
2019/04/28 - 2019/04/28
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Pメテオラさん
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ここの世界遺産の名前は、ベルサイユの宮殿と「庭園」!。宮殿だけ見て、「時間ですよ」と帰るのは片手落ち。だから、ベルサイユに朝から夕方までいた。宮殿から出たあとは、庭園と噴水見物。そして、行きつ戻りつプチ・トリアノンやグラン・トリアノンに行った。
ベルサイユは、庭園も豪華で美しい。繊細でもあり、整然としている。トリアノンも含めて、よくぞここまで人工美を追求できたと思う。それと同時に、革命が起こったのも歴史の流れだと思った。
最近は、シャトーの部屋や庭園を利用したイベントがたくさんあるので、夜のショーや、王朝時代の再現パーティ体験なども、いつかできたらいいなと思う。
一番大切なことは、自分自身の五感で、フランス文化の頂点を感じること。2時間コースでも何か思うし、1日居ればそれだけ感じることも多くなる。
最高級のものを知ると、二流品や駄作が分かるという説に、ベルサイユ体験をすると、私も大いに賛成。月並みの一言になってしまった。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- グルメ
- 3.0
- ショッピング
- 3.5
- 同行者
- 家族旅行
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
1 庭園に行かないなんてもったいない
ベルサイユの庭園:Jardin (ジャルダン) は、フランス庭園の頂点に位置する傑作。世界遺産の名前も、「宮殿」と「庭園」である。時間が押している方々は、鏡の間と、マリー・アントワネットのベッドを見て帰ってしまうが、片手落ちみたいで、もったないと思う。
まず、宮殿(シャトー)の2階から、整然としたフランス庭園を遠目に鑑賞。次に、疲れた足を引きづって庭園に出た。今日は、噴水越しに宮殿を見たい。 -
2 世界遺産よりも、まずはランチだ
そうは言っても、朝からベルサイユべったりなのでお腹がすく。
まず、庭園を適当に突っ切り、木立の中にあるレストランへ行ってランチ。
2019年4月現在、ベルサイユの緑地内には3軒レストランがある。
私たちが行ったのは、ラトーナの噴水の左奥の木立の中にある「ドゥ・ラ・ジランドール:De la Girandole」。売店とテラス式のレストランがある。サンドウィッチ、パスタ、フランス風バーガーなどがあり、飲物と合わせて1人15から20ユーロくらい。何より、きちんと腰掛け、休息を兼ねたランチを取れるのがメリット。味は、こういう場所の平均値。 -
残りの2軒のレストランは、アポロンの噴水の先のグラン・カナル沿い。
宮殿(シャトー)に近い方にある「ラ・プティット・ブニーズ:La Petite Venise」 もレストラン兼売店。名前のとおりイタリア料理主体。皆さんの口コミは、可もなく不可もなく。 -
「ラ・フロッティーユ:La Flottille」は、ラ・プティット・ブニーズから宮殿に背を向けて徒歩3分くらいの場所にある。フランス料理のお店で、売店もある。やはり、可もなく不可もなく。
いくら至極のベルサイユ見物でも、食べられなければ文化も国家もヘチマもなし。
「パンよこせ」と、フランス革命時にベルサイユにデモ行進してきた、おかみさん軍団の気持ちはごもっとも。 -
3 ルイ14世もおすすめの噴水見物
腹具合も良くなったので、庭園と噴水を存分に楽しむ。
噴水のある日は、原則として4月から10月の土曜日と日曜日で、庭園は有料となる。ルイ14世も、自ら庭園と噴水を案内することがあったと伝えられている。細かい説明は、ベルサイユの公式サイトに、フランス語と英語で書いてある。
en.chateauversailles.fr
公式サイトや各種案内には、噴水「ショー」と書いてあるが、余程のことがない限り、単に噴水が出ているだけ。バックグラウンドミュージックは、かすかに聞こえる程度。日本の桜祭りで流すような大音響のご当地ソングとはセンスが違う。
また、噴水が出るのは、例外を除き、午前11時から12時と、午後3時30分から5時の間のみ。きちんと情報収集しないと噴水は見られない。
写真は、噴水の位置とモデルコースを示したパンフレット。噴水は全部で20カ所くらいある。ガイドブックやブログでは2カ所くらいしか紹介されていないが、森の木立のなかに、それなりに見事な噴水がいっぱい隠れている。みんな、時間が詰まっていることと、歩き疲れてくるので、木陰にある噴水まで回り道する力がなくなってくる。
ベルサイユは1日コースで来ることを是非、おすすめしたい。 -
4 こちらにもオランジュリ
ベルサイユの庭園に入って、南側の一段下がったところにある幾何学文様のフランス庭園は、「オランジュリ:Orangerie」という。曲線美を含んだ左右対称の緑が、ほんとにきれい。ルーブル美術館の近くにあるオランジュリと同じ発音で、本来は同じ用途。直訳は「オレンジ園」、意味は「王立暖地植物大温室庭園」くらい。
初夏から夏に来ると、冬場は建物内に避寒させるオレンジやヤシの木の大きな植木鉢が外に並べてある。 -
5 庭園と宮殿の組み合わせこそ究極のベルサイユ
庭園越しの宮殿風景こそ、ルイ14世の意図した究極のベルサイユ風景ではないかと思う。端正、優雅、堂々だ。
解説では、庭園は、名造園家アンドレ・ル・ノートル:Andre* Le-Notre の設計。正直言って、私は、その方のイメージは全然湧かない。他に、どこの庭園を造ったのだろうか。
「ベルサイユのモデルになった大貴族フーケのシャトー、ヴォール・ル・ヴィコント城の庭とか、フォンテーヌ・ブローの庭とか、いっぱいあるよ」
「ははあっ・・・」 -
6 手始めはシャトーの前から
てくてく庭園を歩いて行き、「水辺の花壇:Parterre d'Eau 」という名前の噴水を両脇に従えた宮殿を真正面から撮った写真。ここも噴水が出るが、うまく見学タイミングが合わなかった。 -
「水辺の花壇:Parterre d'Eau 」から噴水が上がっている様子。この時分は、宮殿の2階にいて、大勢の観光客をかき分け、かき分け進んでいる最中だった。
ベルサイユの噴水は、寝転がっている感じの彫刻から水が出ているパターンが多い。当時のサイフォン技術の限界だったのだろう。電気も真空ポンプもない時代に、地形の高低を利用し、水道管の太さを絞るだけの技術で、これらの大噴水を20カ所以上も作ったのだから、すごいもんだ。 -
7 広大な庭園のはるか彼方
これぞ、典型的なベルサイユの庭園風景。間近に「ラトーヌの噴水:Bassin de Latone:英語風ではラトナの噴水」、遠くに「アポロンの噴水:Bassin du Char d'Apollon」の二大噴水を見て、その先に「グラン・カナル:Grand Canal」という名前の十文字型の大きな池が目に入る。
水のある風景に癒されるし、左右のうっそうとした人工林の緑が目にしみた。
8割方のベルサイユ入場者は、この光景くらいまで見て退出。森の木陰で、男女の愛のささやきが、これから始まろうというのに、ちょっと残念!。 -
イチオシ
8 さあ、ラトーヌの噴水だ
午後の部の噴水が始まった。やや涼しい空気を突いて、庭園内最大級のラトーヌの噴水が勢いよく吹き出している。風下では、水しぶきがかかる。噴水越しの宮殿と、刈り込まれた樹木の幾何学的なラインが見事。
しぶきを浴び、大量の水がしたたり落ちる轟音を聞けるのは、ベルサイユに入った者のみの特権。悔いのないよう耳に刻んだ。 -
ギリシャ神話のラトーヌの物語は、ガイドブックなどにいっぱい書いてあるので省略。金ピカに修復されたカメやカエルなどの口から、水がぶふぁーっとほとばしっているさまは、ちょっとユーモラス。
ブログの中には、「ルイ14世が、『王権に反抗すると、こうなるぞ』という意図を込めて作った」と書いてあるのを見かけるが、ホントなの?研究家のブログにも、王権アピール説は論拠なし、と書いてある。真相はいかに。 -
噴水なしのラトーヌの泉と、背後に鎮座する宮殿の姿。いったん、噴水ありの場面を見てしまうと、何とも華のない光景だ。精巧に作られた噴水用の彫刻が、池の中に浮かんでいる状態でも、それなりに見られるのであるが、水が噴き出していることを前提にしているので、ちょっと、間延びした雰囲気になっていると思った。
-
9 木立に分け入り、いろいろな噴水を楽しむ
1) セレの噴水
木立に囲まれて、ぽっかり空いた空間にある噴水は、すがすがしい感じがする。写真は、「セレの噴水:Bassin de Ceres *」という名前で、やや大きめ。動きのない樹木と、水がほとばしり出ている噴水のコントラストが美しい。
ところで、噴水のある場所のフランス語名の多くは、”Bassin・・・”で、「水溜まり」の意味。和訳は”泉水(せんすい)”らしいが、これも変な日本語。普通に”噴水”でいいと思う。
(*eにはアクセント記号あり)
ちょっと先にあるように見えても、300メートルくらい離れている。ベルサイユは、とにかく広いので、しばしば距離感を間違えてしまう。 -
2)王太子の噴水
「王太子の森の広場:Bosquet du Dauphin」、にある小さな噴水。鯉(コイ)の口から水が吹き上がっている、ほのぼのとした雰囲気の空間。それぞれの彫刻に意味が込められているのだろうが、あまり気にしないで、のんびりと水の芸術を楽しんだ。
写真のように、庭園内の木立内は、現在、立入禁止だった。ベルサイユ貴族のようにナンパはできない。 -
3)コロンナードの噴水
庭園をさまようと、いろいろな噴水や彫刻がいっぱい。これは、「コロンナードの噴水:Bosquet de la Colonnade」。噴水が始まる前で、タイミング合わせに失敗。 -
4)フロールの噴水:Bassin de la Flore
これは、水が勢いよく吹き出すタイプ。森のちょっと奥にくると、鏡の回廊のイモ洗い状態の混雑がうそのような静寂。 -
フロールの噴水も、まさに芸術品。戯れている感じで微笑ましい。
ギリシャ神話の知識があると、噴水の選び方からルイ14世の好みなども想像できて、もっと面白いのかも知れない。 -
5)オベリスクの噴水:Bosquet de L'Obelisque
これも、太くて高々と上がる水しぶきをオベリスクに見立てた噴水。単発の水柱としては、私たちが見た中で、一番、大きかったように感じた。実は、宮殿の北にある規模の大きい「ネプチューンの噴水:Bassin de Neptune 」に行けなかったので、「ここがベルサイユで最大」、とか言えないのだ。 -
オベリスクの噴水からアポロンの噴水への並木道。芽吹きの黄緑が初々しい。
-
10 宮殿は、かなり遠くになりにけり
アポロンの噴水付近から宮殿方向。ゆるやかな坂道の途中にあるラトーヌの噴水が目に入り、その背後に宮殿が横たわっていて、計算された美がある。私たちは、写真に写っている庭園のメインストリートを歩けば5分強で来られる距離を、30分以上かけて道草を食いながらきた。 -
イチオシ
11 やっぱり、アポロンの噴水で締め
この噴水の逐語訳は、「アポロンの戦車の噴水:Bassin du Char d'Apollon」。通称「アポロンの噴水」。アポロンが、毎日、地平線から上がってくる場面を上手く作ってある。馬に乗って登場するアポロンの姿がりりしい。
この噴水は、ラトーヌの噴水と並ぶ豪華絢爛なデザイン。何だかんだと言っても、雌雄つけがたい二大有名噴水だ。高く、広く、優雅。寓話性はない。 -
アポロンの噴水も、風にあおられると、ユニークな形に広がる。風下に行くと、水しぶきが大いにかかる。真夏ならば気持ちよさそうだが、春先は、かなり冷たい。
-
水が、じゃばじゃば出ている。どれだけ、水と電気代使うやら。そして、夜のライトアップをみたら、幻想的な雰囲気だろうな。
後で物の本を見たら、さすがにルイ14世の時代でも、庭中の全部の噴水をいっぺんに出すことは技術的にできなかったそうだ。現在でも、1人につき7ユーロから9ユーロ徴収して2-3時間だけ水を出せるレベルだ。技術の差を考えたら、ルイ14世時代の噴水は、贅沢しすぎだったことは間違いない。 -
12 やっと着いたプチ・トリアノン:Petit Trianon
アポロンの噴水から、北の方へ歩いて離宮のトリアノンを目指した。10分くらい歩いてもトリアノンは、全然、見えてこない。プチトランや電動カートが行き来しているし、前後して歩いている人がいるので、道は正しいようだ。こういうとき、ベルサイユの広さを、いやというほど感じる。 -
やっとプチ・トリアノンの前に着いた。私も初めてなので、ベルばらマダムともども、わくわくで入場。しかし、マダムは、トリアノンが見えた途端に疲れも吹っ飛んだと見えて、すたすた先に行ってしまった。
歴史的経緯はガイドブックのとおりだが、イメージは断然、マリー・アントワネットに偏っている。そのため、例外を除き、マリー・アントワネットの日々を再現してあった。だから、ここは、ベルばらファンの聖地みたいなコメントが多いのだ。 -
13 マリー・アントワネットの聖地巡礼
まず、離宮の1階を見た。マリー・アントワネットの生活空間の直下あたりだ。大きな暖炉は、いわゆる集中暖房の火元。台所や衛兵の休息場所など裏方の空間も並んでいた。急ぎ過ぎて、本館向かって左の礼拝室の見学を忘れた。
「あ、しまった」 -
離宮の2階がマリー・アントワネットと子供たちの生活空間。白壁に金飾りの空間が中心であるが、全体に控えめで繊細な雰囲気だ。往時をしのばすように修復する作業は、かなり大変だっと聞いた。
まず、ベルサイユ風の階段を上がった。見学客は多からず、少なからず。 -
階段を上がった順路の先が、控えの間。壁には教科書レベルで有名なマリー・アントワネットの肖像画が掛けてあった。
「本人が住んでいたころは、なかったよねえ」
「うーーん、わからない」 -
2階南面の窓からみた、プチ・トリアノンのフランス式庭園。奥の建物は、離れとして使っていた東屋「フランス館:Pavillon Franc*ais」。雨模様もあって、遠目に見て終わり。
(*c の下にヒゲのついた文字) -
大広間的なサロン兼居間。大人数での食事会にも使ったそうだ。でっかい鏡が印象的。
-
14 エレガントな暮らしは素敵だけれど
小人数でくつろぐときの居間。音楽を奏でたり、ゲームに興じたりと、自分たちだけの優雅な時間を過ごしたことが伝わってくる。 -
お食事の間。鏡で、窓を隠せたり、食事を乗せたトレーを下の階からエレベーターのように持ち上げたりする装置があったりと、工夫に余念がない。各部屋は、人数や用途に応じて柔軟に使っていたとのこと。
ベルばら、ではマリー・アントワネットがフェルゼン伯爵と密かに食事をした場面もあるやに聞いているが、どんな感じの描写なのだろう。マダムのコメントはなしだった。 -
マリー・アントワネットの寝室。2階の西北の端にある。まさに、うら若き乙女の寝室ムード。うっとりする気持ちになる、ベルばらファンが舞い上がるのもうなづける。
窓辺から「愛の殿堂」が庭の向こうに見えているはず。マダムは、先を急ぎたいとのこと。 -
まあまあ、となだめて順路を歩くと、トイレの部屋があった。けれども、マリー・アントワネットより後の時代のレプリカだ。この隣の部屋が、浴室。小さめの浴槽が置いてあり、壁の向こうから、女官たちが壁に設置した管伝いに、お湯を注ぎこむ仕組みだ。
こういう場面だけ見学していると、マリー・アントワネットの日々は、派手というようりエレガントな雰囲気だったことが分かる。そして、それ以上言っても、今ではどうすることもできないのも事実。お気楽すぎたようだ。 -
15 ロマンチックムードの愛の殿堂:Temple d'Amour
離宮から庭へ回った途端、野原のようなイギリス庭園の向こうに「愛の殿堂」が見えた。
「あそこが、フェルゼン伯爵との密会の場所ね」
「けっこう、人目につくじゃん。大丈夫なの?」
夕暮れから闇夜だと、多分、大丈夫なのだと、私は思った。 -
愛の殿堂付近から振り返って、プチ・トリアノンの離宮を見た光景。それにしても、ここも広い庭。雨に濡れた草の緑が、目にしみる。
-
愛の殿堂のドームの下。天使の像が置いてある。こういうのに寄っかかって、はじめは、長い長い抱擁なんて、実にいいムード。
-
イチオシ
16 クライマックスは、アモー:Hameau
熱いキスのあと、木立のなかを5分ほど歩いていくと、視界に入ってくるのが「アモー」。日本語で「王妃の村里」、英語でハムレット!
「あのシェークスピアのハムレットって、イナカ王子っていう意味だったんだ」
「もう少し、ロマンチックな訳ないの?」
アモーは、大きめの人工池の周囲に10軒ほどの建物がある人工の農村。
近年の修復のおかげで、非の打ちどころのない典雅で目に優しい田園風景が展開している。写真は、その中心となっている、通称、「王妃の家: La Maison de La Reine」。
アモー全体の総工費、現在換算で約200億円。1787年竣工。年間維持費30億円?農作業や庭園管理目的での常勤職員100名内外?王妃マリー・アントワネットは、公務そっちのけで、ここに引き籠り、面会するのは気の合う友人のみ・・・。歴史の波にもまれて運が悪かったとはいえ、革命が起こって血祭に挙げられたのも、私としては納得できる。
1789年10月5日の、マリー・アントワネットのプチ・トリアノン生活最後の瞬間まで、彼女は栄耀栄華のままに日々を過ごせたのだから、いいんじゃないの? -
「王妃の家」は修復作業を終えたので、2018年5月より、宮殿当局主催のガイド付きツアーに限り内部公開が始まったとサイトに書いてある。1日1回90分の、マリー・アントワネットを回想するコースで追加料金は、大人1人10ユーロ。オンラインで予約する。写真で見ると、内部は、贅の限りを尽くしたインテリア。
これ以上ないくらい浮世離れした農家風の豪邸見学をできず、少し残念無念。 -
池の反対側から見たアモー。左の塔は「マルボローの塔:Tour de Malborough 」という名前。釣りができるように池に張り出している。
人工美に、ただただ感嘆。私も、こういうタイプの暮らし好き。 -
池から少し離れた場所には、アモー内の農作業用の家がある。小ブドウ園もあるし、草地では、牛馬をはじめ、山羊、にわとりなどが放し飼い。よく手入れされた心休まる農村風景に、ほっと一息。そして、歴史の変遷に、ため息。
-
17 ベルベデーレでも密会
アモーから、来たときとは別の道をたどると、池のほとりの丘に建つ「ベルベデーレ:Belve*de*re」があった。左の岩山も人工物で、ふもとに小さな洞穴がある。解説では、ここも男女の密会場所。いろいろ手を変え品を変えてデートができていいな。フランスは、やっぱり男女のことにかけてはセンスいい!
*アクセント記号あり -
ベルベデーレの東屋の中。内部の立入はできない。壁も床もエレガントで情緒的。プチ・トリアノンは本当に女主人ための離宮だ。
プチ・トリアノンは、離宮の建物こそせまいが、庭が広大なので見学には1時間半以上かかる。音楽と芝居が大好きだったマリー・アントワネットが芝居趣味を楽しんだ小劇場も寄り忘れ。
「あわてる観光客は、取りこぼしも少なからず」 -
18 グラン・トリアノンは、ゴーンさまで知名度アップ
ひと呼吸おいて、グラン・トリアノン:Grand Trianon を見学。
フランス政府の現役の接待館でもあり、一般への貸し出しもする。2016年にカルロス・ゴーン氏が結婚式を挙げたのも、ここ。シャトーのほうで、その前にお誕生日会もしているから、ゴーン氏はベルサイユ好きなのだ。
グラン・トリアノンは、ピンク色の大理石がアピールポイントの美しい離宮。
外観もインテリアもフランス風なので、ナポレオンの2代目王妃マリー・ルイーズや、1830年の7月革命を機に王位に就いたルイ・フィリップも愛した住処。 -
グラン・トリアノンのインテリアには大人の優雅さがあり、生き生きとしている。一般見学用の部屋でも、つい最近まで使っていたからだと思う。
順路の最初が、グラン・トリアノンの「鏡の間」。以下、19世紀になってナポレオンや王家の人々が住んだ部屋が続く。細かい内容は、ガイドブックやブログで知識を吸収するのが便利。 -
部屋ごとに、代表的な人物が住んでいたころのインテリアを再現しているようで、色合いが不統一。革命以降のフランス帝政期の皇帝や他の王たちの趣向を知るためには好都合かも。
-
19 ピンクの大理石と白黒タイルの芸術
グラン・トリアノンの左右の棟の間は、吹き曝しの列柱の廊下になっている。
柔らかなピンク色の大理石の柱と白黒のタイルが、女性的な美を醸し出している。当日は、北ウイングは臨時閉鎖。夜に貸切パーティがあるのかも知れないし、職員の出勤率が予想外に悪く、人出不足で一部閉鎖かも知れない。 -
昔の写真で、豪華パーティ会場の雰囲気をチェック。北ウィングの庭園に伸びている大広間「コテルの間(回廊):Galerie Cotelle 」の内部だ。1920年6月に連合国とハンガリー間の講和を取り決めたトリアノン条約の調印場所であり、たぶん、カルロス・ゴーン氏の結婚披露宴の会食場所。
フランス文化の香りがたっぷり匂う空間だ。 -
グラン・トリアノンの北ウィング全景。左がコテルの間。春の昼下がりの陽ざしに照らされたピンクの大理石の離宮は、とても美しかった。
-
両翼の間から庭園に出る階段にしばし腰掛けて足休め。
整然と区切られたフランス式庭園もきれい。そして、空がとても広かった。
昼過ぎにシャトー(宮殿)を出て、庭園、噴水、プチ・トリアノン、グラン・トリアノンとめぐってきたベルサイユ見物も終わり。足もパンパン。真夏だったら喉もカラカラだろう。 -
20 西に傾く陽ざしを浴びて
私たちは、無言で長い長い庭園の散歩道を歩いてシャトー前に戻ってきた。時刻は午後7時。西に傾きかけた光を浴びたベルサイユ宮殿は、まばゆいばかり。最後にきれいな姿を、もう1回に目にできて良かった。
とにかく、ベルサイユを自分の眼で見て、大きさを実感し、フランス王政時代の文化と歴史を感じ、何かを思うことが大事。お土産を忘れずに買うことも大事。
了
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この旅行記へのコメント (2)
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- pippo77さん 2019/09/01 09:30:00
- 当方の旅行記に投票ありがとう御座います
- こんにちは。
当方の旅行記に投票くださりありがとう御座いました。
ベルサイユ宮殿は15年くらい前に訪れたのですが、Pメテオラさんの旅行記を読み、当時感じた「途方もない大きさ」が蘇ってきました。
それとプチトリアノンに電動の汽車のようなもので行ったのですが、運転手のおじいさんに「ハウマッチ?」と何度聞いても、フランス語しか返ってこなくて困惑したことも。
今、先日行ったイギリス旅行をエリアごとにアップしているのですが、投票してくださった方でPメテオラさんのような方は数名しかいません。
それ以外の方は、旅行記の「いいね」が300とか400とか500とか凄い数字の方ばかり。
当方、つたない旅行記ながら2度ほどトップページの「おすすめ旅行記」で紹介された事がありますが、それでも100いきません。
例えば今日現在、トップページで紹介されている旅行記5つも、50くらいがせいぜいです。
ですので、300とか400という数字は旅行記の内容うんぬんではなく、単に「いいね」のお返しを見込んでの投票と思われます。つまり「投票したんだから、投票してくれるよね?」といった感じ。
以前からそういった傾向はありました。
しかし最近増々その傾向がより強くなり、いただいた「いいね」の8~9割は上記のような感じです。
読んでもいないのに投票されても・・・
Pメテオラさんのようなクオリティの高い旅行記をUPする方が、ちゃんと読んでくださった結果「いいね」を投票してくださった事がうれしく、グダグダ駄文を書いてしまいました。
これからもクオリティの高い旅行記を期待しています。
では、失礼します。
- Pメテオラさん からの返信 2019/09/01 16:57:26
- Re: 当方の旅行記に投票ありがとう御座います
- pippo77さま
このたびは思慮深いコメントありがとうございました。人間いろいろですから、こういう場は、いいね、拍手、ポチッ、を楽しむ方もいれば、写真の嵐が好きな方もいれば、文章づくりが好きな方もいます、でいいのではと私は感じています。楽しかったひととき、他人に是非、伝えたいひとときがお互いありますように。そして、8月のエディンバラが、短い夏を存分に楽しみ、それを旅人と共有しようと情熱的であることが、行間からよく伝わってきました。よき旅を。
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