2020/04/05 - 2020/04/05
143位(同エリア576件中)
motogenさん
- motogenさんTOP
- 旅行記391冊
- クチコミ1件
- Q&A回答3件
- 438,539アクセス
- フォロワー44人
赤い屋根の建物にたどり着く。
ここが顕光寺だとは思うが、見たところ寺らしくない。
顕光寺は真言宗醍醐派の寺院だ聞いている。
真言者は即身成仏(この世で仏になる)を目指す仏教だが、醍醐派は山岳修験道に重きを置く流派らしい。
また、真言宗の本山は高野山で、本尊は大日如来なのに、醍醐派の本山は京都の醍醐寺で、この顕光寺の本尊は千手観音だという。
理解するには、なかなかややこしい。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 交通手段
- 徒歩
-
寺のはずなのに、なぜ寺らしく見えないのか。
見慣れた本堂とはどこか違う。
しかし、どこが違うのかうまく言えない。 -
隣の建物は住職の住まいなんだろう。
生活の気配はするが、ひっそりして物音一つしない。 -
横に回ると、樹々の間にわずかながら、遠くの山並み見えた。
方向は、秋葉山方面だ。 -
本堂(?)に戻って来ると、リュックを背負った子供たちが建物内をのぞいていた。
親(祖父母?)と一緒に車で来たのだろう。
誰もいなくて不安だったが、子供たちを見てほっとする。 -
トイレを探すが、鍵が架かっていた。
参拝者を期待していない寺のようだ。
-
ここは仮りの建物で、この坂の上に、もっと寺らしい寺があるのではないだろうか・・
と頑張って登ってみる。
もしかしたらトイレもあるかもしれない。 -
坂から建物全体が見えた。
緑の樹木の中に、赤い屋根が目立つ。
テレビ番組の「ポツンと一軒家」が頭に浮かんだ。 -
上から元気な一団が降りてきた。
「こんにちは・・」
「こんにちは・・」
とご挨拶。
寂しい辺境の地が、急に活気づいた。
この上には観音堂があると言う。 -
家族サービスで頑張るお父さんの背中には、幼子が張り付いている。
無邪気な子供が、跳ねるように歩いて行く。
コロナ騒動は家族を団結させているようだ。
-
手水舎が現れた。
その奥には石段が見える。 -
お寺らしくなってきたぞ!
最後の力をふりしぼって這い上がると、 -
現れたのは、小さなお堂だった。
手入れもされず、狸や狐、もののけの住み家になっているようなお堂だ。
驚く。
そして
「これは面白い!」
と頭がシャキッとする。 -
山の霊や、山の神が鎮座しているならば、まさにこんな社ではないのか。
そもそも山自体、岩自体、大木自体が神仏なのだ。
釈迦の悟りは、観光地の絢爛豪華なお寺でなく、こんな場所にありそうな気がしてくるではないか。 -
屋根が無残な姿をしていた。
3年前の写真では壊れていない。
最近の強風で壊れたんだろう。
しかし修理もままならないのは、有力な後援者が付いていないためなのか?
この寺にも氏子がいて、祭も行われるのだろうか? -
横には鐘楼、少し上には上人堂がある。
建造物はこれだけだ。 -
「鳴らしても、いいかなあ・・」
と、遠慮しながら鐘をついてみる。 -
観音堂の軒下には鰐口(わにぐち)がある。
室町時代のもので、県指定文化財の工芸品となっている。
そんな重要なものが、無造作に釣り下がっていて、 -
そんなこととも知らない妻は、ここでも無邪気に鳴らしてみる。
カン・カンと音がした。 -
境内には赤い帽子のお地蔵さん(?)が台座に鎮座していて、
-
観音堂の裏には墓石が並んでいる。
もしかして、歴代の住職?
それとも修験者たち? -
上人堂は顕光寺の開基・智顕上人を祀ったお堂だという。
-
畏れ多くも堂内をのぞいてみる。
-
その上人堂の前で、持参のお弁当を開く。
手作りのおにぎりに、 -
庭で採れたエンドウ豆の入った炒め物。
甘い卵焼き。
炭水化物を控える妻も、こんな時にはもりもり食べる。 -
頭上を見あげれば、大きな杉の木。
そうだ!
境内には樹齢1200年、鳥居杉と呼ばれる大木があったはずだ。
県指定文化財の天然記念物にもなっている。 -
探しに行くと、石段を登った場所に大きな切り株になっていた。
近年の台風で倒れてしまったらしい。
-
倒れる以前に写した写真が見つかった。
石段の上の両側に2本の巨木となっていて、それが鳥居の代わりとなり、鳥居スギと呼ばれていたようだ。 -
展望台と書かれた標識の場所から周囲を眺めた。
見えるのはほんの一部の山だけ。 -
パンフレットのこんな眺望を期待して、はるばる登って来たのにと気落ちする。
この写真はヘリから撮った写真ではないのか。 -
駐車場に戻り、妻がトイレに行っている間に周囲を観察していると、
-
おや?
何かいる・・
シカ?
いや、奈良公園のシカではない。
黒いシカだ。
望遠機能のデジカメを取り出そうと焦っていると、消えてしまった。 -
もしかして、今のはカモシカ?
動画を拡大してみると、鮮明ではないが、どうにか写っていた。
本物のカモシカに出会ったのは初めだ。 -
下山する。
登るより脚への負担が大きく、
途中、左膝に痛みが出てきてしまった。 -
ところが妻は下山が得意なのか、スタスタと先に行ってしまう。
「おおい、ゆっくり歩けよ!」 -
枝の杖を頼りに、何んとか登り口まで降りてきた。
歩きには自信があったのに、こんな痛みは初めてだった。
年齢を考える時期になってしまったようだ。
それとも外出自粛のこの時期に、ハイキングなどする天罰なのか。 -
大尾山はどこだったんだろう?
ふもとの住人に聞くと、ここからは見えないと言う。
手前の山の向こう側らしい。 -
GPSの記録を使って、歩いたルートを地図に乗せてみた。
大尾山は手前の山に隠れて、キャンプ場付近からは見えないことが分かる。
歩いた距離は片道およそ6kmもあった。
ネット情報の3kmは、何かの間違いだ。
最後はまとめの動画です。
https://youtu.be/RabQFBJPeSk
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
掛川(静岡) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
旅行記グループ 密集地を避けて大尾山(おびさん)をハイキング
0
37