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南フランスのコートダジュール、コルシカ島を訪問する際のヨーロッパへの入口ハブ空港としてウイーン国際空港を利用しました。ウイーンは他のハブ空港であるパリやフランクフルト国際空港に比べて混んでいませんし、ウイーン観光も楽しむことができます。フランスからの帰路、ウイーンで1泊して博物館や美術館を見学しました。<br /><br />コートダジュールのニース国際空港からウイーン空港にOS8906便で到着したのは木曜日の午後4時頃でした。ウイーン市内にある美術史美術館は、木曜日は閉館時間が延長されて10:00-21:00の営業ですので、ホテルにチェックイン後に見学することにしました。<br /><br />美術史美術館には中世のオーストリアとハンガリーを支配していたハプルブルグ家が収集した15-18世紀のヨーロッパ絵画、古代エジプトからローマ時代の工芸品などが展示されています。ブリューゲル、フェルメール、ヴェラスケス、クリムトなどの見事な作品があります。今回で3回目の訪問ですが、農民画家ブリューゲルと宮廷画家ヴェラスケスの絵をしっかり鑑賞したいと思います。

ウイーンの美術史美術館を見学

9いいね!

2019/09/05 - 2019/09/05

3020位(同エリア6047件中)

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88

AandMさん

南フランスのコートダジュール、コルシカ島を訪問する際のヨーロッパへの入口ハブ空港としてウイーン国際空港を利用しました。ウイーンは他のハブ空港であるパリやフランクフルト国際空港に比べて混んでいませんし、ウイーン観光も楽しむことができます。フランスからの帰路、ウイーンで1泊して博物館や美術館を見学しました。

コートダジュールのニース国際空港からウイーン空港にOS8906便で到着したのは木曜日の午後4時頃でした。ウイーン市内にある美術史美術館は、木曜日は閉館時間が延長されて10:00-21:00の営業ですので、ホテルにチェックイン後に見学することにしました。

美術史美術館には中世のオーストリアとハンガリーを支配していたハプルブルグ家が収集した15-18世紀のヨーロッパ絵画、古代エジプトからローマ時代の工芸品などが展示されています。ブリューゲル、フェルメール、ヴェラスケス、クリムトなどの見事な作品があります。今回で3回目の訪問ですが、農民画家ブリューゲルと宮廷画家ヴェラスケスの絵をしっかり鑑賞したいと思います。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.5
交通
4.5
同行者
カップル・夫婦
交通手段
鉄道 徒歩
航空会社
ユーロウイングス オーストリア航空 エールコルシカ
旅行の手配内容
個別手配

PR

  • 9月5日(木)<br />ニース国際空港からユーロウイング(オーストリア航空のコードシェア便OS8906)でウイーン国際空港に到着しました。ユーロウイングはLCCで機内では水も含めて飲食品はすべて有料でした(https://4travel.jp/travelogue/11542376)ので機内飲食をスキップして、ウイーン国際空港のマックで早めの夕食を取りました。機内より値段が安く、多分味もマックの方が良好です。<br /><br />空港からウイーン市内のホテルに向かうため、列車乗り場に移動します。空港から市内まで約20kmありますので、タクシー、バス、あるいは列車を利用する必要があります。

    9月5日(木)
    ニース国際空港からユーロウイング(オーストリア航空のコードシェア便OS8906)でウイーン国際空港に到着しました。ユーロウイングはLCCで機内では水も含めて飲食品はすべて有料でした(https://4travel.jp/travelogue/11542376)ので機内飲食をスキップして、ウイーン国際空港のマックで早めの夕食を取りました。機内より値段が安く、多分味もマックの方が良好です。

    空港からウイーン市内のホテルに向かうため、列車乗り場に移動します。空港から市内まで約20kmありますので、タクシー、バス、あるいは列車を利用する必要があります。

    ウィーン国際空港 (VIE) 空港

    混んでいない便利なハブ空港 by AandMさん
  • 空港駅の自動販売機でシティ エアポート トレイン(CAT)往復チケットを購入してプラットホームに行ったら、Sバーン (国鉄近郊路線)列車が入ってきました。急行列車(CAT)の到着まで20分程の待ち時間がありましたので、Sバーンを利用するこっとにしました。急行料金チケットでの普通列車利用ですので、多分、大丈夫です。<br /><br />列車内に停車駅と時刻が表示されていました。ホテル最寄りのウイーン・ミッテ駅の到着時間は17:32です。この駅で下車して、歩いて10分程の距離にあるホテルに向かいます。

    空港駅の自動販売機でシティ エアポート トレイン(CAT)往復チケットを購入してプラットホームに行ったら、Sバーン (国鉄近郊路線)列車が入ってきました。急行列車(CAT)の到着まで20分程の待ち時間がありましたので、Sバーンを利用するこっとにしました。急行料金チケットでの普通列車利用ですので、多分、大丈夫です。

    列車内に停車駅と時刻が表示されていました。ホテル最寄りのウイーン・ミッテ駅の到着時間は17:32です。この駅で下車して、歩いて10分程の距離にあるホテルに向かいます。

  • 宿泊するマリオットホテル(Vienna Marriott Hotel)にチェックインしました。スーツケース等を部屋に置いて、身軽ないで立ちで美術館に向かいます。

    宿泊するマリオットホテル(Vienna Marriott Hotel)にチェックインしました。スーツケース等を部屋に置いて、身軽ないで立ちで美術館に向かいます。

    Vienna Marriott Hotel ホテル

  • ホテル前からトラムに乗って、美術館のあるバーグリング(Burgring)で下車します。

    ホテル前からトラムに乗って、美術館のあるバーグリング(Burgring)で下車します。

  • メトロの停車駅から美術史美術館までの距離は100mほどで、歩いて数分で到着しました。夕方6時過ぎでしたが、チケット売り場に短い行列が出来ていました。<br />木曜日は夜の9時まで美術館が開いていることを知って訪れる人が結構多い感じです。入場料15ユーロを支払って美術館に入りました。

    メトロの停車駅から美術史美術館までの距離は100mほどで、歩いて数分で到着しました。夕方6時過ぎでしたが、チケット売り場に短い行列が出来ていました。
    木曜日は夜の9時まで美術館が開いていることを知って訪れる人が結構多い感じです。入場料15ユーロを支払って美術館に入りました。

    美術史美術館 博物館・美術館・ギャラリー

    中世の素晴らしい絵画が多く展示されている美術史美術館 by AandMさん
  • ウイーンの美術史美術館は展示作品も見事ですが、建造物も見応えがあります。美術館はオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の命で1872-1881年に建設されたもので、ネオルネッサンス様式の美しい建造物です。<br />この美術館を訪れる度に、入り口にある階段や彫像彫刻や絵画の豪華絢爛さに圧倒されます。

    ウイーンの美術史美術館は展示作品も見事ですが、建造物も見応えがあります。美術館はオーストリア皇帝フランツ・ヨーゼフ1世の命で1872-1881年に建設されたもので、ネオルネッサンス様式の美しい建造物です。
    この美術館を訪れる度に、入り口にある階段や彫像彫刻や絵画の豪華絢爛さに圧倒されます。

  • 天井ドームも芸術品です。

    天井ドームも芸術品です。

  • 階段を上がったところにカフェがありますが、床、周囲の壁彫刻、天井ドームはまるで宮殿にような豪華さです。「世界で最も美しいカフェ」と言われるカフェKHMです。KHMは美術館のドイツ語表記”Kunst Historisches Museum”の頭文字の簡略表現です。<br />カフェの席は白色テーブルクロス、ランプ、ナイフとフォークが並べられていました。入って大丈夫かな、と一瞬躊躇されるような雰囲気も感じられます。<br /><br />時間余裕がありませんので、カフェをスキップして絵画鑑賞をします。

    階段を上がったところにカフェがありますが、床、周囲の壁彫刻、天井ドームはまるで宮殿にような豪華さです。「世界で最も美しいカフェ」と言われるカフェKHMです。KHMは美術館のドイツ語表記”Kunst Historisches Museum”の頭文字の簡略表現です。
    カフェの席は白色テーブルクロス、ランプ、ナイフとフォークが並べられていました。入って大丈夫かな、と一瞬躊躇されるような雰囲気も感じられます。

    時間余裕がありませんので、カフェをスキップして絵画鑑賞をします。

    美術史美術館 博物館・美術館・ギャラリー

    中世の素晴らしい絵画が多く展示されている美術史美術館 by AandMさん
  • ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1488-1576)の「ルクレシアと夫, Lucrecia and her husband」と題された1515年の作品です。イタリア・ルネッサンスの代表的な画家作品です。手に持っている短剣でルクレシアが自殺する前の様子を描いたものです。

    ティツィアーノ・ヴェチェッリオ(1488-1576)の「ルクレシアと夫, Lucrecia and her husband」と題された1515年の作品です。イタリア・ルネッサンスの代表的な画家作品です。手に持っている短剣でルクレシアが自殺する前の様子を描いたものです。

  • サルヴァドル・ローザ(1615-1673)の「アストライアーの出現, The return of Astrea」、1640年の作品で、ギリシャ神話の場面を描いた絵です。アストライアーは審判の女神です。<br />中世絵画は聖書やギリシャ神話の場面を描いたものが多くあります。絵画を通じて人々に寓意を伝え、それが受け入れられた時代を反映しているように思います。

    サルヴァドル・ローザ(1615-1673)の「アストライアーの出現, The return of Astrea」、1640年の作品で、ギリシャ神話の場面を描いた絵です。アストライアーは審判の女神です。
    中世絵画は聖書やギリシャ神話の場面を描いたものが多くあります。絵画を通じて人々に寓意を伝え、それが受け入れられた時代を反映しているように思います。

  • ウイーンの美術史美術館にはスペイン宮廷画家であったヴェラスケス(Diego Velazquez, 1599-1660)の作品が多く残されています。スペインとオーストリアの王家は当時姻戚関係にあり、スペイン王女の様子をオーストリア王家に伝える役目を絵が果たしていたことが背景にあったとのことです。写真が無かった時代で、肖像画が送られていました。<br /><br />3歳の王女マルガリータの絵で「薔薇色の衣装のマルガリータ・テレサ、Infanta Margarita Teresa in a pink Gown」と表示されていました。1654年に描かれています。

    ウイーンの美術史美術館にはスペイン宮廷画家であったヴェラスケス(Diego Velazquez, 1599-1660)の作品が多く残されています。スペインとオーストリアの王家は当時姻戚関係にあり、スペイン王女の様子をオーストリア王家に伝える役目を絵が果たしていたことが背景にあったとのことです。写真が無かった時代で、肖像画が送られていました。

    3歳の王女マルガリータの絵で「薔薇色の衣装のマルガリータ・テレサ、Infanta Margarita Teresa in a pink Gown」と表示されていました。1654年に描かれています。

  • この絵は「白い衣装の王女マルガリータ、Infant Margarita in white dress」で5歳のマルガリータを描いた1656年の作品です。<br />

    この絵は「白い衣装の王女マルガリータ、Infant Margarita in white dress」で5歳のマルガリータを描いた1656年の作品です。

  • 「ピンクのドレスの王女, Margarita Teresa、1661年」で10歳の肖像です。

    「ピンクのドレスの王女, Margarita Teresa、1661年」で10歳の肖像です。

  • ヴェラスケスが1653年に描いた13歳のマリア・テレジア&quot;Infanta Maria Teresa, 1653&quot; です。<br />3歳から13歳の王女の絵は、少し右を向いた同様のスタイルで描かれています。手を左右に開いているのも同じで、ヴェラスケスの一貫性が感じられます。

    ヴェラスケスが1653年に描いた13歳のマリア・テレジア"Infanta Maria Teresa, 1653" です。
    3歳から13歳の王女の絵は、少し右を向いた同様のスタイルで描かれています。手を左右に開いているのも同じで、ヴェラスケスの一貫性が感じられます。

  • 「スペイン王フェリペ4世, King Philip IV of Spain」でヴェラスケスが1653年に描いています。フェリペ4世は王女マルガリータの父です。王女マルガリータの細長い顔は父親譲りのように思われます。

    「スペイン王フェリペ4世, King Philip IV of Spain」でヴェラスケスが1653年に描いています。フェリペ4世は王女マルガリータの父です。王女マルガリータの細長い顔は父親譲りのように思われます。

  • オーストリアの宮廷画家グイド・カニャッチ(Guid Cagnacci, 1601-1663)による「クレオパトラの死、Cleopatra&#39;s Suicide, 1659」です。<br /><br />エジプト王朝最後の女王クレオパトラは紀元前30年の8月に39歳で自殺しています。毒蛇に身を咬ませたと伝えられており、複数の画家や彫刻家が題材として描いています。クレオパトラも召使たちも何故上半身裸なのでしょうか?絵の鑑賞者の目を引き付けるためかも知れません。

    オーストリアの宮廷画家グイド・カニャッチ(Guid Cagnacci, 1601-1663)による「クレオパトラの死、Cleopatra's Suicide, 1659」です。

    エジプト王朝最後の女王クレオパトラは紀元前30年の8月に39歳で自殺しています。毒蛇に身を咬ませたと伝えられており、複数の画家や彫刻家が題材として描いています。クレオパトラも召使たちも何故上半身裸なのでしょうか?絵の鑑賞者の目を引き付けるためかも知れません。

  • ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)による「聖ミカエルと叛逆天使たち、St. Michael Vanquishing the Devilsaround, 1664」です。聖ミカエルが神に逆らう天使達を地獄に蹴落としている姿を描いたものです。教会に掲げられていた絵で18世紀に王室美術館に持ってこられた、と説明してありました。

    ルカ・ジョルダーノ(Luca Giordano)による「聖ミカエルと叛逆天使たち、St. Michael Vanquishing the Devilsaround, 1664」です。聖ミカエルが神に逆らう天使達を地獄に蹴落としている姿を描いたものです。教会に掲げられていた絵で18世紀に王室美術館に持ってこられた、と説明してありました。

  • 「ナインの若者の回生, The raising of the youth of Nain, 1565」は、パウロ・ベロネーゼ(Paolo Veronese,1528-1588)の作品で、ナインの町に現れたキリストが死んだ若者を行き返られた奇跡を描いたものです。中央に描かれているのはキリストに感謝する若者の母親です。

    「ナインの若者の回生, The raising of the youth of Nain, 1565」は、パウロ・ベロネーゼ(Paolo Veronese,1528-1588)の作品で、ナインの町に現れたキリストが死んだ若者を行き返られた奇跡を描いたものです。中央に描かれているのはキリストに感謝する若者の母親です。

  • 「スザンナの水浴, Susanna Bathing, 1555」は聖書に書かれた題材を描いたものです。イタリアの画家ティントレットの作品です。

    「スザンナの水浴, Susanna Bathing, 1555」は聖書に書かれた題材を描いたものです。イタリアの画家ティントレットの作品です。

  • 「カレドニアの猪狩り、The Calydonian Boar Hunt, 1617」はギリシャ神話が題材の絵です。ルーベンス(Peter Paul Rubens)の絵が有名ですが、この絵は3人の画家の合作と説明されていました。ヤン・ウイルデンス(Jan Wildens, 1586-1653)が景色を、フランス・スナイデルス(Frans Snyders, 1579-1657)が動物を、ヴァン・ダイク(Van Dyck, 1599-1641)が人物などを描いたそうです。中世の合作絵画は珍しいと思います。

    「カレドニアの猪狩り、The Calydonian Boar Hunt, 1617」はギリシャ神話が題材の絵です。ルーベンス(Peter Paul Rubens)の絵が有名ですが、この絵は3人の画家の合作と説明されていました。ヤン・ウイルデンス(Jan Wildens, 1586-1653)が景色を、フランス・スナイデルス(Frans Snyders, 1579-1657)が動物を、ヴァン・ダイク(Van Dyck, 1599-1641)が人物などを描いたそうです。中世の合作絵画は珍しいと思います。

  • 「宮廷の道化師ゴネラ、The Court Jester Gonella」はジャン・フーケ(Jean Fouquet, 1415-1478)が1440年に描いた作品で、皮膚や髭などが鮮明かつ丁寧で、道化師の表情が生き生きして人間的です。宗教や神話を描いた絵と異なっています。

    「宮廷の道化師ゴネラ、The Court Jester Gonella」はジャン・フーケ(Jean Fouquet, 1415-1478)が1440年に描いた作品で、皮膚や髭などが鮮明かつ丁寧で、道化師の表情が生き生きして人間的です。宗教や神話を描いた絵と異なっています。

  • ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer, 1632-1675)が1666年に描いた「絵画芸術、The Art of Painting」です。描かれている場所はフェルメールのスタディオですので、後ろ向きに描かれている画家はフェルメールのようです。

    ヨハネス・フェルメール(Johannes Vermeer, 1632-1675)が1666年に描いた「絵画芸術、The Art of Painting」です。描かれている場所はフェルメールのスタディオですので、後ろ向きに描かれている画家はフェルメールのようです。

  • ヤン・ブリューゲル(父)(Jan Breughel, 1568-1625)の「花、Flowers in a Vessel、1606」で130もの花が緻密に描かれています。緻密で正確な描写は農民画家として知られるピーター・ブリューゲルとも共通しています。<br /><br />ブリューゲル一族には父と息子で同名(ピーター、ヤン)があるので紛らわしい限りです。中世ヨーロッパでは父親の名前をそのまま受け継ぐことが結構あったようです。

    ヤン・ブリューゲル(父)(Jan Breughel, 1568-1625)の「花、Flowers in a Vessel、1606」で130もの花が緻密に描かれています。緻密で正確な描写は農民画家として知られるピーター・ブリューゲルとも共通しています。

    ブリューゲル一族には父と息子で同名(ピーター、ヤン)があるので紛らわしい限りです。中世ヨーロッパでは父親の名前をそのまま受け継ぐことが結構あったようです。

  • 「驚異の部屋、Cabinet of Curiosities, 1630」でも後方に掲げられた絵画が緻密に描かれています。

    「驚異の部屋、Cabinet of Curiosities, 1630」でも後方に掲げられた絵画が緻密に描かれています。

  • 南ネーデルランドの画家、ヤン・マサイス(Jan Massys, 1509-1573)の「陽気な仲間たち、Merry Company」では、庶民の表情が生き生きと描かれています。宗教画や宮廷画とは違って、写実的です。

    南ネーデルランドの画家、ヤン・マサイス(Jan Massys, 1509-1573)の「陽気な仲間たち、Merry Company」では、庶民の表情が生き生きと描かれています。宗教画や宮廷画とは違って、写実的です。

  • ヤン・マサイスと同時代のドイツの画家ハンス・フォン・アーヘン (Hans von Aachen, 1552-1615)の「プロキュレス、The Procuress, 1605」です。描かれているのは庶民のようですが、中央部の女性の肌は美しく魅力的です。宮廷画の伝統が反映されているように思います。<br />ハンス・フォン・アーヘンは貴族の肖像画家として知られ、1952年に神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の宮廷画家に任命されています。

    ヤン・マサイスと同時代のドイツの画家ハンス・フォン・アーヘン (Hans von Aachen, 1552-1615)の「プロキュレス、The Procuress, 1605」です。描かれているのは庶民のようですが、中央部の女性の肌は美しく魅力的です。宮廷画の伝統が反映されているように思います。
    ハンス・フォン・アーヘンは貴族の肖像画家として知られ、1952年に神聖ローマ皇帝ルドルフ2世の宮廷画家に任命されています。

  • ハンス・フォン・アーヘン(Hans von Aachen, 1552-1605)の「鏡を持つカップル、A Couple with a Mirror, 1595」では女性の美が更に強調されています。顔や肌に張りがあり、輝くようです。手に持った鏡は、美の強調と女性の「うぬぼれ」を表しています。

    ハンス・フォン・アーヘン(Hans von Aachen, 1552-1605)の「鏡を持つカップル、A Couple with a Mirror, 1595」では女性の美が更に強調されています。顔や肌に張りがあり、輝くようです。手に持った鏡は、美の強調と女性の「うぬぼれ」を表しています。

  • 同じ画家が1595年に描いた「ジュピター、アンチオーペとキューピッド, Jupiter, Antiope and Cupid」はギリシャ神話を題材にしています。ここでも中央の女性アンチオーペが光を浴び、美しさが協調されています。宮廷や貴族にアピールする画法の典型だろうと思います。

    同じ画家が1595年に描いた「ジュピター、アンチオーペとキューピッド, Jupiter, Antiope and Cupid」はギリシャ神話を題材にしています。ここでも中央の女性アンチオーペが光を浴び、美しさが協調されています。宮廷や貴族にアピールする画法の典型だろうと思います。

  • ジャン・サンダース・ヴァン・ヘメッセン(Jan Sanders van Hemessen, 1500-1563)による「使徒マタイのお召し、The Calling of the Apostle Matthew、1548」で聖書が教える慈悲や許しを描いたものです。最後列の2人は、マタイの両親だろうと解釈されています。教会もしくは貴族の館に掲げられていた絵と思われます。

    ジャン・サンダース・ヴァン・ヘメッセン(Jan Sanders van Hemessen, 1500-1563)による「使徒マタイのお召し、The Calling of the Apostle Matthew、1548」で聖書が教える慈悲や許しを描いたものです。最後列の2人は、マタイの両親だろうと解釈されています。教会もしくは貴族の館に掲げられていた絵と思われます。

  • こちらの絵は、写実的です。17世紀オランダ画派最初の風景画家の一人であるヘンドリック・アーフェルカンプ(Hendrick Avercamp, 1585-1634)が1605年に描いた「冬の景色、Winter Landscape」です。16-17世紀のオランダの冬の光景が忠実に描かれており、農民画家として知られるブリューゲルの画風と類似しています。

    こちらの絵は、写実的です。17世紀オランダ画派最初の風景画家の一人であるヘンドリック・アーフェルカンプ(Hendrick Avercamp, 1585-1634)が1605年に描いた「冬の景色、Winter Landscape」です。16-17世紀のオランダの冬の光景が忠実に描かれており、農民画家として知られるブリューゲルの画風と類似しています。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1525-1569)による「幼児虐殺、Massacre of the Innocents」で16世紀後半に描かれた作品です。<br /><br />描かれているのは、イエスの誕生を危険視したヘロデ王がベツレヘムにすむ2歳以下の男児を殺害させるシーンですが、場所がブリューゲルが住んでいたフランドルになっています。後世の所蔵者の注文で、幼児の死体が家畜や荷物に塗り替えられています。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1525-1569)による「幼児虐殺、Massacre of the Innocents」で16世紀後半に描かれた作品です。

    描かれているのは、イエスの誕生を危険視したヘロデ王がベツレヘムにすむ2歳以下の男児を殺害させるシーンですが、場所がブリューゲルが住んでいたフランドルになっています。後世の所蔵者の注文で、幼児の死体が家畜や荷物に塗り替えられています。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「鳥の罠のある冬の風景、Winter Landscape with Bird-Trap, 1601」です。「幼児虐殺」を描いたのも同名のピーター・ブリューゲルですが、こちらの絵は彼の息子です。同じ名前で紛らわしい限りですが、画風が類似しているので素人目には区別は難しいように感じます。<br />人気の絵で、同じ構図のコピー絵が約100個存在するそうです。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「鳥の罠のある冬の風景、Winter Landscape with Bird-Trap, 1601」です。「幼児虐殺」を描いたのも同名のピーター・ブリューゲルですが、こちらの絵は彼の息子です。同じ名前で紛らわしい限りですが、画風が類似しているので素人目には区別は難しいように感じます。
    人気の絵で、同じ構図のコピー絵が約100個存在するそうです。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「謝肉祭と四旬節の喧嘩、The Fight between Carnival and Lent, 1559」です。左側が謝肉祭で右側が四旬節で、2種類の行事の争いは15-16世紀に実際にあったそうです。当時のフランドルの世相を教えてくれるブリューゲルの面白い絵だと思います。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「謝肉祭と四旬節の喧嘩、The Fight between Carnival and Lent, 1559」です。左側が謝肉祭で右側が四旬節で、2種類の行事の争いは15-16世紀に実際にあったそうです。当時のフランドルの世相を教えてくれるブリューゲルの面白い絵だと思います。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「子供の遊戯、Children&#39;s Games, 1560」です。230人以上の子供たちが83種類の遊びをしている興味深い絵です。限りのあるキャンバスに盛沢山の遊びを描き込んだブリューゲルの執念と緻密さに驚かされます。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「子供の遊戯、Children's Games, 1560」です。230人以上の子供たちが83種類の遊びをしている興味深い絵です。限りのあるキャンバスに盛沢山の遊びを描き込んだブリューゲルの執念と緻密さに驚かされます。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「農民の踊り、The Peasant Dance, 1568」です。駆けつける若い夫婦の勢いや踊りを楽しむ人々が生き生きと描かれ、人々の表情も様々です。宮廷や教会画と違った躍動感と生活感が感じられます。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「農民の踊り、The Peasant Dance, 1568」です。駆けつける若い夫婦の勢いや踊りを楽しむ人々が生き生きと描かれ、人々の表情も様々です。宮廷や教会画と違った躍動感と生活感が感じられます。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「農民の婚宴、The Peasant Wedding, 1568」です。婚礼祝宴のスナップショットのような絵です。緑幕の前に座っているのが花嫁で、花婿はフランドル地方の風習では祝宴に参加しなかったそうでこの絵に描かれてはいません。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「農民の婚宴、The Peasant Wedding, 1568」です。婚礼祝宴のスナップショットのような絵です。緑幕の前に座っているのが花嫁で、花婿はフランドル地方の風習では祝宴に参加しなかったそうでこの絵に描かれてはいません。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「農夫と鳥の巣取り, The Peasant and the Nest Robber」で1568年の作品です。寓意を示す絵です。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「農夫と鳥の巣取り, The Peasant and the Nest Robber」で1568年の作品です。寓意を示す絵です。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「暗い日, Gloomy Day」で1565年の作品です。晩冬の森で燃料にする木を集めている様子が描かれています。中世フランドル地方の冬の庶民生活が伺われます。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「暗い日, Gloomy Day」で1565年の作品です。晩冬の森で燃料にする木を集めている様子が描かれています。中世フランドル地方の冬の庶民生活が伺われます。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「雪中の狩人, Hunters in the Snow」で1565年の作品です。ブリューゲルの代表作で、農民の生活の一端を暖かな目で描写しています。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「雪中の狩人, Hunters in the Snow」で1565年の作品です。ブリューゲルの代表作で、農民の生活の一端を暖かな目で描写しています。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「パウロの回心, The Conversion of Paul」で1567年の作品です。題材は聖書の中の物語に由来します。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「パウロの回心, The Conversion of Paul」で1567年の作品です。題材は聖書の中の物語に由来します。

  • ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「ゴルゴタの丘への行進, The Procession to Calvary」で1564年の作品です。ブリューゲルは農民生活を題材にした絵が多いのですが、聖書の物語や寓意なども絵で表現しています。この絵はキリストがゴルゴダの丘に連れられていく姿を描いたものですが、画面には当時の人々の振舞いが緻密に表現されています。ブリューゲルらしい宗教画だと思います。

    ピーター・ブリューゲル(Pieter Brueghel, 1564-1638)の「ゴルゴタの丘への行進, The Procession to Calvary」で1564年の作品です。ブリューゲルは農民生活を題材にした絵が多いのですが、聖書の物語や寓意なども絵で表現しています。この絵はキリストがゴルゴダの丘に連れられていく姿を描いたものですが、画面には当時の人々の振舞いが緻密に表現されています。ブリューゲルらしい宗教画だと思います。

  • ブリューゲルによる「バベルの塔, The Tower of Babel」で1563年に描かれています。バベルの塔は旧約聖書に出てくる巨大な塔でバビロニアにあった、と解釈されていますが、ブリューゲルのバベルの塔では彼が住んでいたフランドルの港が描かれているそうです。<br /><br />身近な光景を巧みに組み入れていることが分かります。絵の中の人々の様子や塔の石材模様などがとても写実的です。旧約聖書の世界に現実を忠実かつ正確に織り込むブリューゲルの基本スタイルが伺われます。

    ブリューゲルによる「バベルの塔, The Tower of Babel」で1563年に描かれています。バベルの塔は旧約聖書に出てくる巨大な塔でバビロニアにあった、と解釈されていますが、ブリューゲルのバベルの塔では彼が住んでいたフランドルの港が描かれているそうです。

    身近な光景を巧みに組み入れていることが分かります。絵の中の人々の様子や塔の石材模様などがとても写実的です。旧約聖書の世界に現実を忠実かつ正確に織り込むブリューゲルの基本スタイルが伺われます。

  • ハンス・バルドゥング・グリーン(Hans Baldung Grien/Grün, 1484 - 1545)による「女の三世代と死、The Three Phases of Life and Death」で1509年に描かれたものです。華やかな生の短さを教える絵で、教会に掲げられていたようです。<br />観念的な絵で、事実や写実を重んずるブリューゲルの画風とは全く異なっています。

    ハンス・バルドゥング・グリーン(Hans Baldung Grien/Grün, 1484 - 1545)による「女の三世代と死、The Three Phases of Life and Death」で1509年に描かれたものです。華やかな生の短さを教える絵で、教会に掲げられていたようです。
    観念的な絵で、事実や写実を重んずるブリューゲルの画風とは全く異なっています。

  • ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach der Ältere、1472 - 1553)が1510年に描いた「アダムとイブ, Adam and Eve」です。クラナッハはこの他にも複数のアダムとイブの絵を描いています。この時代の代表的な宗教画家の作品です。

    ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach der Ältere、1472 - 1553)が1510年に描いた「アダムとイブ, Adam and Eve」です。クラナッハはこの他にも複数のアダムとイブの絵を描いています。この時代の代表的な宗教画家の作品です。

  • 「ジュディスとホロフェルネス, Judith and Holofernes」と題する絵で、ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach der Ältere、1472 - 1553)が1530年に描いたものです。<br />ジュディスによるホロフェルネスの斬首は、キリスト教に関連する「ジュディスの書, Book of Judith」に書かれている物語で、ルネサンスおよびバロック時代の多くの絵画や彫刻の主題にされています。美しい未亡人であるジュディスが貞節を守るため、彼女を自分のものにしようとしたアッシリアの将軍ホロフェルネスを殺害した様子を描いたものです。殺害後にも拘わらずジュディスの表情がにこやかで美しく描かれているのは、貴族向けの宗教画の特長であるように思います。

    「ジュディスとホロフェルネス, Judith and Holofernes」と題する絵で、ルーカス・クラナッハ(Lucas Cranach der Ältere、1472 - 1553)が1530年に描いたものです。
    ジュディスによるホロフェルネスの斬首は、キリスト教に関連する「ジュディスの書, Book of Judith」に書かれている物語で、ルネサンスおよびバロック時代の多くの絵画や彫刻の主題にされています。美しい未亡人であるジュディスが貞節を守るため、彼女を自分のものにしようとしたアッシリアの将軍ホロフェルネスを殺害した様子を描いたものです。殺害後にも拘わらずジュディスの表情がにこやかで美しく描かれているのは、貴族向けの宗教画の特長であるように思います。

  • ハンス・フォン・アーヘン(Hans von Aachen, 1552-1605)が描いた「神聖ローマ皇帝ルドルフII世の肖像、Emperor Rudolph II, 1606」の両側にジュゼッペ・アンチボルド(1526-1593)の作品が並べられていました。ルドルフII世は芸術を庇護した人物で宮廷画家としてアルチンボルドが寵愛されています。<br />アンチボルト作品は(四大元素)の「火、右上」、「水、右下」および(四季)の「夏、左上」と「冬。左下」です。野菜や果実、花で構成された一見不気味な絵ですが、皇帝統治で生み出される帝国の繁栄や調和を祝福するという意図があったものと解釈されています。構成が斬新で面白い絵だと思います。

    ハンス・フォン・アーヘン(Hans von Aachen, 1552-1605)が描いた「神聖ローマ皇帝ルドルフII世の肖像、Emperor Rudolph II, 1606」の両側にジュゼッペ・アンチボルド(1526-1593)の作品が並べられていました。ルドルフII世は芸術を庇護した人物で宮廷画家としてアルチンボルドが寵愛されています。
    アンチボルト作品は(四大元素)の「火、右上」、「水、右下」および(四季)の「夏、左上」と「冬。左下」です。野菜や果実、花で構成された一見不気味な絵ですが、皇帝統治で生み出される帝国の繁栄や調和を祝福するという意図があったものと解釈されています。構成が斬新で面白い絵だと思います。

  • 1530年に描かれた「パラダイス, Paradise」にはアダムとイブの神による創造から追放までが書かれていました。神や天使は衣服を着ていますがアダムとイブは裸です。知恵の果実であるリンゴをアダムとイブに与えているヘビの上半身は女性です。宗教画ですが、ストーリー性のある興味深い絵だと思います。

    1530年に描かれた「パラダイス, Paradise」にはアダムとイブの神による創造から追放までが書かれていました。神や天使は衣服を着ていますがアダムとイブは裸です。知恵の果実であるリンゴをアダムとイブに与えているヘビの上半身は女性です。宗教画ですが、ストーリー性のある興味深い絵だと思います。

  • オットー・ヴァン・ヴィーン(1556-1629)による「ペルシャの女, Persian Women, 1597」で、戦場でペルシャの女たちがスカートをたくし上げて兵士達を馬鹿にしている光景を描いたものです。

    オットー・ヴァン・ヴィーン(1556-1629)による「ペルシャの女, Persian Women, 1597」で、戦場でペルシャの女たちがスカートをたくし上げて兵士達を馬鹿にしている光景を描いたものです。

  • オットー・ヴァン・ヴィーンは1597年に前の絵と類似題材の「アマゾンとスキタイ人, Amazons and Scythians」を描いています。歴史家ヘロドトスが伝える(アマゾンとスキタイ人の融合、The Union of Amazons and Scythians)が絵の舞台になっています。ヘロドトスによればアマゾンは小アジアを拠点にしていた女だけの戦闘集団で、種族を保存するためにスキタイ人と融合したと伝えられています。絵の後方のスキタイ人戦士達の前に描かれたアマゾンは皆若くて美しい女性です。明らかに鑑賞者の目を意識した作品です。

    オットー・ヴァン・ヴィーンは1597年に前の絵と類似題材の「アマゾンとスキタイ人, Amazons and Scythians」を描いています。歴史家ヘロドトスが伝える(アマゾンとスキタイ人の融合、The Union of Amazons and Scythians)が絵の舞台になっています。ヘロドトスによればアマゾンは小アジアを拠点にしていた女だけの戦闘集団で、種族を保存するためにスキタイ人と融合したと伝えられています。絵の後方のスキタイ人戦士達の前に描かれたアマゾンは皆若くて美しい女性です。明らかに鑑賞者の目を意識した作品です。

  • 美術史美術館は中世に描かれた素晴らしい絵画が有名ですが、彫刻や工芸品も展示されています。前回までの美術館訪問では絵を見ただけで、その他の展示品は見学しませんでした。今回、彫像なども見学しました。<br />絵画が展示されていた階の下にある0.5階に「古代エジプト・オリエントコレクション」や「古代ギリシャ・ローマコレクション」が展示されていました。

    美術史美術館は中世に描かれた素晴らしい絵画が有名ですが、彫刻や工芸品も展示されています。前回までの美術館訪問では絵を見ただけで、その他の展示品は見学しませんでした。今回、彫像なども見学しました。
    絵画が展示されていた階の下にある0.5階に「古代エジプト・オリエントコレクション」や「古代ギリシャ・ローマコレクション」が展示されていました。

  • 古代ギリシャの壺です。描かれているのはギリシャ神話のシーンでしょうか?

    古代ギリシャの壺です。描かれているのはギリシャ神話のシーンでしょうか?

  • 躍動感のあるギリシャ時代の彫像です。

    躍動感のあるギリシャ時代の彫像です。

  • 四人の若者の横顔と鷹が彫られた見事なカメオです。

    四人の若者の横顔と鷹が彫られた見事なカメオです。

  • 鷹もしくは鷲のカメオですが、白色背景がシダの葉を掴んだ鳥を浮かび上がらせています。周辺飾りも見事で、この作品は貴族の紋章として使われていたものと思われます。

    鷹もしくは鷲のカメオですが、白色背景がシダの葉を掴んだ鳥を浮かび上がらせています。周辺飾りも見事で、この作品は貴族の紋章として使われていたものと思われます。

  • ギリシャ時代の石棺彫像です。緻密で躍動感ある彫像群が印象的です。

    ギリシャ時代の石棺彫像です。緻密で躍動感ある彫像群が印象的です。

  • 3人の女性の後ろ姿が彫り込まれたレリーフで、高度な芸術性が感じられます。

    3人の女性の後ろ姿が彫り込まれたレリーフで、高度な芸術性が感じられます。

  • 古代ギリシャ時代に使われていたランプです。ランプは庶民も使っていた日用品ですが、唐草などの繊細な模様が彫り込まれています。一端が黒くなっているのはランプで火を燃やした際にできた炭のようです。

    古代ギリシャ時代に使われていたランプです。ランプは庶民も使っていた日用品ですが、唐草などの繊細な模様が彫り込まれています。一端が黒くなっているのはランプで火を燃やした際にできた炭のようです。

  • 古代エジプトの展示コーナーには沢山の石像が展示されていました。

    古代エジプトの展示コーナーには沢山の石像が展示されていました。

  • 古代エジプト文字が彫られた柱や石棺などが展示されていますが、絵画部門の混み具合に比べて見学者は少な目でした。

    古代エジプト文字が彫られた柱や石棺などが展示されていますが、絵画部門の混み具合に比べて見学者は少な目でした。

  • この絵は古代エジプト埋葬品で、埋葬されていた女性が描かれています。紀元前1000~2000年頃にエジプトで生活していた女性ですが、髪型や装飾品は現代と大きく異なってはいません。この絵を描いた画家の技術レベルも高いと思います。

    この絵は古代エジプト埋葬品で、埋葬されていた女性が描かれています。紀元前1000~2000年頃にエジプトで生活していた女性ですが、髪型や装飾品は現代と大きく異なってはいません。この絵を描いた画家の技術レベルも高いと思います。

  • 古代エジプト人は猫などの動物を神の化身と考えて、身の回り品などに姿を取り入れています。小さな石器入れ物に動物や人が象られています。

    古代エジプト人は猫などの動物を神の化身と考えて、身の回り品などに姿を取り入れています。小さな石器入れ物に動物や人が象られています。

  • ミイラを収納していた石棺です。石を加工し、被埋葬者の顔が彫り出されています。

    ミイラを収納していた石棺です。石を加工し、被埋葬者の顔が彫り出されています。

  • こちらの石棺では顔や胴体部分に彩色が施されています。

    こちらの石棺では顔や胴体部分に彩色が施されています。

  • 被埋葬者の姿に加えて動物(鳥や蛇)や道具類が描かれた彩色棺です。3千年以上前のものですが、今日まで鮮明な状態で残されていることに驚かされます。

    被埋葬者の姿に加えて動物(鳥や蛇)や道具類が描かれた彩色棺です。3千年以上前のものですが、今日まで鮮明な状態で残されていることに驚かされます。

  • パピルスに描かれた絵で、こちらも3000年以上も前に描かれたものです。この構図は他でも見かけました。古代エジプトの埋葬のプロセスが描かれているように想像します。

    パピルスに描かれた絵で、こちらも3000年以上も前に描かれたものです。この構図は他でも見かけました。古代エジプトの埋葬のプロセスが描かれているように想像します。

  • 古代エジプトの第5から第6王朝初め頃(2450-2350BC)に造られた首飾りです。

    古代エジプトの第5から第6王朝初め頃(2450-2350BC)に造られた首飾りです。

  • 首飾りは黄金製の頭飾りとセットで使用されていた、と説明されていました。王族など高貴な人の権威と威厳を示す装飾品です。

    首飾りは黄金製の頭飾りとセットで使用されていた、と説明されていました。王族など高貴な人の権威と威厳を示す装飾品です。

  • ライオンの頭を持つ像です。ライオン、犬、猫などの動物と人の融合象は古代エジプトで頻繁に見られます。この像もその一例です。

    ライオンの頭を持つ像です。ライオン、犬、猫などの動物と人の融合象は古代エジプトで頻繁に見られます。この像もその一例です。

  • 古代エジプトの第3から第4王朝のころの作品です。

    古代エジプトの第3から第4王朝のころの作品です。

  • これらは古代エジプトで使われていた生活用品で、籠、サンダル、釘などが展示されていました。ピラミッドの埋葬品のようです。

    これらは古代エジプトで使われていた生活用品で、籠、サンダル、釘などが展示されていました。ピラミッドの埋葬品のようです。

  • メソポタミアで発見された「バビロンの歩くライオンの煉瓦レリーフ」で古代バビロニア時代に造られたものです。イスタンブールの考古学博物館にも同じスタイルのライオン像がありました。複数個所にこの像が残されていることは、「歩くライオン像」をバビロニアの人々が気に入っていたことの証と思います。

    メソポタミアで発見された「バビロンの歩くライオンの煉瓦レリーフ」で古代バビロニア時代に造られたものです。イスタンブールの考古学博物館にも同じスタイルのライオン像がありました。複数個所にこの像が残されていることは、「歩くライオン像」をバビロニアの人々が気に入っていたことの証と思います。

  • 石板に描かれた古代エジプトの絵とクサビ形文字(ヒエログリフ)です。アメンホテプIII世の時代(1410-1372BC)に造られたお墓のレリーフで埋葬者とその妻についての記述だそうです。

    石板に描かれた古代エジプトの絵とクサビ形文字(ヒエログリフ)です。アメンホテプIII世の時代(1410-1372BC)に造られたお墓のレリーフで埋葬者とその妻についての記述だそうです。

  • こちらも同様の墓の石板で、描かれている人物の髪や衣服の彫が繊細で、エジプトの職人技術の高さが伺われます。

    こちらも同様の墓の石板で、描かれている人物の髪や衣服の彫が繊細で、エジプトの職人技術の高さが伺われます。

  • 戦闘場面が彫られている石棺レリーフで、被埋葬者は勇敢な戦士であったことが伺われます。

    戦闘場面が彫られている石棺レリーフで、被埋葬者は勇敢な戦士であったことが伺われます。

  • 石棺の女性像で上部像は被埋葬者の姿、下段は生前の行いが彫り込まれています。

    石棺の女性像で上部像は被埋葬者の姿、下段は生前の行いが彫り込まれています。

  • 男性の石棺ですが、下部には竜と戦う男の像が彫り込まれています。外敵と戦った功績のある戦士だったのでしょうか。

    男性の石棺ですが、下部には竜と戦う男の像が彫り込まれています。外敵と戦った功績のある戦士だったのでしょうか。

  • 動物(馬もしくは驢馬)の背に立つ人物像です。頭の飾りや手に持っている道具から、宗教的な意味合いが感じられます。

    動物(馬もしくは驢馬)の背に立つ人物像です。頭の飾りや手に持っている道具から、宗教的な意味合いが感じられます。

  • 絵画と彫像の展示会場を一通り見学しました。美術館を後にする前に最上階からカフェを眺めました。間もなく閉館時間(21:00)でしたので、お客は殆どいませんでした。上階から見たカフェの床模様は見事です。テーブル配置も工夫されているのが分かりました。

    絵画と彫像の展示会場を一通り見学しました。美術館を後にする前に最上階からカフェを眺めました。間もなく閉館時間(21:00)でしたので、お客は殆どいませんでした。上階から見たカフェの床模様は見事です。テーブル配置も工夫されているのが分かりました。

    カフェ (美術史美術館) カフェ

    世界一美しいと言われる美術史美術館のカフェ by AandMさん
  • カフェの壁には見事な彫像があり、これらも鑑賞に値する立派な芸術品です。

    カフェの壁には見事な彫像があり、これらも鑑賞に値する立派な芸術品です。

  • 宮廷雰囲気を感じさせてくれる彫刻です。

    宮廷雰囲気を感じさせてくれる彫刻です。

  • 天井ドームにある飾りはハプスブルグ家の紋章のようです。遠いので細部は良く分かりませんが、天使や人物などの細かな細工の彫刻があります。カフェKHMそのものが芸術品だと思います。

    天井ドームにある飾りはハプスブルグ家の紋章のようです。遠いので細部は良く分かりませんが、天使や人物などの細かな細工の彫刻があります。カフェKHMそのものが芸術品だと思います。

  • カフェの近くにクリムト作品がある、と説明パンフレットに書いてありました。周辺を探しましたが見つからないので、美術館係員に聞きました。「階段上部にあります。多分見つけにくいので、教えます」と言って、丁寧に場所を教えてくれました。カフェへの入口上部に絵が描かれており、これがクリムト作品でした。

    カフェの近くにクリムト作品がある、と説明パンフレットに書いてありました。周辺を探しましたが見つからないので、美術館係員に聞きました。「階段上部にあります。多分見つけにくいので、教えます」と言って、丁寧に場所を教えてくれました。カフェへの入口上部に絵が描かれており、これがクリムト作品でした。

  • 入口上部に絵があります。この下にクリムト作品がありました。

    入口上部に絵があります。この下にクリムト作品がありました。

  • アーチ左右がクリムトの絵ですが、右側の美女の方が注目されている絵です。見つけにくい場所にあるので、殆どの見学者が見逃しているのではないか、と思います。今回はしっかりと鑑賞しました。<br />クリムト作品は近現代的ですが、この絵は周囲の彫像ともマッチしてクラシック作品が多い美術史美術館に似合っていると思います。古典的&宗教的な印象をを脱皮した美を感じさせてくれます。

    アーチ左右がクリムトの絵ですが、右側の美女の方が注目されている絵です。見つけにくい場所にあるので、殆どの見学者が見逃しているのではないか、と思います。今回はしっかりと鑑賞しました。
    クリムト作品は近現代的ですが、この絵は周囲の彫像ともマッチしてクラシック作品が多い美術史美術館に似合っていると思います。古典的&宗教的な印象をを脱皮した美を感じさせてくれます。

  • 見学を終えて美術館を出ると、日が暮れて夜の光景に変わっていました。

    見学を終えて美術館を出ると、日が暮れて夜の光景に変わっていました。

  • 美術館前からトラム2号線を利用して、滞在ホテルに戻ります。停車駅名とトラムの番号が標識に書かれていました。分かり易い表示です。

    美術館前からトラム2号線を利用して、滞在ホテルに戻ります。停車駅名とトラムの番号が標識に書かれていました。分かり易い表示です。

  • トラムは混みあってはいませんでした。5分程の乗車でホテル前に到着です。

    トラムは混みあってはいませんでした。5分程の乗車でホテル前に到着です。

  • ホテル(Vienna Marriott Hotel)も夜の光景に変わっていました。戻ってきたのは夜の9時過ぎでした。<br /><br />ウイーン到着が木曜日であったので、美術史美術館の開館時間が夜の9時まで延長されていました。延長時間を活用して、じっくり見てみたいと思っていたヴェラスケスやブリューゲルの素晴らしい絵画を鑑賞することができました。古代エジプトの工芸美術品、そして気付きにくい場所にあったクリムト作品も見ることができました。展示品だけでなくカフェKHMも含めてウイーンの美術史美術館は素晴らしい美術館だと思います。大満足の美術館訪問でした。

    ホテル(Vienna Marriott Hotel)も夜の光景に変わっていました。戻ってきたのは夜の9時過ぎでした。

    ウイーン到着が木曜日であったので、美術史美術館の開館時間が夜の9時まで延長されていました。延長時間を活用して、じっくり見てみたいと思っていたヴェラスケスやブリューゲルの素晴らしい絵画を鑑賞することができました。古代エジプトの工芸美術品、そして気付きにくい場所にあったクリムト作品も見ることができました。展示品だけでなくカフェKHMも含めてウイーンの美術史美術館は素晴らしい美術館だと思います。大満足の美術館訪問でした。

    Vienna Marriott Hotel ホテル

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