2017/08/30 - 2017/08/30
23位(同エリア6629件中)
Q太郎さん
東北に日本一の湧出量を誇る温泉があるのをご存じだろうか?今回ご紹介する「玉川温泉」である。秋田県八幡平の焼山(やけやま:標高1366m)のふもとに位置する玉川温泉は、一か所から湧き出るお湯の量が日本一!「大噴」(おおふけ)と呼ばれる源泉から98度の熱湯が毎分9000リットル(ドラム缶で45本分!)が今もブンブン?湧き出ている!
普通「温泉地」「温泉街」「スパリゾート」などというと、おさだまりの景色が思い浮かぶと思うが、玉川温泉にはそれらが一切ない。根底から温泉という常識がくつがえる場所だと思う。自身、私も日本中数多くの温泉に足を運んできたが、数十年前最初にここ玉川温泉に訪れた時のショックは未だにアタマから消えていない。(クイズタイムショックで未達成解答者がくるくる回るみたいな?・・・うーん、違うか?)
ご紹介する写真は、2017年の夏のものです。そろそろ夏のおでかけを考えている方々に「じゃあ、温泉の原点にでも行ってみるか!」というガイドになれば。
追伸:・・・ケッコウ遠いです。お時間には余裕を。
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車
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玉川温泉は、陸の孤島と考えた方がいいかもしれない。ただし、ちゃんと車ではゆける場所ですのでご安心を。
今回のルートは、東北自動車道「松尾八幡平IC」から「八幡平」>「ふけ湯」>「玉川温泉」にいたる往路を選択。(ICから到着まで約3時間超)復路は347号線を下り「宝仙湖」>「田沢湖をかすり」>46号線を「盛岡IC」にいたる道。(温泉からICまで約3時間)
・・・泊まればいいじゃん!となるのだが、本家「玉川温泉」は結構満室の場合が多く、その近くの「新玉川温泉」もシーズンによっては湯治客ですぐにいっぱいになる。・・・その理由は?のちほど明らかに・・・。 -
東北自動車道「松尾八幡平IC」を降りて、ひたすら「23号線」を西に西に・・・。左手にすごい景色がひらき、「熊沼」が見えてきます。
八幡平 (秋田) 自然・景勝地
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八幡平には、このほかに「八万沼」などすんごい風景がめじろおしのなのですが、今回はそうした風景は車窓のみの一服にて、ひたすら玉川温泉を目指します。写真は「熊沼」と左に「岩手山」かな。
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途中の道にも一度は名を聞いたことのある秘湯があります。写真の「ふけ湯温泉」はなんと23号線のちょっと休憩スポットからバッチリ望めます!こんどいってみたいなあ!
八幡平温泉郷 温泉
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途中にはこの「ふけ湯温泉」や「後生掛温泉」「トコロ温泉」「澄川温泉」など、温泉通にはヨダレの出そうなお名前が連なります!・・・そうか、ここに泊まってもよかったのか!
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23号線から341号線を左折し、しばらくゆくと「玉川温泉」左折の表示がみえます。写真はその道の脇を流れる「玉川」の風景。
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こちらも「玉川」の風景。もうここまでくれば、玉川温泉はもうすぐ!途中、「新玉川温泉」(同、玉川温泉グループ)の表示もあります。宿の泉質は同じなのですが、今回は「焼山」(やけやま)の見学が目的ですので、ひたすら玉川温泉を目指します。
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到着しました!道路から見えるこれが「玉川温泉」です!国道341号線から入ってここまでで約20分ぐらいかしら。
玉川温泉 新玉川温泉 温泉
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玉川温泉の駐車場は有料です。(・・・ウン百円ですが)あとは一日中停めておけます。ちなみに宿泊客専用の駐車場はちゃんとあるようです。
オオッ!ロッジ風の宿並の向こうにすでに湯気が立ち上っているではないですか! -
駐車場からのカット。ブワンブワンと湯気が立ち上っております!まじかで観るように歩みをすすめます。
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こちらが、新玉川温泉と玉川温泉周辺の地図です。今おるのは、地図の上部分の玉川温泉の緑塗った「噴気孔地域」のいちばん下のアタリです。ここから「湯川」をたどり、「大噴」から「岩盤浴地域」さらにその奥まで行ってみます!
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「湯川」ぞいはこんな風景です。この日は外国人の団体さんがバスで見学に訪れておりましたので、こんなに行き来が賑やかです。同じく土曜日曜日はこんなもんかも。
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「湯川」は幅は10m程で深さはさほどありません(入れないのでわかりません)。でもゴウンゴウンと大量の温泉が流れて手前の施設の中に入ってゆくように見えます。
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「湯川」の風景は、温泉地というよりも、石油や石炭の採掘場というイメージのほうがあてはまるやもしれません。
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「湯川」を横からみるとこんなカンジです。黄色や黄緑に光りながら湯気を立ててどんどんと流れてゆきます!なにか、この世のモノではないような・・・。
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「湯川」にちょっと近寄ってみます。おお!川の底がすでにこの世の物とは思えない美しい色で発光しています!(発光しているように見える)
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「湯川」にさらに寄って川をのぞき込んでみます。ん?流れてくる湯だけでなく、川底からもなにやら湯が沸き出ている様子です。このくらいで普通の温泉地のひと宿ぶんかもしれませんね。(私見ですヨ)
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湯川の反対側は砂地です。その向こうに「薬師神社」がみえます。
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薬師神社の手前には「北投石」が点在する砂地が広がります。実はこの北投石、世界でもここ玉川温泉と台湾の北投温泉にしかないという稀少な石で、ラジウムをふくみ放射性を持つ大変貴重な石なんだそうです!
よくネットで「北投石!販売!」と見かけますが、ほんとにここから持ってったものかしら?そもそも持って行っていいものなのか? -
ここを訪れる方々は、みなこんなふうに荷物をしこたま持ってきます。基本的にはゴザとタオル、そしてお着換えや食料となります。特にゴザとタオルは必需品です。
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さて、「湯川」をとぼとぼ歩いてゆくとやや高台になってきます。そこから湯宿方面を見返したカットがこれです。夏だというのに湯気がスゴイ!写真は風が出てきて一瞬湯気が飛んだ時を狙ってのものです。
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これが「湯川」の基となる「大噴」(おおふけ)です。直径3〜4mのとんでもない大きな泡が、ブワンブワン!と湯を吐き出しています!こんな風景何処にもないです!この大墳の湧出量が前記しましたように日本一!一分間にドラム缶45本分!というのもひかえめな感じがします。温泉通には一生に一度は必見のシロモノ!
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この大墳や湯川沿いやこれから行く岩盤浴地域にみなさん勝手にゴザを敷き、座り・ねころび暖をとります。このオンドル効果と湯気の成分さらに北投石のラジウム・・・などが相まって、難病重病に効果ありというのが大昔から玉川温泉に語り伝えられてきました。
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玉川温泉の起源は山奥のことなのでよくわからず、昔猟師などが「鹿湯」などと呼ばれ伝えられていたそうで、玉川温泉と呼ばれるようになったのは湯治客がボチボチ来るようになった昭和10年ぐらいからだそうです。
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大墳をとおりこしてゆくとこの景色に会います「岩盤浴」専用の小屋です。基本どこで寝転がってもいいのですが、雨風などはたまりませんし、効果効能が閉じ込められる室内ならさらに効果も・・・ということでしょうか?そろそろなにやら「賽の河原」の様相にかわってまいりました。
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岩盤浴の室内をのぞき込むとこんなカンジです。(失礼しました!)ゆっくりと目を閉じて、何時間も・・・。実は難病に効くという病リストの中にはガンもあります。聞いた話によりますと、重いガンの方が日本中からここ玉川温泉に長期の湯治に来られるとのこと。だから宿の御部屋が満室になりっぱなしというときも。
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岩盤浴のエリアを通り越して、さらに焼山を目指して歩きます。右側にはゴウゴウ!と空高々に湯気を上げる山の斜面!うーんスゴイ!ここまでくると硫黄のにおいも濃くなってきた?ような!
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丁度この時季は、緑の山がベースになり、岩肌の茶と灰、湯気の白、湯川の黄色があわさり、夢のような色彩の風景になります。
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山の斜面の噴火口のアップ。プシュー!ゴウゴウ!と硫黄の湯気がひきりなし。・・・ふと、地震のときにはどんなことになるんだろう?とつんまらぬ心配。
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つぎつぎに人がゴザを片手に行来します。ほんとにどこに座ってもいいかというと?・・・ホントです。道に手をおいただけで温かい!
ちなみに、ゴザとタオルは玉川温泉の宿で有料にて貸し出しております。 -
湯川や岩盤浴ゾーンを見返した風景。さらに奥に進みます。
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岩盤浴エリアから10分ほど歩くと、高台に昇ります。もうどこか別の星の創成期に出くわしたようなイメージです。
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ここが、玉川温泉の噴気孔地域を一望する場所です。圧巻の風景です!思えば箱根・湯河原・有馬・草津・伊香保・飯坂などももとは湯治場から始まり観光地として発展しました。この玉川温泉だけはその立地から観光地という道ではなく、湯治場という道を究めたのかもしれません。
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昭和18年「玉川温泉研究会」が設立され、多くの大学がこの研究に携わっています。玉川温泉の研究で医学博士になった医師は、東北大学・岩手医大・秋田大学などあわせて10名ほどとのことです。
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展望台の脇には、こんなまだ手付かずの湯の川も流れています。懐が深い!
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来た道をもどりながら、湯川沿いの風景。今回は残念ながら時間の関係で玉川温泉の入浴は致しませんでした。前に入浴した時の感想は、ややぴりぴりするイメージで、長湯は無用との記憶です。そういえばみな湯肩にだまって座っていたような・・・つげ義春の世界のような。
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玉川温泉には、スポーツ界や芸能界、文化人など多くのビックネームの来訪記録があります。みな痛みや病をもった人たちが、希望をもってここを訪れ帰ってゆく。ここにはいろんなドラマが凝縮しているんんだなあ・・・感慨。
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玉川温泉を後にして、暮れなずむ国道341号線を南下します。ブナの原生林を通り過ぎます。
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国道341号線に沿って「玉川」が続きます。大変綺麗な風景にて、何度も車を停めては河原に降りてしばし鑑賞。
玉川ダム 名所・史跡
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同じ秋田の奥入瀬とはシュチュエーションは異なりますが、秋田は水の風景が一様にキレイだなあ・・・と思います。
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341号線のお愉しみのひとつがこの「宝仙湖」。人口湖なのですがそのスケールはケタ外れ2億5千㎥の貯水量!色がコバルトブルーなのは上流の玉川温泉のアルミニウム粒子が青い波長の光だけを反射するという曰く付き!夏もいいが、新緑や紅葉の時期も絶景スポットとなる!
宝仙湖 自然・景勝地
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宝仙湖にある展望スポットからの景色。たっぷり時間をつかった一日だっただけに、もう夕暮れもほんのすぐ。紅葉・雪・新緑の時季もいいかな?とふと考え始めたのがここの風景にあってのことだったような・・・。
宝仙湖展望台 名所・史跡
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実はこのあと、秋の紅葉時季、新録には早い残雪のころにも玉川温泉を訪れた。秋田の山中なので、他の地域と1カ月ほど季節がおそいので、ちょうどいいといえばチョウドイイドライブコース。順次ご紹介しますね。
でも百聞は一見に如かず、特に、日本の温泉にご興味のある方、温泉通で玉川未体験の方には必見ですよ!
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