2019/05/02 - 2019/05/03
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norijiroさん
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前回の旅行記で紹介したとおり、麗江の北には玉龍雪山という高山群がそびえている。中国はヒマラヤ山脈を擁しているので国内での高さ順では上位ではないものの、最高峰の標高5,596mはヨーロッパ最高峰のエルブルス山(5,642m)やアフリカ大陸最高峰キリマンジャロ(5,895m)にも匹敵する。
登山家でもないかぎり、そのような山は遠くから見て終わりなのだが、人民は違う。国内最高レベルのAAAAA級観光地として指定されているだけでなく、大・中・小3本の各種ロープウェイ・リフトが整備され、これらに乗ればそれぞれ4,506m、3,790m、3,290mの高さまで労せずして行くことができるというではないか。Tシャツにサンダル履きでも4,500m超えが可能なのだ。中国というのはすごい国である。
ただ、ここで気になるのは高山病だ。当然のことながら、上空で重度の高山病を発症する旅行者が後を絶たないらしい。大人だけなら大のロープウェイで4,506m一択なのだが、子連れのわれわれとしては、そこまでの高度はちょっと心配である。さらに、大のリフトは1日の人数制限があり、市中のツアーに参加することが一般的だという。となると、子どもが体調を崩したりした場合はなかなか融通がきかない。
そのような事情を察してか、前日に雑談していたホテルのスタッフの兄ちゃんは中のリフトを勧めてきた。大ほどのリスクはなく、小よりは山がよく見えて景色がよいとのこと。中リフトでもそこは富士山頂を凌ぐ高さ、子どもが小学校で自慢するには十分であろう。では、中のリフトに乗るべく、玉龍雪山へ出発!
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 交通手段
- 観光バス タクシー 徒歩 飛行機
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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タクシーに乗り、まずは玉龍雪山のツーリストセンターをめざす。麗江市内から玉龍雪山へ向かう道には、「酸素供給センター」などの看板を掲げて酸素缶を売る店や防寒具のレンタルショップが軒を連ねており(いずれも高い)、随所で雪山便乗ビジネスが展開されていた。
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30分ほどでだいぶ山が近づいてきた。何もない原野の一本道を進んでいく。
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ツーリストセンターのある甘海子に到着。標高はすでに3,000mを超えた。普通にタクシーで来られるところがすごい。周囲にはゴルフ場もあったりする。さぞやボールがよく飛ぶことだろう。
ここから先はタクシーや自家用車は乗り入れできないようで、場内を走る専用バスに乗り換える。甘海子 草原・平原
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雲のなかから山頂がちらりと顔を出す。山頂付近には北半球最南端(ややこしい)に位置する氷河と万年雪がある。日本だと沖縄本島あたりの緯度らしい。
チケットを購入後、ツーリストセンターから中のリフト行きの専用バスに乗車した。リフト乗り場はセンターから20km以上先にあり、ちょっと遠い。 -
藍月谷を通過。小のリフトはこのあたりから出ているようだ。
藍月谷 自然・景勝地
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いくつかの峠を越えて小一時間、最後は道路の舗装すら途切れたが、ようやくリフト乗り場へ到着した。さっそく乗車して山登りを開始する。
このリフトは1999年に開業したもので、全長1,200m、高低差320mを誇る。その規模に反し、見た目はダメな遊園地の観覧車のようで結構ボロ…じゃなくて簡素なつくりだ。リフト内に張り出された「乗客須知」の看板には、特に喫煙は厳に慎むよう書かれているのだが、吸い殻が平然と落ちていた。命知らずの人民による犯行であろう。 -
遠くに望む玉龍雪山。
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標高3,790mの山頂駅に到着。山は少し雲が多いが、なかなか雄大な景色だ。
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山を見ながらハイキングを開始。標高はすでに富士山頂を超えており、草原の最高地点は4,000mに達する。さすがに相当な高度なので、若干頭が重い。孫悟空の頭にはまっている緊箍児でじわじわと締められているようだ。
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なかなかきつい上り坂で酸素を奪い合う二児。われわれだけでなく、周囲の誰もが持参した酸素缶を吸入しながら歩いている。が、無情にも医学的には気休め以上の効果は何もない。なお、周辺には夏の間に放牧されているヤクの糞が多数散乱している。気をつけられたし。
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本当はもう少し雲が少ないとよかったのだろうが、何よりも普段の生活からみれば非現実的な高さにいること自体が楽しい。子どもがもう少し大きくなって再訪することがあれば、今度は「大」に挑戦してみたいものだ。
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高山病になる前に下山。谷を行くリフトはこの高さ。結構こわい。
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続いてやってきたのが、行きにも通った藍月谷。水の美しさは「小九寨溝」とも言われている。
藍月谷 自然・景勝地
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絶好の撮影スポットであるため、ウエディングフォトの撮影を行う新婚人民カップルが多数。みなプロのカメラマンを引き連れており、そういう専門のツアーが盛んであるらしい。あちこちでアツアツの写真撮影現場を見せられることになる。後で調べたところ、近隣だけでなく香港からのツアーまであった。
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雪解け水の色はカナディアンロッキーや、クロアチアのプリトヴィツェにも匹敵する気がする。
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東洋のプリトヴィツェ?
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比較画像。まあ、近いといえば近い。
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谷のなかほどにある滝と玉龍雪山。
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「白水台」と名付けられたみごとな石灰華段丘…と言いたいが、これは後から作ったものであるらしい。これほどの自然のなかに堂々と人工物をぶっ込んでくるとは、さすが中国。これもテーマパークの一種なのである。水の色もバスクリンで染めたのではないかという気がしてくる。
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さて、時間も遅くなってきたのでそろそろ下界に戻りたい。インフォメーションセンターまでは専用バスで簡単に戻れた。問題はそこから先だ。ホテルの兄ちゃんは「タクシーがいるよ…多分」と言っていたが、乗り合いのタクシーしかいない。7人程度の客が集まれば出発するようだが、どの車も中途半端に5人くらいの先客がおり、一家全員で乗ることができなかった。しかも、どの車にも運転手がいないのは何故だろう。
困っていると、ふいに1台のタクシーがやってきた。おお、ラッキー。さっそく乗ろうかと思ったが、メーターがすでに作動していて、240元近い料金を計上している。運転手に聞くと、「入場料+市内からここまでの料金」がすでに加算されているという。迎車料金のようなものであるらしいのだが、ちょっと高すぎないだろうか。
諦めてふたたび乗り合いタクシーの場所まで戻ったが、やはり運転手がいない。改めて周囲をよく探してみると、客と話している運転手らしき人が1人だけいた。市内に戻りたい旨を伝えると、「200元で市内まで行くよ」という。往路のタクシー代(約120元)より少し高いが、すぐ出発してくれるそうなので、それくらいならいいか。 -
後についていくと、そこで待っていたのはタクシーではなく、電気関係の業務用車。どうやら、仕事か何かでここに来た帰り道に、ついでにホテルに寄ってくれるということのようである。要は白タクだ。有料の人助けといえなくもない。結果的にトラブルなくホテルに到着したからよかったが、帰りはどうするのが正解だったのだろうか。
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翌日は麗江滞在の最後日。夕方の便で成都に戻る。最後に、麗江古城とならぶ旧市街、束河古鎮を訪れてみることにした。
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同じ旧市街だが、こちらのほうが人も少なく、観光用の馬も走ったりとのんびりとしている。混雑している麗江古城を避け、こちらに宿をとる人も多いらしい。
束河古鎮 文化・芸術・歴史
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なかなか雰囲気のある路地裏。
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ブラブラ歩いていると、ヤクヨーグルトの売店を発見。ほとんど普通のヨーグルトドリンクだが、後味に若干の野性味がある。これがヤク風味なのだろう。この売店の壁には、「うちの娘差し上げます、何ならいますぐ!」的な張り紙がしてあったが、何かのジョークなのか、それとも切実なものなのか。
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この広場「四方听音」では、定期的にナシ族の踊りなどが披露されるという。
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中心に小川が流れる「飛花触水」と名づけられた飲食ゾーン。周囲にはこじゃれたレストランやバーが建ち並ぶ。若干作られた感はあるが、麗江古城ほどのテーマパーク感がなくてよい。
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ここにもあった四方街。かつては麗江の毛皮貿易の中心地だったという。
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四方街西側にある青龍橋。400年前の明王朝の時に作られた石橋で、この先はチベット方面へ通商の道が続いていた。撮影にいそしむ新婚カップルに占領されている。
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古鎮から離れると、雰囲気はさらに牧歌的に。ありのままの街並みで悪くない。
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周囲をのんびり散策した後は飛花触水ゾーンまで戻り、「千里走単騎」にて昼食。この町で撮影された高倉健主演の日中合作映画(邦題「単騎、千里を走る。」)のタイトルが店名に使われている。
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エリンギっぽく見えるのはすべて松茸。5年分くらいの松茸を一気に食べた。しかし、味わいとしてはエリンギと大差なく、これなら配下のエリンギで十分に代役をつとめられそうな気もする。
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納得のたまご炒飯。長男は1日2炒飯のノルマを自らに課している。勉強面ではまったく見られないストイックさだ。彼の旅の目的は順調に達せられているようである。
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なかなかよかった束河古鎮。麗江古城も迷路のようでよいのだが、ゆったり過ごすのであればこちらをオススメしたい。
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広場にはナシ族伝統の絵馬?が架けられている。旅の安全を祈願した。
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楽しかった麗江ともお別れ。成都へはふたたび中国国際航空で。国内線だが、飲み物のほかにパンの配給があった。
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1時間半ほどで成都空港に到着し、ターンテーブル前で荷物を待っていると、突如として近くから割れんばかりの大歓声があがった。見ると、その中心には人民とは一線どころか百線くらい画したオーラを発するパーカー男が。その男が歩きはじめると群衆も取り囲みながらともに移動していく。サングラスでよく分からないが、相当の有名人らしい。
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ロビーへ出るとこの状況。アイドルか歌手といった雰囲気だったが、誰だったのか気になる。
明日は実質的な成都最終日。またもや市内をブラブラする。
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この旅行記へのコメント (2)
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- andさん 2020/02/02 14:36:44
- こんにちは!
- norijiroさん
子連れ高地旅ということでとても興味があります。
私も前から行ってみたかった場所なんですが、自分が高山病になったことがあって、子連れでは怖くて行けてなかったんです…
息子さん達おいくつですか?
子供でも大丈夫ですかね~
にしても、雄大な絶景続きに感動ですね~
中国が落ち着いてきたら行ってみたいです!
and
- norijiroさん からの返信 2020/02/03 11:31:58
- Re: こんにちは!
- andさま
旅行記をご覧いただきありがとうございます。
子どもの高山病は心配でしたが、
結果的には特に問題もなく大丈夫でした
(子どもは小4と小1です)。
麗江の街自体が標高2400メートルくらいあるので
(高山病になるギリギリの高さだそうです)、
ここで数日慣らして体調に問題が出なければ、
山も大丈夫ではないでしょうか。
次に行くことがあれば、
4500メートルに挑戦したいと思っております。
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