2019/05/01 - 2019/05/02
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Pメテオラさん
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フランスの5月1日はメーデー兼すずらんの日。パリの街中にも、たくさんのすずらん屋台が出て、白い花を売っていた。花言葉は「再び幸運が訪れる」。
パリは独特の雰囲気がとても強い都会だと思う。素敵な美女美男に憧れるというより、のめり込んでしまうような妖艶さが潜んでいる。
どこで、私たちはパリに魂を抜かれてしまうのだろう。私の感想では、街並みに加えて、カフェとメトロの雰囲気が、ウブな観光客を虜にするポイント。あらためて、パリのカフェにじっくりと入り、メトロを見回すように乗って見た。
パリ風、フランス風が素敵だという先入観があるから、「やっぱり、パリのエスプリね」と感じてしまうのか、単にユニークなのか、評価が難しいところだ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 5.0
- 交通
- 4.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
1 5月1日のすずらん
フランスの5月1日は、メーデー兼すずらんの日。
メーデーは、特別閉店やデモで観光客泣かせな日なので、旅行者はてんやわんやとなるから印象に残る。けれども、すずらんの日のほうは、観光に影響がないので、記憶にさっぱり残らないようだ。
街のあちこちに、にわか屋台が出ていて、可憐な白いすずらんを売っている。 -
イチオシ
フランスでは、花が咲いたすずらんを「幸運が訪れますように」と、誰かにあげて楽しむ。旅人には少し縁遠いが、5月1日の風物詩である。
フランス語で、すずらんは、ミュゲ:Muguet。
この日だけは、だれでも、花屋の近く以外で、根っこのないすずらんを自由に売ってよいし、課税なし。お小遣い稼ぎから、チャリティ募金まで、みんな、すずらん売りを楽しんでいる。
「マダム、私にひとつ下さいな」
「あいよ、ムッシュウ。3ユーロ」 -
すずらん売りの大半は素人なので、みんな、のんびりムード。おしゃべりしながら2つ3つと買って、親しい人に幸運を祈ってプレゼント。
もちろん、プロの花屋さんでも、豪華なすずらんを売っている。
すずらんは、根や実を中心に全体に毒があるので取扱注意。きれいな花には毒がある。バラはトゲがある。 -
2 パリの街角と言えばカフェ
パリの街角風景と言えば、カフェ!(Cafe*:eの上のアクセント記号は省略)
カフェは商店街の大通りのほとんどの角にある。パリ市中のイメージ画像でもカフェは主役のひとつだし、自由行動で街中歩きに出た私たち日本人も、カフェに入って大満足。私もカフェ堪能派。
このタイプのお店、フランスだけ「カフェ」って言って、イタリア、スペインでは「バル」と言う。カフェには、フランス特有の表面だけ取り澄ましたムードがある。だから、マックやスタバが登場しても人気が衰えないようだ。 -
ガイジンがイメージするパリのカフェの外観は、
①赤い張り出しの覆いや看板
②歩道に並んだテラス席
③ベージュ色の籐(とう)椅子
④前掛けと黒いベスト姿できびきび動く店員さん
⑤テラス席に悠然とすわって通行人を見ているマダム、だ。
パリ市内には、カフェが15000店くらいあるという。モダンインテリアに内装を変更したカフェもあるが、観光客は伝統スタイル支持派。 -
赤い色使いではない有名カフェも少なからずある。
マレ地区のボージュ広場:Place des Voges、にあるカフェ・ウゴー、とか、サンジェルマン・デプレのカフェ・ドゥーマゴ:Cafe Les Deux Magots 、カフェ・フロール:Cafe de Flore などだ。オペラ広場のカフェ・ドゥラペ、もそうだ。
カフェの色使いを見るのって、けっこう面白い。 -
たいていのカフェは、いまでも思い思いの名刺を作っている。有名店、ロトンドの名刺なんか、まさにパリ風。
-
イチオシ
3 モンパルナスの4大カフェ
パリでは地区ごとに有名カフェが少なからずある。
今回、私たちはモンパルナスの4大カフェに縁があった。いずれも、メトロのヴァヴァン駅前:Vavin に集中している。20世紀初頭以来の歴史ある有名店だ。開店当初は、貧乏芸術家のたまり場も兼ねていたカフェは、いまでは、パリを代表するカフェのひとつ。値段も高いが、話のネタに体験しよう。
まずは、赤い覆いの、カフェ・ロトンド:La Rotonde(ラ・ロトンド)。 -
その向かいが、カフェ・ドーム:Le Dome (ル・ドーム)。
カフェと背中合わせの部分は海鮮レストラン。別館にカジュアルなビストロも開いていて商売繁盛。ドームは、いわゆる赤い色使いのカフェではない。
どのカフェも、サイトがあるので、メニューとか値段は事前に調べられる。けっこう高い。 -
前の2店から少しモンパルナス駅方向に戻った場所に、カフェ・セレクト:Le Select (ル・セレクト)がある。
-
その向かいが、カフェ・クーポル:La Coupole( ラ・クーポル )。
4店とも堂々たる店構えで、カフェとカジュアル・レストランを兼ねている。
最もパリ風の外観な店がロトンド。 -
ロトンドは、真っ赤な店構えやネオンが目立つ派手なカフェだ。
-
イチオシ
店内には、モディリアーニの絵がさりげなく掛けてあることで有名。
お値段は張る。ちょっとサンドウィッチ食べてエスプレッソを飲むと20ユーロ弱。お食事をすると50ユーロ強だ。
ふと思い出したが、ウン10年前、通(ツウ)っぽく粋がったニッポン人のお兄様が、カフェでスタッフに向かって「ギャルソン!」と声掛けしていて、心底びっくりしたことがあった。昔風のフランス語の授業か、下手な翻訳作品の悪影響だと思った。
偉そうに書くが、20世紀後半からは、カフェでは常に、
「二人ですが、この席に座っていいですか、ムッシュウ」
「カフェ・クレームひとつお願いします、ムッシュウ」
「このパルフェ2つ下さい、マダム」
「会計お願いします、ムシュー」
なのだ。 -
4 カフェで飲んだり、食べたり
カフェで、流れるように入店、注文、飲食、支払いをして、さようならをするのは意外と大変。間の取り方が難しい。
けれども、ご安心あれ。ほとんどのお店のスタッフは、遠くから来た観光客をそれなりにサポートしてくれる。フランス語のあいさつ言葉や単語ができると、いっそう居心地がよくなる。
まずは、カフェ定番のエスプレッソ。2ユーロから4ユーロくらい。
フランス、イタリアとスペインの一部でしか飲めない、香りの強い濃いコーヒー。
「そんなこと知ってるわい」
「その割には、日本で普及しませんねえ」 -
手前が、カフェの定番料理のひとつクローク・マダム。奥が、ペンネ・アラビアータ。いずれも、ロトンドの一品。お味は並み。モディリアーニの絵や、こてこてのアールデコ調インテリアを愛でながら食べることに意義がある。
-
次は、ロトンドのサンドウィッチ。けっこうボリュームあり。
手前のオリーブは、私たちが何か食事をすると思って出してくれたもの。サンドウィッチ程度では、普通は出さない。観光客ならではの失敗。
私たちは、水も、ただの「カラフ・ドオ:Une carafe d'eau」を頼むし、ほんとにケチな客であった。
「でも、チップはちゃんと置いたよ」
「さようなら。オーウボア、ムシュー:Au revoir, Monsieur」 -
つづいて、ドームの朝食セット。オレンジジュース、コーヒー等の暖かい飲物、クロワッサン、半バゲットのサンドウィッチ。
お一人13.5ユーロ也(2019年5月現在)。円換算で1800円前後だ。
「高(たか)・・・・・」
普通のカフェで9ユーロくらい、シャンゼリゼの有名カフェ、フーケッツならば35ユーロくらい。
そう考えると、有名カフェの割には良心的かも知れない。
「何事も体験と思って、美味しくいただきました」 -
5 さわらぬマダムに祟りなし
今度は、普通のカフェで軽いランチ。
植木に囲まれたベージュ色の籐(とう)椅子のテラス席が旅情を誘う。
「ここに入る。おなかすいた」 -
「こんにちは:ボンジュール、ムシュー。ちょっと食べたいんです」
「こんにちは、テラス席が空いていますよ。どうぞ」(にっこり)
「あたし、中の窓際がいい」
「あたしも・・・・」
(はあ、何で我らがマダムはカフェの特等席に座らないのかなあ?)
「では、どうぞこちらへ。お好きな場所へどうぞ」
「我が家ではマダムの言うとおりにするのですよ・・・・・」
「ええ、お察しますよ、お客さま。『さわらぬマダムに祟りなし』ですものね」(ウィンク)
テラスをとおり越して、ずんずん窓際席に進む我らがマダムを後目に、私とスタッフのお兄さんは、顔を見合わせて、ため息をついたのであった。 -
もちろん、カフェは、”食事する”、”飲物だけ”、の別さえ意識すれば、基本的に自由席。室内を好むお客もいるが、春から秋にかけてはテラス席が気分爽快。冬でも、陽ざしが出れば、意地でもテラスに座るのがパリジェンヌ、パリジャンの見栄。
「そうやって、ツウぶって」と、マダムに反論されそうなので、もう止める。 -
このカフェでも、マダムは、典型的なメニューであるサンドウィッチやバーガーのランチ。私だけ、日替わりでおすすめの「スズキのグリル」とエスプレッソでご満悦。
テラス席は歩道を占有しているので、パリ市に固定資産税見合いを取られているし、伝統的には店内より値段が高いとか、注文の品を受け取ったときに支払いをするとレシートをビリっと破いて精算済みのサインにするとか、のうんちくは、あちこちのブログのとおり。
パリのカフェは、奥が深いなあ。 -
6 夜中のカフェ
カフェは、基本的に年中無休、朝から深夜までノンストップ営業。夜の11時、12時過ぎまで繁華街のカフェからは、お客のおしゃべりが聞こえる。
オペラの前の老舗、カフェ・ドゥラペ:Cafe de la Paix などは、夜の10時、11時でも大賑わいだ。 -
7 伝統的なパリの香りメトロ
メトロも大観光地パリの大道具のひとつ。
スリがこわくて、メトロに乗れない人もいるそうだが、案ずるより産むが易し。是非、チャレンジしてほしい。メトロ体験なくしてパリを語ることなかれだ。メトロは、全体として凝った造りなのに、部分的には変に雑だったりする。 -
伝統的なアールデコ調のメトロの駅入口の看板。
パリ風に見せるため、わざと昔風に戻した駅もあるやに聞いている。
写真は、観光客に縁の深い、パレ・ロワイヤル、ミュゼ・デュ・ルーブル駅:Palais Royal, Musee du Louvre 、の出入口のひとつ。 -
従来タイプの、かまぼこ型のメトロの地下通路。奥に自動改札機が見える。地下通路内は、出入口の凝ったアールデコ調に比べると、無味乾燥的なシンプルさ。街並みとデザインをマッチさせなくて良いので、思いっきり手を抜いた感じ。
-
8 メトロのキップと案内表示
メトロも当然、キップを買って乗る。
当節のはやりは、ナヴィーゴ:Navigo、というパリ版ICカード。月単位、週単位の定期券サービスに加えて、2018年からは、1日乗車券のモビリス:Mobilis もチャージできるようになった。
詳しくはSNCF:フランス国鉄、または、RATP:パリのメトロのサイトにて。(英語のページ)
https://www.sncf.com/en/passenger-offer/travel-by-train/cards-fares-greater-paris
https://www.ratp.fr/en/titres-et-tarifs/navigo-monthly-and-weekly-travel-passes
写真は最新鋭のナヴィーゴ、従来型のキップ、昔のキップ。 -
2019年4月現在、いわゆる伝統的メトロは14路線ある。他に国鉄スタイルの、郊外路線との相互乗り入れするRER(アーウーアー)が5路線ある。パリ風が色濃く出ている電車は前者だ。
パリも大都会なので路線がからみあい、乗換案内や出入口案内は、どうしても複雑になる。色合いや記号のデザインをそろえて、美しくて見やすい工夫をしている。それでも、シャトレ駅のような一大ジャンクションでは、どこがどれやら一瞬では判別できない。 -
9 進化し続けるメトロ
メトロの元祖は1号線だ。ラ・デファンス、ルーブル美術館、凱旋門、リヨン駅などを通るパリ1番の人気路線。スリにもっとも注意の路線でもある。
な、なんと最新鋭の自動運転の真新しい電車にリニューアルされていて、たまげた。プラットホームや構内のリニューアルも、ほぼ終えたようで、明るくすっきりスマートなイメージ。 -
14号線は最新の路線。全線全駅ホームドアおよびエレベーター付きで、電車も自動運転。21世紀のパリが目指すメトロの見本のような路線。
伝統的なパリのメトロらしからぬ雰囲気に唖然、そしてバリアフリーの便利さに感動した。 -
2019年5月現在、4号線が全線でリニューアル工事たけなわ。多くの駅で天井やプラットホームのコンクリートがむき出しになり、鉄骨の支柱や、黒々した配線が視野に入る。車内外の告知を読むと、深夜や週末は、けっこう運休する。「トラブルにあったあ!」と、大騒ぎするブログが増えるかも。
リニューアル完成のあかつきには、ホームドアばっちり、無人運転、バリアフリーもクリアした、さらに進化した4号線になっていることだろう。 -
10 伝統的スタイルのメトロも健在
文学作品やステレオタイプのパリのイメージに近いメトロも、まだまだ健在。
丸っこい車体、手動ドア、向かい合わせの座席、てかてか黒光りするプラットホームの床などにパリの香りを感じるのではないだろうか。 -
イチオシ
かまぼこ型のトンネル断面とか、白いタイル張りの壁面、ちょっと、うす暗い蛍光灯などからもパリ風を感じる。
ゴムタイヤの車両と、架線の代わりの第3軌条方式の電化もメトロの特色だ。だからメトロの走る音は、「シャアー・・・」。子供の絵本のように「ガッタン」とか「ガガー・・・」ではない。 -
古い形式の電車は、車両間の行き来はできない。
-
ドアも、開けるときは手動で、把手をグイとひねってドアを開ける。我が家の子供も1回やってご満悦。
ところどころに指はさみ注意のマナー・ステッカーが貼ってある。このウサギさんのステッカーは、だんだん数を減らしているようだ。 -
従来形式のメトロの車内。クロスシートが基本形。ドア横の椅子は折り畳み式なので、混雑時は立つのがマナー。別に座っていても、正義ぶった人に説教されることはない。
-
メトロは、ところどころで高架線を走る。日本人に一番、馴染みのある高架駅は、エッフェル塔の最寄り駅ビールアッケム:Bir Hakeim。まだ、エスカレーターもエレベーターもないので、階段の昇り降りが観光疲れの体に効いた。
それでも華の都パリ観光は続く。夕暮れを愛で、ディナーを味わうのだ。
了
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この旅行記へのコメント (2)
-
- オレンジママレードさん 2021/07/20 12:01:43
- 初めまして(*^_^*)
- 私の自己満足?の旅ごはんを訪問して頂きありがとうございます!
pメテオラさんの4トラ読ませて頂きました(^。^)
カフェでランチしたくなりますね♪
5月1日・スズランの日、最近は母の日とも言ってますよね♪
そんなフランスに憧れて、我が家の庭にスズラン植えました(^^♪
これからも、ゆっくり読ませて頂きます(*^-^*)
オレンジママレード
- Pメテオラさん からの返信 2021/07/20 19:00:30
- Re: 初めまして(*^_^*)
- こんにちは、オレンジママレードさま。コメントありがとうございました。気軽に旅ができるようになればいいなと思いながら1年半もたってしましたねえ。お庭に植えたスズランが香しく花をいっぱい咲かせますように。これからも楽しい旅の日々を祈って。
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