2019/08/12 - 2019/08/12
46位(同エリア135件中)
玄白さん
4Traverのクッシーさんの旅行記で霧幻峡のことを知り、ムクムクと写欲が沸き上がり、いつもの撮影旅仲間のKさん、Iさんを誘って出かけてきた。できれば一泊してじっくりと撮影したかったのだが、なにしろお盆休み直前のことで、旅館は満室、民宿はお盆休みの休業ということで、宿が確保できず。やむなく夜中の12時半に出発し、早朝に現地で撮影して、午前中に帰宅という思いつき弾丸撮影旅となった。
出発時には、霧幻峡での撮影が終わったら北上して三の倉高原のひまわりの撮影もしていくつもりだったが、猛暑の中、後期高齢者のKさん、Iさんの体調を考慮して取りやめた。霧幻峡の近くには、鉄道写真撮影スポットとして超有名な第一只見川橋梁があるのだが、有名過ぎてありふれた写真にしかならないので、パスすることにした。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- 友人
- 交通手段
- 自家用車
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目的地は、奥会津の三島町の早戸温泉がある只見川である。このあたりは多くのダムでせき止められた只見川の流れが静かで、川面には周囲の木々の映り込みが見られる。尾瀬を源流とする只見川は雪解け水で水温が低いため、夏の早朝や夕方には川霧が発生しやすい。
そんな川霧漂う山間の秘境の幽玄の世界をカメラに収めようというのが、今回の撮影旅の狙いである。 -
日の出一時間前の4時に現地に到着。すでに薄明になり、ブルーアワーの時間帯になっている。早戸温泉の対岸に三更集落という廃村があり、その近くで、まず撮影開始。
霧の中にうっすらと見えているのが、早戸温泉「つるの湯」。ここに一泊したかったのだが、満室だった。 -
夜明け前の青一色の川霧に包まれた只見川の湖かと見紛う鏡のような川面の風景は、まさしく幽玄の世界だ。
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早戸温泉「つるの湯」遠望。
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ここを撮影ポイントに選んだ最大の理由、それはここに手漕ぎの和舟の船着き場があることだ。
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イチオシ
50年ほど前までは、三更集落と対岸の只見線の駅がある早戸集落を結ぶ唯一の交通手段が、この渡し舟だった。三更集落が廃村になると、この渡し舟も使われなくなってしまった。
三更集落が廃村になったのは、1953年から始まった硫黄採掘の影響で地盤が不安定になり、背後の山が陥没や崩落が繰り返し発生するようになり、1963年、1964年と2度の大規模山崩れで住民が移転したためである。自然災害というより、人災である。 -
2010年に、地元写真家、星賢孝さんが地域おこしのために、県の補助金を得て渡し舟2艘を観光用に復活させた。星さんは、SNSや写真展で、この地域の絶景写真を発表する活動も精力的に行い、この地の観光化に貢献している方である。
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現在は、この橋ができているので、住民にとっては渡し舟は必要なくなっているが、かつては集落のすべての家に舟があり、住民全員が船頭だった。
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徐々に明るくなってきた。霧は、出やすいところと出にくいところが狭いエリアの中でも散在している。
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渡し舟に乗るには事前に金山町観光協会に予約を入れる必要がある。4人までは一艘\5,000、5人以上になると一人\1,200という料金設定である。舟に乗っても撮影してみたかったが、宿と同様、予約はいっぱいで取れなかった。
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そろそろ日の出の時間だが、曇っているので霧の寿命は長そうである。
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川霧は濃いところと薄いところとまちまちである。
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やがて船頭さんが車で出勤してきて、これから仕事だ。対岸で待っている観光客を迎えに行くという。今日は大勢の予約が入っているそうだ。
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霧の中を手漕ぎの和舟がゆったりと進んでいく。水墨画のような情景だ。
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霧の中に消えゆく渡し舟
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鉄橋にかかる霧は少し薄れてきた。このくらいの方が絵になるかな。
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車を停めてある集落と渡し舟船着き場の間に「こんこん清水」と名付けられた湧き水があった。飲んでみると、美味しい水で、冷たくて気持ちがよかった。
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イチオシ
車を停めてあるところから只見川を俯瞰。
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手前の花を入れて。特定外来植物に指定されているオオハンゴンソウかな。
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対岸の早戸温泉に戻る途中、橋の上から撮影。
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早戸温泉「つるの湯」
日帰り温泉もやっているようなので、今度訪れる機会があったら、入ってみよう。 -
つるの湯の脇の道を川岸に下って行くと、渡し舟の船着き場がある。先ほど対岸から出た舟が、出発したところだった。あれ~、船頭一人で、客が乗っていない。
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イチオシ
船着き場には数人のカメラマンが三脚を構えている。どうやら、乗船する前に、船頭が一人で船を漕いでいるところを撮影してから、舟に乗るようだ。
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しばらくして戻って来た。中には\5,000で舟を借り切り、自分は乗らないで船頭をモデルにした撮影だけする人もいるという。通常は舟に乗って対岸の廃村になった三更集落を見学して戻るツアーとなっているようだが、融通無碍に乗客の要望を聞いてもらえるらしい。
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乗客が乗っているより、船頭一人の方が絵になる。
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今度は動画撮影をするカメラマン一人が乗り込み、再び漕ぎ出した。
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濃い霧の中に入っていく。
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離れていくにつれて、霧の中に溶け込んでいく渡し舟
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十分、川霧の幽玄の世界を楽しんだので、これからどうするか、相談。今は曇っているが、これから晴れそうだし気温が上がりそう、夜中に出発して寝不足ということもあり、熱中症のリスクがあるし、真昼間のひまわり畑は、あまり絵にならないだろうという先輩写真家の意見を取り入れ、このまま帰ろうということになった。
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ただ、帰路の途中、金山町の大志集落が見える「かなやまふれあい広場」で、只見線の列車を撮影していこうということになった。
ふれあい広場と言っても、車が7,8台駐車できる未舗装の駐車スペースがあるだけである。そばに列車が通過する時刻表が掲げられていて、撮り鉄の撮影ポイントだとわかる。大志集落の赤と青の民家の川面への映り込みと手前を通過する列車という構図になるようだ。 -
7:07通過の列車が定刻どおりにやってきた。ただ、会津若松行きなので、大志集落を入れた構図では、列車は後姿になってしまう。
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目の前を通過していく。
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列車は後ろ姿なので、ヘッドライトが光っていない。撮り鉄さんの評価では、こんなのはダメなのだろうな。
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イチオシ
所詮、真似事なので、これで良しとしよう。反対方向の列車は50分後になるので、それまでは待てない。すでに霧は消えてしまっているし、帰ることになった。
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来るときは東北道、磐越道で坂下ICから南下してきたが、帰りは昭和村、会津田島経由で一般道を行く。途中、Kさんが以前食べたことがある絶品の豆腐屋があるというので立ち寄ってみた。「玉梨とうふ茶屋」という店だ。奥会津百年水という名水が湧き出ており、この水で豆腐作りをしている。
なぜか、のれんが裏返しに掛けられている。そのわけを店の主人に聞いたところ、かつては観光客にもよく知られていて行列ができるほど盛況だったが、福島原発事故以来、風評被害で客足がばったり途絶えてしまった。抗議の意思を伝える意味で、そうしているのだという。 -
青ばととうふというのが、この店の看板商品。枝豆を原料に造った豆腐なのだそうだ。土産に買っていこうとしたが、防腐剤など添加物は一切使っていないので、宇都宮まで持って帰るのは無理だと断られてしまった。かわりに、店のなかで冷ややっこで頂いた。値段のわりには、飛び切り美味というほどでもなかったな。
夜中の12時に出て、寝ないで昼の12時前に帰宅するという、齢のわりのは無謀な弾丸日帰り撮影旅だった。
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この旅行記へのコメント (2)
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- クッシーさん 2019/09/02 22:38:32
- 霧幻峡、良いですよね~!
- 玄白さん、こんばんは。
玄白さんも霧幻峡へいらしゃったのですね(^^)
霧と静かな水面と和船、早朝の霧幻峡は本当に幻想的ですよね。
私は星さんの写真を見て以来、ずっとこの風景に憧れていたので
実際に「霧の霧幻峡」が見られた時は大感激でした。
つるの湯と渡し舟は予約が取れず残念でしたね。
とても良いお湯だったので、温泉好きの奥様と是非リベンジしてください。
クッシー
- 玄白さん からの返信 2019/09/02 23:06:12
- Re: 霧幻峡、良いですよね~!
- クッシーさんの旅行記のおかげで、幻想的な風景をカメラに収めることができました。家内も撮影してきた写真を見て行きたいと言っています。できれば、今度は冬、雪見風呂にしようかと・・・和船は営業してませんが。ついでに今回いけなかった只見第一橋梁で、撮り鉄の真似事もしようかな。
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