2019/12/28 - 2020/01/03
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ミズ旅撮る人さん
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2019年の年末に徳島県三好市の奥祖谷(いや)と呼ばれる地域を訪れました。
高知から大歩危(おおぼけ)経由で、「かずら橋」の先にある奥祖谷へ。
祖谷川に沿ったぐねぐねとした国道を走っていると、両側に迫りくる斜面の上方に
古い家々が散見されます。
その中でも有名なのが落合集落です。
高低差390mに渡って点在する集落がまとまって見えるのです。
川を挟んで反対側の集落に展望台があり、そこからの眺めはすごいとしか
言いようがありません。
ちょうど冬枯れで、民家の周りが茶色く見えて、集落の全体がはっきりわかります。
いい時期でした。
そこから更に東に行くと、集落はますます少なくなり、寂しくなって来た頃に
突然「祖谷かかし村」の看板が現れます。
限界集落である名頃(なごろ)のあちこちに等身大の人形が置かれています。
2014年に訪れたドイツ人の学生によって世界に紹介されて一躍有名になりました。
私はたまたま2009年にこの集落を通りかかり、
既にたくさんあったかかしに驚いて立ち寄りました。
あれから10年が経ち、かかしたちも随分様変わりしたようです。
その対比も取り入れながら紹介します。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
小雨の降る高知を出発し、国道32号線を北上します。
JR土讃線大田口駅付近で山の上に寺を見つけました。
豊楽寺と思われます。ここには国宝の薬師堂があります。
それにしても何と言う高さでしょう。
これからの奥祖谷の眺めは、こんな風景がずっと続くのです。 -
山の上に西祖谷山村有瀬の集落が見えます。
地図で見ると複雑な九十九折れの細かい道が線描画のようになっていて、
すごい場所であることがよくわかります。
折しも小雨模様のため、山からは霧が立ち上り「天空の」という形容詞がピッタリの眺めです。 -
JR土讃線大歩危(おおぼけ)駅の上を渡って県道45号線に入ります。
大歩危駅は「かずら橋」の玄関口なので、比較的大きめの駅です。大歩危駅 駅
-
「フォレスト・アドベンチャー祖谷」に向かう「祖谷ロマン橋」です。
全国に展開するアウトドアグループのようですが、HPのお知らせが2018年12月で途切れてしまっているので、
閉鎖してしまったのかもしれません。
橋の中程に、「祖谷の小便小僧」のレプリカがくっついています。フォレストアドベンチャー祖谷 テーマパーク
-
ちょっと見づらい地図ですが、落合集落近辺を表しています。
真ん中の「現在地」は無視してください。
その文字の左下に「落合集落展望所」という文字が見えます。
落合集落の向かいの集落の最上部に設けられた展望所があります。
大歩危方面からだと、東祖谷小中学校が目印になります。
学校を目指して橋を渡り、学校の手前を左に折れて、
ずっと上って行けば着きます。 -
これが東祖谷小中学校です。校舎が段々になっているのが目を引きます。
プールはなんと河原に設けられているので、
県道から見ると正に川底です。 -
「落合集落展望所」です。
車数台が止まれる駐車場と公衆トイレが設置されています。
展望所は階段を下ったところにあります。
ここの方が、電線などの障害物がなくて、すっきりよく見られるのです。 -
「落合集落」は、徳島県三好市東祖谷落合になります。
2006(平成18)年に、三好郡三野町・池田町・山城町・井川町・
西祖谷山村と東祖谷山村が合併して、三好市が誕生しました。
落合集落は祖谷川と落合川の合流地点で、
山裾から山頂近くまでの斜面に展開しており、
集落内の高低差は390mにも及びます。
これら集落の全体を一望できるのが展望所です。 -
あんなところまで、どうやったら行けるんだろうと思うような上部から、家の横を祖谷川が流れる下部まで、途方もない高低差です。
-
江戸時代中期から昭和初期にかけて建てられた古民家が散在していて、
それらの家を結ぶ里道(りどう)と呼ばれる細道が巡らされています。
高低差があるので、すぐ裏手の家に行くのに、まず横にず~っと行って、
くるっと周って一段上の道をまたず~っと戻って来るという場所が
殆どです。 -
落合集落は、南北朝時代には祖谷(いや)の武士たちが南朝側に付き、
北朝足利方の阿波守護である細川氏と戦ったという記録が
残されています。
これらの武士の名は、今も東祖谷の集落名として残されています。
(三木、菅生、西山、落合、徳善など)
2005年には、約32haの集落全体が重要伝統的建造物群保存地区
(重伝建地区)に選定されました。 -
家屋を支えている石垣は、祖谷で採れる緑色片岩が使われています。
この石は平たく割れる変成岩で、やや青みがかっているので
青石とも呼ばれています。
主に徳島県や和歌山県で産出され、徳島城や和歌山城の石垣にも
用いられています。 -
家の前には、収穫した稲や蕎麦を干す「ハデ」が組まれています。
-
各家々には、敷地の一角に墓所があります。
近年まで土葬が行われていたようです。 -
落合集落のほぼ中腹に、こんもり茂る鎮守の森。
今はその森が濃い霧に囲まれています。
この中に三所神社が祀られています。
集落の中には、薬師堂などのお堂や祠があちらこちらに点在しています。 -
イチオシ
雨は上がったのですが、濃い霧が立ち込めて来ました。
落合集落を飲み込んで行きます。
こういう眺めも大層素晴らしいです。 -
みるみるうちに真っ白になってしまいました。
この霧の流れがおもしろくて、動画も撮ってしまいました。
晴天ばかりがいいとは限りませんね。 -
落合集落の最上部に行くには、
一旦集落の東の外れまで平行移動して森の中に入り、
そこから木々の中のかなり急な坂道を上がって行かなくてはなりません。
高低差が大きいため、上に行くためには大きく左右に平行移動して、
スイッチバックのようにしないと上がれないのです。
道は少ないのに地形が複雑なため、
目的地までのコースが複雑になっています。
この集落の中に、「桃源郷祖谷の山里」というプロジェクトによる
古民家民宿があります。
8軒の茅葺屋根の古民家をそれぞれ一棟借りするのです。
古民家には誰もいません。
別の集落でチェックインを済ませたら、自力で辿り着きます。
素泊まりが基本で、IHキッチンなどの自炊設備完備です。
屋内は完璧にリフォームされていて、閑静なリゾートホテルのようです。
このプロジェクトを始めたのがなんと
アメリカ人のアレックス・カー氏です。
HPを見て、感動しました。
よくぞこれだけ素晴らしい宿を作ってくれたものです。 -
展望所から降りて、落合集落に入って行きます。
集落の中の道路は横方向にしかありません。
とにかく振り子のように、左右に大きく移動して
高度を稼ぐしかないのです。
もちろん、人間は階段を上れますから、縦方向の歩道はあります。落合集落 名所・史跡
-
上がって来るにつれて、見える景色が変わって行きます。
こんな風に雲がかかっていると、仙人になった気分になれますね。
落合集落の人達は、日常的にこんな風景を見ているんですね。 -
雲の中からの風景です。
あちらから見ると、こちらも雲の中に見えるんでしょうね。
こうした気候がお茶栽培に適しているそうで、各家で栽培されています。
ほぼ自家用の番茶になり、外には出回らないそうです。 -
右下が落合側で、その横に祖谷川が流れています。
お向かいは東祖谷中上の集落です。
落合集落の真ん前にちょうど集落全体が綺麗に見える場所が、
よくぞあってくれたものです。 -
この中上集落の九十九折れを上って行った一番上に展望所があります。
-
右側の大きな屋根の家のすぐ後ろの焦げ茶色の建物が公衆トイレで、
その左側の金網フェンスがある場所が駐車場。
そこから左に階段が伸びていて、その先に屋根付きの展望所が見えます。 -
一段落合集落です。下の家は、地面よりも低い所に屋根があります。
日照権問題はここにはないでしょうね。
そう、こうした集落は通常南に開けた場所に造られます。
なので、落合集落は理にかなっているのですが、
ではお向かいはと言えば北向きになります。
だからこうした集落が向かい合うということは
余程山の上の方で、互いによく日が当たる場合しかありません。
本当に、中上の集落は貴重な存在です。 -
落合集落で栽培できるものは、限られています。
農地が狭いだけでなく、水はけが良いため
養分まで流れ落ちてしまいます。
そこで作られたのが「ごうし(ゅ)芋」です。
小粒ですが煮崩れしにくく、主食に近い存在でした
1997(平成9)年からは、東祖谷山村、西祖谷山村、一宇村で
商品化、赤と白の芋があるため「源平いも」の名で販売されています。
「祖谷蕎麦」も有名です。
また、「岩豆腐」と呼ばれる固い豆腐も作られました。
運搬の際に型崩れしないように、固い生地になっているそうです。
これらを一本の竹串に差して囲炉裏で焼く「でこまわし」が
伝統的な料理です。 -
展望所に貼られていた落合集落の地図です。
青いのが車道で、細い赤い線が里道と呼ばれる歩道です。
単純な道に見えるのですが、狭くて、いちいち家々のある区域から外れた先まで行かないと一段上の道には上がれないので、
自分がどの辺にいるのかわからなくなります。
集落の中では写真を撮るのが難しくて、
勢い対岸の集落を撮ることになります。 -
さて、展望所には6人の先人がいました。
等身大の人形たちです。
知らない人が見たら、ぎょっとするのかも知れませんが、
私は彼らを知っていました。
これから行く名頃(なごろ)村のかかし達です。
こんなところにまで出張(でば)って来ていたのね。
名頃は、落合集落から更に東に行った所にあります。 -
徳島県三好市東祖谷菅生に来ました。名頃はもうすぐそこです。
川沿いの道端に「祖谷かかし村」と刻まれた丸太が見えると、
左側には早速かかしがお出迎えです。 -
名頃(なごろ)の中心にある製材所です。
かかしの従業員たちが休憩しています。
名頃では、2009年に市と観光協会と住民の総勢15人で
「かかしプロジェクト」を立ち上げ、
名頃地区の山里を「天空の村・かかしの里」と命名しました。
本来は等身大の人形なのですが、「かかし」と呼ばれています。
それは、最初の人形が、カラス除けのために作られたからです。 -
お向かいのお宅の前には、井戸端会議の面々。
-
今、家から出て来たようなかかし。そこにいて、邪魔じゃないのかな?
-
こちらでは、おばあちゃんの車いすを押してあげています。
本当におばあちゃんに語りかけているみたい。
こういう様子が、かつては見られたんでしょうね。 -
縁側のような場所で、語り合う老夫婦。
-
おや、若者もいました。スケボーやるの?
-
「名頃下 乗降場」なんとここは現在でもバス停でした。
朝昼晩に2便ずつ東祖谷市営バスが来ます。 -
野良着を着たおばちゃんたち。
初めはかかしとして作ったにしても、これはもう動かない村人ですね。 -
隠れん坊をしている子供たちが元気だね!
-
工事現場のおじさんたち。
これらの椅子は、昔からかつての住民たちが使っていたのかな?
人形のために置いたのではなさそう。
本当にかつての生活そのものが再現されているんですね。 -
雨の中、農作業、ご苦労様です。
-
川べりの切り株に座る、このお二人が人間ではないなんて、
とても思えません。
名頃のかかしの第一号は、作者のお父さんがモデルなんだそうです。
カラス除けに畑に置いたところ、近所の方がかかしに
声を掛けているのを見て、どんどん数を増やしていったのだとか。
こんなに良く出来ているのですから、人間と間違うのは当たり前ですね。 -
ご夫婦のすぐ目の前には「鬼っ子」がいます。
この分だと「座敷童」もいそう。 -
お父さんと仲良しの女の子。
この子が通っていたかもしれない名頃小学校は
2012年に廃校となりました。
跡地は現在「かかしの学校」となっています。 -
2013年10月に、第1回「天空の郷・かかし祭り」が
開催されました。
以来、毎年10月の第一日曜日に「かかし祭り」を開催しています。
2017年は600人が来場したそうです。
狭い集落に600人も来たら大変でしたね。 -
でも、かつての名頃小学校の校庭を駐車場にしていたので、
混乱はなかったのかな?
国道439号は狭いので、校庭へと渡る橋が直接車では曲がれません。
図のように、一旦集会所の敷地に入ってぐるっと回って渡ります。
誘導が大変だったでしょうね。 -
集会所の手前は「かかし工房」になっています。
-
右端の赤い服のかかしが札を首から下げています。
「名頃かかしの里 住民は30人ですが、
かかし200体で皆様のお越しをお待ちしています。」
2018年3月現在では、人口は29人、かかしは200体だそうです。 -
かかし工房の右側に回り込むと、さすが集会所、かかし村民がいっぱい。
ここでは、毎月第4水曜日13~16時に「かかし作り講習会」が
開かれています(要予約)。3,000円。
12~3月は冬季休業中だそうです。 -
左のかかしの頭の上に「ご自由にお入りください」と
張り紙がしてあるので、入ってみます。 -
イチオシ
「開けてびっくり玉手箱」と言えば、ピッタリ来るかな?
まさかこんな華やかな情景が見られるとは思ってもみませんでした。 -
左から順に見て行きます。
JAバンクのちょきんぎょ手拭いを掛けているおばさんの
笑顔のなんと優しいこと!
きっとこんな人がいたんでしょうね。会いたかったなあ。
かかしのモデルは、活気があった時代の名頃の住人たちだそうです。
膝の上に抱えているのは裁縫箱かな?可愛らしい箱です。 -
玄関口には「鬼っ子」たち。
頭陀(ずだ)袋を羽織っているのに、なんか格好いいね。 -
寝ているかかしにびっくりです。かかしって寝るんだ・・・
-
ところが、覗き込んで見ると、ちゃっかり起きてます。
名頃のかかしは、かつての生活そのものの抜け殻です。 -
綺麗なフランス人形とは本質的に違うので、
とびっきりの美人さんはいません。
どこにでもいる普通の住民たちです。 -
お正月なのかな?女の子たちの晴れ着姿、楽しそう。
吊るし飾りが、一層華やかにしています。これを作るのも大変だろうな。 -
孫を慈しむおばあちゃん。嬉しいなあ。
-
昔誰かが着ていた着物なのね。今と違ってはっきりとした絵柄。
これを着ていた時は、みんなに自慢して見せびらかしたんだろうな。
ここのかかしたちは、かつての日常を伝えてくれます。 -
この子は、羽根つきが得意だったかも。
羽子板に当たる羽根のカンという音。
色の付いた羽根がくるくる回りながら相手に向かって飛んで行く様。
色鮮やかで、穏やかで賑やかだけど、静かなお正月。
お正月って、何故か幸せだったね。
新しい年になったというだけなのに、
みんなニコニコしていて、穏やかで幸せだった。
昭和が終わり、平成・令和となったけど、
大事なものを見失ってしまった気がする。 -
御隠居様。年始の御挨拶に見えたんですね。
昔は三世代の間が近かったなあ。 -
目がパッチリした女の子。手毬で遊んでいるの?
お手玉なら一緒に遊べるよ。やらない? -
国際結婚なのかな?ドレッドヘアの着物姿は意外。
結婚?あれ?そういえば、さっき
花束を持っていた女の子がいたような・・・
彼女の後ろには、和服の男の子。ひょっとして結婚式だったのかな?
新郎新婦が隣り合って座っていないから、よくわからないけど。
ひな祭りかなと思ってたくらいで・・
「かかしの結婚式」は、かかし制作者の綾野さんのお宅で
見られる筈なんだけど。 -
華やかな着物の一群の手前では、かかしの寄り合いが開かれています。
おやおや、煙草を吸っているかかしまでいます。
昔は、公共の場であろうとどこでも煙草を吸う人がいました。 -
お茶とみかんが欲しくなるような場面ですね。
かかしの作り方は、まず表情豊かな顔を先に作ります。
新聞紙2枚を重ねて細く丸めて棒を作ります。これが肉付けになります。
ワイヤーをねじって腕の芯とし、先程の新聞紙を巻き付けて腕が完成。
先端には軍手で手を付けます。
胴体は新聞紙の棒を40本束ね、足は15本で作ります。
要らなくなった洋服やブラウス、スニーカーや長靴などを着せて
完成です。
制作は1体2日間程度で、洋服などは全国から送られてくるので
不自由していないのだそうです。 -
手巾の下の顔はどんなだろうかと思わせる女性。
きっと見えない方がいいんだろうけどね。
表情豊かなかかしは、見る角度を工夫するととても魅惑的になります。 -
この人とお話がしたいなあ。一緒に編み物なんかしながら。
-
このおばあ様に憧れます。名主の大奥様のような毅然とした風格。
いいなあ。 -
男性陣のかかしもなかなか人材豊か。
害の無さそうな顔と言えばいいのかな? -
ちょっとシャレたおじ様もいます。
紫のワイシャツに金色のネクタイかあ。
腕を組んだポーズも決まってるね。 -
観光用PRの依頼を受けて、JR「阿波池田駅」(三好市)の駅長さんそっくりのかかしも作ったそうです。
こんな感じなのかな? -
近所の仲良しさんなんですね。幼馴染みって多かったんだろうな。
-
名頃の民宿に半月程宿泊して、自分そっくりのかかしを作った
アメリカ人の大学の先生もいたそうです。
その作品がこちら。首から名前札を下げているのがそれです。
「JOE」「LUKE」「DON」 -
中が楽しそうだから、外から覗いている人がいるよ。
-
外に出ました。自転車に乗ったかかし。
屋外のかかしは作業中の姿が多く、
室内のかかしとは違ったおもしろさがあります。 -
今回の表紙です。冬枯れで周りが明るい色の枯れ草で、いい感じです。
集落の中心の国道沿いにあるので「徐行」をお願いしますと
訴えています。
大丈夫、君たちの姿を見たら、殆どの車が徐行するか止まるよ。
10年前の私もそうだったから。 -
2009年のGWにたまたまここを通りかかって、
思わず車を停めたものです。
その時「徐行」の標識は、このかかしが持っていました。 -
「かかしのバス停」はこうでした。
-
2019年12月は、こうなっています。
同じかかしは一人もいないんですね。
屋外に設置するかかしは2年くらいしか持たないそうです。
だからずっと作り続けていても、常に200体くらいになるのでしょう。
右端のトーテムポールのお腹の顔をめくると
中にパンフレットが入っています。 -
「かかしのバス停」の横には、カフェ?も出来ています。
そもそも「かかしの里」が有名になったきっかけは、
2014年に広島市立大学の学生が、かかしを見に来たことでした。
その学生の中に、ドイツから交換留学で来ていた
写真家のフリッツ・シューマンさんがいて、
『The Valley of Dolls(人形の谷)』(6分30秒)という
ドキュメンタリー映像を製作し、
それがインターネット上で公開されて一躍有名になりました。
10年の間にそんなことになっているとは露知らず、
今回の再訪となりました。 -
しばらく2009年当時のまだ有名になる前の様子を紹介します。
畑の中に4人いますが、右側二人は人間・・じゃないかな? -
働き者のかかしたち。
-
右奥の赤い上着の女性なんか、手袋が青いゴム手袋でなかったら
人間かと思います。 -
正面から見ると、こうです。
周囲には畑仕事をする人がいっぱいです。 -
「上の庭にもかかしがいます。ご自由にご覧くださいませ。案山子の母」
この文字に呼ばれて、畑の脇の小道を綾野さん宅へ上がって行きました。 -
お宅の縁側にもかかしが並んでいました。
-
2019年末の同じ場所です。随分かかしが増えました。
それだけでなく、かかしの様子がぐっと明るくなりました。
訪れる人が多くなって、雰囲気が明るくなったということでしょうか。 -
2009年に初めてここを訪れた時、たまたまおばあさんに
招じ入れられ、少しお話を伺いました。
その時のお話では、人が少なくなって寂しいから
かかしを置いているということでした。
そんなにも寂しいんだ。
人形(ひとがた)を置かなければならない程に。
壮絶な寂寞感に襲われて、声もありませんでした。
今、その人形は本物の人間を連れて来ました。
住民にはならないけれど、通過して行くだけの人が、
立ち止まって話をする人になりました。寂しさは薄れましたか? -
その時、室内に置かれていたのが、このかかしです。
かかしの表情も良かったですが、背後の生け花がお見事でした。
この時、すごいものを見せていただいたお礼に、
高知の日曜市で山ほど買って来た文旦を差し上げれば良かったなと、
車で出発してから思ったものでした。
今回、もしお会い出来たら今度こそと思っていたのですが、
叶いませんでした。
3度目があるかなあ。 -
2019年です。畑は使うからか、かかしは端っこにいますね。
これらのかかしには「かかし基本台帳」があります。
かかしの名前や年齢、身長、体重、性格などが記入されています。
基本台帳は旧名頃小学校にあり、「かかし祭り」の時に見ることができるそうです。 -
女性はゲートボールをするのかな。おじさん、サングラスが格好いいよ!
-
2003年から作り始めたかかし。進化しています。
アニメのキャラクターのような紫色の髪の毛。
そういうおばあさんも見掛けるけど、これは若い女の子よね。 -
あはは、おばちゃんも進化してるね。
お化粧もバッチリだし、髪の毛だってメッシュ入ってます。 -
おばあちゃん、起きて。いや、もう少しだけ寝かしとこ。
-
こちらのおじいちゃんはフィーバーだぜい!台湾のTシャツなんだね。
やっぱりかかしたちは明るくなりましたね。
もう寂しさは感じられません。 -
良かったね、おばあちゃん!
-
くっくっく・・・、おばあちゃん、ちょっと変よその格好。
楽しい住民たちに幸いあれ! -
屋外で野ざらしだったかかしは2年ほどで寿命を迎えます。
役目を終えたかかしは、組み立てる前の状態に戻して、
木の棒やワイヤーなど、使えるものは再利用します。
お疲れさまでした。 -
SNSで騒がれるようになった際に、失礼千万にも「心霊スポット」などと言った輩(やから)がいたようですが、
面白半分に適当なことを言うもんじゃない!
徳島県と高知県の境にある山深い集落です。
なかなか住民が増えるというのは難しいかもしれませんが、
今の賑わいが少しでも長く続きますように。
また機会があるようでしたら、文旦持って行きますね。
ありがとうございました。
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2019年末年始 四国周遊
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