2019/04/30 - 2019/05/01
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Pメテオラさん
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パリのノートルダム大聖堂の再建計画は着々と進んでいるらしい。フランス人らしく、自分たちのアイデアを入れて21世紀スタイルのノートルダムを残そうという気概を感じた。何が何でもオリジナルに忠実に再現というのは、文化の創造をさまたげる。だいたい、ノートルダムにオリジナルなんてない。いくら中世風を意識したとはいえ、150年くらい前にできた尖塔を寸部違わず復元して何になるの、という考え方に私も賛成。
そんな議論もかまびすしいノートルダムの周囲は、火事場跡の見物客で大盛況。対岸とセーヌ川クルーズの船上からノートルダムを拝み、コンシエルジュリ経由、サントシャペルでノートルダムに負けず劣らずの美しいステンドグラス見物をして、シテ島の歴史を味わった。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
イチオシ
1 残念。やっちまったよノートルダム:Notre Dame de Paris
ご存じのとおり、2019年4月15日の夜にノートルダム大聖堂の屋根と尖塔が焼け落ちた。
パリの歴史あるシンボルのひとつだったので、とても残念。
「よりによって、私らが行く前に火事かよ・・・・」
「まあ、しょうがないよね」
「あーあ。タッチの差で見られなくなっちゃった」
そのため、ノートルダム大聖堂の対岸は新名所。セーヌ川沿いの歩道は、火事場跡を一目見ようという観光客でいっぱい。水売り、お土産売りが歩き回って、商売、商売。災い転じて一儲け。 -
「やっちまったよね。高を括ったタバコのポイ捨てが火元の可能性が大だな」
「諸行無常。形あるものは、いつしか消え去る」
この二つは、私の感想。
それにしても、木造部分は完全に焼け落ちているのに、修復作業用に組み上げた鉄製の足場は、ものの見事に残っているんだな、というのが、現場近くで見た感想。 -
この写真は、屋根と尖塔ありし日のノートルダム。夕陽に美しく映えていた。
当然のようにあったものがなくなると、気持ちにもぽっかり穴があくということを改めて実感。 -
2 再建とは、進化することなり
2019年5月時点では、周辺は立入禁止。報道のとおり、確かに正面、つまりファサードは見た目に変化なし。 -
「ほらね、30年くらい前の写真と同じ。すす払いしたので、昔より、かえってきれいかも」
-
ノートルダムは、セーヌ川を隔てた対岸から本堂と2本の鐘楼を見たときが一番美しいと言われている。私も同感。
この風景は、映画にも登場。マンマミーアという映画で、主人公の女性ドナに一目ぼれして再会を約束したイギリス人の兄ちゃんが回顧的に見せたツーショット写真も、場所はここ。パリをイメージする代表的なシーンだったことは確かだ。 -
それが、しばらくは、しまりのない感じ。写真は別の日にセーヌ川クルーズ船上から撮影したノートルダム遠景。
「屋根なしノートルダムって、ここ5年か10年しか見られないから貴重なシーンだ」
「不幸中の幸いで、鐘楼とか祭壇とか残ったんだからヨシとしなくちゃね」
いったん火事場を見てしまうと、我が家のコメントは急に前向きになった。 -
フランス人も、気持ちの切り替えが早いらしく、5月はじめの新聞には、早々と多種多様なノートルダム再建案が完成予想写真付きで大々的に載っていた。侃々諤々(かんかんがくがく)のフランス流議論が楽しみな記事だ。
「何が何でもそっくり再建」ではなく、「21世紀スタイルのクリエイティブな気持ちを加味して再建しよう」というフランス人の気概を感じた。焼失前の屋根は、ほぼオリジナルな建造物であったが、ファサードの一部や尖塔は19世紀半ばの再建。当時のフランス人たちは、祖先の歴史的偉業を再現するという気運が高く、「多分、最初はこんな形だっただろう」という動機で尖塔を作り替えたという話だ。
エッフェル塔しかり、ポンピドーセンターしかりの、フランス文化の進取の気質を感じて、大いに感服した。 -
3 足休めのセーヌ川クルーズ
夕方、観光で疲れた足休めを兼ねて、セーヌ川クルーズ船に乗った。
私たちが選んだのは、シテ島のポンヌフ(橋)のたもと発着の「ヴドゥット・デュ・ポンヌフ:Vedettes du Pont Neuf」という会社。
クルーズ内容は競合他社とほぼ同じ。1時間でセーヌ川のパリ中心部を往復、オープン展望席有り、多国語の観光案内ありだ。1時間クルーズの当日券はおとな1人14ユーロ、日本語解説はパンフレットにて。生身のガイドさんは、フランス語と英語でしゃべる。 -
写真は、シテのポンヌフの張り出しから階段を下りた場所にあるヴドゥット船乗り場。降り口の階段の目印は、馬に乗った国王アンリ4世の銅像である。
2019年5月現在、パリ都心部のセーヌ川クルーズ会社は4社ある。
①バトー・ムーシュ:日本人ツアーがよく利用。アルマ橋付近から発着。
ムーシュは moucheで、蠅のこと。オヤジ、紳士を意味するムシュー:Monsieur、と混同している人がいる。「いいや同じ。どうせオヤジは、ハエだ!」
②バトー・パリジャン:ここも日本人が多い。エッフェル塔の真下が乗船口。
③バトビュス:乗り降り自由タイプのキップ制で、川沿いの10カ所弱の船着き場に寄りながら船が往復する。ぶらりセーヌ川岸散歩向き。日本人は少な目。エッフェル塔の少し上流が起終点。
④ヴドゥット・デュ・ポンヌフ:シテ島発着のため、4社中で日本人にはもっとも知名度が低い。サービスは普通。
細かくは、各社のサイトに書いてある。季節ごとにダイヤが組まれていたり、食事付き、カクテル付き、ガラス張の船ありなど、多様なサービスがある。食事付きだと、食べるのに夢中になり、あんまり景色が見られないという話だ。 -
4 2階の展望席から眺めるセーヌ河岸
夕方の19時の船が出航。ガイドのお姉さんは、最初から最後まで、ほぼ休むことなく仏語、英語でしゃべりっぱなしだ。
「まず、右手に見えますのは、ルーブル美術館でございます」
”パシャ、パシャ、パシャ”とスマホやデジカメのシャッター音。船のエンジン音は、あんまり響かなかった記憶がある。 -
「続いて、左手にオルセー美術館がご覧いただけます。印象派の絵のコレクションが多彩で、ニッポン人の方々に大好評をいただいております」
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「左手をご覧ください。セーヌ川に架かる橋で、もっとも派手と言われています『アレクサンドゥル3世橋』の向こうにエッフェル塔が大きくなってまいりました」
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「エッフェル塔の雄姿を間近にご覧ください。(真下の船着き場は、バトー・パリジャンの乗り場でございます)」
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「前方の2階建ての橋が、ビル・アッケム橋でございます。上がメトロ、下がクルマや人の橋です。当船は、ここで反転いたします」
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「ただいまアルマ橋をくぐり抜けました。左手に、バトー・ムーシュの乗り場が見えてまいりました。セーヌ川クルーズの元祖の会社でございます」
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「左手のガラス屋根の建物が、グランパレです。パリコレのメイン会場でございます」
出航後30分くらい経ってくると、みんな飽きてくるのか、雰囲気が冗漫になっている。お客どうしのおしゃべりも、少し湿りがち。けれども、ガイドのお姉さんは意気軒高である。 -
「はあい、皆様、最近のセーヌ川クルーズ風景の一番人気、ノートルダム大聖堂が近づいてまいりました」
みんな、「はっ」と気が付いて、むっくり起き上がって姿勢を整えた。 -
クルーズ船は、何事もなかったようにノートルダムの南側を通り抜け、橋の欄干に寄りかかって火事の跡を見物中の観光客を見上げて進む。ガイドさんのセリフに大げさな変化はない。4月に火事に見舞われたことだけを淡々と追加説明していた。
-
「こちらは、二つの中洲のシテ島と、サンルイ島を挟む形になりますセーヌ川の分流地点です。左手の樹木の後ろにノートルダムの鐘楼が、ご覧いただけます」
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「奥の水路が、サンマルタン運河の入口です。ここから、バスティーユを経てレピュブリック付近まではトンネル水路となっております。当船は、ここで再び反転し、船着場へと戻ります」
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「左手が、サンルイ島とシテ島を分けているセーヌ川の水路です。島のこのあたりは、とても静かな高級マンション街でございます」
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「右手後方は、パリ市庁舎です。古そうに見えますが1892年に現在の姿になりました。事実上の新築です」
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「続いて、右手後方にご覧いただけますのは、シャトレの市立劇場と、背後のサンジャックの塔でございます」
劇場前の広場に立っている金ぴかの像も、小さく見えた。 -
「左手、丸い胴体に三角の尖った屋根が付いた建物がコンシエルジュリでございます。その先のアーチ型の橋がポンヌフ。1時間の当クルーズも、いよいよ終点が近づいて参りました。本日は、ご清聴まことにありがとうございました」
みんな、多少、強めの拍手でガイドさんの説明を讃えた。フランスなので、「ご乗船ありがとうございました、とか、足元にご注意して下船ください」などの、決まりきった台詞はない。
「さようなら、夕食(夜)を楽しんでね!=Au revoir, Bon soiree *!」
( *:アクセント記号は省略) -
5 マリーアントワネット最後の住処コンシエルジュリ
コンシエルジュリ:Conciergerieと、隣のサントシャペル:Sainte Chapelle に入った。先に、すいているコンシエルジュリに来て2館共通券を買った。ベルばらファンのマダムために、マリー・アントワネットが人生最後の日々を迎えた場所から見物した。
不気味なムードが漂っていてもおかしくない革命時代の牢獄、コンシエルジュリもすっかり化粧直しされていて、明るい中世ムードたっぷりのお城の広間。ぜんぜん悲壮感がない。 -
順路の沿って建物の奥へ入ると、身分のあった人々の独房がならんでいる。きれいに手直しされているので、凄惨な歴史の実感が湧かない。
「観光地なんだから仕方ないね」 -
フランス革命がもっとも先鋭化した1793年から1794年前後にかけて歴史の舞台に躍り出て、ギロチン(ギヨタン)にかけられた人物の名前を書いた銘板が、あちらこちらにあった。マリー・アントワネット、ロベスピエール、ダントン、サン・ジュスト・・・・・・・。合掌。
-
マリー・アントワネットが処刑台に連れていかれる場面の想像画。かつての悪女の代名詞も、いまでは、歴史上の人物のひとり。事実を淡々と受け入れよう。
-
コンシエルジュリの中庭。女性の囚人に限り中庭散歩が認められていたとのこと。
ここも整いすぎで高級マンションの中庭と全然、変わらない。明日の命は大丈夫か、という当時の切迫した心理など、普通の人は想像だにしないだろう。「けっこう、居心地良さそうね」と、勘違いしそう。 -
6 ノートルダムがだめならサントシャペルがあるさ
お気楽観光客の我らご一行は、続いて、隣接のサントシャペルに入った。フランス王朝風の金ピカ彫刻を載せた鉄柵が、ちょっと厳めしい。それもそのはず、サントシャペルは、いまでは最高裁判所の敷地の一角に残っている礼拝堂だからだ。
「あと、サントシャペルの尖塔に、見覚えありませんか?」
「あっ、ノートルダムの焼け落ちた尖塔と似ているう・・」
「大当たり。同じ建築家が復元したんだもんね」 -
セキュリティ・チェックを受け、指示された順路に沿って入って行くと、入場券を買う方は長蛇の列。
「わおー、共通入館券持ってるんで、こっちは待ち時間ゼロだあ!」
ホントに、混雑している観光スポットで待ち時間を節約できることの有難さを、今回の旅では幾度も体験した。めでたしめでたし。 -
「わあー、きれえ」「すっごい・・・・」
サントシャペルは、1階も2階も、すごい造りだった。そして華麗。 -
ノートルダム大聖堂への入場ができない場合、サントシャペルのステンドグラスが、おそらくパリ、ナンバーワンの美しさのはず。特に、太陽が当たる昼下がりから夕方にかけて美しく輝く。
青い輝きや、わずかに歪んだガラスを通った陽光のきらめきを、ひたすら崇めていた。 -
イチオシ
均整がとれ、エレガントな曲線を描くアーチにも、ほれぼれ。
-
いわゆるバラ窓のステンドグラスも優美。
-
30分ばかり、ステンドグラスと天井美を眺めたあとは、裁判所側の通路から退出。現役ばりばりの官庁と大観光地が同居、なんていうのもフランスならでは。
川面と陸のうえから、パリ発祥の地、シテ島の歴史的建造物をじっくり堪能した。「パリ観光は層が厚いなあ。あちこちめぐっても、いつも新たなパリ風景が目の前に展開する」
了
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この旅行記へのコメント (2)
-
- mistralさん 2020/06/18 13:53:12
- ノートルダム大聖堂
- Pメテオラさん
旅行記へのご訪問とご投票まで、ありがとうございました。
コロナウィルス禍のなか、旅にも出られず、従って旅行記ネタもなく
過去の旅行記をあれこれ寄せ集めてみました。
Oメテオラさんのパリの旅行記を拝見しました。
私はノートルダムが火災にあう前に、
Pメテオラさんは火災後のご訪問だったんですね。
火災のニュースには本当におどろきましたが、その後は着々と
工事が進んでいるとのニュース。
確かに仰るように消失した姿を再現するのではなく21世紀の
ノートルダムの建造がふさわしいように思えます。
過去を振り返ってみれば、幾度にもわたって修復工事をされ
後の世には、あの折の修復工事は、良かったとか酷かったとか
色々の評価を受けながらも、堂々とした存在感を誇ってきた
ノートルダム。
今回の再建工事がどのようなかたちで完成するのか
見守りたいと想いますね。
mistral
- Pメテオラさん からの返信 2020/06/18 18:35:00
- Re: ノートルダム大聖堂
- mistralさま。このたびは、ご丁寧なコメントと旅の体験談ありがとうございました。パリのノートルダム大聖堂は火事の前も後も見ていますが、世界中から巨額の寄付があるので、私たちが動ける間に、それなりの修復工事が終わると思います。ユニークなデザインや工夫が採り入れられるといいですね、と思う私たちがいる一方、寂しい思いをされる方もいるでしょう。どちらにせよ、COVID-19が一段落したら皆でわいわいノートルダム詣でをするのが楽しみです。再び、mistralさまの良き旅が始まりますように。
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