柏山稲荷神社（藤沢市城南3）

2020/01/30 - 2020/01/30

　藤沢市城南3に鎮座する柏山稲荷神社は保元3年（1158年）に平家方武将であった大庭三郎景親が創建した。大庭城を守るため引地川を堰き止める水門を作ったが、この水門の護り神として勧請した大庭城を守る水門の護り神とされる。また、将監淵（しょうげんぶち）には水門があったとされ、堰守であった吉田将監の屋敷跡もあったとされる。祭神は宇迦之魂命（うかのみたまのみこと）である。
　大庭三郎景親は治承4年（1180年）に源頼朝が挙兵すると、石橋山の戦いで頼朝軍を破った。しかし、富士川の戦いに敗れると降伏し、片瀬浜で処刑されている。なお、兄の大庭景義は若くして源義朝に忠誠を誓い、保元の乱（保元元年（1156年））においては義朝に従軍して出陣し、敵方の源為朝の矢に当たり負傷した。頼朝が挙兵すると、弟の景親と袂を分かち頼朝の麾下に参加した。
　一方、吉田将監は時代が下がった戦国時代の武将で、大庭城城主の上杉朝長の重臣である。ここは元々は大庭城のからめ手であり、堰を設けて有事の際には水浸しにした。その任を担い、この地に屋敷（将監屋敷）を構えていた。しかし、将監はここを守れ切れずに永正9年（1512年）に北条早雲に攻められて大庭城は落城した（https://traveler/travelogue/11594857）。
　社殿が建つ島を囲んで馬蹄形の池が取り囲んでおり、地図には柏山神社とあったので弁財天社だろうと思っていたが、柏山橋脇に建つ社号標石には「柏山稲荷神社」とあるので、稲荷神社であることを知った。しかし、この立地であるから、境内者には厳島千人力弁天社がある。この弁天社は大庭景親が厳島神社を勧請し、竜神大神のお告げにより女性1000人で社殿を建立したという。平家方であったことを物語る話である。
　この一帯は柏山公園になっている。
　それにしてもWebで多くの紹介がある神社が立入禁止になっているとは…。
（表紙写真は柏山稲荷神社社殿）

エリア 藤沢・江ノ島(神奈川)

柏山公園の遊具。

「柏山稲荷神社」社号標石。

「参拝者並びに崇敬者の皆様へ」。

馬蹄形の池。

馬蹄形の池。

池に架かる赤橋。

柏山稲荷神社拝殿。

柏山稲荷神社社殿。本殿は壁板が外れている？

馬蹄形の池。

馬蹄形の池。本殿の裏は橋が架かっているような。

柏山稲荷神社社殿と池。