2019/04/29 - 2019/04/29
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norijiroさん
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前回の冒頭に記したとおり、今回の旅の目的の一つはパンダである。成都でパンダ見物といえば、市内の「成都大熊猫繁育研究基地」が世界的に有名だ。しかし、ここは有名な分、ツアーで訪れる大量の人民で常にごった返しているという。それでは上野と変わらないではないか。
もっと本場ならではのゆったりとした環境はないだろうか。そこで他に選択肢がないか調査すると、成都市郊外の都江堰市(中国は大きい市のなかに小さい市がある)に、「大熊猫保護研究中心都江堰基地」(通称:熊猫楽園)という場所があった。ここは成都からのアクセスがよくない分、客はあまりおらず、独り占め状態で存分にパンダを堪能できるらしい。ただ、日本のガイドブックには当然掲載されていないため、肝心のアクセス方法が今ひとつ判然としない。中国語のサイトなどを適当に見て何となくイメージしただけであるから、無事にたどり着ける保障はない。有名なほうで人民に揉まれながらパンダをチラ見するか、それとも熊猫楽園にたどり着ける可能性にかけるか…。熟慮の末、「何とかなるだろう」と思い切って楽園へと向かった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 3.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 鉄道 タクシー 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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まずはホテルから歩いて地下鉄の天府広場駅へと向かう。楽園に行くためには、そこから地下鉄2号線に乗り、終点の犀浦駅で高速鉄道に乗り換え、終点の青城山駅へ。そこからはバスもしくはタクシーという経路が一般的なようだ。
ホテル付近の裏道にはまだ昔ながらの街並みも残る。 -
歩道に設置された謎の健康器具。
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地下鉄はなかなか近代的。本数も多く、5分と待たされることはない。この日は平日のため、まだ通勤ラッシュ時間中。
天府広場駅 駅
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天府広場駅から犀浦駅までは、地下鉄一本なので問題はない。が、犀浦駅での乗り換えが最初の関門であった。到着した地下鉄のホーム(2階)に乗り換え専用と思しき高速鉄道の改札があるのだが、切符売り場がない。切符の販売機はあるものの、中国のIDカードがないと買えないようだ。つまり人民でないと買えない。そこで、いったん地下鉄の改札を出るも、1階の構内は人があふれており、いくつもの窓口に大量の人が並んでいる。当たりをつけて列にしばらく並びようやく先頭に立つも、ここは地下鉄や周遊券の切符売り場であり、高速鉄道の切符は買えないことを告げられる。無念。
付近を探索した結果、高速鉄道の切符売り場および乗り場は、さらに建物を出て隣りにあることが判明した。あとは有人の窓口で高速鉄道の切符を買えばよいわけだが(大人は要パスポート)、何と楽園の最寄りである青城山駅行きの列車が1時間以上ない。青城山駅行きの列車は基本的に10~30分おきくらいにそこそこの本数が出ているのだが、運悪くちょうど合間の時間に当たってしまったようだ。犀浦駅 駅
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こんなところで1時間も待っていても仕方ないので、ひと駅前の都江堰駅まで行く列車に乗ることにした。こちらはすぐの発車である。行き当たりばったりだが、とにかく行けるところまで行ってしまおう。
苦労して購入した切符は「無座」であった。高速列車は全席指定なので、座れる可能性のある日本の「自由席」とは違い、この時点で立ちが確定である。乗車時間は30分程度なので立ちっぱなしでもよいが、その後の列車も指定席はほとんどが売り切れており、当日販売されているのはほぼ無座オンリー。快適な旅のため、切符は数日前に買っておかないといけなかった。中国における厳しい切符争奪戦の掟を教えられる。 -
間もなく都江堰。深山幽谷といった感じの中国の山なみが見えてきた。
都江堰駅を出て客待ちのタクシーと交渉すると、楽園までは20km程度、40元で行ってくれるという。 -
紆余曲折を経てようやく到着!
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何ともいえないパンダのオブジェ。さあ、本物を見に行こう。なお、噂に違わず、見物客はちらほらといった程度で、じっくりとパンダを楽しめそうだ。人民の海から逃れられたようで、はるばるやってきてよかった。
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パンダはいくつかの居住区に分かれて飼育されている。まず最初に現れたのは、1歳のオス、霊岩である。結構高い木の上で遊んでいる。どうやって登ったのか不思議だが、若くて体が小さい分、機敏なのかもしれない。意外と活動的な動物である。
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次に、食事と同時に排泄もこなすという離れ業を見せてくれたオスの希夢。御年25歳という大ベテランである。パンダも歳をとってくるとだんだんと薄汚れてきて、態度もどことなく気だるい雰囲気が感じられ、やはり若い小パンダのほうがかわいらしい。
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もうすぐ5歳のオス、雅星。食事の様子をじっくりと見せてもらったが、竹をそのままバリボリとかじるようなことはしない。まずは繊維に沿って竹を縦に薄く割いていき、何本もの細い竹ひご状にしてから食べていた。なかなかこだわりがあるようだ。
竹なんぞ食べておいしいのか?と思うが、実際おいしく食べているわけではなく、しかも大した栄養もない。生息域周辺で安定的に食べられるものが竹しかなかったため、しぶしぶ竹を食べるようになったらしい。気の毒な動物だ。 -
園内ではレッサーパンダも飼育されている。が、野山にほとんど放し飼いといった感じで名前もなく、パンダとの差別的扱いを感じた。出るところに出ればそれなりに人気を集めるというのに…。
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6歳のオス、福豹。ウイーン動物園生まれの帰国子女である。
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今回あまた見たなかでMVP(most valuable panda)を選ぶなら、なんと言ってもこの2頭。まだ生後10か月の双子の念念(メス)と知路(オス)である。生まれたての子パンダ2頭が寝転がる姿はとても愛らしい。
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アップにて。
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こちらを熱い眼差しで見つめていただく。この後、冒頭の写真のように舌を出していただくなどサービス精神も旺盛だ。
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1パンダにつき見物人2~3人という恵まれた環境で、この日だけで一生分のパンダを見た気分だ。存分に楽しんで園を後にしたが、お昼ご飯はどうしよう。かなりお腹は空いている。園のパンフレットを見ると中に食堂があることになっていたが、係員に聞くと「今はやっていない」とのこと。この客数では仕方ないか。
ここはかなりの山奥だが、食べ物にありつくには町まで戻るしかないと肩を落としていると、どこからともなくメニュー片手に客引きのおじさん登場。そんなにひもじそうに見えたか。かなり怪しさ満点であったが、空腹には勝てずついていくことにした。 -
客が少ないのか、店ではとてもフレンドリーなおばちゃん店員の歓待を受けた。「あなたは中国語が上手だから、シンガポール人だと思った」との褒め言葉?に気をよくし、いろいろと発注。昔上海の学食でよく食べたトマトの卵炒め。卵の甘みとトマトの酸味が絶妙である。簡単に作れるので日本でも何度かトライしてみたことがあるが、どうしても本場と同じ味にならない。
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地元名産と思しき青城山ベーコン。一皿約1,000円と、他の料理の3倍くらいの値段がする。味はいわゆる普通のベーコンに近く、肉厚でカリッと香ばしい。子どもたちが喜んで食べていた(が、やはりピーマン部はすべて残された)。
こういった何気ない食堂でもおいしい料理を出すのが、中国のすばらしさであろう。 -
帰りはバスで。目の前にバス停はあるものの、時刻表などないのでいつバスが来るかは分からない。若干不安であったが、待ち時間10分程度で来てくれた。近くにある青城山は道教発祥の地の一つとして知られる一大景勝地であるらしいが(こちらはガイドブックにも載っている)、今回は時間がないのでパス。
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行きに到着するはずであった青城山駅。まだ時間があるので、世界遺産の都江堰にも行ってみることにした。
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市名にもなっている都江堰は、堰の字のとおり、昔の水利施設である。
都江堰 建造物
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周辺は公園として整備されている。世界遺産だけあって、観光客がわんさかといる。
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観光地らしく、記念コインの自販機もある。コインは1個20元でお札も全種使える…が、「本机不找零」とは「釣銭は出ねーよ」の意。知らずに100元札などを入れてしまった日には泣きをみる。
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まずは、この堰をつくった蜀郡の太守・李冰らがまつられている伏龍観へ。
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長江の支流である岷江の水を四川盆地へと導く一大灌漑システムが都江堰であり、伏龍観は四川盆地への入口部分「寶瓶口」の脇に建つ。都江堰の建設が始まったのは何と紀元前256年。日本はまだ弥生時代の中期というほどの大昔だ。堰は李冰の息子の代になってようやく完成し、2200年を経て現在も一帯を潤している。かの諸葛亮も治水のお手本として何度も見学に訪れたという優れモノ。
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この堰で感動したのは、単に川を分流させるだけでなく、ダムの働きも備わっていることである。水面が上がると、あふれた水は土手を越えて水路を伝い、岷江の本流へとかえっていく。誰が考えたか知らないが、すごいシステムだ。
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川を二分するために設けられた人工の堤防「金剛堤」の上を進む。有料の電動カートが運行されていたが、あまりにも長蛇の列で断念。
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1km近く歩くと、ようやく金剛堤の北にある吊り橋「安瀾橋」が見えてきた。
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金剛堤の先端・魚嘴。ここで岷江の本流と用水が分離される。
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オリジナルは明の時代に戦乱で焼け落ちてしまったという安瀾橋。吊り橋なのでかなり揺れる。おもしろがってわざと揺らす人民たちのせいで、縦横の揺れに拍車がかかる。眼下の流れは激しく、落ちたらいずれは長江の藻屑と消える運命だ。
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吊り橋の向こうに見えた塔にのぼり、都江堰を一望。紀元前につくられたとはとても思えない壮大な施設である。
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都江堰はそれほど期待していなかったが、想像以上の大仕掛けで古代人の叡智も感じられ、なかなか感動的であった。世界遺産はこうでないといけない。
で、問題は帰りの電車である。来たルートを戻ればよいのだが、またしても「無座」。しかも無座すら完売の列車も散見された。切符の購入はお早めに。 -
帰りの列車は行楽帰りの客を満載しており激混み。人民に揉まれながら無座の無情を噛みしめる。平日でもこの状況、もう少し本数を増やせないものか。
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成都に着いてからホテルへの帰り道、都江堰の売店でゲットしたミニオンのドローンと戯れる二児。上下2段のプロペラが回転し、40元とは思えない本格仕様である。が、風にあおられてあらぬ方向へ飛んでいき、最後は立ち入り不能の工事現場へと墜落、グッバイ。この世の終わりのように落ち込む長男なのであった(後日、成都の小汚い売店で同じものをゲットし、事なきを得た)。
明日は雲南省の麗江へ向かう。
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この旅行記へのコメント (2)
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- Pメテオラさん 2019/07/17 21:27:54
- 臨場感あふれるパンダ
- 作者さまが、パンダに出逢うまでの四苦八苦と、出逢ったパンダが、齢とともに、うすぎたなくなっている様子の描写がとても現実味があって、遠路はるばる旅をする雰囲気を上手に出している感じでした。いい意味で、あまりかまってもらえずに飼われているパンダって、野性の汚れ感あふれる状態で、興味深げでした。野生の匂いもプンプンなのでしょうかね、と思っています。
- norijiroさん からの返信 2019/07/19 13:14:00
- Re: 臨場感あふれるパンダ
- Pメテオラさま
旅行記をお読みいただき、ありがとうございました。
確かに子パンダはかわいいのですが、
おっさんパンダはただの白黒の熊が寝そべっているといった感じです。
人間にもあてはまるような気もしますが…。
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