2016/10/03 - 2016/10/03
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わになのかさん
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「ほら、見て。」
ケビンが自分のスマホを操作して見せてくれたのは、彼の妻と、まだ小さい息子がスライダーに乗っている写真だった。スライダーというのか、ボブスレーというのか、断面が半円の滑り台の中を、ブレーキのついた乗り物で滑っている。それをカーブのところで前側から撮ったものだった。
彼の息子は母親の膝の間にすっぽりおさまっている。二人とも笑顔だった。
「休暇で行ったドイツのウィンターベルクでさ、こんなのがあったんだよ。これがなかなかおもしろくてさ。」ケビンは嬉しそうに話した。
彼が一週間の休暇をとってウィンターベルクに行っていたのは知っていた。行く前に話を聞いたからだ。どうやら国立公園みたいだが、低い山と森しかなさそうだった。今は秋だからスキーもできまいと思って、一週間も休暇とって何をするのかと聞いたのを覚えている。そのとき、ケビンはきょとんとして言ったものだ。
「え?いや、ロッジを借りてゆっくりするっていうか……BBQしたり、その…ワインを飲んだり、散歩したり?特別なことはないけど。」と。
ちくしょー。ついこの間、彼は、いや彼に限らず同僚たちは夏のバカンスをとったばかりのはず。次は秋休みのシーズンということ。ヨーロッパ文化の優雅さと言ったら。
いやいや、話を戻そう。スライダーだ。
写真を見て驚いたのは小さい子でも乗れるということ。そういうアクティビティーがあるのは知っていたが、子供と楽しめるものとは思ってなかったのだ。正直に言うと、すごくやってみたかった。しかし、子供を置いて自分だけ滑り台で遊んでるわけにもいかないだろう、と思っていたのだが。。これは良いことを知った。僕はケビンに礼を言いながら、心の中で思った。
いつかどこかで僕もやろう、と。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 同行者
- 乳幼児連れ家族旅行
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
ホテルで軽い昼食をとって、休憩した後は、フィンシュテックへ登るロープウェーの乗り場へ向かった。ここも徒歩で数分のところにある。ここはゴンドラではなくロープウェーだった。ゴンドラとロープウェーは何が違うのかは正確には知らないけれど、ロープを支持する鉄塔の間隔が長く、かつ乗車可能人数が10人超のものをロープウェーと、僕は呼んでいる。多分違うだろう。
数分で上へ到着した。 -
ここは小さな公園になっていて、いくつか遊具が置いてあった。しかし、まずはスライダーだ。小屋でチケットを購入。一回券、回数券などがある。ちょっと覚えてないが、結構なお値段だった。思わず、うっ、と躊躇い、少ない方の回数券を購入した。
スライダーはブレーキしかついていない。解除すれば進み、ブレーキで速度を調整する仕組み。人はほとんどいないので、並ばずに乗り放題だった。
最初は緩やかな下りなので、思ったよりスリルはないんだな、と思ったが、どんどん速度があがってくる。ブレーキをかけてないと割と怖い。コースの最後は自動的にベルトコンベヤに接続しており、それに乗って、上へ帰ってくるのだ。なんか物流倉庫の梱包物になった気分で、これもおもしろい。上では緩やかなコースにまた接続し、スタート地点へ回ってくる。
妻と交代で娘を乗せて滑った。娘は意外に怖がらず、もっと速くもっと速くとせがむ。それならばと、どんどんブレーキのかけ具合を緩くして、高速でカーブにつっこんだ。カーブは滑り台が外側へ傾斜しているので、自分も遠心力のまま斜めになる。なるほど、スピードを落とさずにカーブが曲がれる構造になっているのだ。つまり、めちゃくちゃ爽快である。
ふと気づくと娘が黙ってしまっていた。のぞき込むと涙目だった。
ごめん、調子に乗りすぎた。 -
グリンデルワルト側の斜面にコースが作られており、遥か下に村の様子が見える。美しい風景だが、スライダーに乗っている間はそれほど景色を見ている余裕はない。というかスピード感を楽しむ方が勝っていて、どちらかというと視界はめまぐるしく方向が変わるパイプのみである。
結局、楽しくて回数券をもう一度買った。最初から倍の回数券を買っておいた方がお得だったが、こればかりはわからない。 -
イチオシ
しばらく遊具で遊んだ後、一旦、フィンシュテックからグリンデルワルトへ降りた。しかし、まだ夕方とも言えない時間である。ホテルに戻って、おやつを補充した後、昨日登ったフィルストへ上がってみることにした。
-
ゴンドラから外を臨む。昨日は霧で悪かった視界が、今日はクリアで、こんなに壮大な景色だったのかと驚く。荘厳、壮絶といってもいい。およそ、人間の手の及ばぬ世界に見える。
「とか、なんとか、ちゃっかりビールを飲みながら言うセリフじゃないよね?ただの酔っ払いだよね?」
「酔っ払いだから言えるセリフとも言える。」
「いつの間に、リュックに入れたの?」
「さっきホテルに戻ったとき。今日はゴンドラで登って降りるだけでしょ。いいかなって。」
「まったく父娘そろって。。」
溜息をつく妻の言葉に、横を見ると、娘は早速チョコレートをもきゅもきゅ食べていた。今日はもうスケジュール達成、あとは流し運転である。こんなのも良いじゃないか。あれ、昨日も同じこと言ってたかな。
言い忘れていたが、今回のホテルは冷蔵庫に入っているミニバーはすべて無料だった。ビールもジュースも水もである。物価の高いスイスでは非常にうれしかった。まあ、宿泊代に含まれている、というだけなのだけど。お得感があるよね。
あれ?こんな景色を見ながら、最後はすごい俗っぽい話になった。 -
上のハイキングコースも、昨日とは別物だ。
「昨日はあの向こうに何も見えなかったものね」
「こんなに良い景色だったのか」
「でも、そう考えると、やっぱり山の天気は怖いね。整備されたコースだから道が見えてれば良いけど、本当の山道だと、一歩先が崖ってこともあるもの」
「山をなめちゃダメってことだね、わかったよ、エドウィン」
「エドウィンってだれ?」 -
岩壁に作られた展望台。昨日は何も見えなかったから、行こうと思わなかったけれど、見えたら見えたで行こうとは思えなかった。
-
ゴンドラで山を下りる途中でふと視界に何かが入った。
「なにあのクリフハンガー…」
「あれでしょ、フィルストフライヤー。ワイヤーに吊られて滑りおりるアクティビティー。」
「まじか。ちょっとおもしろそうだね」
「行ってきたら?」
「…いや、家族を置いて行けないだろ」
「いいよ、下で待ってるし」
「いや悪いよ、ほら待ってると寒いし。戻るの遅くなるし」
「暖かいし。まだ時間あるし」
「…」
「…」
「…明日もまたここを通ったら、そのとき、ね」
「…へたれ」 -
山を下りると、時間的にはもう夕方近かった。だが、まだまだ日は高い。
夕食は何にしようか悩んだ結果、ホテルのはす向かいにあるイタリアンレストランで、ピザをテイクアウトすることにした。キノコとアーティチョークのピザ、一枚で30ユーロくらいした。やはりスイスの物価は高い。けれどこれがとても美味しかった。高かったけどまあいいか、と思うくらい美味しかった。一日運動してお腹がへっていたからかもしれない。 -
子供たちが寝たあと、リスボンに行ったときに買ったイワシやタコのオイル漬けの缶詰を開けることにした。物価が高いことを予想して、今回は色々とドイツから軽食を持ってきたのだ。ビールをもう一本開けて晩酌をした。
雪をかぶったスイスの山々を眺めながら、陽光に照らされたポルトガルの海を思い出す。そのシチュエーションがちょっとおもしろかった。
気が付けば、陽も暮れかけ、山の頂を紅く染め上げていた。
グリンデルワルト滞在、最後の夜である。
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