2006/08/07 - 2006/08/08
127位(同エリア448件中)
ひらしまさん
南仏プロヴァンス。さんさんと降りそそぐ陽光と豊かな緑、自然に包まれた生活。そんなイメージに惹かれて夏のアヴィニョンを訪ねた。
なのに、プロヴァンスらしい宿をと思って選んだLe Prieureは、アヴィニョン中心部から直線でほんの1kmだけれど、ローヌ川をはさんだそこは実はもうプロヴァンスではなくラングドックだった。
ローマ時代の水道橋ポンデュガールも、旅行案内本ではプロヴァンスとして扱われていたが、やはりラングドック。プロヴァンスといった方が受けがいいからかな。
いやいや、地名なんてプロヴァンスだろうがラングドックだろうがなんでもいい。1泊だけの駆け足旅だけど、あそこで私たちが出会ったのは、たしかに明るい陽光とあふれる緑、そして繊細で豊かなワインと料理だった。
〈2006年夏のフランス旅行記を、2019年に少し整理して載せます。フィルムカメラの時代で写真が少なく同行者が写っている写真ばかりですが、そんなに悪いこともしていないので顔は塗りつぶしていません〉
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パリ・リヨン駅には早めに着いたので、私たちの乗る10:20発のTGV6009番はまだ出発ホームが表示されていなかった。目を転じれば、優雅に曲線を描く階段の上に銃を持った兵士という不似合いな光景に、あまり違和感を覚えないのはあのベレー帽のせいか、などとのんびり眺めていた。
ところが、出発ホームの電光表示すべてが突然消えてしまった。発車5分前になってようやく点灯したものの、私たちの6009番マルセイユ行きが表示されていない!!
しかし、フラツー掲示板にあった6009番は6257番と連結しているという情報を思い出し、6257番がとまるホームをずんずん進むと案の定、奥に6009番がいて、発車ぎりぎりで間に合った。危ないところだった。
座席は2階建ての2階席にしたので荷物の上げ下ろしは重かったが、景色がよく見えていい。荷物置き場においたスーツケースは用意のチェーンで固定して安心。
3時間も経たずにアヴィニョンに到着した。速い。 -
アヴィニョンTGV駅の玄関を出ると、太陽の光が強い。空の色も北フランスとは違う。
町の中心部でタクシーに待ってもらってさっと観光してからホテルへ行くつもりだったが、それは運転手に断られて仕方なくホテルに荷物を置いてから、ロルロージュ広場で降ろしてもらう。
ここもメリーゴーラウンドがあり、楽しそうな広場だ。この旅では三つの町でメリーゴーラウンドに出会った。フランスでは町の中心にはメリーゴーラウンドなのか。 -
今日はせっかくの四つ星ホテルでゆっくり過ごしたいと思い、教皇庁はその城のような外観を眺めただけで通り過ぎて、サンベネゼ橋へ向かう。
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妻と「アヴィニョンの橋の上で」を口ずさみながら橋の上へ。
サンベネゼ橋は12世紀にかけられたものの、13世紀には戦乱で破壊され、その後も修復と崩壊が繰り返され、現在はアヴィニョン側のアーチ4連分だけが残っている。 -
青い空、ローヌ川のきれいな水の流れ、気持ちがいい。
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階下にあの歌について展示した部屋があって行ってみると、スタッフに日本ではこの歌は知られているかなどと質問された。当地では女性歌手の歌でヒットしたらしい。
街の土産物屋でポプリなどを買ったあと、ホテルで教わったバス停に向かうが、バス停は見つからない。強い日射しの下で探し回り疲れた頃、運よくタクシーが通りかかりようやくホテルに戻った。 -
Le Prieureはフラツーで評判がよかったホテル。アヴィニョンTGV駅から遠くなく、プロヴァンス気分を味わえる宿という条件で選んだ。ジュニアスイート250ユーロ。
アヴィニョンとローヌ川をはさんで向かい合うここは、ヴィルヌーヴ=レザヴィニョンという町。かつては、教皇領のアヴィニョンに対し、ヴィルヌーヴ=レザヴィニョンはフランス領で、ローヌ川が国境だった。
サンベネゼ橋が破壊されたのも、フランスと教皇との戦によるものだったという。町には今もアヴィニョンをにらむ要塞が残っている。 -
緑したたる庭に面した2階の部屋。
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バルコニーのいすにもたれて、木の葉と風の戯れをぼけっと眺めている幸せ。
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ディナーの時間になった。食堂は私たちの部屋の真下にあり、窓側中央のテーブルに通してくれた。
60ユーロのムニュとおすすめのワインのハーフボトルを頼む。プロヴァンス産の赤は香りがよい。窓の外の庭に夕闇が濃くなっていく様を楽しみながら料理を味わう。
前菜はオマール海老のリゾット、主菜は妻が魚のソテー、私はラム。どれも繊細で美しい。デザートは、アイスクリームと色とりどりのベリーが白い大きな皿に星のように散らされ、その美しさに妻は感激していた。やはり全部は食べきれなかったが、大満足のディナーだった。 -
第7日
この日は妻の体調が今ひとつ。ゆっくり起きて遅い朝食をとる。 -
当初はこの日ポンデュガールとオランジュを回ろうと考えていたが、宿で聞いた車の料金がかなり高かったのでポンデュガールだけに絞り、午前中はホテルでゆっくりすることにしていた。
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庭を散策し、バルコニーでくつろぐ。
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12時に迎えの車が来る。2時間でも100ユーロするだけあって高級そうなベンツ。
ポンデュガールは何もない山の中にあるのを想像していたら、町からそう遠くなくキャンプ場や別荘地も近い。
車を降りて歩き出し、前方に橋が見えてきた時はそれほどとも思わなかったが、近づくとなかなか高く迫力がある。水面からの高さは49m、集合住宅なら16階建ての高さになる。 -
三層になっている橋のうち、最下層を通ることができる。観光客でにぎやかだ。
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2千年前の建造物を踏みしめ、手で触り、満喫する。
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下を見ればガルドン川には水浴びと日光浴の人たちがいっぱい。
古代遺跡を見ながらの川遊びは楽しそう。フランスの人はほんとに日光浴が大好きだ。 -
アヴィニョンTGV駅にベンツが着く。待合室は大きな船を伏せた中にいるような斬新なデザインだ。
いよいよ旅も終盤、地中海に向けてTGVに乗り込む。
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