バルサが観たかっただけなのに<5>～リポイにも行ってみた

2019/04/29 - 2019/05/04

　改元でボーナスステージ的に盛り上がる黄金連休。せっかくなので遠くに行くことも考えましたが、結局またバルセロナ。なぜなら、チャビさんが離れて以降では一番好きなチームになっている、今シーズンのバルサのゲームをどうしてもカンプ・ノウで観たかったから。
　今年は特にエア確保が厳しく、滞在は現地たったの３日半。その代わり、開催されるゲームはガチもガチなチャンピオンズ・リーグの決勝トーナメント。もうそれだけでも行く価値あり！なのですが、世紀末建築沼の人としては、前回訪れた直後に公開された、カサ・ビセンスにも行かなくちゃね。
　もう一通りの観光はしているので、今までじっくり見ていなかったところや、行きそびれたところでゆったり過ごす予定でしたが…
　まぁ、行ったら行ったでそんな訳にはいかないよね～、ということで（笑）

　前日までに一応旅の主な目的は果たし、この日はピレネー山脈に近い街リポイと、その途中にあるビックへエクスカーション。
　情報があまり無いうえ、列車の接続のパターンも限られていましたが、どちらも意外と見所があって、後ろ髪を引かれながらの街歩きでした。まずはリポイ編。

エリア その他の都市(スペイン)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 4.0

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 徒歩
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空 ANA
• 旅行の手配内容: 個別手配

今日はまた朝早い時間に出発するので、昨夜のお残りの生ハムをクロワッサンに挟んだものとスムージーでぱぱっと朝食。
前夜が遅かったので、結構眠い…。

バルセロナ・サンツでRENFE 近郊線に乗り換え。一般的にはラッシュ時ですが、それほどは混雑していません。
乗る予定の列車の出発時刻が少し遅れたようで、待っている間に出発案内の表示時間と行き先がしれっと変わったので（変更したとか遅延したとかの表示もない）、超不安に！

バルセロナ サンツ駅 駅

予定のホームでスタッフに確認すると、次に入線する列車で良いとのこと。
ああ本当に心臓に悪い。
今日の旅は乗り逃すと旅程がかなり厳しくなるので特に。

バルセロナ サンツ駅 駅

途中まではそこそこの乗車率でしたが、近郊線の外に出ると車内はガラガラに。
のどかな風景が続きます。

最初の目的地、リポイに着きました。
ピレネー山脈に近いですが、れっきとしたカタルーニャ。
そんな場所だけあって、ちょっと肌寒い。

駅に面した通りは、道幅は大して大きく無いのですが、大型トラックが多数行き交いちょっと空気が悪いので、一本外の道を選択。
たった１ブロックでほぼ住宅街の風情に。

なんだかちょっと見覚えのある芸風のチャペル発見。
これ、アレに似てるよね…と思いながら近づき、貼ってあったプレートを確認。

　Sant Miquel de la Raqueta
　（中略）
　Arquitecte: Joan Rubio i Bellver

ビ～ンゴ！ベリュスグアルドやコローニア・グエルの一部を任されたガウディの片腕の一人、ジョアン・ルビオの作品でした。
これはノーチェックでした。そもそも「地＊の歩き方」に地図さえ乗っていない街。たまたま通った道なりで出会えてラッキーでした。

街を流れる川を渡ります。

割とごちゃごちゃとした通りを抜けると、いきなり整備された広場に出ました。
市庁舎とサンタ・マリア修道院が並ぶ、このひと区画だけが異様にすっきりしています。
主な目的地はこの修道院です。早速入ります。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

丁度アーチの先がこの石門になっています。保護のためにガラスで覆われているので、前の写真の左側の入り口から入ります。
建物の多くは消失し、再建されたものですが、これは12世紀に作られたオリジナル。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

石門には聖書の内容や暦などがびっしりと刻まれています。
ロマネスクの貴重な建築物です。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

このあたりはダビデ王の物語。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

この石門をくぐって教会内に入ります。
再建はされていますが、様式は当初のものということで、天井の構造が石積みになっていて、かなりの重厚感です。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

装飾を排した側廊には聖書のシーンのレリーフ。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

これはキリストの降架。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

教会の窓には、石英の入った石を薄く削ったものがはめ込まれています。
ある意味天然のステンドグラス。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

教会に隣接した遺構も公開されています。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

修道院の回廊にも12世紀のものが残っています。

静謐という言葉がぴったり。

サンタ マリア修道院 (リポイ) 寺院・教会

情報がなかったので、リポイの滞在時間はそれほど長くは設定していませんでしたが、訪れてみると、なかなか雰囲気の良い街で（何もありませんが）、街歩きルートなども設定されていて、余裕があったらもう少し居たかったのですが、１本逃すと次の予定が成り立たなくなってしまうので駅に向かいます。
写真はストリート表示のタイル。街の紋章がかわいい。

帰り道にもおおっ？というモデルニスモの豪邸。
さっきのアレよりもソレっぽいと思ったら、これもジョアン・ルビオ作品でした。

リポイ駅で列車を待ちます。
異様に立派な廃屋が向かいのプラットホームに隣接しています。
「新駅舎」のような看板が出ていますが、どういう訳か使われないまま朽ちて行きつつあるようです。