
2019/08/28 - 2019/08/28
8位(同エリア9件中)
AandMさん
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ニースの東に地中海に突き出た小さな半島があります。半島のサン=ジャン=カップ=フェラと付け根部分のポーリュ=シュル=メールに20世紀初めに建設された見事な別荘があります。世界でも有数な銀行家であったロスチャイルド家が建設したロスチャイルド邸とフランスの著名な学者テオドール・リーナックが造ったヴィラケリロスです。前者はフランス風、後者はギリシャ風で、近い場所に建設されていますが趣が異なります。
ニースに滞在してフレンチ・リヴィエラの観光をした際に、ニースからバスに乗車して訪問してみました。観光に便利な「フレンチ・リヴィエラパス」を持っていると、これらの施設入場料が免除されます。またバス代は片道1.5ユーロと高くありません。ロスチャイルド邸は程々混んでいましたが、ヴィラケリロスは訪問者も少なくゆったりと見学できました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- ホテル
- 4.0
- グルメ
- 3.5
- 交通
- 3.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 交通手段
- 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- ユーロウイングス オーストリア航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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フレンチ・リヴィエラパスがあると、ニースおよびニース近郊の美術館、博物館、循環観光バスなどの料金が免除されます。48時間有効のパス値段は38ユーロですので、観光バスの他に美術館を2-3か所訪問すれば十分元がとれる感じです。
これから訪問するロスチャイルド邸とヴィラケリロスも入場料が無料になります。 -
ニース市内のガリヴァルディ広場に近いバス停Promenade des Artsから81番バスに乗車して、Passable/Rothschildバス停で下車します。所要時間20分程でした。バス料金は1.5ユーロです。
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バス停から2-3分歩くと、ロスチャイルド邸入口門に到達します。ここから緩い坂道を数分登ります。途中が駐車場になっていますが、殆どのスペースに車が駐車していました。
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ロスチャイルド邸です。左側のチケット売り場兼ショップを通って中に入ります。フレンチ・リヴィエラパスを持っていたので無料で入場できました。
ロスチャイルド邸は裕福な銀行家ロスチャイルド家によって1905-1912年に建てられた邸宅で、所有者であったロスチャイルド男爵夫人が1934年に亡くなった以降にフランス政府の芸術部門に寄付され、現在は博物館として一般に公開されています。ロスチャイルド邸 博物館・美術館・ギャラリー
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ロスチャイルド邸は小高い丘にたっており、下方に地中海が見えました。
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中を進むと、建物への入口がありました。
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綺麗な花々が植えられています。大理石彫像がある点が、普通の公園などの花壇とは異なります。
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建物中央部が吹き抜けになっており、絨毯敷きの大広間になっていました。広間の周囲に部屋がありました。細めの大理石柱で支えられたアーチには繊細な模様が彫りこまれています。ロココ洋式の建物です。
ロスチャイルド邸 博物館・美術館・ギャラリー
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リヴィングルームです。
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地中海を見下ろせる展望室です。
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部屋天井に優雅なフレスコ画が描かれています。ルーブル宮やヴェルサイユ宮殿で目にする絵と類似しています。
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ダイニングルームです。ロスチャイルド家の人々は、豊かな自然と地中海の景観を眺めながら食事を楽しんでいたことが想像されます。
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この陶器は、1756年の製作であると説明が付けられていました。
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1755年に製作された花瓶です。骨董品が収集されていたようです。
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住い建物前に広大な庭園が広がっています。整然と整備されたフランス庭園です。この庭園はフランス文化省から「フランスで注目すべき庭園」の一つに指定されています。
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庭園では20分間隔で噴水ショーが行われています。
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庭園の端に、所々に展望テラスが設けられていました。
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このような彫像が沢山建てられています。見事なフランス庭園です。
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庭園中央部が池になっており、池の中から噴水が噴き上げていました。
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池に浮かんでいた蓮の葉です。珍しい種類の蓮のようです。
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こちらは睡蓮です。
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ピンクの可憐で美しい花が咲いていました。
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池の前方に階段状の水路があり、周辺に植木が植えられ、最上部にドームが立っていました。フランス風というよりイタリア風もしくはローマ風に見えます。
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藤色の花が沢山咲いていました。
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百合の一種でしょうか?
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庭園には多種類の美しい花が植えられています。所々にフランス語と英語の説明があります。
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庭園を南に進むとバラ園がありました。バラの最盛期ではなかったため、花の数は多くありませんでした。咲き誇ると、見事だろうと想像されました。
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庭園見学を終えて、ロスチャイルド邸に戻ってきました。2階部分の見学をすることにします。
ロスチャイルド邸 博物館・美術館・ギャラリー
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ベッドルームです。
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ベッドルームにあった置時計です。
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隣の間は中国風でした。ヨーロッパ宮廷や貴族の家を訪問すると、結構な頻度で中国風の間に遭遇します。富裕階級の好みで、中国風の間が造られていたようで、ロスチャイルドも例外では無かったようです。
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清時代の中国で製作されたテーブルです。
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清時代の宮廷の様子が描かれています。
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2階バルコニーから見た庭で、左右対称形の典型的なフランス庭園です。
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猿の間(モンキー・サルーン)と紹介されています。
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部屋に猿の絵が複数ありました。この絵から部屋の名称が付けられたことが分かります。
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タペストリーの間です。
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壁に見事なタペストリーが掲げられています。
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色彩豊かな陶器製人形が付いた年代物時計です。
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彩色陶磁器人形で、工芸美術品です。
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2階部屋の窓の下方に地中海が見えました。空調がなかった20世紀初めの建設当時でも、涼やかな風が通ったであろうと思います。
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2階も繊細な柱に支えられたアーチで構成されていました。
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壁に2頭の馬のモザイク画がありました。ローマもしくはギリシャ風です。
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教会で目にするような壁画もありました。
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ロスチャイルド邸の展示室でムービーが上映されていました。フランス語と英語です。このムービーを観れば、ロスチャイルド邸の概要が分かると思います。
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ロスチャイルド邸からバスで数分移動した場所に、ヴィラケリロスがあります。バス停Kerylosから徒歩3分程の海岸部にある別荘で、フランス文化省の歴史建造物に指定されています。
建物は1900年代初めに建てられた古代ギリシャ風の別荘です。 -
ヴィラケリロスは小さな半島先端部に建てられ、前方に海が広がっていました。
ヴィラ ケリロス 博物館・美術館・ギャラリー
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建物内部は、先に見学したロスチャイルド邸とは様相が全く異なります。磨き上げられた黒色系の大理石柱で支えられたギリシャ風の建造物です。床も絨毯ではなくモザイクタイルになっています。
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壁に彩色タイルが張られ、模様もギリシャ風になっています。
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床のタイル画です。古代ギリシャ、古代ローマ風です。
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壁の飾りも大理石彫像で、ギリシャの雰囲気です。
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壁のタイル画です。
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飾りとして置かれていたのは、ギリシャで発掘された壺です。
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古代ギリシャ時代に使われていたワインやオリーブを入れるのに使われていた容器です。
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天井の造りも模様もギリシャ風です。
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ベッドも簡素で、気温の高いギリシャで用いられていた洋式になっていました。
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浴槽です。
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これは何でしょうか?機能的にはシャワー室のようでした。
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泉があるコーナーです。洗面などに使用されていたのでしょうか?
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水盤内側に見事な装飾模様が描かれていました。
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ヴィラには中庭があり、周辺部の建物は大理石柱で支えられています。ギリシャにある小宮殿のようです。
ヴィラ ケリロス 博物館・美術館・ギャラリー
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ヴィラケリロスの建物周囲は庭で、海に面していました。
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庭の下は海岸で波が打ち寄せています。ギリシャ人が好む家のスタイルだろうと思います。
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建物前は港になっていました。小舟やヨットが係留されています。
今回、ニースの市街を離れ、地中海に突き出た半島にある豪華別荘を訪問しました。街中にある教会などと異なり、地中海に面した立派な庭がある宮殿のような建物で、室内の装飾がロスチャイルド邸ではフランス流、ヴィラケリロスではギリシャ流でした。別荘の持ち主の好みが建物や装飾の様式に強く反映されているように思いました。20世紀初めの超富裕層の好みの一端を垣間見ることができたように思います。
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