鉄道で国境を越える　タイ・バンコクからマレーシア・ペナンヘ　vol.2

2020/01/11 - 2020/01/13

2020年の幕開け。20年代は国境を鉄道で越えることを旅のテーマに加えることにしました。まずは難易度の高くないところからと思い、タイとマレーシアの国境を鉄道で越える旅を計画。なかなか休みが取れない中、正味3日間の日程でバンコクからペナン島までを鉄道とフェリーで移動するという、乗り物に乗ることを目的としたような旅を敢行しました。

vol.2では、マレーシアに入国、バタワース駅までのマレー鉄道での移動、ペン島・ジョージタウンでのブルーマンション宿泊、ストリートアート巡りなどを紹介します。

【旅行記】
vol.1 ファランポーン駅から45列車に乗る https://4travel.jp/travelogue/11595260　
vol.2 ジョージタウンでストリートアートめぐり（本編）

【旅程】
・1月9日　関西11：00（SQ619）17：00シンガポール18：35（SQ978）バンコク20：00　＜バンコク泊＞
・1月10日　バンコク散策　バンコク（ファランポーン）駅15：10（実際は17時ごろ）（タイ国鉄45特急列車）　＜車中泊＞　
○1月11日　9：53（実際は12時5分）パダンブサール駅12：25（KTMコミューター（近郊電車））14：16バタワース駅15：10（フェリー）15：30ペナン島ジョージタウン＜ジョージタウン泊＞
○1月12・13日　ジョージタウン散策　ペナン21：15（MI353）22：40シンガポール1：30（SQ618）関西8：45

【主な費用】
・航空運賃等（KIX/SIN/BKK//PEN/SIN/kIX）64,710円
・タイ国鉄（バンコク→パダンブサール　2等寝台下段）990THB
・宿泊代　　バンコク：OYO 140 The Krungkasem Srikrung Hotel 1,057.41THB（1泊朝食）、ジョージタウン：Cheong Fatt Tze 539.56MYR

【為替レート（参考）】
・1THB(タイバーツ）＝3.62円（1/8両替店現金レート）
・1MYR（マレーシアリンギット）＝26.9円（1/11キャッシング決済レート）

エリア ペナン島(マレーシア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 5万円 - 10万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー
• 旅行の手配内容: 個別手配

vol.1　https://4travel.jp/travelogue/11595260　からのつづき。

バンコクから乗ってきた列車は大幅に遅れ、12時5分にパダンブサール駅に到着。慌ただしく出入国手続き、切符を買い12時25分発のバタワース行きの列車に乗り込みます。

パダンブサールからバタワースの運賃は11.4MYR（約310円）。マレーシア通貨の手持ちがなく、タイバーツで支払い110THB（約390円）。レートが悪く２割以上高くなりますが、160kmぐらいの距離で400円にも満たない運賃なので気になりません。

タイ国鉄に漂っていた日本の昭和の雰囲気から一変、近郊型の新しい電車です。

車内での禁止事項が多く、注意が必要です。飲食もできません。

近代的な複線電化路線を120km程度の速度で快走。普通列車ですが、駅間が長く、日本の在来線特急列車並の速さです。

広大な水田の中を進みます。

大きな川を渡ると間もなく終点のバタワースです。

パダンプサール駅から1時間51分、定刻どおりバタワース駅に到着。

バタワースの駅舎。駅のすぐ近くにバスターミナルがある大きなショッピングセンターがあります。ペナン島行きのフェリー乗り場はショッピングセンターの中を通り、駅から7～8分で行くことができます。

バタワース駅 駅

ショッピングセンター内で遅めのランチ。マレーシアのファストフードチェーン、Marrybrownに入ります。

マレーシアのローカルフード、ナシ・ルマッをアレンジしたコンボ（12.6MYR）をいただきます。フライドチキンがとても美味しかったです。

ショッピングセンターから見るペナン島とフェリー乗り場。

ペナン島行きフェリー乗り場へ。日中は20分間隔で運行されています。運賃は1.2MYR。

車を乗せたあとに、徒歩乗客が乗り込みます。

バタワースを出港。

前方にはペナン島ジョージタウンが見えます。

マレー半島とペナン島の間には2本の橋が架けられています。

出港から20分、ペナン島ジョージタウンに到着します。

港からホテルまではタクシーで移動。旧市街地内は15MYRの定額のよう。

チョン・ファッ・ツィ邸（ブルーマンション）に到着。ここが本日の宿です。

チョン ファッ ツィー ザ ブルー マンション ホテル

ブルーマンションは19世紀の終わりに、客家の大富豪、チョン・ファッ・ツィの邸宅として建てられました。

チョン・ファッ・ツィの死後は廃墟となっていましたが、1990年以降復元工事が進められました。外壁はインディゴから抽出した染料が使われています。

建物の外観を見るだけで時間が過ぎました。

気を取り直して中に入ります。

豪華な椅子。展示物ではなく、実際に座ることができます。

チェックイン手続きを済ませ、部屋に案内されます。

今回泊った部屋の名前は”Chang Yu"。当時の面影を残したリノベーションがなされており、洒落た雰囲気。シャワールームもきれいです。

ウエルカムスイーツが部屋に届けられました。マレーシアの伝統的な蒸し菓子、クエ。ほどよい甘さ。

ジョージタウンの旧市街地を散策します。

セント・ジョージ教会。1818年に建てられ、東南アジアでは最古のイングランド国教会とのこと。ペナン島は東インド会社の拠点でした。

セント ジョージ教会 寺院・教会

コタ・ラマ公園は地元の人々で賑わっています。公園からは海が見えます。

コーンウォリス要塞（1786年建造）。入場料（20MYR）を払って中に入りましたが、外から城壁を眺めた方が要塞の歴史を感じることができるのでは。

コーン ウォリス要塞 建造物

ビクトリア・メモリアル時計塔（1897年建造）。

コロニアル様式の建物が残るパンダイ通り。

リトル・インディア（インド人街）を通り抜けます。

チャイナタウン（華人街）に入りました。エリアによって建築様式が異なるのが面白い。

屋台が出ています。

チャイナタウンらしいストリートアート。

道路の真ん中には線路の跡があります。

靴デザイナー、ジミー・チューが靴づくりの見習いを始めた場所を説明するワイヤーアート。ジョージタウンの随所にワイヤーアートがあり、作品を通じてペナンの歴史や文化を知ることができます。

夕食はホテル（ブルーマンション）となりのフードコート「レッドガーデン」で。ビールは18MYRと高め。

レッドガーデン (紅園) 地元の料理

「ペナン風の焼きそば」を注文。暑いのでビールが進みます。

ホテルに戻ります。建物はライトアップされています。

チョン ファッ ツィー ザ ブルー マンション ホテル

ホテルのバーで飲み直します。

バーは女子受けしそうなインテリアです。

ほろ酔い加減で就寝。幽霊には出会えず。

旅4日目の朝。

朝食は中庭のテラス席で。

ビュッフェ形式でいただける点心など。

メインは数種類の中から一つをオーダーします。点心だけで十分ですが、洋食も美味しく完食しました。朝食は宿泊費に含まれています。

リトアニア出身のアーティスト、アーネスト・ザカレビッチの壁画を歩いて巡ります。ザカレビッチは2012年に開催されたジョージタウンフェスティバルで旧市街地に壁画を描くプロジェクトを展開しました。

”Trishaw Man"　客待ちするトライショー（輪タク）の運転手。ビルの側面に描かれた大きな壁画です。

”Kungfu Girl" 青い服を着た女の子。これも大きな作品。

”Boy On Chair" イスに乗って手をのばす男の子。イスが壊れていました。

ストリートアート 文化・芸術・歴史

”Old Motorcycle”　バイクに乗る少年。バイクのシートに腰掛けて写真を撮れるようになっています。

”Kids On Bicycle" 自転車に乗る子供たち。有名な作品で、多くの観光客が訪れています。

ザカレビッチ作品以外のストリートアートも数多くあります。

線香を持つ女性。

招き猫に囲まれた猫。

窓から手をのばす子供達。

ブランコに乗っているきょうだい。

作品を見ながらとても楽しい街歩きができました。歩きでも1～２時間で有名な作品をほぼ全部見ることができます。写真のようにトライショー（輪タク）で回る人も多くいました。

ランドマークになっている高層ビル、コムタ。

コムタにはショッピングモールがありますが、少々寂しい雰囲気。屋上には展望施設があります。かなり高めの入場料だったのでパスしました。

ホテルに向います。

ホテルの建物、チョン・ファッ・ツィ邸（ブルーマンション）は世界遺産に登録されています。１日３回開催される、英語でのガイドツアーに参加します。宿泊客は無料です。所要時間は約１時間。

チョン ファッ ツィー ザ ブルー マンション ホテル

館の主、チョン・ファッ・ツィと家族、主の建物へのこだわり、風水に基づいた緻密な設計などについて、ガイドさんから詳しく説明がありました。

ツアーが終わり、ブルーマンション近くの「チョコレート・ミュージアム」で土産を買いました。すべての商品を試食することができます。値段は高め。

ザ チョコレート ブティック (レイス通り店) 専門店

チャイナタウンにある「漢記小食店」で遅めのランチ。魚入りの麺をいただきます。アイスティーを含めて18MYR。あっさりした豚骨ベースのスープが美味い。具材は肉系と魚介系から選択、太さの異なる３種類の麺に粥を選ぶことができます。

ペナン最古の寺、観音寺を拝観。

観音寺 寺院・教会

同姓一族の桟橋へ。陳さん一族の桟橋にお邪魔します。

タン ジェッティー (陳一族の橋) 建造物

隣の周一族の桟橋が見えます。桟橋に沿って水上に家が建っています。

桟橋の先端は細くなっていて、人とすれ違う時には勇気がいります。

林一族の桟橋近くの食堂でチャ―・クェ・ティオをいただきます。えびや貝などが入り、アヒルの卵で仕上げた焼きそば。これは「やばい」美味さ。ビールがあれば・・・

無料バス（CAT）に乗ってホテルに戻ります。

預けていた荷物を受け取り、タクシーを呼んでもらいます。18時過ぎにチョン・ファッ・ツィ邸を後にします。

渋滞を恐れていましたが、タクシーは順調に空港へ向かっています。

30分ほどでペナン国際空港に到着。タクシー代は60MYR。メーター上の料金は46MYRでしたが、迎車代と空港乗り入れ代として14MYR上乗せされた額になりました。詳細なレシートをくれましたので正規の料金だと思います。

ペナン国際空港 (PEN) 空港

21時15分発のシルクエア353便でシンガポールへ向かいます。飛行時間は１時間少々ですが、機内食が出ました。小腹が空いていたのでありがたい。

シンガポール・チャンギ国際空港に到着。乗り継ぎ時間が３時間近くあり、免税店などを見て回ります。

チキンライス（約400円）を食べます。物価高のシンガポールですが、空港内の飲食店の価格は良心的です。

1時30分発のシンガポール航空618便、関西空港行きに乗り込みます。

水平飛行となるとすぐに、飲み物とスナックが配られました。シンガポールスリングを飲み、ほろよい気分。いつの間にか寝てました。

３時間ばかり眠ったのか、朝食で起こされます。気流の関係で揺れていて、コーヒーなどの温かい飲み物の提供は不可となっていました。

定刻より約30分早く、８時10分に関西空港に到着しました。
実質３日間と短く、移動時間が長い旅となりましたが、乗り物好きとしてはいい旅でした。最後までご覧くださりありがとうございました。（おわり）

この旅行記へのコメント （7）

• mom Kさん 2022/11/13 21:25:26

  旅情あふれる貴日記

  こんばんは、Islanndarさん。シンガポールエアでシンガポールスリング。ここで私の脳内旅も完璧な仕上がりになりました。
  
  暑い暑いこの道程。なぜだろう、この清々しさはと、もう一度戻って拝見。1枚ごとのお写真は、随分選ばれているようで、間のお食事ショットで私も、という感じ。遠景、近景、なんてことない風景も映画のようでした。お写真の並びが素敵なんだろうか。
  
  フエリーから眺める彼女たちの向こうに見えるペナン島、ペナン空港へのタクシーからの到着時、ジョージタウンの道路線路跡（私気づかなかった！）、ブルーマンションバーカウンターのこれはミントだから、なんだろう。・・・
  
  などなど、楽しい夢見る時間をありがとうございます。

  Islanderさん からの返信 2022/11/13 22:29:09

  Re: 旅情あふれる貴日記

  メッセージありがとうございます。
  小生の旅行記の写真が「映画のよう」とのコメント、大変嬉しく、励みになります。旅で感じた空気を旅行記に残したいとの思いでつくっておりますが、表現力はまだまだです。
  この旅以降はコロナの影響で海外に出かけていません。しばらくは国内を慌ただしく巡る状況が続きそうです。

• まいさん 2020/02/22 23:40:45

  美しい！

  Islanderさん
  
  こんばんは。
  ストリートアートですが、どの作品も品があって美しいですね。
  特に招き猫に囲まれた猫ちゃんに萌えました！
  
  
  まい

  Islanderさん からの返信 2020/02/23 16:48:57

  RE: 美しい！

  まいさん
  
  投票とコメントありがとうございます！！
  
  ペナンのストリートアートは街に溶け込んでいる作品が多いですね。最初に手掛けた作家のアーネスト・ザカレビッチの独特な作風がペナンの街にあっていて、それが引き継がれているのがいいのかも知れません。
  猫をモチーフにした作品も紹介したものの他にもいくつかありました。ペナン島はメジャーな観光地でありますが、ジョージタウンは街歩きにはとてもいいところです。
  
  まいさんのカザフスタンの旅行記、とても興味深く拝見しております。アスタナがいつものまにかヌルスルタンに変わっていること、街中にアート作品が展開されていることには驚きました。最近は強権的な政治が続き、その反動で犯罪が増えているとの情報を聞いたことがありますが、旅行記を見る限りでは平和そうですね。是非行ってみたいと思います。
  
  
  まいさんもいい旅続けてください！！旅行記楽しみにしています。
  
  Islander

  まいさん からの返信 2020/02/24 15:56:08

  RE: RE: 美しい！

  Islanderさん
  
  お返事ありがとうございます！
  カザフスタンはたまたまでしょうが、ホント何も問題なく楽しく過ごせました。
  街歩きも最高なので、超おススメです。
  ちなみに、COVID-19の影響でどうなるか分かりませんが、あたしもことし5月にウズベキスタン行く予定です。
  ウズベキスタン訪問にあたり、何かあった際は相談させてください！
  
  Islanderさんも、この先も引き続きステキ旅を。
  旅行記楽しみにしています！
  
  
  
  まい

  Islanderさん からの返信 2020/02/24 23:34:24

  ウズベキスタンいいですね

  まいさん
  
  ウズベキスタンに行くのですね。とてもいいところですよ。
  一昨年行ったのと、現地の友達を通じて情報収集が可能なので、分らないことあったら聞いてください。
  
  Islander
  

  まいさん からの返信 2020/02/25 05:16:28

  ありがとうございます！

  Islanderさん
  
  ありがとうございます！
  その際はどうぞよろしくお願いします。
  
  
  
  まい