埼玉唯一の国宝建造物・妻沼聖天山 ～熊谷街歩き～

2019/10/06 - 2019/10/06

埼玉唯一の建造物の国宝が熊谷にあるというのをテレビで見て、

行ってきました。

埼玉日光とも言われる細かい彫刻はほんとうに素晴らしかったです！

エリア 熊谷(埼玉)

泊まりは熊谷ロイヤルホテルすずきという熊谷駅からほど近いところにあるホテルです。

本館は満室のようで、道路を挟んで向かいにある別館に宿泊しましたが、なんだかホテルというよりは事務所のような建物でした。

本館のロビーにはガタイのいい男の人がいっぱいで、ラグビー関係の人かなと思ったりしました。

熊谷ロイヤルホテルすずき 宿・ホテル

ちょうどラグビーワールドカップ大会期間中で、訪問した日は試合は行われていませ

んでしたが、街中もラグビーで盛り上がっているようでした。

熊谷駅 駅

熊谷では３試合が組まれていました。

熊谷駅にはワールドカップのバナーがいっぱい。

熊谷駅 駅

妻沼に行く前に、熊谷駅の一階にある観光案内所に寄りました。

妻沼聖天に行きたいというと、妻沼聖天山周辺MAPと、熊谷市全体の観光

パンフレットをくれました。妻沼行きのバスの停留所の場所も教えて

いただきました。熊谷観光されるならこちらに立ち寄られることをお勧めします。

熊谷市観光案内所 名所・史跡

駅前に建つ熊谷直実の騎馬像。

なかなか立派なものでした。

熊谷直実像 名所・史跡

妻沼聖天まではJR熊谷駅からバスで３０分ほど。

平地が広がる中を進んでいきます。熊谷市は利根川と荒川に挟まれた平野で、

妻沼付近は利根川に近く利根川の氾濫に悩まされた地域でもあるようです。

妻沼聖天山のバスターミナルの時刻表は聖天山の建物ををモチーフにしていました。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

参道には３つの門があります。

一番最初は貴惣門で、重要文化財に指定されています。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

二番目には中門です。

昔、お見合いの男女がここで待ち合わせたとか。
聖天さんは現在縁結びの神様として有名です。

また、洪水の水がここまで来たという跡がうっすらありました。
実は聖天山の建つ場所は平地が広がる地域の中ではわずかに高いところだそうですが、それでも洪水の被害を受けたようです。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

三番目の門は仁王門です。

明治２４年に台風で倒壊するものの、明治２７年に再建されました。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

仁王門をくぐると本殿正面です。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

本殿破風部分には、琴を弾いたり、囲碁をしたり、絵を描いたり

書を書いたり・・というモチーフが刻まれています。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

上を見上げるとこんなところにも、鮮やかな彫刻が・・。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

こちらが本殿の奥殿です。

本殿の奥殿の彫刻部分などの見学は有料です。

ちょうどボランティアガイドの時間にあたったので、ガイドさんの
説明を聞きながら見学をしました。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

そもそも妻沼聖天山はお寺なのか神社なのか。この権現造りの建物を見ると
神社のようですが・・。

明治時代以前は神仏混交だったのが、明治期の神仏分離令で、神仏が分離され、大概の場合は仏教のほうが追い出されたのですが、こちらの聖天さんでは、仏教のほうが残りました。
全国的にも稀有な例だそうですが、なので、今は真言宗のお寺です。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

「本殿」ということ自体神社のようですが、中からは勤行の声が聞こえていました。

お守り授与所にいるのも巫女さんではなく、お坊さんでしたが、お宮参りや七五三参

りなども行われるようで、雰囲気も神社っぽく感じられました。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

ちなみに聖天さんは大聖歓喜天のことで、仏教の守護神ですが、元はインドの

ゾウの顔をしたあのガネーシャです。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

本殿は基礎の立ち上がりの縁の下から彫刻が始まっています。

それゆえ、豪華さも際立ちます。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

龍と水の彫刻は火災除けに。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

子供たちが遊んでいる図が多く彫刻されています。

季節ごとにいろんな遊びをしています。

これは凧揚げですね。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

夏は水遊び・魚とり。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

冬は雪玉を転がしている場面が描かれています。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

獅子舞。花は牡丹でしょうか。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

子供が遊ぶ＝世の中が平和。

平和な世の中を願っているということなのでしょう。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

布袋様と恵比寿様が囲碁をしている図。

それを眺めているのは大黒様。

小物まで、実に細かい彫刻が施されています。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

左側は弁天と吉祥天が双六をする図。

右側は中国の仙女・西王母（諸説あるようです）

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

弁天と吉祥天の傍らでは、普通は毘沙門天に踏みつけにされている天邪鬼が

誰かを手招きしているようで、とてもユーモラスです。

天邪鬼さえ開放される平和な世の中というのを表しているとも。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

鷲が猿を捕まえてる図。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

子猿を抱えた猿。

桃を食べる猿。

ほかにもいろんなかっこうをした猿がいました。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

三宝荒神社。

本殿奥殿と同じ敷地内にありました。

小さいながらも、登録有形文化財です。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

五社大明神（登録有形文化財）

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

天満社。（登録有形文化財）

社殿のデザインが三宝荒神者とほとんど同じではないかと思いました。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

境内には全部で登録有形文化財が9件あります。

赤い橋を渡って木々の緑の中にあるのは、

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

平和の塔と呼ばれる多宝塔です。

昭和３３年の建立で、こちらも登録有形文化財になっています。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

登録有形文化財に指定されている鐘楼。１８世紀の建立ですが、大正・昭和期にコン

クリートで改修され基壇が高くなっています。

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

水屋。

こちらも登録有形文化財です。（明治中期建立）

妻沼聖天山歓喜院 寺・神社・教会

境内にこんな看板が・・。

お参りや見学も終わったので、一息いれに、行ってみましょう。

大福茶屋さわた グルメ・レストラン

大福茶屋さわたは、昔の建物を利用したお店です。

大福茶屋さわた グルメ・レストラン

昔ながらの階段をあがって2階へ。

大福茶屋さわた グルメ・レストラン

２階の様子。

大福茶屋さわた グルメ・レストラン

クリームあんみつをいただきました。

白とピンクの餅を結んだ縁結び餅がのっていました。

大福茶屋さわた グルメ・レストラン

妻沼聖天山からほど近いところにある坂田医院旧診療所を見に行きました。

玄関アプローチが目を引きます。

当時流行のスクラッチタイルが壁面に貼られています。

昭和6年建設ということですが、その当時この地では、かなりハイカラで、

注目されたことでしょうね。

内部は期間限定で公開されるみたいで、訪問日は閉まっており、外観見学のみでした。

妻沼聖天を後にして、熊谷駅付近に戻ってきました。
そこでまず見学したのが、片倉シルク記念館です。

片倉シルク記念館 美術館・博物館

片倉シルク（現片倉工業）の広大な熊谷工場があった場所が今はイオンになっていますが、シルク工場時代の繭倉庫を利用して、製糸機械や生糸の生産の工程、工場内での生活などの展示が行われています。

片倉シルク記念館 美術館・博物館

内部は原則撮影はNGなので、写真はほとんどありませんが、なかなかおもしろい施設でした。

見学は無料です。

片倉シルク記念館 美術館・博物館

片倉シルク記念館の近くにある星渓園にも行ってきました。

こちらも入場は無料です。

星溪園 公園・植物園

星渓園は熊谷市の産業に大きな功績のあった竹井澹如によって造られた庭園です。

星溪園 公園・植物園

池を中心とした回遊式庭園です。

星溪園 公園・植物園

パンフレットによると、１６２３年荒川の洪水で土手が切れて池ができ、その池を中心に竹井澹如が庭を造ったそうです。

池の中には小島が作られており、

星溪園 公園・植物園

この石の橋で渡ることができます。

この石橋、いいですね。

星溪園 公園・植物園

現在は片側は高架道路が通り、周囲にマンションが建っていますが、木々がしげって

いるせいか、あまりそのような周りの様子が気になりませんでした。

星溪園 公園・植物園

彫刻がなんだかおもしろいなと思って見てみると、これは十王供養塔というものらしいです。

星溪園 公園・植物園

説明札によると人間は冥土に行くと、閻魔様を含む10人の王によって裁かれ地獄に行くか極楽に行くかを決められるということで、生前に十王を供養して罪を軽くしてもらおうと、このような供養塔が作られるようになったそうで。

いつ頃のものかはわかりませんが、彫刻が素朴な感じがします。

星溪園 公園・植物園

庭園内に建物が残っているのもポイントが高いです。この建物は積翠閣といって、竹井澹如の長男耕一郎氏によって昭和５年に建てられたもので、高床式になっているのが特徴です。

建物の部屋や茶室は有料で利用できるようで、訪問日には写真の撮影会のようなものが開かれていました。

星溪園 公園・植物園

茶室の待合。

星溪園 公園・植物園

次に訪れたのは聖パウロ教会です。

レンガ造りのゴシック様式ですが、尖塔がちょっと低いような・・。

聖パウロ教会 寺・神社・教会

レンガは深谷産で、様々な色が用いられており、その分、壁面に変化が表れています。
窓枠などが赤いので、全体的にかわいらしい印象の教会です。

聖パウロ教会 寺・神社・教会

横から見たところ。

ゴシック様式らしく、アーチ窓とバットレスの連続が目を引きます。

聖パウロ教会 寺・神社・教会

熊谷はうどんが有名だということで、熊谷駅のコンコースにある「熊たまや」

で「熊谷うどん」をいただきました。

食券を買って店内へ。カウンターだけのお店です。

熊たまや グルメ・レストラン

うどんができるまでに、テーブルにあるいろんな薬味を混ぜて自分好みの

味を造ります。

熊たまや グルメ・レストラン

冷たいだし汁にちょっと硬めの麺でした。

ごちそうさま。

熊たまや グルメ・レストラン