •  「おい、気をつけろよ!」<br /> 不器用な妻が、つまづいて転げ落ちないかと気が気でないが、<br /> 買ったばかりの赤いステッキを両手に持った妻は、やけに元気が良い。<br /> 重力に逆らわない下り坂のせいだ。

     「おい、気をつけろよ!」
     不器用な妻が、つまづいて転げ落ちないかと気が気でないが、
     買ったばかりの赤いステッキを両手に持った妻は、やけに元気が良い。
     重力に逆らわない下り坂のせいだ。

  •  自分は先月の大尾山の下り坂で脚を痛めたので、ゆっくり歩くことにする。<br /> すると、先へ先へと歩く妻の姿が見えなくなってしまう。

     自分は先月の大尾山の下り坂で脚を痛めたので、ゆっくり歩くことにする。
     すると、先へ先へと歩く妻の姿が見えなくなってしまう。

  •  滑りやすい砂混じりの赤土と、飛び出した岩・・<br /> コースは急勾配となり、坂道というより崖に近い。

     滑りやすい砂混じりの赤土と、飛び出した岩・・
     コースは急勾配となり、坂道というより崖に近い。

  •  巨大の岩肌を滑り降りる場所まである。

     巨大の岩肌を滑り降りる場所まである。

  •  「蟻の門渡り」は谷底にあるんだろうか?<br /> 観光マップでは高低差が分からず、平坦のコースだと思っていたので、このギャップに後悔し始める。

     「蟻の門渡り」は谷底にあるんだろうか?
     観光マップでは高低差が分からず、平坦のコースだと思っていたので、このギャップに後悔し始める。

  •  滑り落ちれば怪我だけでは済まされないような崖だ。<br /> しかしここで中途棄権する訳にもいかない。<br /> 戻るも地獄、進むも地獄。 

     滑り落ちれば怪我だけでは済まされないような崖だ。
     しかしここで中途棄権する訳にもいかない。
     戻るも地獄、進むも地獄。 

  •  難関を突破した。<br /> すると「蟻の門渡り」の標識がある。<br /> 目の前に立ちはだかるのは岩山。<br /> どこからともなく人の声が聞こえてくる。<br /> 女性の声だ。

     難関を突破した。
     すると「蟻の門渡り」の標識がある。
     目の前に立ちはだかるのは岩山。
     どこからともなく人の声が聞こえてくる。
     女性の声だ。

  •  その声は岩山の上からで、じっと見つめていると、ずいぶんと時間をかけて姿を現したのは、<br />若い二人の女性だった。<br /> 「蟻の戸渡り」はこの岩山の上のようだ。<br /> 女性が登れるのなら、私たちだって・・

     その声は岩山の上からで、じっと見つめていると、ずいぶんと時間をかけて姿を現したのは、
    若い二人の女性だった。
     「蟻の戸渡り」はこの岩山の上のようだ。
     女性が登れるのなら、私たちだって・・

  •  さあ、行くぞ!<br /> と登り始めるが、とんでもない岩山だと気づく。<br /> ロープにしがみつき、足場を探り、必死の思いで身体を持ち上げる。

     さあ、行くぞ!
     と登り始めるが、とんでもない岩山だと気づく。
     ロープにしがみつき、足場を探り、必死の思いで身体を持ち上げる。

  •  二人の女性が降りて来るのに、時間がかかった理由が理解できた。<br /> 一つのミスが大怪我につながるのだ。<br /> 両手でロープや岩をつかまないといけない。<br /> 持っていたステッキを捨てる。<br />

     二人の女性が降りて来るのに、時間がかかった理由が理解できた。
     一つのミスが大怪我につながるのだ。
     両手でロープや岩をつかまないといけない。
     持っていたステッキを捨てる。

  •  重要なのは、筋力だけでなく、身体の柔軟性だった。<br /> 両足を思い切り広げたり、無理な姿勢を維持したりで、<br /> 脚の付け根がつっぱっり、背中の筋肉がけいれんする。

     重要なのは、筋力だけでなく、身体の柔軟性だった。
     両足を思い切り広げたり、無理な姿勢を維持したりで、
     脚の付け根がつっぱっり、背中の筋肉がけいれんする。

  •  だがこんな状況になった以上、痛いだの、怖いだの、そんな泣き言を言っても助からない。

     だがこんな状況になった以上、痛いだの、怖いだの、そんな泣き言を言っても助からない。

  •  運動音痴の妻も必死でよじ登る。<br /> こんな経験は生まれて初めてだろう。<br /> しかし、やればやれるもの!

     運動音痴の妻も必死でよじ登る。
     こんな経験は生まれて初めてだろう。
     しかし、やればやれるもの!

  •  ついに頂上に立った。<br /> 少しばかりの平らな場所で周囲を見回す。<br /> 平衡感覚が狂いそうで、足が震え、身がすくむ。

     ついに頂上に立った。
     少しばかりの平らな場所で周囲を見回す。
     平衡感覚が狂いそうで、足が震え、身がすくむ。

  •  20mほど離れた場所に、もう一つの岩山の頂点があった。

     20mほど離れた場所に、もう一つの岩山の頂点があった。

  •  その岩山とは幅50cmほどの岩の橋で、こちらとつながっている。<br /> なるほど、これが蟻の戸渡りか。<br /> 岩の戸が突っ立っているのだ。<br /> 動画もあります。<br />https://youtu.be/VCROl9TbqnA<br />

     その岩山とは幅50cmほどの岩の橋で、こちらとつながっている。
     なるほど、これが蟻の戸渡りか。
     岩の戸が突っ立っているのだ。
     動画もあります。
    https://youtu.be/VCROl9TbqnA

  •  谷底の様子を観察しようとするが、<br /> この岩の戸に立つのはもちろん、覗き込むのも怖くてでない。<br /> 後日、妻の従妹がここを歩いて渡った時の画像を送ってくれた。

     谷底の様子を観察しようとするが、
     この岩の戸に立つのはもちろん、覗き込むのも怖くてでない。
     後日、妻の従妹がここを歩いて渡った時の画像を送ってくれた。

  •  まさに曲芸。<br /> 向こう側から登って、こちらに渡って来たらしい。<br /> なんと向こう見ず!<br /> 立ち眩みや貧血になったら、どうするのだ!

     まさに曲芸。
     向こう側から登って、こちらに渡って来たらしい。
     なんと向こう見ず!
     立ち眩みや貧血になったら、どうするのだ!

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